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SUPER8/スーパーエイト

2011年、アメリカ映画、 J・J・エイブラムス脚本+監督映画。

※この作品は新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので、ご注意ください。コメントはページ下です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

クアン鉄鋼の無事故記録表に、死亡事故1の文字が入る。

雪の中、外のブランコに一人座っている14歳の少年ジョー・ラム(ジョエル・コートニー)のことを案ずる葬儀の列席者たち

ジョーの友人たちは、棺の中に入っているジョーの母親の遺体の状態などを興味本位で話している。

ジョーの母親は、工場で落下して来た鉄骨に押しつぶされて無惨な死を遂げていた。

そこに、ルイス・デイナード(ロン・エルダード)がやって来て、家の中にいたジョーの父親ジャック・ラム(カイル・チャンドラー)に何事かを話しかけようとするが、ジャックに冷たく追い返される。

保安官助手であるジャックはパトカーに乗り出かけて行く。

4ヶ月後

学校は夏休みに入った。

チャールズ・カズニック(ライリー・グリフィス)は、ジョーに新作の8mmゾンビ映画のシナリオを見せながら、探偵の奥さん役にアリスを起用しようと思っていると打ち明ける。

それを聞いたジョーは、アリス・デイナード!?と驚く。

チャールズの家で、出来上がっているゾンビのクライマックスシーンを観たジョーは、なかなか良くできていると感心する。

チャールズは、探偵に女房がいた方が、感情移入しやすくなると、女房役を新たに加えた理由を説明すると、今夜12時だぞとジョーと落ち合う約束を確認する。

チャールズの家を帰ろうとするジョーに、母親や父親が、夕食食べて行く?とか、いつでも遊びにおいでと優しい言葉をかけてくれる。

4ヶ月前に母親を亡くしたジョーに同情してくれているのだった。

TVではスリーマイル島の原発事故を報道していた。

自宅に帰ったジョーは、父親の姿が見えないので探すが、トイレの中で泣いているジャックの姿を見てしまう。

ジャックは恥ずかしそうに慌ててドアを閉める。

その後、レストランに食事に行くが、ジャックはジョーに、モンスター映画作りの手伝いなんかせずに、スポーツ合宿に参加しないかと勧める。

友達が増えるからと言うのだ。

夜、自宅にいたジョーは、トランシーバーでチャールズからの連絡を受け、出かけることにする。

映画仲間の集合地点に、アリス(エル・ファニング)は車でやってくるが、ジョーの姿を見つけると、この子、保安官助手の子よ。私、無免許よと呆れたように告げる。

ジョーは、誰にも言わないと約束し、全員、アリスの車に乗り込んで、撮影場所である駅に向かう。

駅に着いたチャールズは、アリスに泣くシーンを増やしてけどできる?と聞く。

ジョーは、メイク係としてアリスの顔にメイクを施す。

マーティン(ザック・ミルズ)がハサウェイ刑事役で、爆薬係のプレストンが、刑事と女房の背後で電話をかけるエキストラ役をやる段取りになる。

リハーサルをやることになり、アリスが泣く芝居をし始めると、そのあまりのうまさに、チャールズもジョーも唖然として見とれてしまう。

その時、列車が近づいて来たのに気づいたチャールズは、列車をバックに入れると映画のクオリティが上がると言い出し、カメラを列車方向に向ける。

いよいよ本番を始めるが、その時ジョーは、列車の進行方向にトラックが接近しているのを見つける。

トラックは線路を渡ると、列車に向かってすれ違うように近づき、やがて列車と衝突したのか、大音響と共に列車は転覆脱線する。

チャールズたち映画関係者は驚いて全員逃げ出すが、アリスだけ別方向に逃げる。

8mmカメラの三脚も倒れるが、カメラ自体は回り続けていた。

転覆は大惨事の様相を呈し、ジョーは、他のメンバーたちを探しまわるが、何とか、男の子たちは全員無事のようだった。

さらにアリスを探していたジョーは、列車の残骸に付着した大量の血痕を発見し立ちすくむ。

他のメンバーたちもそこに集まり、血痕を見て愕然とする。

しかし、「その血は?」と声をかけて近づいて来たのはアリスだった。

大量の血に見えたのは、撮影用に用意していた血のりだった。

ジョーは、ルービックキューブのような白い固まりを拾い上げると、ポケットにしまい込むと、これは事故じゃない。車がぶつかったと皆に教える。

そのトラックに近づいたチャールズたちは、運転席で血まみれになってぐったりしていた黒人を発見する。

それは、上級理科のウッドワード先生(グリン・ターマン)だった。

アリスは、ウッドワードが持っていたらしい紙片を拾う。

それは、地図とメモだった。

その時、突如、アリスの手をウッドワードが掴む。

死んでいると思われたウッドワードは生きていたのだ。

チャールズは名乗り、学校の生徒だと挨拶するが、何故か銃を取り出したウッドワード先生は、それを生徒たちに向けて「殺されるぞ。誰にも言うな。死ぬぞ…」と苦しそうにつぶやく。

