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不良番長 送り狼

少し太り始めた時期の梅宮辰夫主演の愚連隊映画。

シリーズの共演者は大体同じだが、一応、作品ごとに別の話になっているらしく、一話ごとに最後でメンバー達の大半は死亡する展開になっている。

背中に赤いドクロのマークを背負った黒ユニフォーム姿のカポネ団が、そろってバイクを飛ばす所は、「ワイルド7」などを連想させるようなイメージだ。

今回の見所は、菅原文太、沼田曜一、三原葉子と言った新東宝出身者が3人も登場している所だろう。

菅原文太は、このシリーズの他の作品にも登場しているが、この作品での沼田曜一のヤクザ役も悪くない。

一方、三原葉子の方は、この作品では可哀想なくらい影が薄いし、途中で死んでしまうと言う扱いで、見せ場的なものがほとんどなく、男達とは差がつけられた感じだ。

安部徹の悪役振りはさすがに圧巻で申し分ない。

山城新伍もこのシリーズのレギュラーだが、この作品では、ピンク映画に釣られてカポネ団に入る、いつもダイナマイトを抱いた危ない男として登場している。

山城新伍の映画通ぶりは有名だが、かつて時代劇の美剣士だった彼も、この頃はもう肥満しており、かつての面影はないが、こうした通俗プログラムピクチャーも一見楽しそうに演じている。

佳子を演じているのは若い頃の赤座美代子で、言われてみれば気づくのだが、ちょっと見、別人のように初々しい。

丹下清子は、なかなか目立つ、おいしい役をやっているように思う。

典型的なプログラムピクチャーと言った感じで、取り立てて面白いとかつまらないと言う感じではないが、まだ若々しい時代の梅宮辰夫の活躍を見るのは貴重かもしれない。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1969年、松本功+山本英明脚本、内藤誠監督作品。

小田原の海岸

水着の4人グループが、地元のチンピラ達に迫られていた。

その時、崖の上から「カット!」の声がかかったので、チンピラ達が何事かと見上げると、映画の撮影スタッフらしきメンバー達がいた。

カットをかけたのは監督風の格好をしていたが、実は東京から来たカポネ団リーダー神坂弘(梅宮辰夫)だった。

谷川武(谷隼人)、ジャブ(小松政夫)、バイキング(団巌)、ヒヨロ(長井浩二)、ダンプ(保高重信)らカポネ団が、チンピラ達の所へ降りて来ると、チンピラの一人が、俺は飯川助八の門下だと名乗り、口笛を吹く。

すると、周囲に隠れていた仲間達が一斉に出て来る。

神坂は、仲間達に小声で「チンチン」と伝えて行く。

そして戦いが始まると、全員、敵の急所を狙って追い払う。

最後の一人になった灰神楽三平こと木村三平(鈴木ヤスシ)を浅瀬でみんなでしたぶっていると、三平が泣きを入れてきたので許してやることにするが、パンツを流してしまった三平は、自分の腹巻きをずらして下半身を隠した情けない格好で海から出て来る。

襲われかけていた4人の娘達が神坂に礼を言いに来る。

聞けば、渋谷の洋裁学校に通っている仲間だと言う。

すると、神坂は、惜しいなあ~、君たちくらいの美貌だったら、モデルになれば良いのに。良かったら僕たちの映画に出てくれませんか?アングラだけど…と説き伏せる。

かくして、カポネ団は、ヨットを二艘借りて、その4人の娘達相手にピンク映画を撮ることに成功する。

「ヨットとスケとゼニ」と題されたそのピンク映画は地元で上映され、カポネ団は銭儲けする。

上映会後、カポネ団が帰ろうとしていると、一人の男が後から付いて来る。

今の映画に感動して興奮したので女を世話しろと迫って来るが、神坂は、うちはアフターサービスはしておりませんと断る。

すると、その男金丸五郎 (山城新伍)は、いきなり持っていたダイナマイトを取り出して脅して来るが、遠慮なく一発やれよと言いながら、神坂がマイトの導火線にライターで火をつけようとしたので、金丸は、気に入った!このマイトを観て、顔色買えなかったのはあんただけやと言い、自分も映画の仲間にしてくれ。「燃える暴行魔」に出してくれと頼み込んで来る。

