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忍たま乱太郎

2011年、実写版「忍たま乱太郎」製作委員会、尼子騒兵衛原作、浦沢義雄脚本、三池崇史監督作品。

※この作品は新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので、ご注意ください。コメントはページ下です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

猪名寺乱太郎(加藤清史郎)は、わらじを自分でしっかりと結び、家の中にいた父ちゃん猪名寺平之介(中村獅童)と母ちゃん(檀れい)に行って参りますと挨拶をする。

母ちゃんは、家は代々平忍者の家系、それでずいぶん苦労もして来た。お前はしっかり勉強して一流の忍者になるのだよ。どんなことがあっても夏休みまで帰ってくるんじゃないよと言い聞かせ、父ちゃんも、乱太郎、ファイト!と檄を飛ばす。

それでも乱太郎が外に出ると、両親とも表に出て、心配そうに見送るのだった。

乱太郎は、戦のただ中を走り抜け、街中を走り、森の中で二体のお地蔵さまに花を供えて手を合わせると、やがて「忍術学園」に到着。

ようやく新一年生の「忍たま」になった…

タイトル

一年は組…

はじめての授業の机に座った乱太郎は、担任の土井半助(三浦貴大)先生と、実技担当教師山田伝蔵 (寺島進)先生に初歩的な説明を受けていたが、乱太郎の隣に座った福富しんべヱ(木村風太)は、鼻水を垂らしながら、すぐに机に頭を突っ伏して寝てしまう。

裕福な商人の子供らしい。

山田先生は怒って、しんべヱの頭を思いっきり叩くが、顔を上げたしんべヱは、鼻水だかよだれだかで顔中びちゃびちゃになっていたので、そのまま寝ていて良いと言うことになる。

その隣に座っていた摂津のきり丸(林遼威)は、赤ん坊を背負っていたので、山田先生が訳を聞くと子守りのアルバイトだと言う。

戦で村を焼かれ、両親を亡くしたきり丸は、アルバイトをして生計を立てていたのだった。

その時も、山田先生に、赤ん坊にミルクをあげるのを手伝ってもらう。良く見ると、机の下のかごに、もう一人赤ん坊を入れていた。

その後、学園長大川平次渦正(平幹二朗)の挨拶が始まるが、学園長先生が登場した所で教室が爆発!しんべヱは、城の窓から外に吹き飛ばされる。

学園長先生は、忍びは……、ガッツだ!気力、体力が足りん分は根性でカバーしろ!とかっこいいこと言って、いきなり城の窓から外で飛び出して行ったので、乱太郎たちは感動する。

しかし、無茶をして地上に墜落した学園長先生は、担架に乗せられ運ばれて行く。

その側で、しんべヱも延びていたが、こちらは頭が固いので心配いらないのであった。

午前中の授業が終わり、学食でラーメンをすする乱太郎は、やっぱり、忍者はラーメンだよねと、嬉しそうにつぶやく。

午後は、登坂の術の講義がある。

ほとんど垂直の岩場を登る訓練だが、乱太郎、しんべヱ、きり丸のトリオは、互いにロープで身体を繋ぎ崖を登るが、すぐにしんべヱが落下、皆が巻き添えにしたくないと、自らロープを切ろうとするが、きり丸は、俺たち友達じゃないかと励まし、乱太郎は死ぬ時は一緒だ!と言われるが、山田先生にしんべヱは頭を叩かれてしまう。

そういうセリフはもっと高い所で言いなさいと言うことで、彼らはまだせいぜい2mくらいの所にしか登っていなかった。

その後は火器の授業、予習をして来るように言われていた乱太郎は、柿の説明をすると言うお約束を披露する。

焙烙火矢と言う手榴弾の説明があり、黒色火薬は爆発力が弱いので、投げつけただけでは爆発しないと言いながら、山田先生は、ひょいと教室の後方に焙烙火矢を放ったので、生徒たちはビビるが、導火線に火を付けて使うと言う説明を受けたしんべヱが、その焙烙火矢を拾って導火線に火をつけてみたので、たちまち教室は爆発、しんべヱは又窓から外に放り出される。