チャールズたちは怖くなって、皆一斉に逃げる。気がつくと、捜査隊が接近しているような懐中電灯の光が見えたからだ。

現場に到着した兵隊は、駅近くに落ちていた8mmのフィルム箱を発見する。

アリスの車で帰る一行は、皆、今日見たことを黙っていることを誓い合う。

アリスは、車から降りたジョーのキューブを観ると返却しながら、止めておけば良かったと、映画に参加したことを後悔しているようだった。

その後、街は各所で停電が起きる。

翌朝、ジョーは、チャールズの家に来て、テレビで放映されていた事故状況を、家族の手前、はじめて知った風に装って見る。

空軍が、転覆した列車の捜査をしていた。

ジョーは、パニック映画みたいだと感想を言う。

その後、カメラ屋に向かったチャールズは、8mmが壊れたので修理したいと申し出るが、カメラ屋は買い替えろと忠告する。

ジョーはアリスに電話を入れてみるが、相手は出なかった。

チャールズはカメラは諦め、とりあえず、フィルムの現像を急ぎで頼むと、3日後だと答えたカメラ屋は、姉ちゃん元気?きれいな方だと話しかけて来る。

チャールズの二人いる姉の一人に興味があるらしい。

ジョーは、その後、アリスの家に行ってみるが、玄関に顔を見せたアリスは帰ってと言う。

そこに、父親のルイス・デイナードも近づいて来て、さっさと帰れ、二度と来るな!とジョーを追い払う。

しかし、父親が家の中に入ると、一緒に入りかけたアリスはジョーだけにこっそり、「私、やる!」と打ち明ける。

新しい8mmカメラを用意したチャールズたちは、まだ捜査が続いている列車事故現場が見渡せる丘で撮影を開始する。

ジョーは、事故現場の様子もカメラに収めて行く。

転覆した列車は空軍のものだと分かる。

ウッドワード先生のトラックにはフックが付いており、わざと列車に突っ込んだとジョーは気づく。

しかし、自殺なら拳銃を持っていたはずだった。

そんなジョーの言葉を制したチャールズは、パパにまで何かあったら嫌だろう?と言い聞かす。

空軍の連中は、キューブ状のものを回収していた。

ジャックは、今回の転覆事故で、リリアンの街の住民たちが心配していると現場に来るが、応対したネレク大佐(ノア・エメリッヒ)は、何ら心配ないと否定する。

街に戻ったジャックは、シューン保安官に報告するが、保安官は、エリザベスをなくしてから働き詰めのジャックに休暇を取れと心配する。

その後、保安官は、ガソリンスタンドを兼ねたコンビニにやって来てタバコを買うが、店員のブリーンはウォークマンと言う新製品に夢中だった。

パトカーの側に戻って来たシューン保安官は、何匹もの犬たちが一斉に同一方向に走って行く様を目撃する。

さらに、急に警察無線が勝手に入り出したので、保安官は異常を察知し、周囲を警戒する。

ブリーンも蛍光灯が点滅し出したので、ようやく異変に気づき、シューン保安官を呼びながら外に出てみると、パトカーが何者かに破壊されていた。

次の瞬間、ブリーンは何者かに引きずられて行く。

その頃、ジョーはアリスに、ゾンビメイクを施していた。

どこで覚えたの?と聞かれたジョーは、ディック・スミスの本で学んだと教える。

チャールズは、列車の模型を爆破したいと言い出す。

どうやら、ジョーが持っている模型のことを言っているようだった。

ゾンビの動きを尋ねたアリスに、ジョーはムーリン先生みたいな感じと教える。

すると、アリスは急にジョーの首筋に噛み付くような真似をしたので、ジョーは思わずうっとりし、それを観ていたチャールズは複雑な表情になる。

ジャックは、ガソリンスタンドで消えたシューン保安官とブリーンの捜査のため、現場に来ていたが、パトカーのエンジンが消えていることに気づく。

ジャックは、ルイス・デイナードを怪しむ。

電話も通じなくなり、犬もいなくなったと次々と住民たちから苦情が届き始める。

そんなリリアンの街に、軍用車が乗り込んで来る。

それに乗った兵隊は、ガイガーカウンターで何かを調べていた。

ジョーは、いなくなった愛犬ルーシーを探す為に、写真を街の掲示板に貼りに来るが、そこはもう探し犬の貼紙で一杯だった。

家に戻ると、ジャックと部下たちが会議をしている所だった。

その時、家が停電してしまう。

自室に戻ったジョーは、チャールズからのトランシーバー連絡で、連中は、僕たちの車を探していると聞かされる。

電線が切れた箇所を修理に来た電気会社のルーニーは、何か巨大なものが近づいて来る物音に気づいたので、クレーンをさらに上昇させてみるが、その直後、何者かに襲撃される。

その後、町民たちの集会で、電子レンジもなくなったなど、次々と被害報告がある。

町民たちは口々に、ロシア人の陰謀だ!などと噂し合うが、そんな中、一人の老人が、無線がめちゃくちゃだと言うのに注目したジャックは、その周波数を確認する。

保安官本部に戻ったジャックは、老人に聞いた周波数のスクランブルを解除するよう部下に命じる。

その時、ルイス・デイナードが来て、娘のアリスに息子を近づけるなと釘を刺す。

しかし、アリスはゾンビメイクのままジョーの家にいた。

ジョーは、チャールズが爆破させたがっていた列車模型を見せる。

アリスは、事故の時、ジョーが握りしめていたネックレスは?と聞くと、ジョーは、ままがいつも付けていたもので、形見として持っていると言う。

保安官本部では、各地で犬が発見されているが、その場所は街を円形に囲む地域だった。

その時、空軍の無線を傍受するが、「ウォーキング・ディスタンス」と言う謎の言葉が聞こえて来る。

ジャックは、ネレク大佐に会いに行くが、観ると、息子のジョーたちが、自分の8mmを勝手に使って映画の撮影をしていた。

そのカメラを取り上げたジャックは、住宅内を捜査していたネレク大佐に会い、本当のことを教えてくれなければ、ワシントンに問い合わせますよ、「ウォーキング・ディスタンス」のことをと脅してみる。

