一応、ピエール・ブール原作のSF小説を映画化した「猿の惑星」シリーズ第4作に当たる「猿の惑星・征服」(1972)をベースにした作品である。
しかし、黒人の公民権運動を背景にしていた前作とは全くイメージが違う作品になっている。
作られた時代が違うのだから、それは当然のことだろう。
ストーリー展開自体は、オリジナルを知らなくても、タイトルなどから推測できるシンプルなもので、特に際立った意外性はない。
ハリウッド映画らしく、そつなくまとめられてはいるが、地味と言えば地味な印象で、特にインパクトがある訳ではない。
薬品会社の所長や保護施設の冷徹な飼育係など、ヒール(悪役)の設定もありきたりなら、賢い恋人の出現などもいかにもパターン通りと言う感じで、全体的に凡庸な印象しか残らない恨みがある。
WETAの手になるCGIは、確かにそれなりの完成度を見せてくれるが、何となく微妙な違和感がないでもない。
恐竜などと違い、猿の動きは、動物園やテレビなどで日頃見慣れているからかも知れない。
特に出来が悪い訳ではないが、さりとて、取り立てて感動するような内容でもなく、あえて又「猿の惑星」を作ったにしては、期待はずれ感も若干ある。
最近のハリウッド映画の特長の一つである、特に破綻部分はないものの、かと言って何の新鮮みもない娯楽CG映画の一本のように思える。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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2011年、アメリカ映画、アマンダ・シルヴァー+リック・ジャッファ脚本、ルパート・ワイアット監督作品。 森 チンパンジーの群れが移動中、異変を察知し、みんな立ち止まる。 突如、隠れていた人間たちが襲いかかり、一頭の牝チンパンジーを捕獲して、連れて行く。 アメリカの薬品メーカー「ジェネシス社」内の実験棟 ルーカス・タワーと言う知能器具を器用に完成させる9番のチンパンジーは緑の眼をしていたので、「ブライド・アイズ」と呼ばれていた。 飼育係のロバート・フランクリン(タイラー・ラビーン)は、その知能の高さに驚愕していた。 それを聞いた科学者ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)は、上司のスティーヴン・ジェイコブス所長(デヴィッド・オイェロウォ)に、ビデオをくれと迫る。 9番のチンパンジーには1回投与しただけなのに、認知機構が格段の向上しており、これは確実に5年半の研究の成果が出ていると説得する。 ウィルの説得に根負けしたスティーブンは、データを出す許可を与える。 ウィルは、会議室の会社の上司たちの前で、プレゼンテーション用のビデオを写しながら、傷ついた脳細胞が自ら修復するALZ112をチンパンジーに投与した所、目覚ましい知能の向上が見られた。これは、アルツハイマー症の治療に役立つと解説し始める。 その頃、ブライド・アイズは何故か檻の中で興奮し、飼育係の手を掴んで離さなかったりする。 ウィルは、この試験動物は、緑の眼を持つことからブライト・アイズと呼ばれているチンパンジーだが、今の所副作用も見られないと説明していた。 そのブライト・アイズは、檻から逃げ出し暴れ回っていた。 ウィルは、この薬は、当社に無限の利益をもたらすでしょうと、自ら開発したALZ112を売り込むが、その会議室にガラス戸を破って乱入してきたのがブライト・アイズだった。 ブライト・アイズは、その場で駆けつけてきたガードマンに射殺されてしまう。 かくしてウィルのプレゼンテーションは、最悪の形で終了してしまう。 