続いて、忍び刀の授業になり、皆興奮するが、山田先生は、忍び刀は背中に背負ってはいけないと注意する。

それは、縁の下に潜ろうとすると刀の鍔が引っかかるし、地面を転がる時は背中に刺さって痛いし…と言いながら、乱太郎を実際に転がしながら説明してくれたので、乱太郎は本当に痛かった。

忍びの歴史を習っていたとき、教室の外の廊下を、ぷっぷっとおならをしながら変なおばあさん山本シナ(中村玉緒)が歩いて行くのを乱太郎は見た。

1年には「い」「ろ」「は」と3クラスがあり、乱太郎と同じ「は」組には、火縄銃が得意な佐武虎若(髙木鈴太朗)、からくりが好きな夢前三治郎(小林海人)と笹山兵太夫(野間斗晴)、加藤団蔵(大島璃生)、二郭伊助(宇佐美魁人)などがいた。

ある日、手裏剣の授業で、山田先生が見事な技を披露してくれたので、乱太郎たちは拍手をするが、忍者ショーじゃないので拍手入らないと山田先生が注意すると、皆からおひねりを投げられたので、もっといらないと注意する。

乱太郎たちは、投げてみろと言われたので、全員適当に投げてみるが、手裏剣は的を外れ、離れにいた学園長先生の部屋に向かって行く。

しかし、学園長先生は少しも騒がず、手裏剣を全部見事に避けるが、庭に着地した時、両足に違和感を感じる。

恐る恐る足下を観た学園長先生は、両足とも、犬の糞をしっかり踏みつけていたことを知り、立ち去る犬を観ながら脱力し、尻餅をついてしまうが、その途端、杖に刺して防いだはずの手裏剣が額に突き刺さる。

食堂でハンバーグ付きのB定食を頼んだ乱太郎は、午後から授業がないので上級生の授業を一人で見物に行く事にする。

さすがに、上級生たちの授業は本格的で、すっかり乱太郎は憧れてしまう。

その時、大筒が置いてあることを発見した乱太郎は、好奇心で着火してみると、大砲は発射し、大きな弾が、学園長先生の離れの屋根を突き破り、学園長先生の頭の上に落ちたので、罰として、水の入ったバケツを両手に持たされ、走るよう命じられる。

あまりのきつさに倒れてしまった乱太郎だったが、父ちゃんのことを思い出す。

農作業をしながら、父ちゃんは、忍者と人にバレてはいけないので、普段は農業をしているのだと教えられるが、一緒に手伝っていた乱太郎は、最近、最近ずっと農家の振りをしているねと突っ込んだものだった。

その時、馬に乗った美しいくノ一(杏)が通り過ぎたのを観た乱太郎は、そのくノ一が、あの変な婆さんに変身するのを目撃、衝撃を受ける。

その話を、後で食堂で会った土井先生に話した所、それは、年齢不詳の山本シナ先生だと教えられる。

ここには、女子もいるのか?ときり丸やしんべヱたちは、にわかに興味を持つが、裏山に男子禁制の女子校があると土井先生は教えてくれる。

その話を聞いたきり子は、何故か女子に化けていたので、男子禁制だ!と土井先生は再度注意する。

その時、土井先生が、かまぼこが嫌いと言いながら、皿の中からかまぼこを外に出したので、食堂のおばさん(古田新太)が出て来て、思いっきり丸太で先生の頭を殴りつける。

その後、乱太郎たちのクラスには、風魔流忍者学校から山村喜三太(福本晟也)、皆本金吾(津波古太輝)らが転校して来る。

そんなある日、ものすごく頭のでかいドクタケ忍者隊首領・稗田八方斉(松方弘樹)が、学園に近づき、昼休み時間を利用して、学園長を暗殺しようと忍び込んで来る。

乱太郎たちは、食堂でカレーを食べ、やっぱり忍者にはカレーだよねと喜んでいたが、その後、きり丸やしんべヱと一緒に、学園長先生にランチを運んで行く。

その時、稗田八方斉が近づいて来たのを見つける。

稗田八方斉と一緒に、門番が、入館手続きのサインをしてくれと何度も頼みながら付いて来る。

しかし、学園長先生は、暗殺ならランチを食べてからにしてくれと頼み、心の大きい稗田八方斉も、それを承知し、自ら自慢するが、頭が重過ぎてエビゾってしまい、その場にブリッジみたいな体勢になってしまったので、サングラスをかけた部下たちが駆けつけて来て助ける。