ネレク大佐は、その時、8mm映画を撮影している子供たちに気づく。

帰宅したジャックは、ジョーに、アリスと付き合うんじゃない。あの父親はクズだと叱る。

しかし、ジョーは、アリスは優しい子だ。パパは勝手だ。今、街を守れるのは父さんだけだと涙目で訴える。

その後、ジョーは、母親エリザベス・ラムの墓に一人でやって来る。

その時、納骨堂の方から物音が響いて来たので、懐中電灯を当ててみると、その中に何かがいるようだった。

一方、ジャックは、リリアン飛行場にネレク大佐から呼ばれて行く。

飛行場の中の病室では、重傷を負ったウッドワード先生がベッドに寝かされ、ネレク大佐から尋問されていた。

ウッドワード先生は、彼と私は一つだ。自分たちは通じ合っている。君があれを見つける時、わしを見つけるのだと謎めいたことをつぶやく。

そんなウッドワードの腕に刺されていた点滴の薬を、医者が何に取り替えると、ウッドワードは急に苦しみ出し、息絶える。

アリスは、ジョーの二階の部屋の窓を叩いて合図をすると、中に入れてもらう。

停電で、お互い眠れないでいたのだった。

アリスは、模型の爆破をさせちゃダメ。チャールズは幼稚園の頃から威張っていたと言うと、あなたのことは何となく分かるのとジョーに同情する。

その時、急に電気が通じ、ジョーがスイッチを入れていた8m名社旗が映像を壁に映し始める。

そこには、赤ん坊時代のジョーを抱くママの姿が映っていた。

こうしていると、今もママがいるみたいだ。ママがこんな風に僕を見ていてくれると、自分の存在を実感できたとジョーは打ち明ける。

アリスは、あの日、パパは酔って工場を休んだのだと説明する。

その代わりに入ったあなたのママが事故に…と哀しむ。

パパは言っている。自分が死ねば良かったって…とジョーが言うと、アリスも、私も…と言いかけたので、自分のパパだろう?とジョーは叱る。

その時、机の上に置いておいたあの不思議なキューブが動き始める。

そして、次の瞬間、キューブは、壁を突き破って、外に飛び出して行く。

自分の家に戻ったアリスは、中で父親のルイスが待ち受けていたのに出会う。

又酔っていたルイスは、出て行け!お前の母親みたいに出て行け!とののしる。

アリスは絶えられなくなり、自転車で外に飛び出して行くが、それを見たルイスは後悔し、すぐに自動車で追って来る。

ルイスは運転席から、パパが悪かった!と謝りながらアリスを追いかけて来るが、ハンドルを切り損ね、停めてあった別の車に衝突してしまう。

アリスの悲鳴を聞いたルイスは、何とか運転席から外に出てアリスのいた場所に近づいてみるが、そこにはアリスの自転車だけが残されており、アリスの姿は消えてしまっていた。

その頃、空軍は「ウォーキング・ディスタンス作戦」を決行する。

火炎放射器で、リリアンの近くの森を焼き払っていたのだ。

チャールズとジョーは、映画撮影を中止するか続行するかで言い争いをしていた。

