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こちら葛飾区亀有公園前派出所
THE MOVIE
~勝どき橋を封鎖せよ!~

2011年、「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE」製作委員会、秋本治原作、森下佳子脚本、川村泰祐監督作品。

※この作品は新作で、なおかつミステリ要素がありますので、後半謎解きがありますが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので、ご注意ください。コメントはページ下です。

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「なあ、割れる橋って知ってるか?隅田川にかかる勝鬨橋って言うのがあって、そいつがぱか~!って割れるんだ」と、ジェスチャーを交え説明しているのは、小学生時代の両津勘吉、それを聞かされていた少女はある日突然引っ越して行ってしまう。

その少女は、引っ越し荷物を積んだトラックの助手席から、追いかけてくる少年勘吉に向かい、噓ばっかり言って!嘘つき勘吉~!と叫んでいる。

勘吉は、必死に勝鬨橋を渡って行くトラックを追いかけながら、「この橋割れるんだから~!」と叫んでいたが、少女の最後の方の言葉は聞き取れなかった。

大人になった両津勘吉(香取慎吾)は、自転車で警邏中、勝鬨橋が見える土手で、自分の甘酸っぱい子供時代を思い出していた。

「ゆうろーど」に来ると、馴染みの人たちが声をかけて来る。

しかし、両さんは、通りをふさいでいる商店街の会長、上野(なぎら健壱)らに気づいて立ち止まる。

気がつくと、反対側も商店街の店主たちが道をふさいで両さんに迫って来る。

これはヤバいと感じた両さんは、狭い商店街の中に入り込み、逃走を図る。

亀有公園前派出所では、秋本・カトリーヌ・麗子(香里奈)が、道を聞きに来た外国人の相手をしたりしていたが、そこに外出から戻って来た大原大次郎部長(伊武雅刀)が、両津は?又遅刻か?と聞きながら、養毛剤を頭にふりかけ始める。

今日は給料日でしょう?みんな取りっぱぐれないようにしているんでしょうと麗子は噂する。

借金取りに追いかけて来る商店街の連中から逃げて来た両さんは、土手を自転車で滑り降りている最中、石に引っかかり、身体だけ飛ばされてしまう。

タイトル

壊れた自転車を持ち、とぼとぼと帰る両さん。

手にした銀行の明細の残高欄は0円になっていたので、がっくりしていたのだった。

とある交差点に来た時、いつもそこで、交通安全のため、旗を持って小学生を渡らせている横田のおっさん(平田満)に出会う。

おっさんは、チン平(高橋晃)や、トン吉(畠山紫音)ら一人一人に声をかけ、色々褒めては元気を取り戻させていた。

そんなおっさんに両さんは「何か食わせてくれ~」と情けない声で頼む。

借金取りに全財産取られたので、何も食べてないのだった。

両さんは、ドールバナナを分けてもらい、おいしそうに食べていた。

そんな両さんにも、偉いよ両さん、借金返して…と、横田のおっさんは褒めてくれた。

その時、両さんに近づいて来たカン太(吉田翔)が、両さん、金ないのか?又いつものバイトがあるよと耳打ちして来る。

両津の目が輝き、後で派出所へ来いとカン太に指示を出す。

その時、一人で登校する見慣れぬ少女(川島鈴遥)に、ユイちゃん、車に乗って行かない?と誘ったのは、高級車に乗って登校する同級生の城山彩夏(松浦愛弓)だった。

後部座席に乗せてもらったユイに、彩夏は、前はどこの学校にいたの?と聞くと、山梨とユイは答えながらも、助手席に座っている厳つい男が気になっていた。

彩夏は、気にしないで、SPなのと言う。

その頃、ユイの母親澤村桃子(深田恭子)は、浅草のホトトギス劇場前でトラックから荷物を降ろしながら、懐かしいな…とつぶやいていた。

劇場の看板には「澤村桃子」の大きな文字が描かれていた。

派出所に戻った両さんは、アイスの当たり棒を偽造すると言うせこい作業に没頭していた。

それを観ていた中川と麗子は呆れるが、そこに大原部長が戻って来たので、両さんはあわてて偽造当たり棒を背後に隠す。

その時、都合が良いことに電話がかかって来たので、両津が出ると、駄菓子屋「みたらし屋」の富子婆()からで、すぐ来てくれと言う依頼だった。

さっそく中川と一緒に行ってみると、富子婆の姿が見えないので、「まさか、誘拐じゃ?」と想像しながら店の中を探していると、隠れていた富子婆が突然現れ、待っていたよ、両さんと言いながら、座敷のふすまを開ける。