その様子を隣の部屋で観ていた乱太郎は、学園長先生を助ける為に勝手に手裏剣を投げてしまう。

しかし、その手裏剣は方向を誤り、又しても、学園長先生の方へ向かったので、学園長先生は杖の上にしがみついて、又、見事に交わす。

しかし、次の瞬間、足下にまたまた犬の糞を確認、動揺したため、杖と共に倒れて、顔面を石畳に強打してしまうのだった。

稗田八方斉は、昼休みが終わったと言い、そのまま何もせずに帰って行ってしまう。

学園長先生は、急な思いつきで、夏休みを一月早めることにする。

生徒たちは全員家に帰ることになり、家も親もないきり丸は、土井先生の家にお世話になることになる。

久々に家に帰った乱太郎は、家の中で、鍋の木蓋で手裏剣を受け合うキャッチ手裏剣をして遊ぶが、一瞬乱太郎の手がそれ、手裏剣が台所仕事をしていた母ちゃんの背中に迫る。

次の瞬間、くノ一でもある母ちゃんは、見事にそれを跳ね返し、家の中でキャッチ手裏剣をしてはいけないと言ってるでしょう!と、父ちゃんと乱太郎を叱りつける。

翌日も、相変わらず農作業を続けている父ちゃんを観た乱太郎は、今頃、マイタケ城で仕事をしているんじゃないの?と母ちゃんに聞くと、リストラされたのだと言う。

その会話が聞こえたのか、余計な心配しなくて良いと父ちゃんが言う。

その時、母ちゃんが、豚まんの匂いがすると言い出し、気がつくと、しんべヱがひょっこりやって来ていた。

家にいると好物ばかり出され、又太ってしまいそうなので遊びに来たと言うが、母ちゃんが出した取れ立てのキュウリなどをおかずに、豪華じゃないのに旨いので、又太ってしまいそうだなどと言うしんべヱは、どんどん遠慮なしにご飯を食べ始めたので、父ちゃんも母ちゃんも唖然として見つめるしかなかった。

乱太郎は、そんなしんべヱを誘って、土井先生の家に行こうと言い出す。

その頃、土井先生の家では、倹約家のきり丸が、ご飯のおかずに、ちりめんじゃこ2匹だけを準備していた。

そこに、乱太郎としんべヱが遊びに来たので、きり丸は涙目になる。

何で泣いてるの?と聞くと、土井先生が、お前たちが夕飯時に来るからだと指摘する。

きり丸は、ご飯を雑炊にしようと言いながら、鍋に水を2杯継ぎ足す。

土井先生も仕方なく、尾頭付きのちりめんじゃこをもう2匹買いに出かける。

しかし、その直後、山村喜三太が、風魔忍者学校の山野彼方先生から手紙を持って来たとやって来る。

その手紙を読もうとしたしんべヱは、うっかり水の入った鍋の中に落としてしまい、慌てて、濡れた手紙を囲炉裏の火で乾かそうと近づけると燃えてしまい、大切な手紙をなくしてしまったので焦る。

でも、山村喜三太は、もう一通予備の手紙を持って来たと言うので、全員ずっこける。

ところがその後、次々とクラスの皆が遊びにやって来たので、その度にきり丸は、鍋の水を注ぎ足して行くしかなかった。

そんなことも知らないで帰って来た土井先生は、クラス中の生徒が家にいたのでびっくり、しかも、全員が一斉に何か話し始めたので、乱太郎たちは唖然とするが、先生は全員の話を聞き分けたらしかったのでもっと驚く。

まず、黒木庄左ヱ門の話によると、加藤団蔵の家に、ヘンテコな髪型をした奴が二人いたことを聞いた先生は、続いて、山村喜三太が持って来た手紙を読んでみることにする。

それによると、元辻きりで、今は髪結いになった4年は組の斉藤タカ丸(溝口琢矢)の店が荒らされていたと言う。

早速、土井先生が、斉藤の店に向かうと、タカ丸が倒れていたので助け起こす。

さらに、父親の斉藤幸隆(鹿賀丈史)も倒れていたので抱き起こすと、親子は礼を言い、実は2人の暗殺者に襲われ、その理由は、自分たちが抜け忍だったのだと明かす。

そして、斉藤幸隆は歌いながら、自分たちの生い立ちを説明し出す。

元々忍者だった斉藤幸隆は、敵の城を探るため、髪結いに化け、この街に住み着いたのだが、元々器用だったこともあり、たちまち人気髪結いになり店は大繁盛、その仕事に追われるうちに、いつの間にか元の忍びの仕事を忘れてしまい、今では、自分がどこの忍者隊に所属していたかも、敵の城がどこだったかも忘れてしまったと言う。