同じ頃、街の給水タンクに、あのキューブがめり込み、うごめいていた。

チャールズはジョーに、お前が映画を続行したがるのはアリス目当てだろう?と言いながら、現像が上がって来た、その夜の8mmフィルムを映写し始める。

俺だって彼女のこと好きなんだ。でも、俺がモテるはずないよな、デブだし…とチャールズは自虐的に言う。

フィルムに写っていたのは煙だらけだった。

ジョーは、模型は新しく作るよ。アリスが好きなんだ、ごめんと謝る。

チャールズは、むかつくのは、両想いってことだと悔しがる。

その時、フィルムの煙の中に、転覆した列車から出て来る何か得体の知れないものが写っているのに気づく。

二人は、突然聞こえて来たサイレンに驚く。

外に出てみると、森の方から煙が立ち上っており、火事だ、避難しろ!と近所の老人が叫んでいた。

空軍の車が街に入り込んで来て、グリーンヒル空軍基地に全員避難するよう町民たちに指示をする。

街は閉鎖されると言う。

グリーンヒル空軍基地に連れて来られたチャールズは、先に来ていたママや姉たち家族と再会する。

アリスの父デイナードを発見したジョーは話しかけるが、ルイスは、アリスがさらわれた。あれは何なんだ?誰も俺の話を信じてくれないと狼狽していた。

しかし、ジョーははっきりと「信じます!」と答える。

ジョーは、アリスがいなくなったことをチャールズたち仲間に教えると、街に戻るんだと言い出す。

チャールズは、きれいな方の姉に相談を持ちかける。

姉は、避難していた写真屋に話しかけ、車でチャールズたちを街まで送り届けることを約束させる。

写真屋は姉の言葉にたぶらかされ、チャールズたちの学校に向かう。

その頃、ジャックは、リリアン飛行場内の一室に軟禁されていた。

トイレに行きたいと監視係に呼びかけ、部屋の外に出たジャックは、隙をついて監視係を倒すと、空軍の制服に着替えて外の様子をうかがい、そこに停まっていた燃料トラックを撃って大爆発を起こし、その騒ぎに乗じてジープを奪うと、基地を抜け出すことに成功する。

街に戻って来たジャックは、次々と、軍の車に引き連れられ避難場所に向かっている町民たちの姿を遠目で目撃する。

軍は学校をとっくに調べたはずじゃないかと言うチャールズたちに、ジョーはガラクタ入れは見ていないと断定する。

自分たちが先生たちに押収されたゲームなどを入れてある倉庫だった。

リバー通りは封鎖されていることに気づいた写真屋は、迂回して学校に到着する。

ガラクタ入れの鍵を壊して開けると、中から、過去の教職員の履歴書などを見つける。

ウッドワード先生は、1963年に不名誉除隊していた。

1958年から軍の研究室に勤めていたが、1963年4月8費の事件をきっかけで辞めさせられていたのだった。

当時の記録8mmも見つけたので映写してみると、彼は地底に潜る習性がある。彼は宇宙船の修理をしていただけだ。キューブは宇宙船の部品だ。彼はネレク大佐の拷問を受けた。