すると、そこには、 トン吉、チン平、カン太ら小学生が何人も正座させられていた。

富子婆は、偽当たり棒を見せると、両さんは、まあ、子供のやったことだから…とごまかそうとするが、これ1本30円で売りつけた代の大人がいるんだってさと富子婆は言う。

両さんは、口を割った子供たちをにらみ、子供たちは全員縮み上がるのだった。

富子婆は、アイスを10箱買ってくれたら警察沙汰にはしないと言ってくれたので、中川が1200円分の小切手をその場で書いてやる。

小学校から下校するユイに、今度ゲームやろう?と声をかけながら、迎えの車に乗り込む彩夏の様子をスコープで監視しているものがいた。

両さんと中川は、川っぷちに一人寂しげに座っているユイを橋の上から見つける。

中川は知っている子ですか?と聞くが、両さんは知らないけど、何か引っかかるんだと答えて、割れる橋って知ってるか?と下にいたユイに話しかけてみる。

隅田川にかかる勝鬨橋って言うのがあって、それが、真ん中からパカ~!って割れるんだと言うと、ユイは冷めた口調で、何でそんなくだらない嘘をつくの?と聞き返して来る。

その時、先の橋の上に軽トラでやって来た澤村桃子がユイに声をかけたので、その方を見た両さんは「澤村桃子か?わしだよ、覚えとらんか?」と声をかける。

怪訝そうに両さんを見返した桃子は、「勘吉くん?」と恐る恐る口にしながら、昔自分が、浅草の小学校に転校して来た火のことを思い出す。

桃子の軽トラに乗せてもらった両さんは、一ヶ月くらい同級生だったんだとユイに説明する。

嘘つき勘吉って言われていたと桃子が笑うと、それはお前の方だ。後で女子たちに聞いたら、誰もそんな事言っていなかったけど、面白いからって、それから卒業までずっと「嘘つき勘吉」って呼ばれたんだぞと、両さんは桃子をにらむ。

桃子は、勘吉くんが警官か…、日本って良い国ねとからかうと、両さんも、良い国だと納得する。

ホトトギス劇場の前に着いた桃子に、おじさんやおばさん、まだ芝居しているのか?と両さんが聞くと、今じゃ私が座長と桃子は答える。

劇場の中に案内した桃子は、役者たちが作業をしているのを見せながら、スタッフが一人しかいないので、ここでは皆、自分たちでやっているのと教える。

芝居で使う生首のハリボテ人形を修理していた浪人姿の俳優があまりに不器用だったのを見かねた両さんは、その生首を受け取り、修理してやる。

トイレ掃除をしていた桃子は、急に不気味な生首が顔の前に現れたので驚くが、ユイが笑いながら、両さんが修理してくれたのと説明し、上手よねと母子で感心する。

劇場を出た両さんに、桃子は今日はありがとうと感謝する。

両さんは、わしは手先だけは起用だからと言いながら、ハゲ部長に警官にさせられたんだと打ち明ける。

そして両さんは、旦那はどいつなんだ?劇団の中にいるんだろう?と聞くと、昔、ここにいたけど、突然出て行ったのと桃子が言うので、じゃあ、バツイチなんだなと聞くと、籍も入れてないからバツイチでもない。こぶ付きで旅回りしたい人募集中!と、桃子は笑顔で答える。

帰宅した両さんは、出迎えた両親に、わし、結婚するかもしれん!と突然言い出す。

相手には子供もいると聞いた父親銀次(ラサール石井)は、でき婚か?と聞くが、血は繋がっていないと聞くと、母親のよね(柴田理恵)と共に急に喜び出す。

銀次は、自分にとって一生の不覚はお前を生んだこと、その血が繋がっていない孫ができるのは最高だ!と言うので、あんたの血も繋がってないんだぜと両さんはふてくされるが、両親は嬉しそうに、両さんに酒を勧めるのだった。

翌日、派出所にいた両さんは、タバコ屋の婆さんがリフォーム詐欺に遭っているようなので調査に行くと部長に挨拶して出かけて行く。

それを見送った大原部長は、わしはあいつが立派な警官になると思っていた。良かったと安堵する。

途中、横田のおっさんに会った両さんは、春が来たかもしれんなどと嬉しそうに報告していた。

その頃、まだ、自動車通学する城山彩夏の様子を望遠スコープで監視している人物がいた。

劇場に来て、劇団員たちの稽古を見学していた両さんは、悪役のキャラが立っていないと桃子に指摘する。

その頃、クラスでおしゃべりしていた彩夏は、自分たちの仲間にならずぽつんと一人離れて座っているユイに近づくと、ユイちゃん、私のこと嫌い?私、感じ悪いものね。車で来たりして…と自虐的なことを言い出したので、思わずユイは、そんなんじゃないってと否定する。