その後、ジェイコブス所長は飼育係のフランクリンに、安楽死させろと命じていた。 ウィルは、ジェイコブス所長に研究を続行させてくれと懇願するが、ジェイコブス所長は、やり直して、他社を追い抜いて大もうけするようなものを見つけろと冷たく言い渡す。 フランクリンに会いに来たウィルは、ブライト・アイズは妊娠していたと、生まれたばかりの赤ん坊チンパンジーを見せられる。 ブライト・アイズが興奮していた理由が分かった。 子供を守ろうとしていたのだ。 ウィルは、自分は管轄が違うので預かれないと言うが、フランクリンは自分が持って帰ろうとすると警備員の義兄に告げ口されると言い、所長からは始末しろと言われたと毒薬の注射を用意していることを知らされる。 結局、小猿は、ウィルが自宅に持って帰ることになる。 帰宅すると、家政婦が、お父さんは悪いときと良いときがある…と言いながら帰宅する所だった。 父チャールズ・ロッドマン(ジョン・リスゴー)は、ピアノを弾いていたが、曲はきちんと弾けていなかった。 ウィルが帰宅の挨拶をすると、今日は試験日だったな。化学だったっけ?とチャールズが問いかける。 チャールズはアルツハイマーを患っていたのだった。 会社から持って帰って来た小猿を見せると、チャールズはたいそう喜び、胸に痣があるのに気づくと、ジュリアス・シーザーの話をし出す。 夜、考え込んでいたウィルだったが、小猿を洗ってやることにする。 翌朝、チャールズは、車のキーを探していたが、ウィルは哀しそうに、車の運転は止めたんだろう?と教える。 チャールズは、小猿にミルクを与え、小猿が自分で哺乳瓶を持ってミルクを吸うのに気づくと、こいつは頭が良いぞと驚く。 小猿は、母と同じく、緑色の眼をしていた。 3年経ち、小猿はシーザーと名付けられ、家族同様に家の中で飼われていた。 シーザーの知能はめきめき発達し、3歳で人間の3歳児を超える知能を見せた。 ALZ112の効果が母親から遺伝、シーザーは健康だったのでより薬が効いたらしかった。 一方、チャールズの症状はますます悪化しており、暴れるので、家政婦も匙を投げ、施設にでも入れたら?と捨て台詞を残して出て行ってしまう。 ウィルは、ジェネシス社からALZ112を数本盗み出し、自宅の冷蔵庫の中に隠す。 夜、ウィルは、父の腕にALZ112を注射する。 その様子をのぞきに来たシーザーに、ウィルが、しっと言う風に口に指を当てると、シーザーもそれを理解し、同じように唇に指を当てる。 翌朝、ベッドにチャールズの姿がいなかったので、ウィルは慌てるが、父はピアノを弾いていた。 それも、実に見事に。 チャールズの症状は改善していたのだ。 一方、屋根裏部屋の窓から外を観ていたシーザーは、近所の子供たちが自転車に乗って遊んでいるのを観ていた。 ウィルはチャールズの様子に満足し、月に一本投与するだけで十分だ。病気が治った!と喜んでいた。 一緒に喜んでいたチャールズだったが、シーザーの姿が見えないのに気づくと、家の外まで探しの行く。 その時、隣で騒ぎが置き、行ってみると、隣の娘が侵入してきたシーザーに怯えており、その父親が、バットでシーザーの右足を殴りつけて怪我をさせていた。 ウィルは、シーザーは遊びに来ただけなんだと謝罪し、怯えるシーザーを貰い受けて帰る。 その後、ウィルは、シーザーを乳母車に乗せ、こっそり動物園の女性獣医キャロライン・アランハ(フリーダ・ピントー)に、足の怪我の治療を頼む。 キャロラインは、シーザーが手話でウィルと話しているのを観て驚く。 治療の最後、シーザーはウィルに、食事を誘えと手話で伝える。 ウィルの家にやって来たキャロラインは、チンパンジーは好きだけど、注意した方が良い。たまには広い場所に連れて行った方が良いなどとウィルにアドバイスする。 