かくして、三平と金丸を加えて新宿に戻ったカポネ団は、デートクラブの仕事を始める。

ジャブや三平らが、あちこちにデートクラブのカードをばらまいていると、警官がやって来たので、ジャブは笑顔でごまかしながらカードを一枚渡して逃げて行く。

そこには「アカツキクラブ」と言う店の名前と電話番号が書いてあったので、警官は怒るが、すでに三平らの姿はなかった。

美容院の二階を利用したアカツキクラブでは、神坂が美容院の経営者清子(三原葉子)とベッドで抱き合っていたが、枕元の電話で客から連絡が入ったので、隣の部屋で金丸と抱き合っていたトン子(山口火奈子)を派遣する。

客(南利明)が公衆電話から電話していると、早速、ジャブ達が駆けつけ、女を紹介する。

しかし、トン子は、客を置いたまま、旅館の二階から逃げ出して来る。

窓から客が約束が違うと怒鳴ると、下でトン子を待ち受けていたジャブが、会員証の裏を良く読んで下さい。今は売春防止法がうるさいので、ホテルや旅館に行けないんですと謝る。

ブリーフ一枚の客は、騙されたと知り悔しがる。

そんなジャブ達の様子を近くで目撃した西条文男(菅原文太)は、観たぜ…とつぶやく。

神坂らと麻雀をしていた金丸は、賭け麻雀にしないかと言い出し、それを商売にしようかなどと相談し合うが、店を提供している清子が反対する。

そこにジャブが駆け込んで来て、紅花会が来たと言う。

乗り込んで来たのは紅花会と言うデートクラブをやっている大森あい(丹下キヨ子)と、その長男で用心棒役の西条文男だった。

アカツキクラブとはキャベツが違うよと言うので、神坂が、それを言うならキャリアじゃないかと訂正してやる。

それでも、あいは、玉ノ井の頃からゴーイングマイウェイなんだよと気にしない様子。

あいと文男は、街で集めてきた「アカツキクラブ」のカードを神坂に渡すが、それを受け取った髪坂は、これだけあれば20万上がるはず。治療費合わせて50万円払ってもらおうかと返事をすると、文男がナイフを投げつけてきて脅す。

紅花会の店に戻って来たあいは、女の子達を前に、玉ノ井女郎精神3ヶ条、1にお金、2にお金、客の顔観たら金と思え!客に惚れるな、惚れたら負けよなどと、訓示を垂れる。

それに拍手しながら部屋に入ってきたのは、あいの娘で文男の妹である大森佳子(赤座美代子)だった。

今月分の集金に来たのだった。

出し渋る母親あいに佳子が、自分が出資しなければ、今頃母さんは又立ってなければならなかったはずと嫌みを言うと、ようやくあいは、ピアノの蓋を開け、中に隠していた金を佳子に手渡す。

その金を、最近変な病気が流行っているからと、ハンカチで受け取ろうとした佳子の頬をあいは叩く。

その佳子が店を出た所を拉致したのがカポネ団だった。

清子の美容院に連れて来た佳子を、金丸がパーマの機械に入れスイッチを入れてみたりする間、神坂があいの紅花会に電話を入れ、娘を預かったので夕べの50万を持って来いと命じるが、あいは笑うだけ。

佳子も、私より、商売ものの女の方が良いんじゃないの?と母親の性格を知り抜いているので教える。

そして、佳子は、神坂や金丸に「ゴーゴークラブ シャングリラ」のチラシを渡して帰って行く。

しらけた神坂は、久しぶりに「番長ロック」でもぶちかますかと言い、「ゴーゴークラブ シャングリラ」でバンドを前に歌い始める。

オカマのハッピー(青山ジミー)が、神坂を気に入ったらしくモーションをかけて来るが、神坂は相手にせず、佳子が来たので挨拶をする。

その時、人相の悪い一団がやって来たので、谷川は因縁をつけに行こうとするが、関東挺心会の連中と知っていた神坂は止めて、会長川島安三郎(安部徹)の背後についてきた幹部の中西(沼田曜一)に謝罪する。

川島は佳子のパトロンだったのだ。

佳子を抱いてボックス席に陣取った川島は、トルコとゴーゴークラブなどを全部まとめたら良いんじゃないか?と中西に持ちかけ、適当な土地を物色しておけと命じる。

美容院に戻った神坂は、翌日から美容師として、客の丸山夫人(春川ますみ)の髪を、こんなにおきれいなのは、デビ夫人か浅丘ルリ子くらいですなどと世辞を言いながらいじっていた。