ユイがホトトギス劇場に帰って来ると、舞台に両さんが混じって稽古をしており、桃子は、両さんが芝居を作り直してくれているのと説明する。

一方、何者かが、ダイナマイトを製造していた。

劇場から一緒に帰りかけた両さんに、桃子は、良かったら、うちに寄って行かない?と勧める。

ユイと桃子のマンションですき焼きをごちそうになる両さんはご機嫌だった。

両さんは、恥ずかしがって遠慮しているユイに、肉を食わないと、おっぱいでかくならないぞ!と冗談を言うと、ちょっと間を置いて、ユイは「セクハラ」と言い出す。

今は、スカートめくりなどすると、親が学校に文句を言いに来るんだそうだ。

それを聞いた両さんは、トン基地もそう言ってたと頷く。

すると、トン吉君知ってるの?とユイが驚いたので、 チン平もカン太も知っていると言うと、大人なのに…とユイは不思議がる。

友達に大人も子供もないと言う両さんは、友達ができないと沈むユイに、芝居に友達を呼んだらどうだと提案する。

しかし、ユイは、私はゲームはやらないし、両さんみたいに話も面白くないと言うので、わしは、ユイの話すこと面白いと思うぞ。自信持って話しかけてみろと両さんは励ます。

マンションから帰る両さんを送って外に出た桃子は、昔同じこと言われたよねと思い出す。

加藤茶と大沢誉志幸は親戚なんだぜ!と子供時代の両さんは桃子に教えていた。

子供時代の桃子は、勘吉くんって、女子の間で嘘つき勘吉って呼ばれているんだよと言い、少し距離を取るとアカンベエをする。

勝鬨橋がパカ〜!って奴、桃子怒ってたからな。わしは呪われているんじゃないかと思ったぞと両さんが、引っ越しの日のことを話すと、そうか、聞こえてなかったのか…と桃子はつぶやく。

両さんはそっと手を差し出し、ユイには父親、欲しいだろうし…、一般論だぞ…と、照れくさそうに話す。

桃子は、ユイにそんな気持ちないと思う。生まれる前に父親は出て行ったので、覚えてないはずと答え、自らも手を差し伸べるが、両さんは目をつむって相手の顔を見ていなかったので、手は触れ合うことなく、そのまま桃子は「制服、似合ってるね」と言い残し、帰って行くのだった。

帰宅した桃子は、一枚だけ残していた劇団員時代の夫の顔が写った写真を眺めていた。

翌日、両さんから、桃子との話を聞いた横田のおっさんは、(桃子は)遠慮してるんじゃないか?とアドバイスする。

その頃、自転車で警邏中だった大原部長は、壁に貼られていたひょうたん座のポスターに描かれた桃子の顔に見とれ、そのまま停まっていたライトバンの後部に衝突してしまう。

学校にいたユイは、勇気を奮って、持って来た劇団のチラシを、クラスの女の子に配りながら、うちのお母さんがやっているんだ。良かったらみんな来てみない?と誘う。

彩夏にも来て!と頼みながらも、こんなの興味ないよね…と、ついユイは弱気を出してしまう。

日曜日のお昼からだったら、ただで見に来て良いってお母さんが言ってたと言うと、全員乗り気になる。

彩夏も、大丈夫!私が行けば、SPが付いて来るからと言い、ユイも、本当のおまわりさんもいるからと言うと、カン太たちがふと考える顔になりながらも、彩夏のおじいさんは、警察庁長官だからと教えたので、ユイは喜ぶ。

日曜日、ホトトギス劇場の前で子供たちを出迎えたのは両さんだったので、カン太たちは、やっぱり!と、想像が当たっていたことを知る。

子供たちを迎え、いよいよ芝居が始まるが、客席には額に大きな絆創膏を貼った大原部長の姿もあった。

そんなホトトギス劇場をうかがっている男があった。

舞台は、奉行所から代官が出て来るシーンだった。

大原部長は、奉行と言えば、今の警官と同じようなものだな…と嬉しそうに見入っていた。

すると、ふすまが開いて奥から登場した代官は、両さんが扮したつるっぱげの奉行だった。

頭、頭!と周囲から注意されると、急に髪の部分がからくり仕掛けのように登場する。

しかも、そのハゲ代官は、張り扇で周囲のものたちを叩き回る悪代官のようだった。

それを観ていたカン太たちも、大原部長って人にそっくりだな。最低だね、大原ってと聞こえよがしにと感想を言っているので、それを聞いた大原部長は激怒する。

舞台では、突如、悪代官に扮した両さんの前に煙が上がり、出現した女ねずみ小僧が悪代官のヅラを盗み、お前はたくさんのものを盗んでいる!と悪代官に見栄を切り、悪代官は土下座をするのだった。