ウィルは、シーザーがのぞいている窓の向こう側に、アメリカ杉の公園があると言い出す。 その後、ウィルは車で、チャールズとキャロライン、そしてシーザーをミュアウッズ国定公園に連れて行く。 念のために付けてきたシーザーの首輪を外し、シーザーが差し伸べた手のひらに、許可を与える印としてそっと触ると、シーザーはたちまちアメリカ杉を登り森の中に姿を消す。 心配したウィルたちは、シーザーの名を呼び森に入るが、シーザーはちゃんと下で待っており、もう一度、アメリカ杉の天辺まで登ると、そこから見えるゴールデンブリッジや町並みを見渡す。 それから5年… ウィルとキャロラインは恋人関係になっていた。 又、シーザーを連れて散歩に出かけていたとき、シェパードを連れてきた女が、服を着て首輪を付けているシーザーを観て「チンパンジー?」と驚き、シェパードは吼えかかる。 シーザーは、自分の首について来る首輪を気にしながら、シェパードに威嚇の吼え声をあげたので、シェパードは怯えてしまう。 車に乗る時、シーザーは「僕はペットか?」と手話でウィルに聞き、ウィルは違うと言うが、「僕は何?」と重ねて問いかける。 ウィルは、そのままシーザーとキャロラインをジェネシス社に連れて来ると、お前の母もここにいたが、今はいない。お前は僕の家に来た。母さんは死んだ。 お前の母に、父さんに与えた薬を与えたので、お前は頭が良いのだとウィルは教える。 自宅に帰って来た時、キャロラインは詳しい説明を求める。 ウィルは、自分が開発した脳細胞の修復薬を投与したと教えるが、キャロラインは、シーザーの未来はどうなるの?と問いかける。 自然のあり方に手を加えない方が良い。それは慢心よと言うのだ。 次の朝、シーザーは、目玉焼きを切ろうとするチャールズの手に持たれたフォークが逆向きなので、哀れそうな目つきで、そっと持ち替えさせる。 会社にチャールズの血液を持って行き調べた結果、ALZ112を殺す抗体が体内に出来ていることに気づく。 チャールズのアルツハイマーの症状が、元に戻ったのだ。 その頃、チャールズは、家の外に出て、路上に停めてあった隣人の車に勝手に乗り込むと、思わずアクセルを踏み、前に停車していた車にぶつけてしまう。 驚いてバックすると、後ろに停めていた車に又ぶつけてしまう。 それに気づいた隣人のオヤジが激怒しながら、チャールズにつかみかかって来る。 その様子を、屋根裏部屋の窓から観ていたシーザーは興奮し、家の外に飛び出すと、隣人のオヤジにつかみかかり、殴り掛かる。 驚いた隣人は逃げ出すが、シーザーは、並木を伝って執拗に襲撃する。 隣人の指に噛み付いた時、ふと我に帰ったシーザーは、怯えて自分の方を観ている近隣の人々の中で、路上に座り込んでいたチャールズに近づくと、そっと抱きつく。 チャールズは、そんなシーザーの耳元に、「お前が悪いんじゃない」とつぶやく。 パトカーのサイレン音が近づいて来る。 シーザーは、動物保護局に引き取られ、施設に入れられることになる。 施設の中の運動広場を見せられたシーザーは戸惑うが、ウィルとキャロラインがそのまま帰りかけ、自分はドアの中に閉じ込められてしまったので、ガラスを叩いて訴えるが、ウィルは寂しそうに、ここで暮らすんだ。だめだ、家には帰れないと言い聞かせる。 保護施設の所長ジョン・ランドン(ブライアン・コックス)は、奴は2週間でここに慣れるとウィルに伝える。 施設の中に一人残されたシーザーは、飼育係で、所長の息子でもあるドッジ・ランドン(トム・フェルトン)から「こっちから外に出られるぞ」と声をかけられたので、そちらへ向かうが、そこは檻の中に導く通路だった。 