すっかり上機嫌になった丸山夫人は、連れてきたペットの犬を清子に抱かせるが、その犬は清子の服におしっこを引っ掛けてしまう。

その時、ジャブが電話ですと神坂に知らせに来るが、神坂が受話器を取ると相手は出なかった。

ジャブが言うには、さっきからずっと電話の調子がおかしいのだと言う。

神坂は呆れて、だったら電話局に直させろと命じるが、でも、電話局に掛けようにも電話が壊れているので…とジャブが反論したので、歩いて行け!と叱りつける。

連絡を受けた電話局の人間(小林稔侍)と谷川達が周辺を調査していると、紅花会の女が、公衆電話の受話器を外しっぱなしにして占拠しているのを発見、そんなことすると、相手方の電話はずっと使えないじゃないかと電話局の人間が注意すると、その女は逃げ出す。

その後を谷川と金丸が追いかけて行く。

草むらで捕まえたので、見せしめのため、ここでやってしまおうと金丸がズボンを脱ぐが、草むらに倒れた女は怖がる様子もなく肝が据わっているようだったので、こんな気の強い女は苦手だと言いながら、金丸は谷川に交代する。

谷川は喜んでその女の上に乗ると、上着をはぎ取ろうとするが、胸元に十字架のペンダントをしているのに気づき手を止めてしまう。

これはどうしたんだ?と聞くと、子供の時から持っているもので、自分が立川の孤児院にいた時、可愛がってくれたお兄ちゃんがくれたものだと言う。

そうか…、お前孤児院にいたのか…と谷川が言うと、女は孤児院が悪いのかと言い返し、それ以上谷川が何もしないことに気づくと、そのまま帰って行く。

帰って来た金丸らからの報告で、紅花会の妨害工作を知った神坂は復讐を誓う。

その後、ラブホテルのハート形ベッドの上で、トン子と一緒に楽しもうとしていた客(左とん平)がいたが、その時、神坂らがつい立ての影から出てきて、どこのデートクラブに声をかけたんだ?俺たちは紅花会のものだと脅す。

客は警察に駆け込み、騙されたと訴えるが、警官はあんたを売春防止法違反で逮捕する!と言われてしまう。

そんなある日、十字架のペンダントをしていた紅花会の女を見つけた谷川は、あんたユキ(夏珠美)って言うんだろう?悪いこと言わないから、今の仕事辞めなよと優しく話しかける。

その頃、大森あいと紅花会は警察に一斉に連行されていた。

ユキは、私に惚れてるんじゃないのかい?金さえ払えばいつだって…とふてくされるが、メリー横山ホームじゃ、二人ともいつも腹空かせていたな~…と谷川が言うと、はっと気づいたユキは、あの時のお兄ちゃんかい?ずいぶんかっこ良くなったねえと喜ぶ。

谷川は、あの頃は、アメ公の家から色々かっぱらってきて、練鑑(東京少年鑑別所)送りになったと過去を思い出す。

ユキの方も、父親は朝鮮戦争で死んだし、オンリーの母ちゃんも、男を作ってどっかに行っちゃった。メリー横山ホームを出てフーテンをやっていた時、あの婆さんに拾われたんだと打ち明ける。

新宿警察署に、大森あいを引き取りに来たのは佳子だった。

誰のお陰で出られたと思っているの?と迷惑がる佳子の態度にあいは不機嫌になる。

その頃、文男は、人気のない高速の下で、シャブを注射していた。

そこに神坂がやって来たので、汚えマネ、してくれたなと文男は睨みつけ、持っていた日本のドスの一本を渡そうとする。

神坂は、商売にきれいも汚いもないと反論し、ドスを受け取るのも拒否するが、文男は無理矢理一本を手渡すと、自らもう一本のドスを抜いて構えて来る。

仕方なく、神坂もドスを抜いて立ち向かうしかなかった。

争っている途中、文男は薬のせいか苦しみ出す。

その時、発砲音がしたので、驚いた神坂が観ると、猟銃を空に向かって撃った佳子が近くに立っていた。

佳子は文男に対し、兄さん、商売の借りは商売で返したらどうなの?と注意する。

神坂はその場を去るが、佳子はふらつく文男を支えながら、ヤクザから足は洗ったはずでしょう?デートクラブの用心棒辞めたら?と忠告するが、文男は、お前は生まれたときから育てられたから、母さんの本性が分からないんだと言う。