後日、ユイと彩夏は公園のブランコに乗っていた。

もちろん、すぐ側にはSPが周囲を監視していたが、彩夏は、自分が赤ちゃんのとき、誘拐されかけたんだってと、SPがいつも警護についている事情を教える。

そのSPは、人の気配を感じ、周囲を見回りに行くため動いた隙に、ユイは彩夏に耳打ちする。

二人は、近くの木立に入って行く。

気の間から姿を現した少女に近づいた男は、黒い布袋を少女にかぶせる。

ブランコの所に戻って来たSPは、片方だけ落ちていた彩夏の靴を発見する。

その頃、大原部長は、まだ代官の衣装を着ていた両さんを、懲戒もんだ!と、派出所で叱りつけていた。

すると両さんは、制服よりこっちの方が似合ってませんかね?と言い出す。

あそこでは、当たり棒を作ると褒めてくれる。わしの生きるべき世界はあそこにあるんじゃないですかね?と言うのだ。

そして、桃子と一緒になります!と宣言した両さんだったが、大原部長は、そんな両さんを殴りつける。

お前、そんな気持ちで警官やってたのか!と逆上する部長に、両さんも、ユイには父親が必要なんだ!と抵抗する。

そこに電話がかかって来たので、中川が出てみると、ええっ!誘拐!?と驚く。

本庁に、城山警察庁長官の孫彩夏が誘拐されたと言う一報が飛び込み、黒木警視正(沢村一樹)が捜査本部長に命じられる。

捜査本部に来た黒木警視正は、捜査はすべて極秘、マスコミに嗅ぎ付けられては行けない。誘拐事件などなかった。このスタンスを貫いて欲しいと、捜査員たちに徹底する。

そこに、 城山警察庁長官(夏八木勲)がやって来て、黒木の配慮に感謝する。

葛飾公園前派出所では、大原部長が、今回の誘拐事件には、400人の捜査員が葛飾に投入されたと、両さんたちに伝えていた。

両さんは、彩夏が誘拐?と信じられない思いだった。

本部にマル被から入電があり、2億円を用意しろと言って来たので、応対に出た黒木警視正と城山警察庁長官は、彩夏の声を聞かせてくれと頼むが、犯人は、すぐに持っていた携帯をゴミ箱に捨てて去って行く。

電話があった場所は、亀有からだったことが判明する。

ただちに付近の検問を命じた黒木警視正は、警視庁のスパコンを調べてみると城山に伝える。

城山警察庁長官は、怨恨だと言うのか!と驚きを隠せなかった。

その頃、両さんと中川は、上野ら、地元商店街の仲間たちに色々事情を聞き回っていた。

そんな両さんを探しに来た横田のおっさんは、四つ木公園で女の子の声と不良たちの声を聞いたと言うので、それはいつ頃のことかと両さんが尋ねると、2時間前くらいだと言うので、それはちょうど、事件発生の時間だと気づいた両さんと中川は、自転車で四つ木公園へ向かう。

