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俺はトップ屋だ 顔のない美女

二谷英明主演の記者ものだが、上映時間52分という中編である。

記者ものと言っても社会派風ではなく、あくまでも気軽に観れる通俗ハードボイルドものと言った感じの作品になっている。

上映時間が短いだけにテンポも早く、テレビの1時間刑事ドラマでも観ているような雰囲気である。

同時期に日活で作られていた「事件記者」シリーズとキャスト的にダブっている部分があり、小柳警部を演じている宮阪将嘉は、「事件記者」シリーズ(映画、テレビ両方)の村長(むらちょう)であり、その部下の長谷刑事を演じている藤岡重慶は、テレビシリーズの方の「事件記者」のキャスト、エンちゃんこと遠藤刑事で有名。この作品で悪役を演じている二本柳寛は、映画版「事件記者」の捜査一課長である。

顔が破壊された死体と言う発端から、「人の入れ替わり」トリックは、ミステリファンなら容易に推測できる内容だが、劇中で2回登場し、最後にその1つの方にトリックが使われたことが披露される仕掛けになっている。

相手に見える場所であからさまに毒を仕込んだり、又その毒入り酒を、都合良く近くにある水槽に流し込んで難を逃れるなどという演出は、いかにも当時の通俗もののパターンと言った感じだが、こうした過去の娯楽作品は、そう言う今となってはチャチに見える部分も、笑っておおらかに楽しむのが正解だろう。

謎のコインが会員制クラブの会員証代わりに使われてい多というアイデアはちょっと面白いと思う。

隠したいものを封筒に入れ、自分宛に投函して保管すると言うアイデアは、昔のミステリにあるものだが、これもなかなかうまく使われている。

ただ、劇中に登場する「空気ピストル」なる銃が、どう言うものなのかは、その手の知識がないので、実際、そう言う武器が当時は存在したのか、全く架空の銃なのかすら分からない。

口笛を吹きながら、いつも主人公の側に意味ありげに現れる謎の男…と言うのも、この手の作品に必ず登場するキャバレーシーンなどと同様、いかにも昔の通俗パターンと言った感じで愉快なのだが、それを楽しそうに演じているジェリー藤尾にとっては、かなり目立つ、美味しい役だったのではないだろうか。

ラストに流れる二谷英明自身が歌っている主題歌も珍しい。

添え物映画だったのだろうが、それなりに楽しめる作品になっている。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1961年、日活、山口純一郎脚本、井田探監督作品。

夜行列車が通る。

トレンチコートを着た男(三笠謙)がバッグを持って歩いていると、路上に停めてあった車の中からライフルがコートの男を狙う。

気配で振り向いたコートの男は、顔面をぶち抜かれ、その場に倒れる。

車から降り、近づいて来た男(二本柳寛)は、バッグを開け、中に入っていた仏像を確認していたが、パトカーのサイレン音が近づいて来たので、バッグを持ち車に戻りその場を立ち去る。

倒れていたコートの男に駆けつけて来た警官は、うつぶせだった死体の顔を持ち上げてみて、酷い!顔がめちゃめちゃだ…とつぶやく。

タイトル

警視庁の小柳警部(宮阪将嘉)は、殺されたコートの男の身元が柴田源三とは、かつて宝石店の金庫破りで一度挙げた事がある男だと、部下の長谷刑事(藤岡重慶)から聞かされ、殺された動機は何だろう?と首を傾げる。

週刊事件実話の柳生編集長(佐野浅夫)から、黒さんいないか?と電話を受けたのは、トップ屋黒川哲郎(二谷英明)の事務所の電話番、浅井マリ(禰津良子)だった。

しかし、不良娘っぽいユリは、大将なら羽田に行ったと答えるだけ。

羽田に来ていた黒川は、殺された柴田は密輸に関係があるのではないかと睨み、税関吏(紀原耕)に話を聞きに来ていたが、何も収穫はなかった。

空港を出た所で、通り過ぎた車のクラクションが鳴り始め、それがいっこうに止まらないので不審に思い、停まった車の中を覗き込んだ黒木は、口から血を吐いてハンドルに倒れ込んでいる運転手を発見する。