その頃、神坂と清子の美容院の二階は、賭け麻雀屋に改装されている所だった。

そこに三平が挺心会の連中に捕まって連れて来られたので、神坂は仕方なく、挺心会の連中について行くことにする。

すると、挺心会の事務所には、大森あいや、他のデートクラブの代表達が集められていた。

中央に座った中山は、この際、互いに競争し合っているのではなく、大同団結したらどうかと相談している所だと言う。

しかし、神坂は、組合なんか作っても、そちらのトルコを有利にする為じゃないのか?と応じようとしなかった。

どうやらあいも反対しているようだった。

そんな神坂に、お前には何が何でも入ってもらうと挺心会側は息巻くが、神坂はあっさり、では、廃業しますと言い出す。

神坂は賭け麻雀屋を始める。

金がなくなった客には、隣の部屋で、まだローンがすんでいない客の車を担保に金を貸すようにしていた。

そこに、以前、車を方に金を借りた客が、利子を持って車を返せと文句を言いに来る。

すると、金丸が、月賦のすんでない車で金を借りるのは法律違反です。佐賀潜の「法律入門」を読んでみてくれと答える。

客は怒って帰るが、金丸と神坂は、法律と言うのは便利だ。いつも悪人の味方になると笑い合う。

ある日、近所を歩いていた神坂達は、車から顔を出している老人から声をかけられる。

以前、神坂から金を借りたのだが、その後事故に会って鞭打ちになったので、この車を担保に30万貸してくれと言うのだった。

しかし、ボンネットを開けてみると、中身はオンボロ部品で、外側は見せかけと見抜いたので馬鹿にすると、その老人は良く見破ったと感心し、むち打ちのコルセットとあごひげなどの老人メイクを取ってみせる。

神坂達を試す芝居だったようだ。

その男は秋山(大辻伺郎)と言い、借金は現金で返すと言い、札束を出してみせながら、神坂達と友達になりたいと言って来る。

大学関係者だと言う秋山は、中華料理屋に連れて来た、神坂、金丸、谷川達に、アカツキ金融に出資させてくれないか?と持ちかける。

商談が成立すると、秋山は料理の注文をストップし、作ってあるものは全部折り詰めにして、自分の車に積み込んでくれと店の給仕に命じる。

たんまりごちそうになれると期待していた金丸達は、そのがめつさに呆れる。

ある夜、三平が女連れの客(大泉滉)に車を売りつけようとしていると、挺心会の岩田(藤山浩二)らがやって来て、神坂に手を引くように言え。サラ金は家の大切な金づるなんだよと言いながら、三平達を痛めつける。

そのことを知った上坂や谷川は悔しがるが、そこに大森あいがやって来て、挺心会の邪魔がひどいので金を借りに来たと言う。

スカートのでっかい話なんだと言うので、それを言うならスケールでしょう?と神坂が訂正すると、マンション女郎屋をやろうと思っているとあいは言う。

城南短期大学と言う学校の理事長は、自分とはちょっとした仲で、校舎を売るつもりらしいので私が買うつもりだと言う。

200万ばかり…とあいが金額を言うと、神坂は貸しましょうと即答する。

その頃、挺心会会長の川島は、自宅のプールで佳子を泳がせて眺めていたが、いい物件を見つけたと部下が報告に来ると、早く手を打つんだと命じる。

短大にやって来たあいは、昔なじみの短大学理事長江藤(上田吉二郎)をキンちゃんと気安く呼び、自分はあんたの母さんから手紙をもらった仲だと言いながら、それを取り出して読む。

出征前の江藤を男にしたのがあいであり、それに感謝する江藤の母親からの手紙だった。

江藤は、母は一昨年亡くなったが、あんたのことは最後まで名前を覚えていたと懐かしがる。

何とか、この学校を売ってくれと説得した後、文男の運転する車で帰って来たあいだったが、事務所のあるビルに上がろうとしていた所を、近くの陸橋から誰かに狙撃される。

入院したあいの元には、佳子、文男、話を聞いて駆けつけてきた神坂らがいたが、瀕死のあいは、文男、麻薬はいけないよ。あんなもの打つのは弱虫なんだよ。止めてくれるねと言い、佳子には、私は幸せ者だった。好きなことやって来れて…と伝え、神坂には、坊や、息子、娘達と仲良くやっておくれ。モダン女郎屋をやれなくて残念だった…、挺心会なんかに負けるんじゃないよと言い残して息を引き取る。

