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不良番長 王手飛車

梅宮辰夫主演の「不良番長」シリーズの1本。

毎回役柄は違うものの、お馴染みメンバーであるらしい山城新伍は、今回、怪しげな日本語を使う二世と言う役で登場する。

これはひょっとすると、「社長洋行記」(1962)に登場するフランキー堺扮する怪しげな日系二世坂田を意識したキャラクターなのかもしれない。

今回も、菅原文太が助っ人的なキャラクターとして登場しており、ちょっと見栄を張った元チンピラ風の演技を見せているが、この当時のヤクザ演技は、見た目ほどにはまだ板についていると言う感じではない。

すけこましの主人公神坂が、今回登場する秋子と言うキャラクターに惚れてしまい、ちょっと手が出なくなると言う辺りが見所なのだろうが、この秋子役を演じている女優さんの印象が地味なので、この辺の処理はあまり巧くいっているようには思えない。

むしろ、由利徹を仲間に加え始める、経営コンサルタント業やエロ本作りなどのはちゃめちゃさの方が面白い。

劇中、神坂が、「今や暴力とセックスの時代ですよ」などと言うのは、何だか、当時の東映の映画作りの考えそのものを代弁しているようにも聞こえる。

いかにも典型的なB級娯楽映画だが、当時の風俗などを知る手がかりにはなるような気がする。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1970年、松本功+山本英明脚本、内藤誠監督作品。

「愛の星友の会」と書かれた部屋で、神坂弘(梅宮辰夫)が紹介した谷川武(谷隼人)と見合いしていた娘は、谷川が、番町、麹町、東大を出て、今は大蔵省に勤めており、年収も3000万くらいあると噓の自己紹介をすると、すぐに信じ込み、すっかり谷川に夢中になる。

別室で控えていた神坂の元に戻って来た谷川は、あの子はキスしてやったら失神してしまった。トルコ風呂行きだなと報告する。

ジャブ(鈴木ヤスシ)は、今月の上がりは30万2000円だと言う。

神坂は得意そうに、世の中には持てない男女が五万といる。一人2000円の会費で見合いをさせればたちまち俺たちは大儲けが出来る。これだから愚連隊は止められないなとしゃべっていると、強面の男が2人入って来る。

神坂達はどこかの組の人間かと警戒するが、男達は国営、公務員よと言いながら警察手帳を見せると、無届け営業、人身売買で逮捕すると逮捕状を突きつけて来る。

タイトル

かくして、刑務所送りになった神坂達カポネ団は、ムショの中で肥桶など担がせられたりする。

それから2年…

ヌードスタジオを始めた神坂だったが、ヌード嬢から、客が寝たままだと呼ばれたので行ってみると、確かに、初老の男がスケッチもせずに居眠りをしていたので、営業妨害だからお帰りくださいと頼むが、老人は帰りたくないと言い出し、ここで、守衛でも何でも良いから働かせてもらえないだろうかと言う。

呆れた神坂は、人件費がかかかるので…と断ろうとすると、金なら持っているからぜひとも置いてくれと言いながら、老人は自分の上着から札束から出してみせる。

雨の中、谷川はヌードスタジオ「泉」の店の外で車を停め、女とキスしていたが、店から神坂が出て来るのを観ると、女を帰らせ、神坂の側に車を止める。

神坂が乗り込もうとすると、谷川は窓から手を差し出し、車代を要求する。

白タク商売も楽じゃないとぼやきながら、神坂を助手席に乗せ、雨の中を走り始めた谷川だったが、気がつくと、女を轢きそうになる。

あわてて急ブレーキを踏んだ谷川だったが、神坂は70kmは出てたんじゃないか?と心配しながら車を降り、倒れていた女に声をかけ、濡れた衣装を乾かす為と良い、自分のマンションに連れて来る。