その時、野次馬の中に、気になる男(ジェリー藤尾)の姿を見つけ追いかけようとしたとき、スチュワーデス(香月美奈子)からお金を落としましたよとコインを渡された黒川が礼を言って前方を観た時、すでに怪しげな男の姿は消えていた。

その後、事件発見者として警視庁の小柳警部の前に連れて来られた黒川だったが、小柳警部の電話が鳴り、それに出た警部が会えんと断って切ってしまった後、逮捕状は出ないんでしょうな?と冗談を言い、さっさと帰ってしまう。

その直後、小柳警部は今かけてきた鑑識に再電話をし、すぐにこちらに来てくれと頼む。

警視庁を出た黒川は、すれ違った男(深江章喜)と身体がぶつかる。

小柳警部の部屋に来た鑑識係長(河上信夫)は、羽田で運転手が撃たれたのに使用されたのは普通の銃ではない。パラフィン反応が出ないので、おそらく空気ピストルではないかと報告する。

それを聞いた小柳警部は、この秘密が外部に漏れないように箝口令を敷こう。殺されたのは密輸前科のある小倉善次とでもしておこうと、偽装情報を長谷刑事に伝える。

警視庁からタクシーで、週刊事件実話の会社前に来た黒川は、220円の料金を請求されたので、払おうと胸に手をやった時、財布をすられている事に気づく。

さっき、警視庁の入口前でぶつかって来た男の仕業に違いなかった。

困った黒川は運転手を待たせ、週刊事件実話の会社に入ると、編集長の柳生を探すが、クラブ「ルナ」に行っているというので、仕方なく、待たせていたタクシーでそちらに向かう。

「ルナ」のカウンターでタクシーの運転手と共に待っていると、ようやくお目当ての柳生が姿を見せたので、事情を話し、ここまでの料金も加えた1800円を貸してくれと申し込む。

柳生は呆れながらも、運転手に2000円渡し、釣りは入らないと言って返す。

タバコも切らしていた事に気づいた黒川は、哀れがりタバコを差し出した柳生を断り、さっき空港でスチュワーデスから受け取ったアメリカの銀貨でタバコを買おうとするが、その銀貨は妙だとバーテンに突き返されてしまう。

柳生がその銀貨を調べてみると、それは裏表が同じデザインの出来損ない銀貨である事が分かる。

とは言え、珍しいので、近寄って来たホステスの三上多絵(小園蓉子)が欲しがるが、黒川は銀貨を手放すのが惜しくなったのか、ホステスの頼みを断り、店を出ると柳生とも別れて1人帰る事にする。

坂道に差し掛かった時、黒川は突然背後から頭を殴りつけられて昏倒する。

襲って来たのは、警視庁前で黒木の財布を掏った大西だったが、その時、どこからともなく口笛の音が聞こえて来たので、大西がひるんだ隙に、黒川はその足にしがみつき、立ち上がると、2人は殴り合いを始める。

その時、路上に財布が落ちるが、大西はヤバいと感じたのか逃げ去る。

口笛を吹いていた男が近づいて来るが、それは、羽田で観かけた怪しげな男だった。

黒川は、財布に気づき拾い上げると、それはすられた自分の財布だった。

謎の男は、意味ありげに黒川の方を見ると、停めてあった車に乗り込んで去って行く。

そこに、さきほどのクラブ「ルナ」のホステス三上多絵が運転する車が近づいて来たので、黒川は乗せてもらうことにする。

運転する多絵のスカートが少しめくれていたのに気づいた黒木はさりげなく直してやる。

彼女のマンションに着くと、シャワーを浴びて出て来た多絵が賭けをしない?と誘って来る。

黒川が勝ったら、多絵が貞操を捧げ、負けたら黒川の貞操を頂くという妙な提案だった。

ただし、黒川が負けたときは、さっきの銀貨をおまけにつけて欲しいのと言うではないか。

大丈夫なのか?と多絵が胸に付けていたロケットを取り、その中に入っていた男の写真を観ながら黒木が問いかけると、今、日本にいないから良いのだと多絵は言う。

多絵は自らの名前は教えたが、ロケットの写真の人物(二本柳寛)の名は言えないといい、知りたかったら酔わせてみない?等と言いながら、グラスを2つ用意して酒を注ぐが、その一方に毒を仕込む。