特捜本部にも、両さんからの連絡が伝わる。

先ほど犯人からかかって来た電話は、プリペイド携帯からのものだったことも判明する。

黒木警視正は、四つ木公園に人員を集めさせ、監視カメラの映像も入手する。

本部に詰めていた大原部長は、不良のたまり場だとつぶやく。

映像を本部内のスクリーンに再生してみると、ブランコに乗った彩夏らしき少女が写っていた。

城山警察庁長官は、彩夏だ!と告げる。

黒木警視正は、2番カメラだけを再生させ、SPが戻って来るシーンになると、画面左上を拡大させる。

その頃、少女を詰んだライトバンを運転していた犯人らしき男は、警邏中のパトカーの隙をついて、巧みに逃げ回る。

桃子は、町内を走り回っているパトカーを見て、何か事件が起こったことを察知していた。

公園の監視カメラの左上を拡大してみると、そこに黒いニット帽をかぶった男の顔が映っていたので、すぐに解析をさせる。

マンションに帰って来た桃子は、とっくに帰宅しているはずのユイの姿がないことに気づく。

夜の7時50分だった。

黒木警視正は、画像補正でかなり明確になった男の顔をデータと照合するよう命じていた。

外に出た桃子は、通り過ぎる犯人らしき男の車とすれ違っていた。

監視カメラに写っていた男の正体が割れる。

島崎光男(谷原章介)、前科はないが、9年前に捜査願いが出されていた男だった。

捜査願いを出していたのは澤村桃子だった。

四つ木公園で捜査中だった両さんの所に近づいて来た桃子は、ユイがいないのと訴える。

その時、両さんの携帯が鳴り、大原警部が、桃子の居所を知らんかと聞いて来る。

今、一緒にいると答えると、桃子さんと一緒に来いと言う。

特捜本部に来た桃子に、捜査員の梶原が、島崎光男が事件に関わっている可能性があると教える。

そこへ所轄から、彩夏ちゃんらしき人物を発見したとの報が入る。

スクリーンに映し出された彩夏は、ユイの服を来ていたので、桃子がそれを指摘する。

彩夏は泣きじゃくりながら、公園でユイちゃんが、彩夏ちゃんになったらSPも分からないのではと言い出したので、面白がってやってみただけと言う。

それを聞いた桃子は確然とする。

両さんは、生まれる前に写真は全部捨てたって言ってなかったか?と桃子を追求すると、一枚だけ、何かあった時の為に取っておいたのと言う。

ユイは父親の顔を知らず、光男の方もユイが生まれたことを知らないので、今、互いに親子関係であることを知らないままと言うことらしい。

その直後、マル被から再度入電がある。

2億は用意で来たかと聞いて来た男に、両さんは、お前、光男なんか?と聞くが、すぐに犯人は、携帯を、ペット屋の水槽の中に捨ててしまう。

黒木警視正は、捜査員たちに特捜本部を解散して、通常の誘拐捜査に切り替える。人員は5分の1に縮小し、身代金は全部ダミーに変更と命じる。

その豹変振りを目の当たりにした両さんはかちんと来て、その場で携帯を新聞社の葛飾スポーツにかけると、良いネタがあるんだ、誘拐事件なんだがね…と聞こえよがしに話し始め、捜査員から、何を言っている!と注意される。

両さんの計画に気づいた中川も、その場で携帯を取り出すと、全部のTV局を押さえられないか?と大声で話し始める。

その意味を悟った黒木警視正は、分かった、止めろ!元に戻すと梶原に命じる。

中川は、横田さんが言っていた不良たちを調べてみると言いながら出て行く。

その頃、誘拐されたユイは、どこかの部屋の中で、目隠しをされて縛られていた。

犯人らしき男から食べ物を与えられていたユイは、逃げないから、目隠しを取ってと頼むが、男は、何か観られたら、帰してあげられなくなるから…と説明する。

ユイは、帰してくれる気があるんだ…とつぶやく。

特捜本部の尋問室では、昔、うちの一座にいたことがあると、桃子が菅原に光男のことを説明していたが、ひょっとして自分が疑われているのか?と驚く。

梶原は、あんたが首謀者で、狂言誘拐と言う可能性もあるので…と言う。

気落ちした桃子に、付き添っていた麗子は、両さんには一つだけ良い所がある。それは気持ちに噓がないこと。惚れっぽくて、結果的に誰でも好きになってしまう…、部長の受け売りだけどね。桃子さんの為なら、ユイちゃんを必ず取り返してくれるはずと伝える。

その後、両さんと中川は、地元の不良たちを本部に引っ張って来ると、自分たちは聞き込みに向かう。

翌朝、桃子は戻って来ないユイのことで呆然としていた。

四つ木公園に戻っていた両さんたちだったが、目撃証言が何もでないと中川が悔しがってた。

そこに、近づいて来たトン吉が、遊戯王のカードを落としたと両さんに訴える。

両さんはそんな場合じゃないといら立ちながらも、探しといてやると答えるが、帰り際、トン吉が、昨日、カードを探していて、ここで拾ったけど、横田のおっさんに返しといて、今日いないんだと言いながら、交通安全のワッペンを手渡す。

それを聞いた両さんは何かを察し、急いでいつも横田のおっさんが立っている交差点に向かうが、たしかにおっさんの姿はなかった。

慌てて追って来た中川がどうしたんですか?と聞くと、わしが知る限り、おっさんがここに立ってなかった日はないと両さんはつぶやく。

おっさんの目撃証言で捜査が皆公園に引きつけられた、その間、犯人は悠々と捜査陣の目をかいくぐって逃げ延びることができたんだ。犯人からの電話がいつも亀有周辺なのもそのためだ…と言う両さんの言葉を聞いた中川は、でもなぜおっさんが?と不思議がる。

両さんは警察無線で、洗い直して欲しい人物がいると、本部に連絡をする。

その結果、 横田泰三(60歳)は、かつて、友人にヤクザがいた関係で、経営していた町工場が麻薬取引に使われているのではないかと言う噂があり、当時、研修中だった城山警察庁長官が横田を逮捕したが、これが誤認逮捕だった。

横田は釈放されたものの、会社は風評被害で倒産、一家は離散していたことが分かる。

その頃、島崎光男は横田から、お前の身元が割れていると知らされ、ひょうたん座と言う所に昔一時聞いたことがあるので、自分の顔を知っている奴がいたかもしれないと打ち明けていた。

横田のおっさんは、お前は先に逃げた方が良いかもしれないと勧めるが、いざとなったら俺の方が捕まる。その間におっさん、逃げられるよと光男は答え、どんz個だった俺を助けてくれたのはおっさんだけだった…と昔を回想する。

食うものもなく、コンビニで万引きを仕掛けていた光男に、そっと500円玉を差し出してくれたのが横田のおっさんだったのだ。

俺はこれまで、誰の役に立ったこともない。一度くらい、人の役に立って見たいと言う光男に、500円で誘拐に手を貸したんじゃ、割りにあわんだろうと横田が苦笑すると、お産の人生の方がよっぽど割りにあわないじゃないか!と光男は訴える。