カリスマ髪結いとなった親子は、斉藤家が忍者だったことも忘れていた。

土井先生が、戸部新左ヱ門(山本耕史)先生は?と聞くと、暗殺者を追って行ったと言う。

斉藤タカ丸が言うには、暗殺者を分かりやすくするため、変な髪型にしておいたそうだ。

斉藤幸隆の歌う説明を聞き終えた乱太郎たちは、仕方なさそうに拍手をする。

そこに戸部が戻って来て、町外れの古寺まで暗殺者を追いつめたが…と事情を語り出す。

暗殺者は、海松万寿烏(竹中直人)と海松土寿烏(石垣佑磨)と言う兄弟忍者だった。

しかし、そこにドクササコ忍者が乱入して来たので、二人は取り逃がしてしまうが、土井先生が駆けつけて来て、ドクササコの相手をしてくれたので、自分はひとまず戻って来たと戸部先生は説明する。

では、ドクササコ忍者が暗殺者を雇った…、つまり斉藤親子は、元ドクササコ忍者隊の人間だったのだろうか?

雑渡昆奈門が、突然背景画を破って登場、解説をする。

とりあえず、斉藤親子は土井先生の家にかくまうことにしようと言うことになったので、当の土井先生は唖然となるが、文句を言う訳にもいかず、二人を家に案内するが、二人が入口に入ったとたんに爆発が起き、親子は玄関前に掘られた落とし穴に落ちてしまう。

4年い組の綾部喜八郎(奥本凱哉)と平滝夜叉丸( 岡山智樹)が協力して作った落とし穴で、罠が仕掛けてあるのは忍者屋敷の常と言うので、帰って来た土井先生はここは忍者屋敷じゃないと叱る。

その滝夜叉丸が、4年ろ組の田村三木ヱ門(北村匠海)と出会ったので、ここへ来たと説明したので、土井先生は、そもそも何で田村三木ヱ門がいたんだと聞く。

田村三木ヱ門は、米と魚を買いに行っていたと言うので、もしやと思って家の中をのぞいた土井先生は、乱太郎たちが全員、米の飯と、焼き魚と言う贅沢な夕食を準備しているのを目撃し愕然とする。

銭は、家賃を取りに来た大家に、ひもじい子供を演じた乱太郎たち一年生の姿を見せながら、家賃を払う代わりにメシ代をくれないかと交渉したのだと言う。

完全に頭に来た土井先生だったが、そこは冷静に出席を取ると言い出す。

どうも観た感じ、家の中に入る子供たちの数が20人以上いるからだと言う。

点呼を取らせてみると、すぐに生徒がふざけて上手くいかないので、土井先生が苛ついていると、部屋の奥で飯を食っている3人の行者姿の男たちを見つける。

風魔流忍術学校の山野彼方()、錫高野与四郎()中年になってから忍者学校に入った古沢仁之進()らだった。

彼らは、久々の再会を喜ぶ山村喜三太に、巨大なナメクジを土産に渡す。

そんなにぎやかな土井先生の屋根の上に現れた海松万寿烏、土寿烏兄弟は、卑怯だが、裏庭の井戸に毒を入れて、斉藤親子を殺そうと相談し合っていた。

その時、乱太郎たちが下の部屋で投げた箒が藁葺き屋根を突き破って土寿烏の肛門に突き刺さり、兄、万寿烏は慌てるが、庭に降りると、斉藤親子の名を呼びかける。

家の中から飛び出して来たのは、風魔三人衆だった。

万寿烏は、焙烙火矢を取り出すと、着火して家に近づくが、喜八郎が掘っていた落とし穴に落下してしまう。

庭に降りた土寿烏は、兄を助けようと落とし穴に近づくが、足を滑らせ、先の尖った石の上に尻餅をつき、そのまま落とし穴に落ちてしまい、次の瞬間、落とし穴の中で爆発が起こる。

