石原裕次郎と北原三枝と言うお馴染みのコンビで贈るアクション映画…と言うより、粋なヤクザを描いたピカレスクロマンに近いかも。
若き裕次郎もまだ肥満しておらず格好が良いし、ストーリー展開も巧みで、ぐいぐい引き込まれて行く魅力に満ちている。
白黒映像も、全体的に外国映画でも観ているような洒落た雰囲気に包まれている。
明るく軽いノリの弟分を演じているファンファン(岡田真澄)や、その恋人ミッチン役を演じている新人清水まり子の薄幸さ、いつもポップコーン(?)を食べている人の良さそうな野呂刑事役の大坂志郎、ひたすら二郎に一途な踊子マミー役の中原早苗、世話好きなママ役の轟夕起子など、脇役陣の個性も輝いている。
不幸な生い立ちを持つヤクザと大学出のお嬢様の許されぬ愛が哀しいラストを予感させるが、物悲しさだけを巧く抽出し、決してお涙頂戴のドロくさい結末になっていない所が見事。
これは名作と言うしかない。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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1958年、日活、池田一朗脚本、舛田利雄脚本+監督作品。 神戸港… 「レストラン杉田」の旗が付いたの小舟で港に着いた杉田(弘松三郎)は、待っていたチンピラから、双見の兄貴が呼んでいると言われ、波止場の車の所で待つ松田組の双見(黒田剛)に近づいた時、横にあったクレーンの巨大な先端が突然動き出し死亡する。 それを双見と一緒に観ていた富永二郎(石原裕次郎)は、汚ねえ殺しさな…、もっと粋にやれねえのかよとバカにする。 双見は何だと!と怒りながらも、去って行く二郎の背中に、確かにあんたは粋さと皮肉を言う。 タイトル ドヤである船員ホテルに戻って来た二郎は、足下に転がって来たボールを拾い上げ、それに駆け寄って来た子供に渡そうとするが、その子供を危うく轢きそうになったタクシーの運転手が車を急停車させ怒鳴ったので、その運転手の両頬をビンタする。 それを船員ホテルの玄関口で観ていた弟分のチコ(岡田眞澄)がうれしそうに近づいて来て運転手を外に引きずり出すと調子に乗って殴り出したので、二郎は止める。 船員ホテルの入口には、トランジスタラジオで野球を聞いていたホテルのママ(轟夕起子)と刑事の野呂(大坂志郎)が一緒にいた。 二郎と共に戻って来たチコは、外国人みたいな顔をしているくせに、成田山のお守りをおふくろからもらったと言い、いつも首からぶら下げているおかしな男だった。 その時、救急車が通り過ぎて行き、野呂刑事が杉田屋が死んだんやと二郎に教える。 かねてから二郎を更生させようと付けねらっていた野呂刑事は、以前から、二郎が代理人を使って人殺しをさせることを薄々知っており、今回の杉田屋事件も二郎の関与を疑っていたが、どうせ証拠は残っていないと直感し、これから東京の刑事を見送りに行くために大阪駅に行くという。 二郎とチコも面白がり、その東京の刑事を見送りに大阪駅に同行する。 その頃、地元署では、杉田屋死亡事故の参考人として、寝不足で操作ミスをしたと繰り返すクレーンの操縦士を尋問していたが、刑事がいくら、なんぼで請け負うたんや?松山組やろ?とかまをかけても、口を開かなかった。 そんな刑事部屋にやって来たのは地元の港新報という新聞記者パクこと白石(柳沢真一)で、今夜、松山組が御開張らしいと情報を教える。 外国人たちも参加した賭場にいた二郎は、やたらと女にモテていた。 そんな賭場の外の見張りをやっていた双見に手入れの情報を教え、金をせびっていたたのは、やはり白石だった。 双見から手入れと聞いた松山組の松山(二本柳寛)、田辺(山田禅二)らは驚くが、二郎は、こういうときのための居候だと言い、落ち着かせる。 