神坂は、持って来た赤いバラの花を静かにあいの上に置いてやりながら、弱いな…、こんな時、泣いてやらなきゃいけないと言いながら涙ぐむのだった。

病院を出た文男は、もうおふくろのガミガミ聞けなくなった…とつぶやき、佳子は、川島とはもう縁を切るわと言う。

それに対し、助かる…と文男が答えたので、佳子は、兄さん、まさか!と兄の復讐心に気づく。

そこに合流した神坂は、西条さん、おふくろさんの仇を取るなら、ゼニをがっぽり稼ぐことだと助言し、今度こそ、本当の共同経営者だと佳子と文男に語りかける。

その後、短大理事長江藤の所へやって来た川島は、強引にこの学校を売れと迫り、その迫力に飲まれた江藤は、とうとう売りましょうと答えてしまう。

そこにやって来た神坂は、紅花会の婆さんには跡取りが2人いる。ここを買った権利はまだこちらに残っているはずだと川島に告げる。

しかし川島は、組員500人の組織を向こうに回すのか?良いか、分をわきまえるんだな。ドブネズミに何が出来るんだ?と嘲笑する。

戻って来た神坂は、谷口達と善後策を相談する。

三平も仲間に入りたがるが、お前は弱いので、清子の面倒を見て長生きしろと神坂は言い聞かす。

その後、神坂達は、江口を拉致し、谷川が昔勤めていたスクラップ工場に連れて来る。

社員達は今慰安旅行中で、工場内には誰もいなかった。

神坂は江口に、歌舞伎町にあるキャバレービルの譲渡を迫る。

あのビルが江口のものだと言うことを調べ上げたのだ。

江口はそんなビルは知らんととぼけるが、近くにあったスクラップ車に乗せると、クレーンで上に持ち上げ、圧縮装置の方へ近づけてみせる。

江口はギブアップし、降ろした車から降りると、素直に神坂が出した譲渡書に署名する。

さっそく、その譲渡署を持って、「ゴーゴークラブ シャングリラ」にやって来た神坂は、中山に対し、このビルからの立ち退きと、今月分の家賃100万円を要求する。

その後、神坂に呼ばれたと思って、とあるホテルの部屋にやって来た佳子は、そこに挺心会の面々が待っていることに気づく。騙されたのだ。

川島は、わしを裏切った上に、神坂に惚れたようだな?わしは昔から、俺を憎んでいる女をもてあそぶのが好きなんだと佳子に笑いかける。

その頃、紅花会の事務所に神坂がやって来たを観た文男は、佳子と一緒だったのではないか?と不思議がり、神坂は呼んだりしないと否定する。

その時、電話が鳴り、文男が出ると顔をこわばらせる。

その様子を観ていた神坂が、佳子さんに何か?と聞くと、挺心会に捕まったらしい。サングリラの譲渡書を渡せば返すと言っていると答えた文男は、一人で手を打って来ると言う。

しかし神坂は、打つ手はいくらでもある。任せておけと文男を止める。

人気のない山の中で中山と会う約束をした神坂は、持ってきた譲渡書と交換に佳子を奪い返す。

ところが、その場で譲渡書を確認した中山は、「ゴクロウサマ カポネ団」と書かれた紙だったので、騙されたと知り、部下達と銃を抜いてみせる。

神坂は、上を観てくれと神坂らに告げる。

崖の上には、谷川や金丸が、ダイナマイトを付けたタイヤを持っており、一斉に転がし始める。

タイヤは、中山らが載ってきた車にぶつかり爆発炎上する。

備えあれば憂いなしってなと言いながら、神坂は佳子を乗せて、バイクで立ち去ろうとするが、そこにマシンガンを乱射しながら近づいてきたのは、挺心会の乗った自動車だった。