神坂は、服を脱いで下着姿になった女性にヌードスタジオへのスカウトをしたいと誘い、嫌がる女を無理矢理ベッドに押し倒そうとしたりするが、結局、逃げられてしまう。

翌日、神坂は腹が減ったと言う谷川にせがまれ、新宿の立ち食い蕎麦屋でうどんをおごってやる。

惨めな今の自分たちに嫌気がさした神坂は、かつて一緒に遊びわ待ったカポネ団の仲間を再結集したくなり、もう一回やるか!と谷川に打ち明ける。

ジャブは、銭湯の三助をやっており、オカマ客(人見きよし)の背中を洗っていた。

入浴しながら誘う神坂を観たジャブは、兄貴もずいぶん肉がつきましたねと呆れ、神坂もそれを言うなって、俺も気にしてるんだからと答える。

その後も、バイキング(長沢純)、ヒョロ(神太郎)ら元メンバー達と次々に再会し、カポネ団は復活する。

ヌードスタジオの居着いてしまった老人は、学者と呼ばれるようになり、カポネ団の一員となっていた。

何か金儲けはないかと考えていた神坂達に、学者は、経営コンサルタントは元手が入らず、今流行っているのでどうかと勧める。

かくして、カポネ団は「東亜開発」の経営コンサルタントを引き受けると、サラリーマン達を集め、坂上金次郎博士と学者を紹介し、授業を始める。

学者は、みそ汁とおむすびの関係性について語り出す。

神坂は、寺に集め、正座させたサラリーマン達を前に、女の口説き方こそセールスに必要と、キスの仕方から教え始める。

ジャブとバイキングは、バイクに乗ってサラリーマン達をジョギングさせ、広場に来ると、柔軟体操を伝授し始める。

依頼主である社長大崎武人(安部徹)は、経営コンサルタントの授業を受けてから営業成績が上々になったと喜び、1人1万なら高くないと、社長室で神坂にギャラを渡す。

そこに入ってきたのが滝川雄平(菅原文太)だった。

互いに顔を観た神坂と滝川は奇遇を喜ぶ。

二人は昔、一緒に暴れ回った悪友だったのだ。

滝川が神坂を愛車のアルファロメロに乗せてやって来たのは、今やっている土建会社だった。

二人が会社の前で話をしていると、車でやって来たのは、大門組の大門朝日丸(渡辺文雄)と矢野(藤岡重慶)だった。

矢野は滝川に、うちの人夫を3人も引き抜きやがって!と睨みつけて来る。

大門組の車が帰ると、バラックの会社の社長室に案内した滝川は、ウィスキーをついだグラスを神坂に渡しながら、6年振りか…と旧交を温め合う。

滝川はマンションの完成図を見せながら、東亜開発から請け負っているのだが、建設地の立ち退きに応じない家がいくつもあり、それを立ち退かせたらマージンが入るんだと教える。

買収資金も東亜開発から出ているし、最終的な利益を得るのも東亜なんだがねと滝川は教える。

それを聞いた神坂は、ここは俺に任せてくれないか?立ち退きだったら得意だと持ちかける。

神坂が向かった城北地区のしぶとい家と言うのは「飯塚印刷所」と言う街の小さな印刷屋だった。

中で働いている男、桜井保(山城新伍)に、この土地を売ってくれないかと持ちかけた神坂だったが、桜井は、突然怪しげな日本語で答えて来る。

どうやら、外国生まれの男のようだったが、神坂が戸惑っていると奥から出てきたのは、先日、谷川の車で轢きかけて逃げられた女だった。

外で待っていた滝川と合流した神坂は、作戦変更を告げる。

その間も、経営コンサルタントの仕事は続けており、神坂は芸者(桜京美)たち相手に、客への接し方を伝授していた。

気がつくと、馴染みの葉子(夏珠美)も芸者になって混じっており、牡丹と呼んでなどと品を作って来る。

その講義を、滝川も不機嫌そうに見守っていた。

講義を終えた神坂の元に、飯塚と言う女性が来ているとの知らせがあったので、近くの喫茶店で落ち合うことにする。

かつて車で轢きかけた飯塚印刷所の女社長飯塚秋子(榊原史子)を電話で呼び出したのは神坂だったのだ。

神坂は秋子に、滝川に200万の借金がるそうじゃないですか?共立銀行に話をつけてあるので、融資をしましょうか?と持ちかけ、車に乗せて、人気のない港の近くへ連れて行く。

秋子はすぐに警戒し、あの店、やっぱり私に譲って下さいと言いながらキスをしようとして来た神坂をビンタすると、言う通りにするとお金を貸してくれるの?それとも、もっとひどいことをするの?と聞いて来て、そんな人には見えないけどと言う。