檻の中に入れられたシーザーは、周囲一体に、自分と同じチンパンジーが檻に入れられているのを観て驚愕する。 ウィルはシーザーを施設から出そうと法務局へ出かけて交渉するが、動物が殺されないで、控訴されただけでもラッキーなんですと担当者から諭される。 父チャールズの体内では、薬を拒否する免疫が出来てしまい、症状は刻々と悪化し、体力も弱まっていた。 ウィルは、死なせないぞ、2人とも…と誓い、ジェネシス社でさらなるALZ112の改良に没頭するが、そんなウィルにジェイコブス所長は、役にも立たない薬にのめり込み過ぎていると苦言を呈する。 しかし、ウィルは、より強いウィルスを完成させたのでテストしたいと願い出る。 病気の治療だけではなく、記憶力を向上させる。薬を与えた自分の父は、以前の父を超えていたと訴えるウィルの言葉を聞いていたジェイコブス所長は、荘急にチンパンジーで事件したまえと命ずる。 保護施設の檻の中に入れられていたシーザーは、冷酷な飼育係のドッジと徐々に対立関係を深めて行った。 ドッジは、常に反抗的なシーザーに、高圧水流を浴びせ、ここのボスは俺だ!と言い聞かせる。 シーザーは、床に落ちていたチョークで、壁に絵を描いて心を慰める。 後日、ジェネシス社に、10頭の実験用チンパンジーが送り込まれる。 飼育係は、それらのチンパンジーたちの中で、一番賢そうに見えたコバと言うチンパンジーを実験体として使用することに決める。 コバに吸引させたのは、ALZ113と言う改良薬だったが、途中でコバが暴れたため、実験に立ち会っていたフランクリンのマスクが外れてしまう。 フランクリンはすぐにマスクを付け直したが、ガスを少し吸引したようだった。 保護施設では、運動時間と言うことで、シーザーが檻から、遊び遊具のある運動広場に移動させられる。 そこでシーザーは、他のチンパンジーやオランウータンと出会ったので、友好の意味で握手しようと手を差し出すが、相手のチンパンジーは、シーザーが来ていた服を破り取ると、一斉に仲間たちもシーザーを襲い出す。 それを目撃した飼育係は、麻酔銃を撃ち、最初に襲いかかったロケットと言うチンパンジーとシーザーを眠らせる。 ジェネシス社では、実験後のコバの様子を見に来たジェイコブス所長は、コバがモニター上に「ジェイコブス」と自分の名前を書いているのを発見し驚愕する。 一方、フランクリンは、くしゃみをして体調が悪そうだった。 くしゃみの飛沫には血が混じっていた。 檻に戻されて気絶から覚めたシーザーは、向かいの檻の中にいるオランウータンから「傷、痛い?」と手話で聞かれたので驚く。 オランウータンのモーリスは、サーカスにいたのだと説明する。 シーザーは、話し相手がいたので喜ぶが、オランウータンのモーリスは、人間には気をつけろと警告する。 後日、ウィルとキャサリンが保護施設を訪れ、シーザーの返還を所長に求める。 ここでの動物への虐待の証拠を見つけたからと言うのだ。 その後、シーザーの檻の前に来たウィルは、家に帰ろう、僕を信じろとシーザーに言い聞かせながら手を握る。 ウィルが帰って行った後、シーザーは、壁に描いていた自分の絵を消す。 又、運動時間になり、運動広場に出たシーザーは、中央部にある作り物の木をよじ上ると、ずっと鍵が締めてある、ゴリラの檻を注目する。 さらに、天上ドームのガラス窓から、外界を見渡し何事かを考える。 ある日、ドッジは、友人数名を檻の所に連れて来る。 興味津々檻の中を覗き込む女友達に、いい格好しようとしたドッジは、電気ショック棒で檻をかき鳴らし、中のチンパンジーたちを驚かせて喜ぶ。 シーザーは、そんなドッジの男友達が檻に近づいた時、シャツの首筋を掴んで引き寄せると、ドッジの方を睨みつけて手を離す。 