それを聞いた横田は、良し!成功したら、南の島で商売でも始めるか!と夢を語るのだった。

その後、部屋を出た横田は、特捜本部に携帯電話をかける。

それに出たのは両さんだった。

横田のおっさん!ユイって光男の子供なんだよ!と教えると、横田は狼狽しながらも、勝鬨橋の中央部分、明日12時と、現金の受け渡し場所を指定して通話を切る。

その直後、その場にひざまずいた横田は、激しく苦悩する。

電話の発信元は中央区晴海と判明、黒木警視正は、勝鬨橋の封鎖!全捜査員を晴美に集結させるよう命じる。

両さんは、自転車で現場に向かおうとするが、そこへ中川が操縦するヘリが近づいて来る。

横田のおっさんは、部屋に戻って来るなり光男を殴りつけ、てめえ、わざとビビって、誘拐の相手を間違えやがったな!おめえのせいで、何もかもめちゃくちゃじゃねえか!と怒鳴りつけ、光男が気絶すると、ユイの身体を抱き上げて部屋を出て行く。

大原部長は麗子を伴い現場へ向かっている頃、両さんは、中川の操縦する専用ヘリで、東京スカイツリーの横を勝鬨橋方面へ飛行続けていた。

勝鬨橋中央部分には、捜査員が金を詰めた2個のジュラルミンケースを下げて立っていた。

黒木は、ローラー作戦を開始するよう指示するが、勝鬨橋封鎖には回答保留を受けているとの報告が入る。

封鎖には都知事の許可が必要だが、都知事は今、温暖化サミットでコペンハーゲンにいると言うのだ。

ヘリで勝鬨橋上空にやって来た両さんは、「勝鬨橋、封鎖さされていないじゃねえか!」と叫ぶ。

梶山は犯人指定の正午までに、橋を封鎖するのは不可能ですと告げ、黒木警視正も封鎖不可能!…と諦めざるを得ないことを悟る。

その時、マル被から入電、受け渡しに来たのは誰かと聞くので、須田警部補だと黒木が答えると、両津に変えろと指示して来る。

焦った黒木警視正は、ただちに両津巡査長を呼び出せ!と命じる。

現場付近に来ていた大原部長は、間もなく12時だと腕時計で確認する。

受け渡し地点に立っていた両津の携帯が鳴る。

両さんか?と声が聞こえたので、おっさんか?と答える両さん。

その通話を傍受していた特捜本部では、犯人の声の背後に船のエンジン音が聞こえると突き止める。

黒木は両さんに、話を長引かせるよう無線で指示を出す。

横田は、ヘリで隅田川を下ってくれと言うので、隅田川のどこだ?と両さんが聞くと、両さんなら分かると言う。

上空のヘリで待機していた中川が縄梯子を降ろし、両さんはそれに捕まって川を下り始める。

それを知った黒木警視正は悔しがる。

ヘリの操縦席に戻った両さんは、隅田川に浮かぶ一隻の屋形船に目を留める。

その上部には、「交通安全」の大きな印が貼付けてあった。

そのとき電話が再びかかり、横田が、見えるだろう?と愉快そうに言い、両さん、一人できてくれないか?でないと、ユイちゃんの命は保証できなくなると指示して来る。

両さんは、言われた通り、屋形船の屋根の上に降りると、下から上がって来た横田と対面する。

すまなかった、両さん、最後にどうしても会いたくてね…と横田は詫び、悪いけど、無線を切ってくれないかと頼む。

両さんがその通りに無線のスイッチを切ったので、特捜本部では、現場の様子を補足することができなくなる。

何でこんなことしたんだよ、おっさん…、誤認逮捕ってやつか?と両さんが聞くと、間違って、謝りにもこないやつが警察庁長官になって、被害者の方が独り身になって悲惨な生活をしている。35年も経ってるんだよ?運命だ。誰のせいでもない。だが、俺の家族は壊れてしまった…

事実、会社が潰れた後、一人になって力仕事をするようになっていた横田は、汚い家で食事をしながら、城山が長官になったニュースを観ている時も、もう何の感情もなかった。

ところが、今年の正月頃、いつものように交差点に立っていた横田の横を、走り抜けて行く乗用車に、横田は泥水を跳ね上げられる。

その時車に乗っていたのが城山と孫の彩夏だったが、やはり何の謝罪もなかった。

その時、何かが弾けたんだ…と横田はつぶやく。

あいつの孫誘拐して、金を要求したらすっきりすると思ったが、気がつくと、誘拐したのは相方の娘だったり、知らないうちに関係ない人傷つけて…

向いてねえんだよ!と両さんが呼びかける。

で、どうしたんだよ、おっさん?と両さんがさらに話を聞こうとしているとき、川の周囲に警察車両が集結して来て、直ちにエンジンを停止しろ!と呼びかけて来る。

光男の刑を軽くしてやって欲しい…と横田は話し始める。

あいつは優しいやつなんだ。俺に同情して協力してくれただけだから、罪は軽くできるだろう?今、晴美の造船所にぼこぼこにして縛ってあるから…

ユイちゃんは、中に入るから、両さんがかっこ良く救出してやってくれと続ける横田に、おっさん、死ぬ気だろう?俺がユイちゃんを助けた後、この船爆破するつもりなんだろう?と両さんは責める。