屋敷に近づいた警官隊たちは、屋敷の中から突如銃声のような音が響いたので緊張する。 しかし、それは、松山組や客たちを逃がした後残っていた二郎とチコが、花火を鳴らしていただけだった。 その後、二郎とチコは、松山組がやっているキャバレー「ブルーハーバー」にやって来て、そこに客として来ていた白石に、警察とうちに同じ情報を売っているな?お前のような奴は二股こう薬と言うんだと嫌味を言いながら同席すると、女と共に酒を飲み始めるが、そのテーブルにやって来た踊子のマミー(中原早苗)は、いきなりバーテンが運んでいたビールを取ると、それを女の頭に浴びせかける。 タア坊を連れて帰りかけた二郎は、チコが学生(野呂圭介)から絡まれていたので、持っていた爆竹に火をつけ、テーブルに投げて学生たちの度肝を抜く。 マミーのアパートのベランダから港を眺めていた二郎は、今とは全然違う生活がしたいと漏らし、今夜の港まつりに行くんじゃないの?と甘えて来たマミーを振り払うと、俺は祭りもギャアギャア言う女も好きじゃないと言い残し、上半身裸のままスーツを肩にかけて帰って行く。 道ばたで一人ハーモニカを吹いていた少年が、以前ボールを拾ってやった子だと気づいた二郎は声をかける。 このハーモ二カは父ちゃんから買ってもらったものだが、その父ちゃんは死んでしまったという。 二郎はそのハーモニカを借りると、「青い目の人形」を吹いてみせる。 その時、やっちゃん!と子供を呼びかける女性がいた。 その美しい姿を観た二郎は目を奪われてしまう。 その女性は、男の子を連れて「レストラン杉田屋」の旗が付いた小舟に乗り込んだので、すぐに杉田屋の関係者と分かるが、二郎はいきなりその船に乗り込み、勝手に船を出航させる。 外国汽船に横付けした小舟から乗り込んだ二郎は、甲板から様子を観ていたとっつぁん(深見泰三)から、何をしても良いが、あの子にだけ果てを出しなや。兄が死んだんで東京の女子大を辞め、帰って来て働いている妹やと教えられる。 再び、ポンポン船で港に戻ることにした二郎は、東京の新宿の話などをする杉田の妹、圭子(北原三枝)とうれしそうに話が弾んでいたが、一緒に乗っていたやっちゃんこと安雄(藤田安男)はつまらなそうだった。 ただ、圭子は、二郎が一瞬「殺された兄さん」と言った言葉を聞き逃さなかった。 二郎は、機械に殺されたということだとごまかしたが、圭子はそれ忘れることはなかった。 港には、杉田の妻で安雄の母親の房子(新井麗子)と野呂刑事が待っていた。 杉田親子や圭子、野呂刑事と一緒にレストラン「杉田屋」へ付いてきた二郎は、水だけ注文した後、「南京町にいるよ」と圭子に告げ帰って行くが、圭子は野呂刑事に「さっき二郎さんが変なことを言っていた。兄が殺されたって」と聞く。 それを聞いた野呂刑事は一瞬顔色を変え、あいつは左撃ちの二郎と言って、拳銃を持ち歩いており、いつもヤバいことは代理人にやらせているような男だが、女子供には優しいと教える。 その夜、客人に部屋を取られてしまって寝る所がないとぼやくチコを連れ、港祭りにやって来た二郎だが、張り込んでいたのか、野呂刑事もやって来て合流すると、あの子は来ないと二郎に告げるが、二郎は、通りの向うで立っている佳子を見つける。 ちょうど、龍踊りが通りかかったので、その中に飛び込んで野呂刑事をまくと、圭子に会う。 そんな様子を観ていたのが、白石と一緒にまつりに来ていたマミーで、怒ったマミーは二郎たちの後を追う。 祭りを避け、人通りの少ない道を圭子と歩いていた二郎は、圭子から再び、兄が殺されたことを聞かれるが、突然背後から通り過ぎて行った車から発砲され、思わず左手で銃を撃ち返す。 圭子は驚き、急いで二郎が怪我をした右手の手当をするが、そこに車で駆けつけたマミーが近づいて来て、祭りには行かんと言うてたくせに…と圭子を睨みつける。 圭子はその場を立ち去り、マミーは、うち、あんたを放さへんで!と二郎にしがみつくのだった。 翌日「ブルーハーバー」にやって来たミッチンこと美津子(清水まり子)は、チコの部屋に入るが、そこには見知らぬ男がいた。 その男土田(土方弘)は銃を持っており、いきなり壁に貼った二郎の写真を撃ち抜いてみせる。