グラスを受け取った黒川は、大事にしろよ、貞操…と冗談を言うと、ぶつわよと多絵が殴る真似をする。

その時よろけた振りをした黒川は、背後に合った水槽にすばやくグラスの中の酒を流し込み、その直後グラスを口に当て、飲み干した振りをする。

そして、苦しみ出し床に倒れる芝居をする。

多絵が、倒れた黒川の上着のポケットに手を入れ、コインを探そうとしたとき、その手を掴んで黒川は立ち上がる。

一杯食わせたわね!と多絵は怒るが、食わせたのはそっちだろう!と言いながら、黒川は水槽に目をやる。

水槽の魚は死んで浮かんでいたので、さすがに多絵も反論できなくなる。

多絵のロケットの中の写真を秘密に撮影した写真の現像をしてやった小柳警部は、これは岡崎じゃないか!と驚く。

しかし、黒木はまだ、銀貨の意味を計りかねていた。

そこでもう一度羽田に向かい、あの時、自分に銀貨を渡したスチュワーデスを捜そうとするが、応対したパシフィック航空の係員藤沢(森塚敏)によると、それは牧野久美子と言うスチュワーデスだが、すでに退職したというではないか。

住所を調べてくれないかと頼むと、住所録を持って来たが、該当ページが破り取られていると言う。

パチンコホール「人生劇場」にいた柳生編集長は、あの銀貨は真っ赤な偽物。1726年なんて刻印が押されていたが、アメリカ合衆国が独立したのは1776年だから、その50年も前の銀貨なんてあるはずがない。明後日まで原稿頼むよ。出来なければうちは雑誌の名を変えるよ、「事件実話年鑑」ってと、黒川へ嫌味たっぷりに電話していた。