シーザーは、男の胸から、小さな折りたたみのナイフを盗み取っていた。 そのナイフを棒にくくり付けた道具を使い、檻の鍵を外から回して開けたシーザーは、ゴリラの檻の所に来ると、鍵を開け、中のゴリラを運動広場に出してやる。 続いて、ロケットの檻を開けたシーザーは、何も知らず、運動広場にやって来たロケットの後頭部を、ポリタンクで思いっきり殴りつける。 虚を突かれ倒されたロケットは、シーザーの実力を認め、自ら、許しを請うポーズである手のひらを差し出す。 ウィルは、症状がますます悪化していた父チャールズに薬を投与しようとしていたが、ベッドに寝ていたチャールズはそれを拒絶する。 ウィルは、チャールズの手を握って、一緒に眠るしかなかった。 翌朝、ベッドの父親は既に死亡していた。 キャロラインと共に、父の遺品を整理していたウィルは、ジュリアス・シーザーの本の中に挟まれていた、赤ん坊時代のシーザーの写真を見つけ出す。 その日、ジェネシス社に出社したウィルは、コバとは別のチンパンジーにも実験をしようとしているのを発見し、実験は一体だけと言う約束だったではないかとジェイコブス所長に抗議すると、君は歴史を作り、私は儲けるとジェイコブスが言うので、ウィルは会社を辞める。危険すぎると言い残して立ち去ることにする。 その頃、ウィルの自宅を一人訪ねてきたフランクリンだったが、返事がないので、裏手に回ろうとした所を隣人のオヤジから声をかけられる。 その時、フランクリンは又くしゃみをし、隣人のシャツに血しぶきを吹き付けてしまう。 隣人は怒って、帰れ!と怒鳴る。 動物保護施設に再びやって来たウィルは、所長に金を掴ませて、シーザーを連れ帰ると説得する。 ウィルは、シーザーの檻を開けさせるが、何故かシーザーは自らその扉を閉ざしてしまう。 所長は、仲間たちといたいんだよとウィルを嘲る。 ウィルが帰ったあと、檻に入っていた猿たちは一斉に吼え始める。 檻を出たシーザーは、ロケットに、飼育係室から盗んで来たクッキーを渡し、みんなに配るように命じる。 ロケットは、命令に従い、他の檻に入っている猿たちにクッキーを一枚ずつ配り出す。 それを観ていたオランウータンのモーリスは驚く。 ボスザルだったロケットがシーザーの言いなりになっていたからだ。 運動室でシーザーは、小枝を両手で握って、俺たちは一人では弱いと言いながらへし折った後、大勢集まると強いと言いながら、数本の小枝を両手に握り、折れにくい様子をモーリスに見せる。 その時、下の方でチンパンジーたちが喧嘩を始めたので、それを観ていたモーリスは、俺たちバカ…と手話で伝える。 シーザーは、その時、飼育係が運動室の入口を開ける時、暗証番号を打込んでいるのを観て、それを記憶すると、夜、鍵のかかってない檻から抜け出し、運動室の入口の暗証番号を同じように打込み、外に出る。 ドーム型の天上部に昇ったシーザーは、そこを滑り降り、外に出ると、遊園地を通り抜けてウィルの自宅に帰って来る。 ベッドルームで、キャロラインと寝ているウィルの姿をじっと無言で観ていたシーザーは、冷蔵庫の中に入っていたALZ113の薬のカプセルを持ち出し、保護施設に戻ると、檻の前の廊下に、持って来た2本のカプセルを壊した後転がす。 カプセルからは薬が噴出していた。 翌朝、シーザーは、檻から続々と猿たちを外に出していた。 シーザーとすれ違う時、猿たちの目つきは、もはやいつもの猿のそれではなかった。 飼育係室では、ドッジが、助手のロドニー(ジェイミー・ハリス)に、俺のクッキーを取っただろうと叱りつけていた。 ドッジの父の所長は、帰りかけていたが、その時、運動広場で、シーザーを中心に、整列するように集合している猿たちの様子を見て、ちょっと不審に思うが、気にせず施設を出て行く。 