良いんだよ、俺には哀しむやつなんていねえし…とつぶやく横田に、わしは哀しいぜと反論する両さん。

おっさんいなくなったら、わしのこと、褒めてくれるやついねえじゃねえか。この辺の悪ガキどももみんなそうだ!おっさんだけが褒めてくれてたんだから。どこか良いとこ、見つけてくれたから、あいつら学校へ行けたんだよと両さんは説得する。

しかし、横田は手に握っていたスイッチを押す。

爆弾の時限タイマーのスイッチを入れたのだった。

後5分だ、両さんと横田は告げ、その場にあぐらをかいて座り込む。

黒木警視正は、船を近づけろ!と命じる。

両さんは、船の中に入り込み、ユイを抱き上げると屋根に上がる。

その時、目が合った横田は静かに頷いていた。

後、2分36秒!

ユイを抱き、川に飛び込んだ両さんは、接近していた水上署の船にユイを渡す。

後1分!

皆が安堵したその時、両さんは再び屋形船の方に泳ぎ始める。

それを愕然とした表情で見守る大原部長、麗子たち。

救出されたユイも、両さん!と叫んでいた。

屋形船の屋根に這い上がった両さんは、おっさん!と叫びながら、座っていた横田に飛びつく。

その瞬間、屋形船は大爆発を起こす。

川岸から見ていた桃子は「勘吉く〜ん!」と呼びかけ、大原部長も泣きだし、中川も先輩〜!と叫んでいた。

川面には、下駄が一つ浮かんでいた。

両岸に控えていた警官たちは皆一斉に敬礼をし、特捜本部でも黒木警視正以下、全員がスクリーンに向かって敬礼していた。

ユイは、両さん、こんなの噓だよね…、嘘つき勘吉だもんね…と泣いていた。

しばらくして、川の一部に両さんが浮かび上がる。

「犯人確保!」と両さんは叫び、しっかり横田を抱きしめていた。

特捜本部は歓喜に包まれる中、黒木警視正だけがまだ敬礼を続行していたが、その顔も破顔していた。

陸に揚げられたユイと桃子は抱き合い、連行されて行く横田に、トン吉がこれを渡してくれたんだ。名前も何も書いてないのに、それ、おっさんのって分かっていたからと、交通安全のワッペンを見せながら、わし、適当に言っとくから、又、あの交差点に戻って来てくれよな…と言葉をかける。

そんな両さんの様子を、大原部長は嬉しそうに見つめていた。

そこに、城山警察庁長官が黒木警視正と共にやって来て、横田の前に立った城山長官は深々と頭を下げて「申し訳ありませんでした。でも、分別ある大人として、別の手段を検討して欲しかったです」と話す。

それを泣き出しそうな表情で見つめる横田。

桃子は、勘吉くんと言いながら両さんに近づくが、そこに、ユイの父親である島崎光男が連れて来られたので、桃子は光男の頬を強く叩き、もう二度と私たちの前に現れないで!と叫ぶ。

光男は、うん…、ごめん…、俺、バカだから…と力なく答える。

勘吉くん、ありがとう!と言い、去って行く桃子。

その様子を観ていた中川が、先輩、ここで行かなくてどうするんですか?と両さんに耳打ちする。

その言葉に押されるように、桃子を追って行った両さんが話しかけると、腹立って、腹立って、もう…と桃子は泣き笑いの表情で振り返る。

両さんはそんな桃子に、何が嘘つき勘吉だ。何が、何かあったらと思って一枚写真を残していただ。お前がやっているの、未練たらたらじゃねえか!騙せないやつが一人いるんじゃないか?そいつに噓つこうとするやつは臆病者って言うんだ。桃子は臆病者じゃないはずだ…と説得する。

桃子は光男の側に戻って来ると、光男は、ずっと戻りたかったと打ち明ける。

でも、俺、全然芽が出なくて…、歳だけ取って、お前に会わす顔がなくなって…、でも、ずっと戻りたかった…

桃子はそんな光男に、出て来るときは知らせてよね。今度はちゃんと連れて帰ってやるから。あんたはバカだから…と言葉をかける。

それを背後から見ていた麗子は、やっぱりダメだったか…とつぶやき、行こうか?両さんと「声をかけるが、振り返った両さんは「麗子〜〜〜!!!」と泣いていた。

後日、警察庁に呼ばれた両さんは、城山長官から今回の活躍を表彰されると聞かされ驚く。

金一封をもらえることを知った両さんは、これで借金が返せると一瞬喜ぶが、急に真顔になると、金一封は辞退しますから、その代わりに一つお願いがありますと、城山長官に頼み込む。