事務所に帰ってみると、電話番のマリが、大将、どこへ行っていたの?ついさっきまで八頭身美人が大将を待っていたのにと報告していた。

その女性が残して行ったという置き手紙には、「折り入ってお願いがある、後で車を寄越すので、それに乗って来てもらいたい。羽田の女」と書かれてあった。

その後、やって来た車でとある場所に来ると、そこでは仮面パーティが行われていた。

黒川も渡された仮面をかぶり様子を見ていると、確かに、羽田で自分に銀貨を渡したスチュワーデス牧野久美子が、やはりマスクをかぶって近づいて来る。

黒川と踊りながら、久美子は、あの金を返してもらいたいと言うので、返すと利子付けてくれるかい?と黒木が言うと、明日午前中にここへ来てと名刺を手渡す。

名刺には、「中央アパート303号室 牧野久美子」と書かれてあった。

その時黒川は、会場の片隅に1人座って酒を飲んでいる、あの口笛の男に気づいていた。

翌日、牧野久美子のアパートへ訪ねて行った黒川は、部屋の中で殺されている女性を発見する。

顔を確認しようとすると、めちゃめちゃに傷つけられていた。

酷い事をする…と顔をしかめていた黒川だが、窓から彼を狙っている銃には気づかなかった。

その時、又、聞き覚えのある口笛の音が聞こえてきたので、銃を持った男は逃げ出し、外へ飛び出した黒川は、あの男が車の横に立っているのを発見する。

黒川は近くの公衆電話から110番し、市ヶ谷の中央アパートで女が殺されていると通報する。

その後、何かを思いついた黒川は、自分の事務所の宛名を書いて封筒に銀貨を入れ、それをポストに投函する。

そうしておけば、当分、銀貨は安全だからだ。

案の定、その直後、黒川は、大西から銃を突きつけられ、金を出せと迫られる。

黒川は探せば良いじゃないかと開き直り、大西が黒川の服を探り始めると、逆に殴り、大西が落とした銃を拾い上げると、誰に頼まれた?言わないと顔を叩き潰すぞ!と迫る。

しかし、大西は突如、口から血を吐いてその場に倒れ、近くを車が走り抜けて行った。

その頃、黒木の事務所には、銃を手にした男が2人が来て、銀貨はどこだとマリに迫っていた。

大将は夕べから帰ってないし、銀貨は大将が持って行ったとマリが答えると、男2人は事務所を物色し始める。

その時、事務所の電話が鳴り始めるが、マリは出れない。

警視庁に来ていた黒川は、長谷刑事から、アパートで見つかった女の死因は青酸カリだったと教えられていた。

黒木事務所には郵便配達が封筒を持って来たので、ドアの後ろに隠れた男たちに促されマリが応対に出ると、切手が貼ってないので20円要求される。

マリが持ってないと答え、ドアの裏側にいた男に手を差し出して20円を借りる。

封筒には差出人が書いてなかったので、マリは不審に思って封を切ろうとするが、いら立った男たちに止めさせられる。

警視庁を後にした黒川だったが、その時、あの口笛の男がコートの下に銃を突きつけているポーズをしながら近づくと、車に乗れと命じて来る。

黒川が、名前を教えてくれと頼むと、運転していた謎の男はトミーと名乗る。

車は、「アメリカーナ」と言うクラブに到着すると、口笛の代わりに金を貸しとくぜ。どうせトップ屋なんて貧乏なんだろう?とバカにして札束を黒木に手渡し、自分は車で去って行く。

黒川は、とにかく店に入ってみる事にするが、そこは会員制と言う事で、会員証を見せないと中に入れないとボーイがいう。

黒川が戸惑っていると、後から入って来た常連らしき客が、ボーイにコインを見せて中に入っているのを見かける。

あれが会員証かと聞くと、ボーイはそうだと答える。

その会員証代わりのコインは、両面が同じ刻印の、例の銀貨と同じものだった。

急いで事務所に戻ると、部屋が荒らされ、マリが椅子に縛られているではないか。

紐を解いてやると、マリは事情を話し、黒川が封筒から銀貨を取り出してみせると、あいつら20円丸損だわと愉快がるのだった。

その後、「アメリカーナ」に戻って来た黒川は、持って来た銀貨で無事中に入る事が出来た。

ボーイから、岡崎様はまだ帰って来ないと聞いた黒川は、他に預かっているものがあるだろう?と聞くと、会員専用のロッカー室に案内される。

銀貨に書かれていた数字が、そのロッカーの暗証番号になっているらしく、ボーイに教えられ数字を入れるとロッカーが開き、中から、キープしてある酒瓶などと主にパシフィック航空のバッグが出て来る。

テーブルについた黒川がバッグの中を改めると、仏像が入っていた。

その時、パシフィック航空で久美子の身元を調べてもらった係員の藤沢が突然姿を見せ、黒川に声をかけて来る。

さらに、岡崎まで店にやって来たではないか!