「杉田屋」には白石が来ており、開店準備中だった圭子にあれこれ話しかけていたが、そこにやって来たマミーが、ハイボールをくれなどと言い出す。 アルコールは夜にしか出してませんと断ると、じゃあ、紅茶にブランデー落としてなどと言うので、まだ準備中ですと圭子が断ると、東京から来て男を連れ出しているくせに、兄さんが薬の運び屋をしていることも知らへんの?と突然嫌みを言い出す。 それを聞いていた白石は慌てて止めようとするが、マミーは、そのことはこの白石も野呂刑事も知っていることだと嬉しそうに言う。 いたたまれなくなった白石は、1時頃と圭子に告げ帰ってしまう。 その後、船員ホテルにいた二郎に会いに行った白石は、1時に「プランタン」で圭子が待っていると伝える。 二郎が出かけると、側で話を聞いていたママは、マミーちゃんを自分のものにしようと思うてるやろ?と白石を睨みつける。 喫茶店「プランタン」にやって来た白石を観た土田は、思わず懐の中に手を伸ばすが、嬉しそうに二郎が近づいたのは、偶然土田の後ろの席に座っていた圭子だったので、思わず早とちりに気づき苦笑いする。 店を出た二郎と圭子が車で出かけると、土田も車で尾行し始めるが、それに気づいたのは近くでチコを待ち合わせしていたミッチンだった。 ミッチンは、やって来たチコに、今の男があんたの部屋にいて、音のしない銃で二郎さんの写真を撃っていたと教える。 しかし、うかつなことは兄貴に知らせられないとチコは何かを考えているようだった。 土田の尾行に途中で気づいた二郎は、山肌の陰に入った所で車を停めて様子を見る。 近づいて来た土田も車を停めると、タバコの火を貸してくれと二郎に声をかける。 二郎は黙ってライターを差し出すが、2人とも、懐の中の銃を密かに握りしめていた。 土田は礼を言うと、そのままUターンして帰って行く。 神戸の町を見下ろせる見晴らしの良い場所に来た圭子は、兄のことを色々調べた結果、父が亡くなった後、借金をして兄はあの店を始めたが、その内資金繰りに困るようになり、麻薬の運び屋になってしまった。そこから抜けようとして殺されたようだが、私は、そうした事情があるにしても、兄を殺した人が憎いと二郎に告げる。 二郎の方は、俺は生まれたときから浮浪児で親はいない。覚えているのは感化院の先生の顔くらいだと過去を語り始めたので、聞いていた圭子は不幸な人ね…と同情する。 しかし、二郎はそんなお嬢さんの同情を嫌ったようで、不幸?くそくらえだ!と吐き捨てる。 そんなある日、松山の会社「松山興行」に東京から1人の男が訪ねて来る。 二郎を松山に預けた藤田組の代貸し勝又(二谷英明)だった。 松山に挨拶していた勝俣に電話が入る。 相手は土田で、しくじったとの報告だった。 その電話の最中、部屋にやって来たミッチンは、港祭りに行かない?と土田を誘う。 電話を終えた土田は、俺は祭りが好きだ。爆竹って大きな音がするから…と言いながら、ベッドの方を見やる。 その後、ミッチンと共に祭りにやって来た土田は、呼び出した相手が路地の奥にいるということを知ると、妙な所に呼び出したもんだ。お前は良い女だよ。一回だけじゃもったいないとミッチンに言い残し、路地の暗がりの奥へ消えて行く。 奥に待っていたのはチコだった。 土田はチコに、向こうにお前のスケが待っているぞと教える。 