公園前派出所では、姿が見えない両さんのことを、又、今日も芝居に行っているのかと大原部長が呆れていた。

しかし、中川は、芝居は昨日で終わったみたいですよと教える。

両さんは、又トラックで旅立つ桃子を見送りに来ていた。

やっぱり制服似合うねと桃子は両さんを褒める。

両さんは照れくさそうに、わし、ずっとここにいるから…、その気になったら、いつでも戻って来いと言うことだよと告げる。

うん!楽しかったよ。ありがとう、勘吉くん!と桃子は礼を言い、ユイと共に出発する。

両さんは、何かを思い出したように、桃子、わしゃあ、嘘つきじゃねえからな、じゃあな!と見送る。

助手席に乗っていたユイは、両さんや友達とのことを思い出しながら、遠くに見える橋が勝鬨橋だと言うことに気づく。

その時、勝鬨橋のサイレン音が響き、橋の中央部が徐々に上がり始める。

ユイは驚き、車を運転していた桃子に知らせる。

何事かと車を停め、外に出た桃子とユイは、遠くに見える勝鬨橋の中央部が、ぱかっと割れている姿を目撃する。

いつしか桃子は泣いていた。

ユイは興奮して、お母さん!橋、ぱか〜!だよ!と叫ぶ。

噓じゃねえ!本当なんだ〜!少年時代、桃子のトラックを追って来た少年勘吉は叫んでいた。

私、その噓、絶対忘れないからね〜!死ぬまで絶対忘れないからね〜!と答える幼い頃の桃子は、その後にこう叫んでいた。

「大好きなんだから〜!」

泣いている今の桃子に気づいたユイが、どうしたの?と聞いて来たので、照れた桃子は、きれいだからかな?と答える。

その頃、両さんは嬉しそうに自転車で土手を走っていた。

亀有商店街の人々の写真をバックにエンドロール

派出所に戻って来た両さんに、大原部長は、お前、あれどうした?と聞く。

言いつかっていたらしい「あれ」のことが思い出せない両さんは、派出所から飛び出すと「ほげええぇ!」と叫ぶのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

長期連載を誇る人気マンガのドラマ化の映画版

前半部分は、子供たちを中心とした子供映画の雰囲気なのだが、途中から、「踊る大捜査線」風の大掛かりな捜査劇に変貌する。

そうした中、地元のことを良く知る両津は、青島刑事張りに、後輩中川を従えて大活躍をすることに…と言う展開。

誘拐とその捜査劇そのものに新鮮みはないが、犯人像にはちょっとひねりが感じられる。

両さん個人の初恋ドラマとしても、なかなか泣かせるものになっており、ファミリー映画としては十分楽しめるのではないかと思う。

途中、やや間延びした雰囲気が感じられる部分がいくつかあるが、全体としては良くまとまっている方だろう。

主人公である両さんや、他のレギュラー陣に魅力があるかどうかが問題だが、その辺の弱さを補う為に、映画版では派手な展開を用意したと言うことかもしれない。

活躍の場が多い両さん役の香取慎吾と大原部長役の伊武雅刀はともかく、中川を演じる速水もこみちや、麗子を演じる香里奈は影が薄く、この作品に出た意味はあったのだろうか?と言う気もしないではない。

肝心の香取慎吾演ずる両さんだが…

個人的には、コッミクもアニメも観ていなかったので、マンガとの比較はできないが、この映画版を観る限り、両さんと言うキャラクターにものすごく感情移入ができたかと言うと微妙と言うしかない。

決して悪いキャラクターとは思わないが、かと言って、ものすごく今の時代にとって魅力的かと言うと…

どうしても、時代から浮いたアナクロキャラクター風に写ってしまう。

例えば、今の時代に植木等の無責任男が登場しても、やっぱり浮いてしまうだろうと感じるのと同じだと思う。

今と言う時代が求めているキャラクターではないような気がするのだ。

映画版の事件そのものに、今と言う時代がビビッドに反映されていれば、又違った印象だったのかもしれないが、これも古色蒼然とした怨恨による誘拐もの。

新しいものを観た!と言う衝撃感はどこにもなく、安定感はあるものの、次を期待させるようなものはない。

「第二の寅さん」を狙って、保守的な松竹が作ったと言うならともかく、時代を先導しているはずのテレビ局が作っているにしては、やや安易な発想ではないだろうか?

深田恭子や谷原章介辺りの脇も、正直微妙な感じ。

とは言え、深キョン演じる「女ねずみ小僧」は見物で、ドロンジョ役同様、マスクものが似合う人なのかもしれない。