土井先生たちは、一斉に落とし穴の方に集まり話し合うが、屋根の上に立っていたドクササコ凄腕忍者のことは全員無視してしまう。

先ほど山田先生からぼこぼこにやられたドクササコのへぼ忍者たちも、たんこぶだらけの姿で出現していたが、もう完全にやる気はなくしていた。

きり丸は一計を案じ、カリスマ髪結いがここにいるよ!と大声を出す。

すると、その声を聞きつけた近所のおばさん連中がどっと裏庭に乱入して来て、斉藤幸隆を取り囲んだので、うかつに暗殺者は近づけなくなる。

ドクササコ忍者たちをぼこぼこにやっつけた山田先生が戻って来て、ドクササコと連絡を取ったのはウスタケ忍者であり、つまり、斉藤親子は元ウスタケ忍者隊にいたらしいことが判明する。

きり丸は、万寿烏、土寿烏兄弟が落ちた落とし穴に、ゴミを捨てて良いと叫び、おばさんたちが、次々にゴミを捨てて行く。

土井先生が家の中に入ると、乱太郎たちが囲炉裏の周りに座っている。

何をしていると聞くと、ウスタケ忍者の中で一番危険な敵がこの梁の上にいると乱太郎が言う。

その証拠に、床の上に大量のよだれが溜まっていた。

梁の上で居眠りをしていたウスタケ忍者の長老(柄本明)が降りて来て、改めて、斉藤親子に、ウスタケの忍者にならんかと誘うが、二人は嫌ですと即答する。

長老は、そうなると、我々はこれからも暗殺者を送り続ける。どうじゃ、この際、我々と忍タマと勝負しないかと提案して来る。

それを聞いた山田先生は、本物の忍者とまだヒヨッ子の忍タマとでは勝負になるはずがないと断るが、長老は直接戦うのではないと言う。

言わば競争じゃなと言うので、それを聞いていた乱太郎は、競争なら勝てるかも…と思ってしまう。

ウスタケ山に、打鳴寺(ダメージ)と言う不吉な名の寺があるので、そこの鐘を、明日の日暮れまでに、先に鳴らした方が勝ちと言う。

乱太郎は、私はやりたいと思うけど…とつぶやく。

土井先生は、でも、寺は敵の領地内にあるのだから、適中突破しなければ鳴らないのだぞと教え、何より、学園長先生のお許しが出なければ…と躊躇するが、突然、屋根の上に出現した学園長先生は、あっさり許す!勝負しなさいと勧める。

さらに、乱太郎は、屋根の別方向に「冷えたマードー豆腐」が現れた!と驚くが、それは、ドクタケ忍者隊首領・稗田八方斉だった。

学園長が説明するには、学園長が露天温泉に入っていると、突然、バスタオル姿の八方斉が現れて、背中を洗ってやるなどと気持ちの悪いことを言って来たので、これを食らえ!と立ち上がって股間を見せた学園長の術にかかり、しばし、時間が停まってしまった八方斉は、逃げた学園長を追ってここまで来たのだと言う。

どうするか迷っていた乱太郎の前に、2年生、3年生、4年生、5年生、6年生の上級生たちが次々と駆けつけて応援を約束してくれる。

ついに勝負を受けることに鳴った忍タマたちは、ウスタケ忍者長老が撃ったスターターピストルで、ドクササコ忍者たちと共に一斉に駆け出す。

応援の上級生たちは、それぞれ別コースを行くことになる。

2年生の4人は、ドクササコの中の一番弱い忍者を相手にすることにしようと相談していると、やがて、その一番弱い忍者と出くわす。

弱いドクササコは、忍タマたち4人パトロールは、セオリー通り、後退するだろうと推理するが、そのつぶやきがそのまま忍タマたちに聞こえていたので、前進したドクササコ忍者は落とし穴に落ちてしまう。