敵も用意周到だったのだ。

上を行かれたと気づいた神坂は、その場で本物の譲渡書を中山に手渡すしかなかった。

銃を持った挺心会たちが神坂らに並べと命じた時、どこからともなくバイクに乗った男が接近し、煙幕をまき散らし出す。

その隙を狙って、神坂と佳子はバイクで現場を逃げ出す。

その後、神坂らは、救援に現れたバイクの乗り手文男と合流し、助かったぜと礼を言う。

譲渡書を受け取った川島は、獲物はたったこれだけか!根こそぎだと言ったはずだ!徹底的に叩き潰すんだ!と癇癪を起こしていた。

一方、カポネ団は、譲渡書も女郎屋もなくなってしまったとがっくりしていた。

しかし、こんなことで負けてたまるか!と神坂は一人息巻いていた。

そんな美容院の1階では、三平が客の髪を切ろうとしていたが、そこにハッピーがやって来て、この店で働きたいと言い出す。

そして開店祝いの記念品と言って、紙包みを三平に渡すと、何故かそそくさと帰ってしまう。

三平が包みを開けると、中は置き時計だった。

その時、2階から神坂が降りてきて、その記念品のことを聞くが、こちこちと時を刻む音を聞いているうちに、時限爆弾だ!伏せろ!と叫ぶ。

次の瞬間、店の中で大爆発が起こり、1階の美容院にいた三平、清子、ユキが爆死してしまう。

その遺体を前に、金丸や谷川は泣いていた。

神坂は、こうなりゃ、挺心会を潰す為の最後の勝負と行こうかとカポネ会全員に告げる。

カポネ団は、そろいのユニフォームを着てバイクで川島の別荘に乗り込む。

突撃前に、全員で立ちションすることにするが、その背後から挺心会の見張り二人に銃を突きつけられてしまう。

神坂は両手を挙げ、せめて水鉄砲をしまわせてくれと頼み、ズボンのチャックを締める振りをして、内股に付けていた銃を取ると、反転して二人を撃ち殺してしまう。

別荘内では、ゴーゴークラブやマンモストルコを一つにまとめたビルの建設について、中山が川島にアイデアを披露していた。

川島は、ハッピーにゴーゴークラブを任せてやると言い、その場にいたハッピーを喜ばせる。

カポネ団は、ダイナマイトを付けたタイヤを転がし、別荘の玄関を破壊すると、バイクに乗ったまま、室内に突進して来る。

ネズミの顔も三度までってな…と神坂は言い、銃を突きつけるが、その時、谷川がバイクのバックミラーに映った敵を発見、猟銃でぶっ飛ばす。

その後、室内に飾ってあった黄色い花を一輪胸につける。

外に待機していたジャブは、着火したダイナマイトを投げようとした所を撃たれて倒れる。

仲間がそのマイトを投げ返して、敵を爆死させる。

別荘の庭先で銃撃戦が起きる中、造園業者のトラックが木を積んで突っ込んで来ると、その気に隠れていた文男が立ち上がり、銃を乱射し始める。

神坂は又助けてもらった礼を言うが、文男は三度目はどうなるかな?と答える。

カポネ団の方も犠牲が増え、金丸は、持っていたダイナマイトを空中に放ると、それに向かって発砲し、空中で大爆発を起こして敵を倒す。

谷川は中山と水辺で戦っていた。

中山を刺し殺した谷川は、ユキ!仇を討ったぞ!と叫ぶが、その時、近づいてきた別の男から撃たれてしまう。

谷川は、その男も刺殺して、水の中に倒れ込む。

文男と神坂は、川島達を岩場に追いつめていた。

その時、モーターボートに乗った佳子が近づいて来る。

それに気づいた川島は、その船を奪って逃げようと、1人残った部下に告げる。

文男は、ボートから降りた佳子と合流しようとして、近づいていた敵を射殺するが、自分も撃たれてしまう。

文男は、三度目も間に合ったか…とつぶやき、すがりついてきた佳子には、最後まで良い兄じゃなかったな。先に母さんの所へ行ってるぜ。神坂、妹を頼むと言い残して息絶える。

神坂はマシンガンを撃とうとするが、既に弾切れだった。

それを見て笑った川島は、俺はわざわざ撃たねえで、弾を残しておいたんだ。なぶり殺しにしてやると言い発砲して来るが、被弾しながらも神坂はドスを抜き、川島に飛びかかると滅多突きにする。

神坂もその場に崩れるが、駆け寄ってきた佳子が、自分の衣装を引き裂いて傷にあてがう。

そこに近づいてきた金丸は、パトカーのサイレンが近づいてきたので早く逃げようと誘うが、佳子と神坂が見つめ合っているのに気づき、神坂の胸に佳子の衣装の一部があてがわれていることに気づくと、自分一人だけで逃げることにする。

海の見える崖に立った神坂は佳子に、おふくろさんに負けないよう、ばっちりやってやるよ。俺たち、ゼニとスケには好かれるたちなんでねとつぶやきながら、海を見つめるのだった。