一方、フランクリンの部屋には、ドティと言う管理人が郵便物を持ってやって来るが、ベッドの上で死亡しているフランクリンを発見する。 その皮膚は、何かに犯されているようだった。 ドッジは、ロドニーを呼び、動物広場で一人建っていたシーザーの前に来ると、電気ショック棒でシーザーを感電させる。 一旦倒れたシーザーだったが、ドッジにつかみかかってきたので、その手をどけろとドッジは命じるが、シーザーはドッジを睨みつけながら「NO!(嫌だ!)」と言葉に出す。 麻酔銃を持って、外から様子を観ていたロドニーは驚愕する。 気絶したドッジを檻の所に引きずって来たシーザーは、他の檻を全部開け、中にいた猿たちを全員介抱してやる。 猿たちは、ロドニーに襲いかかり叩きのめす。 シーザーは殺すな!と命じ、気絶したロドニーの身体を檻の中に入れる。 その時、気がついたドッジが、又、電気ショック棒を振りかざしてシーザーに迫ってきたので、シーザーは、足下にあった水圧銃で水を浴びせかける。 濡れたドッジは、自分が持っていた電気ショック棒の電気で感電死してしまう。 シーザーは、檻の一部についていたタグに書かれた「ジェネシス社」の住所を覚え込むと、他の猿を引き連れて外に飛び出して行く。 ウィルは、もう一度、保護施設に電話を入れていたが、誰も王党がないので不思議がり、所長室へやって来る。 檻の前でALZウィルス薬のカプセルを発見したウィルは、檻の中に入れられていたロドニーを発見し、事情を聞く。 ロドニーは、しゃべった…!あんたのチンパンジー、しゃべった…と言うだけだった。 朝の住宅地、新聞配達の車の運転手や、ジョギングをしていた女性は、並木の葉っぱが大量に路上に降り注いでいることに気づき上を見上げる。 大量の猿たちが、木から木へと飛び移りながら移動していた。 事件を知らされたランドン所長は、動物保護施設に戻って来るが、警察が監視ビデオを再生しながら、猿たちの異常な行動を観て驚いている所だった。 シーザーたち猿たちは、ジェネシス社に忍び込んでいた。 そこへ何も知らず出社してきたジェイコブス所長は、フランクリンが感染症で死亡した。人間にはALZは違う効果があるとの報告を電話で聞いていた。 ホールにやって来たジェイコブス所長は、そこのイスやテーブルが全部倒されて荒らされている様子に気づき、思わず立ち止まるが、頭上に目をやると、二階の廊下には、大量の猿たちが居並んでいた。 その猿たちが襲撃してきたので、逃げ出したジェイコブス所長は、ヘリで待機していた武装警官に、奴らを殺せと命じ、自ら乗り込む。 その頃、動物園に忍び込んでいたゴリラたちは、類人猿の入った檻を破壊し、仲間たちを外に逃がしていた。 ヘリに乗り、動物園北側を移動している猿たちを追いかけていたジェイコブス所長は、利口な奴から始末しようと、同乗した警備係に命じる。 町中では、暴れていた猿の一匹に麻酔銃を撃ち込み、車に乗せていた係官の車に、突如、頭上から鉄棒が飛んで来る。 ビルの上に居並んでいた猿たちが、次々に車目がけて鉄棒を槍のように投げて来るのだった。 係員はたまらず、串刺し状態になった車から逃げ出す。 一方、ゴリラとオランウータンのモーリスは、迫り来るパトカー目がけ、マンホールの蓋や、鉄杭を投げ、破壊していた。 そして、シーザーは、路面電車の天上に乗り、他の猿たちと共に、ゴールデンブリッジを目指して進んでいた。 ウィルと車で現場に向かっていたキャロラインは、彼らは森に向かっていると叫ぶ。 ゴールデンブリッジは封鎖されていた。 そこに接近中のヘリの中では、操縦士や武装警官が皆殺しだと興奮していた。 ジェイコブス所長も、それを承認する。 