チコは銃を抜こうと身構えるが、土田は落ち着いて、爆竹が鳴るのを待て。こんな所にサツが来るのはまずいだろうと言う。 やがて、爆竹の音が響き、両者は同時に銃を抜いて撃ち合う。 チコも土田もにやりと笑うが、路地の暗がりから、待っていたミッチンの元に帰って来たのは土田の方だった。 翌日、快晴の空の下、船員ホテルの屋上で歌っていた二郎の元にやって来た野呂刑事は、チコが殺されたことを知らせる。 相手は大した腕でまっぷたつだと言いながら、チコがいつも胸にぶら下げていたお守りを二郎に手渡しながら、お前のことだ、放っておかんやろな?やるんやろな?今度やったら現行犯で俺が縛るぜと野呂刑事は警告する。 刑事たちが「ブルーハーバー」にやって来て、チコ殺しの捜査をしているのを別室で覗いていた勝俣は、同じ部屋に来ていた土田に、お前のドジだぞと睨みつける。 刑事が帰り部屋に戻って来た支配人の田辺は、二郎も哀れだ。兄貴に狙われるとは…と苦笑し、勝俣が捕まえた女の話をしていると、囮に使うんですね?と聞く。 二郎はマミーの家に電話をすると、チコが殺され、ミッチンもいなくなった。何とか探してくれと依頼する。 その後、野呂刑事やママもいた船員ホテルの二郎の部屋に来たマミーは、ミッチンは港の扇丸で東京から来た妙な男と遊んでいたと店の田辺から聞いたと教える。 ご褒美と言うマミーに対し、二郎は自分の唇に振れた指先をマミーの額に付けただけだった。 下にいるママや野呂刑事に気づかれないように、裏側の窓から外に抜け出た二郎は、船にミッチンが閉じ込められていた小舟「扇丸」に向かう。 二郎の投げた爆竹の音に一瞬驚いた土田は、船の外に姿を現す。 一方、船員ホテルの入口で張っていた野呂も、港の方角から聞こえて来た爆竹の音に気づくと、しまった!と叫ぶ。 対峙した2人は同時に発砲するが、土田は右手を撃たれ銃を落とす。 そこに船倉から出てきたミッチンは、こいつがチコを殺したんや、私が殺す!私までむちゃくちゃにして!と言いながら、土田が落とした銃を拾い上げると、二郎の目の前で発砲し、土田を射殺する。 二郎は逃げろと言うが、ミッチンは自分がやったんや、好きな人の仇を討ったんや、邪魔せんといて!と言い張る。 二郎は、お前は正当防衛だ。それだけは忘れるなと言い残し、チコのお札をミッチンに渡すと自分はその場を逃げ出す。 その直後、野呂たち警官隊が到着し、ミッチンを保護する。 その後、「杉田屋」にやって来た野呂刑事は、圭子さん、こいつはたった今、ここに走り込んで来たでしょう?と聞くが、圭子は30分前からいたと答える。 野呂刑事は、それなのに水1杯も頼まんとは…と皮肉でし、カウンターに座っていた二郎に、さっきミッチンが男を撃ったと言っているが、その前に、お前の真似をして相手の右手を殺した奴がいると話しかける。 さらに、兄貴がブルーハーバーに来ており、殺された土田という男は、田辺の所に来てゴロゴロしていた。お前の目は馬車馬のようなもので、狭いヤクザの世界しか観てない。俺はお前が可愛いから教えとるんやで…と言い残し帰って行く。 二郎は圭子の肩に手を置き礼を言おうとするが、触らないで!私、ピストル撃って警察から逃げるような人は嫌!嘘をついてかばわなければいけないなんて嫌!と圭子は拒絶する。 だから言ったじゃないか。俺は生まれつきのヤクザさ。俺がこうして生きて来られたのもハジキのお陰さ。そう邪険にはできねえよと言い残して、二郎も店を去って行く。 ステージでマミーが踊っている時、二郎が「ブルーハーバー」にやって来て、松山や田辺らと飲んでいた勝俣の側に来る。 何故知らせてくれなかったんだ?と聞くと、勝俣さんも代貸しだから色々お忙しいんだと松山が横から弁護する。 