記録フィルムに写っていた若き日のウッドワード先生は、折の中に入れられた何かに、餌を与えようとして上部の鉄柵から出て来た何者かの腕に掴まれてしまう。

彼にはテレパシーが出来、触れた瞬間、通じ合った…とウッドワース先生の記録は言っていた。

ジョーは、彼の目的は殺すことじゃない。船を修理しているだけなんだと気づく。

その時、学校内に軍が乗り込んで来て、ジョーたちは全員捕まってしまう。

ジョーはネックレスを取られてしまう。

その後、軍のバスに乗せられた彼らは、どこかへ連れ去られて行く。

その頃、車で待機していた写真屋は、マリファナを吹かしてラリっていた。

バスには、ネレク大佐も乗っていた。

やがて、暗闇の道路を走っていたジョーらを乗せたバスが傾く。

乗っていた軍人が何かの手に捕まってしまう。

それを見たマーティンは、恐怖のあまり吐いてしまう。

その直後、バスは何者かに完全にひっくり返されてしまう。

乗っていた軍人たちの数人は既に死亡していた。

ネレク大佐は、生き残った部下たちに大型兵器を使え!と命じ、子供たちは、バスの後部に閉じ込められてしまう。

チャールズたちは、天井部に窓があることに気づき、そこから外に脱出する。

バスの中に残ったネレク大佐は、何者かに惨殺される。

その頃、避難所にいたルイスは、空軍兵に連れ去られようとしていたが、そこに別の兵士が近づき、大佐から命じられていると言いながらルイスを引き受ける。

その兵士は、ジャックだった。

ジャックは子供たちを捜すんだと伝えるが、そこに、写真やのダニーが、俺、ラリっているんだと言いながら来る。

ダニーの車の運転席にジャック、助手席にルイスが乗り込み出発する。

ジョーたちは、怪物は地底を好むのなら墓地にいるに違いないと推理し、向かっていたが、そこに近づいて来た軍の戦車が突然発砲し始める。

戦車同士が、誤作動を起こしたように、めちゃめちゃに撃ち合いを始めたのだ。

とりあえず、無人になったキャシーの家の中に退避した一行だったが、壁が砲撃され、マーティンが足に負傷してしまう。

爆薬係のケアリーは、すっかり興奮状態になり、ジョーと一緒に墓地に向かうことにする。

納骨堂の中には巨大な穴が掘ってあり、花火をその中に放り投げると、かなり深いことが分かったので、ジョーとケアリーは、綱を使い、慎重にその中に降りることにする。

アリスが下にいると、ジョーは確信していた。

その頃、車で子供たちを捜していたルイスは、誰も傷つけるつもりはなかったんだ…、すまなかった、奥さんのこと…とジャックに謝罪する。

それを聞いたジャックは、あれは事故だったんだと答える。

地底の穴を進んでいたジョーとケアリーは、逆さ吊りにされているシューン保安官を発見する。

他にも、何人もの人間が同じように吊るされており、怪物は、広い空間の中で何かを組み立てていた。

ジョーは、ここが給水塔の真下にあたることと、怪物が人間を食べていることに気づく。

暗闇の中を慎重に観察してみると、やはり、アリスも逆さ吊りにされていた。

ジョーは、ケアリーの爆薬で怪物を倒すと宣言し、自分はアリスを救い出しに向かう。

ケアリーは、いくつもの花火を寄せ集め、ライターで導火線に火をつけようとするが、なかなかライターが着火しなかった。

やがて、何とか火がつき、花火が爆発する。

怪物が気を取られた隙に、アリスの身体を降ろしたジョーは、頬を叩いて目を覚まさせる。

何が起きたのか分からない様子のアリスに、君を助けに来たんだとジョーが話すと、感激したアリスは抱きつく。

ジョーは、君のパパが、誘拐された君のことをとても心配していたと教える。

その内、助けた別の女も気がつく。

アリスは、彼は帰りたがっているの。触れた瞬間に分かったのとジョーに告げる。