神坂は、あんたにかかると調子でないと打ち明け、秋子が車を降りて1人で帰りかけると、2、3日待てよ。金は何とかするから…と声をかける。

ある夜、「料亭 竹苑」で、神坂は、芸者になった牡丹こと葉子に酌をさせながら大崎社長を接待する。

神坂は、今夜この女どうでしょうか?と大崎に耳打ちし、感謝される。

翌日、大崎は社長室で、夕べの牡丹との秘め事を写真に盗撮されたものを見せられ、うちの嫁をこんなことしてどうしてくれるんだ?と夫と名乗る男毛ジラミ(大泉滉)と、巨体の男ゴジラ(団巌)に脅かされていた。

そこに神坂がやって来て、事情を聞くと、ひも付きだとは気がつきませんでしたと謝り。ここは一つ300万払っちまいませんか?その方が何かと後で役に立ちますよと耳打ちし、それを真に受けた大崎は、高い浮気だったなとぼやきながらも承知する。

会社から出てきた神坂は、帰る毛ジラミとゴジラに、今手に入れた300万の3割を礼として金を渡す。

飯塚印刷所では、今日が手形の決済日だとやって来た滝川に、秋子が神坂から融資された200万をそっくり渡したので、滝川は驚く。

神坂を川縁に呼び出した滝川は、良くも裏切って、俺の邪魔をしてくれたなと責めるが、神坂は、成り行きでこうなっちまったんだと謝る。

滝川は、マージンが不足か?それとも、スケに本気で惚れちまったんじゃないだろうな?お前らしくねえぜと呆れたように聞く。

しかし、神坂の方も、お前こそ背伸びしているんじゃないか?大崎みたいな親父に関わっていると、ろくなことにはならないぜと忠告する。

滝川は、伸びないといつか力のある所に潰される。お前が向う口に回るなら、例え相手がお前でも容赦しねえぜとすごんでみせる。

その後、滝口は飯塚印刷所から輪転機を借金のカタとして運び出し、桜井は狼狽し、ポストに手を挟まれたと騒いでいる。

止めに来た神坂も、滝川の子分に殴られてしまう。

香坂は秋子に、滝川のことを話し、自分とは錦糸町時代からのダチなのだと説明する。

それを聞いた秋子は、どうしてそんなに親切にしてくれるんです?と神坂に問いかける。

一方、大門も大崎社長を接待し、船戸町のマンション建設、私どもにお任せ願えませんかと持ちかける。

滝川建設に任せてあるのでと大崎が断ろうとすると、滝川の子分だった小島(北川恵一)が顔を見せ、あんたがやっているのは業務量横領と言う奴で、罪は軽くないそうですねと大門は脅して来る。

大崎は仕方なく、建築関係の仕事は一切大門組が引き受けると言う契約書にサインするしかなかった。

後日、大崎がゴルフをしている所へやって来た滝川は、立ち退きが巧く行っていないのは、出来るだけ安くと言う意向があったからなんですが…と言い訳をするが、そこに大門一家が近づいてきたので、滝川は、なるほどね、こういうことだったんですかと、仕事を断られた理由を察する。

その夜、キャバレー「夜の城」で、神坂は手に入ったコンサルタント料をカポネ団の連中に分配していた。

1人6万にもなると知った谷川は上機嫌になり、蒸発したと言う学校の理事長に教えたいねなどと、岩話題のニュースを披露する。

それを聞いた学者も、ごもっとも…と頷く。

ところがその直後、急に神坂は、さっきの金を返してくれ。全く俺らしくないよ。一度だけ泣いてくれと言い出す。

しかし、納得のいかないメンバー達は席を立ち、店を出て行ってしまう。

神坂は、愚連隊は出るのも入るのも勝手…と言い、止めようとはしなかった。

残ったのは学者だけだった。

その時、一旦出て行った谷川が戻って来て、1万円札1枚だけを置き、すけこましがスケに惚れたらお釈迦だと教えてくれたのは兄貴だぜと言い残して去って行く。

店の横でバイクにまたがったカポネ団達は、シンナーを売って儲けることにしよう。田舎なら何とか稼げるだろうと言うことになり出発する。

その後、「夜の城」に酔って入ってきたのは滝川だった。

カウンターで隣に座った神坂は、大門がちょっかい出して来た。小島が裏切りやがったとくだをまく滝川の話を聞く。

それを聞いた神坂は、大門組か…、相手がでかすぎるぜ。勝ち目のない喧嘩はしないのが俺たちの主義だろう?と言い聞かそうとする。

あの女はやったのか?と聞く滝川に、ところがぎっちょん、あの子には手が出ねえと照れる神坂。

滝川は、今度の一件からは手を引かねえぞと言い切る。

ある日、秋子は大門に直談判するが、大門は冷淡に、バーでもやったら?と嘲笑するだけ。秋子に同行していた桜井は、コ○キしてでも売りゃせんよ。わしゃあ、マウイに帰りとうなった。ムービーのヤクザにでもなって殴り込みしたいなどとぼやきながら秋子と共に帰路についていたが、その時突然、背後から接近してきたトラックと道路脇の壁に挟まれ重傷を追う。