二郎は田辺に向かうと、土田には眠ってもらいましたと報告するが、そんな奴は知らんねとぼけた田辺だったが、店に刑事がやって来たのでその相手をするため席を立つ。 二郎が帰ったあと、マミーは勝俣の席に呼ばれるが、刑事の相手をし終わった田辺が戻って来てマミーを追い払って、松山や勝俣と何やら小声で密談を始める。 側でそれを聞いていたマミーは、「奴はハジキを持っていない」と言う言葉を耳にしたので、その直後、自ら勝俣に抱きつき甘える。 店の中には野呂刑事もひっそり張って様子をうかがっていた。 一人で帰路についていた二郎は、後ろから走って来た車に轢かれそうになる。 車には、双見が乗っていたので、やっぱりそうか!と、自分を狙っている相手の正体に気づいた二郎は、壁を乗り越えて逃走する。 一方、マミーは勝又の泊まっている「神戸国際ホテル」に付いて来ていた。 その2人を尾行して来た野呂刑事は、クラーク係に2人が泊まっているのは11号室だと聞くと、ロビーで待機することにする。 勝俣の部屋で2人きりになったマミーは、ミッチンは、二郎の銃で撃ったと言ったそうだけど、と言うことは、二郎は銃を持っていないと勝俣に迫る。 それを聞いていた勝俣は、お前は男に尽くすタイプだ。後家にするには惜しいと言いながら抱こうとする。 その時、部屋に潜んでいた二郎が入って来る。 勝俣は銃を取り出し、二郎は噂通り丸腰だった。 何故俺を消そうとするんだ?と聞く次郎に、親分が4、5日前に脳軟化症で倒れた。気が弱くなった親分は一番可愛がって来たお前を呼べと言っている。俺がそんなことをさせると思うか?と勝俣は答える。 17、8の頃から兄弟同様仲良くやって来たじゃないかと驚く二郎に、俺の方ではお前は目障りだったんだと勝俣は睨みつける。 次の瞬間、二郎は隠し持っていたナイフを投げ、勝俣の右手を殺す。 2人は殴り合うが、二郎はお前のような男を兄貴と慕っていた自分がバカだったと嘆く。 落ちた銃を拾い上げた勝俣が銃を発砲し、その音を下で聞きつけた野呂が慌てて部屋に乗り込んで来る。 しかし、勝俣はくびり殺されたのか既に死んでいた。 二郎を前にした野呂刑事は、とうとうやってしもうたな二郎さん。さあ行こう…と言いながらその手に手錠をかける。 しかし、そんな様子を横で観ていたマミーが突然、床に落ちていた銃を拾い上げると野呂刑事に突きつける。 廊下では、ホテルの関係者が部屋の中の様子を心配げにうかがっていたが、その時、何事もなかったように二郎とマミーが出て来ると、刑事さんは今現場検証中だから中に入らないようにと言い残して去って行く。 ホテルマンたちは、おかしいと感じ、そっとドアを開けてみると、野呂刑事がイスに縛り付けられていた。 ラジオから、レッドの二郎こと富永二郎が逃亡中だというニュースが流れて来た。 一方、野呂刑事は、捕まえたマミーを尋問していたが、マミーが二郎に置き去られたことを嘆き泣来出したので部屋の外に出る。 そして、汗っかきの刑事に、へたくそな芝居だ。あの女はしばらく泳がそうと耳打ちする。 その後、釈放されたマミーは、汗っかきの刑事が尾行して来たのに始めから気づいており、途中で一緒にアベックで歩きましょうと皮肉る。 その頃、杉田屋に来ていた野呂刑事は、圭子を説得し一緒に港に来ると、二郎は必ずここに来る。手負いの獅子のようなもんや。一番愛しとる女の元へ来る。俺も二郎に惚れとるんや。これ以上罪を重ねたら、もう取り返しのつかんことなるぜ。何かあいつから連絡会ったら知らせてくれと頼む。 圭子は泣き出してしまう。 一方、マミーは汗っかきの刑事と共に、他の刑事たちが張り込んでいた船員ホテルにやって来る。 そして、ママにプレゼントを持って来たと包みを渡そうにしたので、刑事たちはその中味を確認しようと、それを妨害しようとするマミーと争奪戦を始めるが、箱の中味が七色パンティと知ると、呆れてママに渡す。 