藤沢は岡崎の姿を発見すると、黒木を裏口に誘い、空気ピストルを突きつけて来る。

一方、岡崎の方は、ボーイから、別のお客が来ていると教えられ怪しんでいた。

黒川と藤沢は、その岡崎の目を盗み、店の外に出ると、専用駐車場の方へ向かおうとするが、その時、車が走って来て、黒木の後ろから付いて来ていた藤沢を轢き殺す。

停まった車から降り立ったのは、あの事務所を荒らした2人組、村川(中台祥浩)と増本(玉村駿太郎)だった。

2人は、駐車場の車の陰に逃げ込んだ黒川に発砲して来る。

そこにやって来た岡崎も、村川、逃がすな!と命じる。

黒木は、後部座席が開く車を発見、それに乗り込むと、車は駐車場から走り出す。

岡崎、村川、増本らも車でその後を追う。

その様子を暗がりから観ていたのは、あの口笛の男だった。

男は、倒れていた藤沢の手から離れた空気ピストルを拾い上げる。

村川たちは追って来る車から撃って来るが、後部座席に乗っていた黒川は助けてくれた車の運転手を見つめていた。

ネッカチーフをかぶったその女は、死んだはずの牧野久美子だったからだ。

車を停め、煙草をくわえた久美子は、ごくろうさま、もらっとくわと銃を見せながら言い、黒木が「アメリカーナ」で手にしたバッグを奪い取る。

その頃、小柳警部は、緊急手配を命じていた。

その後、運転を代わらされた黒川は、検問所にさしかかるが、久美子が助手席からスイッチを入れると、車のナンバープレートは代わり、検問所の警官は、英語をしゃべる久美子を外国人と判断、すぐに通過させてしまう。

久美子と黒川の車が到着したのは芦ノ湖の湖畔に建つ別荘だった。

久美子は、自分のアパートで殺されていたのは、この仏像を欲しがった三上多絵だと黒川に教える。

そんな仏像に何の値打ちがあるんだ?と黒川が不思議がると、久美子は暖炉の枠で仏像を壊してみせる。

すると、中から大量の宝石が床に転がり落ちた。

その中の大きめの宝石を拾い上げた久美子は、この10分の1くらいの宝石でも、人の命が奪われるものよと微笑む。

羽田で銀貨をあなたに渡したのは、あの時自分が持っているとヤバかったからと久美子は説明する。

夜が明けた頃、芦ノ湖の別荘に1台のヘリコプターが接近して来る。

久美子が逃亡用に呼び寄せたものだったらしく、モンテカルロからあなた宛に絵はがきくらいあげるわと言いながら、久美子が出かけようとしていた時、岡崎、村川、増本らが別荘に入って来る。

岡崎の顔を観た久美子は、あなたに宝石を運んでくれと頼まれ殺されたのは、私の死んだ姉の夫よと睨みつける。

それは知らなかった…。お前の義理の兄貴と航空会社の男を殺したのは俺だが、俺の情婦だった多絵と自分の仲間だった大西を殺したのはお前だと岡崎は久美子に銃を向ける。

岡崎は、「ガンジスの瞳」と呼ばれるこの宝石は、こいつの義理兄がマレーの王族からかっぱらったものだ。明日は、トップ屋とスチュワーデスが芦ノ湖で心中で記事が新聞に載るだろうと言いながら黒木にも銃を向けるが、その時、何も知らずに入って来たヘリの操縦士が驚いて逃げ出したので、その隙をつき、黒川は部屋に置いてあった消化銃を撃ち、岡崎たちの目をくらますと、飛びかかって格闘を始める。

そして、バッグを拾い上げた久美子と共に外へ逃げ出すが、岡崎たちは銃を持って追いかけて来る。

林の中で追いつめられた黒川たちだったが、その時、岡崎、銃を捨てろ!と叫ぶ小柳警部の声が聞こえる。

いつの間にか、近くに警察が到着していたのだった。

安心した黒川が捨てた銃を拾い上げた久美子は、それを黒川に突きつけると、車の方へ誘いながら、一緒に逃げるのよと脅すが、その久美子の銃は何者かに撃ち落とされる。

銃を撃ったのは、あの口笛を吹く謎の男だった。

男は、久美子の車の下から発信器を取り外してみせる。

小柳警部は、その男の事を、特捜班のトミーこと富田だよと黒川に紹介する。

この場所は、車の発信器から警察には筒抜けだったのだ。

事件が解決したことを知った黒川は、あのヘリは使わせてもらう。どうやってこの特ダネを社に送ろうか考えていたんだと言いながら、ヘリコプターの方に走って行く。

やがて、ヘリは富士山を背景に飛び立って行く。