ゴールデンブリッジの中途まで来たシーザーは、猿たちを一旦止め、霧のかかった前方に見えるパトカーの灯りを観ながら、猿たちを二手にわけ、一方は橋の吊り金具の上に登らせ、もう一方は、橋の下を伝ってパトカーに接近するよう命じる。 オランウータンのモーリスたちは、橋の下を移動する。 ゴールデンブリッジには騎馬警官部隊がやって来て、次々に混紡で猿たちを叩きのめして行く。 怒ったゴリラは、馬の前に立ちふさがると、騎馬警官を落として殴り殺そうとするが、シーザーが「殺すな!」と命じたので、吼えて威嚇するだけにする。 シーザーは、バリケードとして橋の上に横向けに置かれていたバスを押すようにゴリラ数頭に命じる。 ゴリラたちは、バスを横倒しにすると、それを盾代わりに押しながら進んで行く。 そのバスを目がけてパトカーの方から一斉射撃が始まるが、一旦、撃ち方を止めさせる。 バスの横の隙間から、馬に乗ったシーザーが迫って来る。 それを合図にしたかのように、橋の上部から接近していた部隊と、橋の下を伝って近づいていたモーリスたちが一斉に警官隊に襲いかかる。 警官たちは逃げ出して行く。 一方、キャロラインの手助けもあって、現場に接近していたウィルは、シーザーの名を呼ぶ。 その声に気づいたシーザーがウィルの方を見やるが、その時、ヘリから、機銃の一斉射撃が始まる。 ジェイコブス所長は、シーザーを指差し、あいつがリーダーだと武装警官に知らせる。 シーザーは、落ちていた鎖をヘリコプター目がけて投げつける。 ゴリラが、橋に接近していたヘリに飛び乗る。 ヘリは、中で暴れるゴリラの為に操縦不能になり、ゴールデンブリッジの端に引っかかる。 シーザーは、ゴリラを橋の上に引きずり出すが、ゴリラは多数銃弾を浴びており、間もなく息絶える。 その時、ヘリの中から、誰か助けてくれと呼ぶ声が聞こえて来る。 ジェイコブ所長だった。 傾きかけたヘリの中にいたジェイコブ所長は、シーザーの姿を見つけると、引っ張ってくれ!頼む!と懇願する。 しかし、シーザーは無言で引っ込み、代わりに姿を見せたのはコバだった。 シーザーがコバに眼で合図すると、コバは、ヘリが橋に引っかかっていた脚部を足で蹴り外す。 ヘリは落下して行き、バカな猿たちめ!と叫ぶジェイコブ所長と共に、海に墜落する。 シーザーたち猿の一団は、霧の中、ゴールデンブリッジを渡ってどこかに消えて行く。 ウィルは、パトカーを一台借用して、その後を追跡する。 猿たちは、森の中を移動していた。 その森にやって来たウィルは、シーザーの名を呼びながら探しまわるが、その目の前に現れたのはコバだった。 凶悪な人相のコバは、ウィルに襲いかかろうとするが、そこに出現したシーザーがそれを止め、威嚇してコバを遠ざける。 シーザーは、倒れていたウィルを助け起こす。 ウィルは、ごめん…、全部僕のせいだ。まさかこんなことになるとは思ってもみなかった。家に帰ろう。僕が守ってやると語りかけるが、そんなウィルに抱きついてきたシーザーは、「シーザー、ここがホーム(家)」とつぶやく。 それを聞いたウィルは、そうか…、ここが家か…と納得し、行けとシーザーに別れを告げる。 シーザの周囲に集まった猿たちは、皆一斉に立ち上がると、シーザーと一緒に杉の木の天辺によじ上る。 シーザーは、煙を上げているゴールデンブリッジや、その周辺の様子を見渡していた。 エンドロール 一人のパイロットが、車で空港に向かう。 空港に着いたそのパイロットは、鼻から鼻血を出していた。 その空港からは、世界中に向かって旅客機が飛び立っていた。 パイロットが感染していた殺人ウィルスは、飛行機に乗って世界中に拡散して行く… |
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