3年生グループは、一緒に歩いていたはずの2人がいつの間にかはぐれてしまったことを知る。

そして、そのはぐれて道に迷った3年生二人は、切れたロープを互いに握りしめたまま、ドクササコのへぼ忍者と遭遇してしまう。

ビビった二人だったが、勇気を振り絞り、互いに紐を持ったまま相手に突進、相手のへぼ忍者は、2人が引っ張る紐に押されて大木に激突してしまう。

4年生チームは、先回りして大掛かりな岩落としの仕掛けを崖に作って待っていた。

そこに、ドクササコの3人が近づいて来たので、岩を落下させる。

その頃、乱太郎、きり丸、しんべヱたちは、山の中で倒れていた老人を発見し立ち止まっていた。

こんな山の中に、わらじで歩いて来るとはいかにも不自然なので、敵の罠かもしれないと気づいた忍タマたちだったが、かと言って、本当におじいさんが倒れていたのだとしたら、黙って通り過ぎることはできない。

迷う乱太郎を観かねたきり丸が、ここは自分としんべヱが残るので先に行ってくれと勧める。

かくして乱太郎は先に進むが、その直後、倒れた老人はむくりと起き上がる。

やはり老人は、ウスタケ忍者OB(石橋蓮司)だったのだ。

きり丸としんべヱは窮地に陥るが、そこにどこからともなく、6年生とユキ(岩本千波)とトモミ(紅甘)と言うくノ一教室が加わった救護班が登場し、ここは給油所で、薬湯が用意してあると言う。

ウスタケ忍者OBは喜ぶが、ふと観ると、三つ並んだ水桶には「壱」「弐」「参」と番号が振ってあるのを不審がる。

くノ一娘たちは、この中の一つに毒が入っているのだと説明する。

ウスタケ忍者OBは、ベテラン忍者としてどの水に毒が入っているか簡単に分かると言いながら、それぞれの匂いを嗅ぐが、結局分からないことを悟り、きり丸たちに先に飲むように命じる。

きり丸はしんべヱに飲んでみろと勧める。

しんべヱは、迷わず「壱」の水を飲みおいしいと言う。

そして、2番も大丈夫だよときり丸に勧めたので、それを観ていたウスタケ忍者OBは、素早くその柄杓を奪い取り、自ら飲もうとするが、きり丸たちの表情を観察し、危うく罠に引っかかる所だったと、きり丸に柄杓を戻し、飲めと言う。