話を聞いた神坂は、入院した桜井を見舞いに来て秋子と会う。

大門組だ。ふざけたマネをして!神坂は桜井を観て激怒する。

病院の屋上で神坂と二人きりになった秋子は、やっぱり打った方が…と弱気を見せるが、そんな秋子をビンタした神坂は、あんたが並の女に見えて来るじゃないか!虎穴に入らずば虎児を得ずってね。しゃんとしろよ!と叱りつける。

その後、学者は、ヌード上を前に何やら原稿用紙にペンを走らせていた。

神坂が思いついてエロ本を書かせていたのだった。

学者は、自分だって、ストリッパー抱いて寝たいと思ったこともあるなどとまんざらでもなさそう。

神坂も、今や暴力とセックスの時代ですよと得意げに語る。

その本を出版するのは飯塚印刷所だった。

活字を組む秋子に、エロ本は儲かるとほくそ笑む神坂。

そこにやって来た滝川は、以前持って帰った輪転機を返しに来て、もうこいつには用がなくなったと言う。

川縁を歩く神坂と滝川。

まともなことをやっていたんでは勝ち目はない。一泡吹かせなきゃ気がすまねえ。会社は解散だと言う滝川。

愚連隊は愚連隊、東亜建設のマンションを売るんだ。手数料とってドロんだと神坂が提案すると、さすがペテン師の神坂だと滝川も感心し、やっぱり俺たちは愚連隊か、そろそろ俺たちもヤバくなるぜと言いながら、拳銃を神坂に手渡す。

その時、兄貴!と呼びかける声が土手の上から聞こえて来たので観ると、谷川達カポネ団だった。

田舎でシンナー売ろうとしたけど巧く行かなかったと谷川達は言い訳する。

かくして再び合流したカポネ団は、経営コンサルタント業も再開し、人妻を口説くセールステックニックなど披露し、そのテキストを受講生達に渡す。

「ヴィーナス」と題されたその本の中身は、もちろんエロ本だった。

学者は、問い合わせが殺到ですよと神坂に嬉しそうに報告するが、そこへ乗り込んで来た大門一家の連中に捕まってしまう。

大門の事務所に連れて来られた神坂は、大門から俺たちに楯突くとは良い度胸だなと言われるが、一緒に連れて来られた学者が、刑法を引用し、あなた達は罪になると説明し始める。

こうして開放された神坂は、飯塚印刷所に戻ると、コンサルタント業と出版業で全く忙しいと嬉しい悲鳴を上げるが、退院してきてエロ本を読んだ桜井は、輪転機も戻って来たと喜ぶ秋子に、自分は東京のおばあちゃん探しにハワイから来た所を、ここのお父さんに拾われたんですと自分の身の上話を始め、それが今や、お嬢さんがこんなエロ本作りをするようになるとは…と嘆く。