目を覚ましたシューン保安官が、捉えられた人間たちを先導して穴を抜け出そうとするが、ケアリーと合流した後、いきなり、保安官が怪物に捕まってしまう。

さらに、一行は行き止まりの場所に追いつめられる。

暗闇の中、迫り来る怪物にジョーは気持ちは分かると話しかけるが、捕まってしまう。

ジョーはそれでも、目の前に迫った怪物に話しかけていた。

辛い時もある。分かるよ。でも生きていける…

その時、怪物が組み立てていた宇宙船が起動し始めたので、怪物は思わずジョーを手放して、宇宙船の方へ移動して行く。

ケアリー、アリス、ジョーの3人が、何とか穴の外に出てみると、町中の金属が給水塔に引き寄せられていた。

軍隊の銃も車も、そして軍用トラックの荷台から大量のキューブも吸い寄せられて行く。

それを唖然と見ていると、ジャックとルイスが到着する。

ジャックはジョーを抱きしめ、アリスもルイスと抱き合う。

怪物は、給水塔が変化した宇宙船によじ上り中に入って行く。

ジョーが持っていた、ママの形見のペンダントも吸い寄せられそうになったので、ジョーは必死に握りしめるが、やがて諦めたように手を離すと、ペンダントは宇宙船の一部に吸い付いてしまう。

次の瞬間、宇宙船から水が溢れると、宇宙船は空へと飛び立って行く。

その様子を、チャールズたちも見上げていた。

ジョーはアリスと手を取り合い、互いに微笑み合う。

エンドロール

8mm作品「Case(事件)」

「LEVEL5」と言う化学工場の社長(ジョー)は、あれは事故じゃない。首にかみ傷が…、薬品が死者をゾンビに変えたんだ…と説明していると、急にゾンビに襲われ、壁の釘に突き刺して何とか助かる。

ハサウェイ刑事(マーティン)は、妻(アリス)にミシガン行きの切符を渡し、早くこの街を出ろと忠告していた。

ハサウェイ刑事は、一連の事件をゾンビの仕業と見破っていたのだった。

ハサウェイは、ゾンビを人間に戻す解毒材を発明した科学者に会いに行くが、その科学者もゾンビに襲撃される。

何とか帰宅したハサウェイは、ゾンビ化した妻に襲われるが、解毒注射を妻の首に射つ。

しかし、薬の効果がないようだったので、悩んだ末、銃を妻に向ける。

その時、薬が効き、人間に戻った妻が、ジョン?と呼びかける。

喜んだハサウェイ刑事は、しっかりと妻を抱きしめるのだった。

THE END

チャールズが画面に登場し、監督のカズニックですと自己紹介する。

そのチャールズも又、ゾンビ化したアリスに襲われるのであった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

スピルバーグ監督の「E.T.」のモンスター版とでも言うべきファンタジー作品。

郊外の小さな街を舞台に、そこに暮らす少年たちの日常に突然紛れ込んだ異常な冒険を描いている。

片親しかいない少年の孤独感、淡い初恋、映画ごっこ、宇宙人との遭遇…など、至る所にスピルバーグの影響が見え隠れする内容になっている。

後半、戦車同士が発砲し合い、街が大パニックになる所は「1941」(1979)を連想させたりする。

話の展開は巧いし、派手な見せ場もそれなりに盛り込まれており、十分楽しめる作品になっているが、唯一不満点を上げるとすれば、モンスターの魅力が弱い所だろう。

姿を現すまでの恐怖感は「ジョーズ」のようで悪くないが、姿を現してしまうと、何だか形のはっきりしない昆虫のような形態で、少し興ざめ。

CG処理で作っているシーンが多い為か、存在感そのものが希薄なのも気になる。

この作品、ジョー役の男の子も可愛らしいが、アリス役の女の子は、どことなく、「E.T.」に出ていたドリュー・バリモアに、どことなく似ているような気がしてならない。

スリーマイルズ島原発事故とか、最後にかかる「The Knack」の「マイ・シャローナ」など、当時を思い起こさせるノスタルジックな要素も懐かしい。