すると、きり丸は、あっさり「弐」の水を飲み干し、おいしいと言ったので、ウスタケ忍者OBは愕然とする。

もはや、残った「参」の水に毒が入っていることは明白だったからだ。

それを選んで飲まなければいけないと悟ったウスタケ忍者OBは、負けを認める。

先を進んでいた乱太郎たちは二股道にぶつかったので二手に分かれる。

その後、崖を登っていた乱太郎たちだったが、その時、向こうの山から上がっているのろしを見つける。

佐武虎若は、そののろしをあげているのは、照星(三津谷亮)だと気づき、僕、行かなくちゃ…と言い残すと、一人グループを離れて去って行く。

先に、打鳴寺で、学園長と一緒に待っていた山本シナ先生は、望遠鏡で、乱太郎たちが一番乗りで近づいているのを、嬉しそうに観ていた。

その時、一人のドクササコの凄腕忍者の部下が乱太郎の背後から近づいて来て、乱太郎を突き飛ばす。

地面に顔からぶつけて倒れた乱太郎は、歯が一本抜けてしまったので、悔しがって起き上がると、すぐに走り出す。

その頃、虎若と合流した照星は、あの鐘を撃つのだと命じていた。

火縄銃で、山一つ向こうの打鳴寺にある鐘楼の鐘に命中させろと言うんだった。

ドクササコの凄腕忍者の部下は、追って来る乱太郎目がけ、マキビシを撒く。

雑渡昆奈門がまたまた背景画を破って登場、マキビシの解説をした後、庭箒を乱太郎に投げ与える。

乱太郎はその意味を悟り、地面のマキビシを掃きながら進んで行く。

その頃、一つ向うの山の上では、照星がビビる虎若に、丁寧に銃の撃ち方を伝授していた。

乱太郎とドクササコ忍者は、打鳴寺まで後180段を書かれた石段の前に到着していた。

虎若は、僕にはこの距離は無理ですと弱音を吐いていたが、照星は乱太郎くんを観るんだと諭す。

もはや走る体力を使い果たした乱太郎は、ドクササコ忍者の足にしがみついていた。

その乱太郎を何度も振り払いながら、ドクササコ忍者は打鳴寺の山門に到着する。

しかし、気がつくと、又、乱太郎が足にしがみついていた。

乱太郎は、両親の言葉を思い出していた。

母ちゃんは、泣くな!乱太郎と言っていた。

学園長は、乱太郎、忍びとはガッツじゃと言ってくれた。

打鳴寺では、その学園長と共に待ち受けていたウスタケ忍者長老が、乱太郎とドクササコ忍者がほぼ同時にやって来たことを知る。

照星はは、息を停めたまま銃を構えていると、銃が震えて来る。ゆっくり呼吸をしながら狙うんだと教えていた。

乱太郎は、ドクササコ忍者の足にしがみついたまま鐘楼の所にやって来るが、もう鐘の所に来たドクササコ忍者は、忍タマには鳴らさせない。鐘を鳴らすのは俺だ!と言いながら、突き棒を引き寄せるが、その時、鐘に隣の山から虎若が撃った銃の弾が当たり、カンと音を立てる。

ドクササコ忍者は、あら?鳴っちゃった?と呆然とする。

望遠鏡で先ほどから様子を観ていた山本シナシナ先生は、鐘を鳴らしたのは虎若くんですと教える。

それを聞いたウスタケ忍者長老は、忍タマの勝ちと宣言する。

ドクササコ忍者は猛然と抗議するが、わしは、鐘を突けとは言っておらん。鐘を鳴らせと言ったんじゃと反論し、斉藤親子は許すと告げる。

ドクササコの凄腕忍者は、お前が鐘の前でガッツポーズなどしなければ勝っていたんだと、部下の忍者を叱りつける。

山田先生は、乱太郎、良くやったと褒めてくれたが、乱太郎は鐘楼の階段に座り込み、でも、僕が鳴らしたのじゃないから…と沈む。

そこに、他の仲間たちが、虎若の火縄銃で勝ったんだって?と言いながらやって来たので、乱太郎はますますがっかりする。

そこに、虎若もやって来て、乱太郎の頑張っている姿を観て、僕も撃ったんだよと言ってくれる。

その言葉を聞いて、ようやく乱太郎も笑顔になる。

そんな乱太郎を、ドクタケ城に連れて修行させれば良い忍者になると太鼓判を押してくれる。

学園長先生も、忍びとは…、否、人生はガッツじゃ!と告げる。

…の文字を破って、雑渡昆奈門が「又な!」と呼びかける。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

人気マンガの実写化作品らしいが、原作やアニメ版は知らない。

特殊メイクで誰が誰だか分からないほどに変貌したベテラン俳優たちが、全員、大まじめで、三池監督お得意の悪のり演技をやっている所が凄い。

竹中直人が久々に披露してくれたおふざけ演技がかすんで見えてしまうほど。

特に、登場シーンが多い学園長を演じている平幹二朗と、歌ってセリフを言っている斉藤幸隆役の鹿賀丈史は見物。

中村玉緒などは、一瞬、ノーメイクかと思うほど役にはまっている。

話自体は、ギャグマンガの長編化なので、映画的なものすごい見せ場が用意されていると言う訳ではなく、小ネタの連続のような印象なのだが、子供向けとしては楽しくまとまっていると思う。

CGを使った鼻水表現やウ○コネタなど、お母さんには顔をしかめられそうな男の子ギャグもちりばめられているが、バカバカしい映画を楽しめる大人なら、十分楽しめる内容だと思う。

個人的には、給水所に登場する、頭に風車を刺した寄り目の女の子くノ一たちが気に入った。

あの年代だと、まだ恥ずかしさよりも、面白がってやってくれた可能性が高いのではないかと想像する。

その無邪気さが可愛らしいのだ。

乱太郎を演じている加藤清史郎くんは、まあ普通だと思う。

とても名前を覚えられないくらい多数出演する、他の共演者たちのパワーで助けられている感じがする。

忍者と言う海外で根強い人気がある素材と、学校と言う「ハリポタ」を連想させる要素があるので、ハリウッドでリメイクされると言う噂もあるが、ぜひ、日本版の続編を観たいと思わせる作品である。