そこへ神坂が来て、秋子に売上を渡すと、桜井の表情は複雑になる。

一方、谷川達は、リヤカーにエロ本を積んで売り歩いていたが、大門組の襲撃を受けていた。

大門組に連れて来られた谷川達は、矢野から、マンションを買って売ったことをネタに脅されていたが、そこに銃を持って救援に来たのが神坂だった。

神坂は谷川達を救い出すと逃げ出す。

その夜、神坂達から奪い取った金を、矢野は大崎に返そうとするが、大崎は、これは礼と言うことでそちらに納めてくれと大門に言う。

大崎が、新聞記者連中にも最近、自分の悪事を嗅ぎ付けられ困っていると言うと、大門は、2、3日中には必ず…と始末を約束する。

その座敷に入ろうとしたボタンこと葉子は、大崎らの顔を見て逃げ出す。

飯塚印刷所では、谷川達が、火炎瓶の作り方なる本を読んでいた。

そこに突然、トラックがバックして突っ込んで来る。

葉子、ジャブ、ヒョロなどは、その事故に巻き込まれて死んでしまう。

仲間を失って興奮状態になった谷川は、河原で神坂にやるんでしょうね?と復讐を確認する。

バイキングは、連中は御殿場でお祝いゴルフをやるらしいと情報を教える。

先手必勝!と神坂が答えた時、見知らぬ二人の男達が近づいてきて、総長お迎えに来ましたと学者に言う。

学者は実は、蒸発していた東北女子大の総長だったのだ。

しかし、連れ帰ろうとする二人を前に、学者は、悪い奴と戦うにはゲバルトあるのみ!と言い出したので、迎えに来た関係者は、昔と違うじゃないですかと呆れる。

そんな学者に、年寄りの冷や水はいけねえよ。今度は女子大生達も言うこと聞くよと慰め、別れを告げるのだった。

そんな神坂達の動きを見張っていた大門一家の手下は、すぐに大門に知らせに行く。

飯塚もこれで大丈夫だろうと話し合っていた大門は、完全武装で奴らの裏をかくんだと部下達に命令する。

神坂は、秋子を後ろに乗せてバイクを飛ばしていた。

印刷所に戻って来た神坂は、これでもう思い残すことはないと言う。

秋子は、お店をあなたと二人で始める夢を見たこともあると打ち明けるが、神坂は、この格好を観てくれ。印刷屋と言う玉じゃねえぜと笑う。

秋子は、神坂さん行かないで!と抱きついて来る。

その時、神坂は、やったぁ、俺を待っていたんだ!と喜びながらも、俺たちは一度血が騒ぎ出すと止まらねえからなとつぶやく。

そこに来たのが桜井で、神坂は彼女を頼むと託すが、ミーもフロンティアスピリッツと大和魂が騒ぐんじゃと言い出し、ミニバイクでカポネ団の後から付いて来る。

バイクで富士の裾野にやって来たカポネ団だったが、突如、彼らの周囲で大爆発が起きる。

それを笑いながら観ていたのは、大門と大崎だった。

先乗りして爆薬を仕掛けたいたのだ。

待ち伏せされていると知った谷川は、ダンプと共に用意していたバズーカを撃ち応戦する。

その時、近くで自衛隊まで演習を始めたので、カポネ団と大門達の周囲は、どこか爆発するか分からない危険な地域となってしまう。

ゲバラが好きな桜井は、「ゲリラ戦争」をその場で読みながら、ヒットエンドランで行くか?と作戦を考えていた。

やがて、カポネ団は、紅白の煙幕を出しながらバイクを走らせ、周囲の視界を遮蔽して行く。

そこへ、ジープでやって来た滝川がライフルを連射、カポネ団を援護し始める。

神坂はそんな滝川の出現に驚き、どこから来た?と声をかけるが、滝川は、あの山のかなたからさ。ご一緒しましょうとキザに決める。

神坂は、マシンガンを乱射し、大門の車に近づく。

ダンプが撃たれ、桜井も敵の銃弾に倒れ、お嬢さん…、アロハ…とつぶやいて息絶える。

バイキングは、ダイナマイトを敵の上空に投げ上げて、その導火線目がけて発砲し、大爆発を起こし、その後、ダイナマイトを持って、敵陣に特攻して行く。

滝川も敵を撃った直後に被弾し、死ぬのはまだ早いんだがな〜…とつぶやきながら倒れる。

マシンガンの弾が切れた神坂は、瓶にマフラーにバイクのガソリンを詰め、マフラーを導火線代わりに詰め込んで着火すると、大崎が乗っていた車目がけて投げつけ爆発炎上させる。

大門に迫った神坂は、ナイフで相手を滅多突きにして殺害すると、満身創痍の状態でふらふらと歩き始める。

そこで生き残っていた谷川と再会。

俺たちは、閻魔様もお呼びじゃねえ愚連隊ってことさと、互いに苦笑し合う。

どうやって帰るか思案していた彼らが観たのは、自転車で近づいて来る女子高生の一団だった。

前から4番女の子が可愛いと目を付けた神坂と谷川は乗せてよ〜!と声をかけるが、一旦立ち止まった女の子達も、二人を観ると、タイプじゃないわと捨て台詞を残してさっさと走り去ってしまう。

それを走って追いかける神坂と谷川だった。