ママは、それを受け取り、自分の部屋に戻ると、パンティセットの中に潜ませてあった「ホンコン行きの船たのむ」と書かれた紙を発見する。 ママは自ら、汽船に乗っていたとっつぁんに会いに出向くと、船の手配を頼む。 一方、地元署の刑事部屋にやって来た白石の顔を見た野呂刑事は、何かを思いついたように、お前の所の新聞使わせろと言い出す。 新聞は天下の公器でっせと戸惑う白石に、野呂刑事は、今までのお前のことを全部思い出そうか?と脅す。 福州飯店の二階に潜んでいた二郎に会いに来たママは、10時に出航する香港行きギリシャ船を手配をすませて来た。9時にメリケン波止場で、とっつぁんが待っているよと報告し、マミーさんも一緒に連れて行ってやってよと頼む。 それは出来ないと二郎が断ると、いかんよ、素人の子は…、分かってるね?お互いにお互いを不幸せにするだけよと言い聞かせる。 その日の「港新報」の夕刊には、「松山一家 杉田屋を襲う 圭子さん紐帯山手病院に入院」と言う偽のニュースが載る。 杉田屋には、老刑事が来ており、圭子の入院を説得していた。 その夜の8時、二郎はスーツに着替え、福州飯店の主人(井東柳晴)に、匿ってくれた礼を言い、店を出ようとしていたが、主人が呼んでいた「港新報」の記事を目撃する。 主人は「いけない!」と止めるが、分かってるよ。俺はそれほどバカな男じゃない」と言うと、サングラスに、ハンカチで口元を押さえながら、外で待たせていた車に乗り込む。 メリケン波止場ではとっつぁんとマミーが二郎が来るのを待ち受けていた。 一方、山手病院には、偽装入院した圭子と房子と安雄が同じ部屋で待機していた。 車に乗って波止場に向かっていた二郎は、途中で急に、止めた!帰ってくれと運転手に頼む。 「ブルーハーバー」に顔を隠したままやって来た二郎は、その場にいた松山、田辺、双見らを3発で射殺して店を出て行く。 波止場で待っていたとっつあんは、時間が来てもやって来ない二郎に気づき、あかん!あないに頭が切れる男が、やっぱり病院に行ったか!と嘆く。 その頃、山手病院で張っていた野呂刑事たちも「ブルーハーバー」での事件の報告を受けていた。 長谷川刑事部長(天草四郎)は野呂刑事の判断ミスと感じ、「ブルーハーバー」へ向かうが、野呂と汗っかきに刑事たち数名だけが病院に残ることにする。 そんな野呂たちの目を盗み山手病院に忍び込んでいた二郎は、病室を一つ一つ庭から観察し、圭子が入院している部屋を見つけ出そうとする。 野呂刑事は、病院にやって来たマミーを捕まえると、二郎に会いに来たんやろ?と聞く。 来えへんもん、あの人というマミーの言葉を聞いた野呂刑事は、船に乗らんかったとすると、やっぱりここへ来ると読む。 暗い庭に潜んでいた二郎は、どこからともなく聞こえて来た安雄が吹くハーモニカの音に気づく。 そして、そのハーモニカを受け取ると、ベッドに腰掛けたまま「青い目の人形」を吹き出した圭子の姿を見つける。 圭子が無事だったことを知った二郎は微笑みながら庭を後ずさって行く。 そして振り返った時、目の前に立っていた野呂刑事を見つけると、素直に持っていた拳銃を差し出し、両手も差し出す。 野呂は、そんな二郎の両手に手錠をかけ、圭子の吹くハーモニカの音楽に送られるように病院を後にする。 その時、出航するギリシャ船の汽笛が聞こえて来る。 病院の外で、刑事と共に待っていたマミーが二郎に呼びかけると、二郎は振り向かないで、横に立つ野呂刑事に、こいついじめないでやってくれよな頼む。 二郎と野呂刑事は並んだまま、夜の歩道を歩き始める。
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