1963年、東宝、木村武+ 関沢新一脚本、谷口千吉監督作品。
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とにかく、全盛期の東宝特撮ファンタジーの醍醐味がたっぷり味わえる。
海賊の汚名を着せられて、火あぶりの刑に処せられかけた、豪商、呂宗助佐衛門(三船敏郎)は、配下の者たちと、それまで稼ぎためたお宝を持って船出する。
しかし、嵐にあい、船は沈没、かろうじて助佐(すけざ)とお宝と2名の配下だけが波間に漂うはめに…。
しかし、そこへ、巨大な「黒海賊」の船が近づき、配下の2人も殺され、お宝は、まんまと彼らに奪われる。
この「黒海賊」の頭領演ずるは、「和製チャールズ・ブロンソン」事、佐藤允。
黒海賊船は、古代ローマの奴隷船のような凝った造形で、ミニチュアと、セットで再現してある。
やがて、気がついた助佐を助けたのは、修業中の身という怪し気なジジイ「久米の仙人」(有島一郎)。
お馴染みのとぼけたキャラクターで、笑いを取りながらも、物語最後まで重要な役割を果たす。
見知らぬ街へ辿り着いた助佐は、そこで城の護衛兵をやっている力自慢の男スリム(田崎潤)と、飯屋の女主人(実は、盗賊の頭)水野久美と知り合う。
その国の王様は、町中から女をさらうなど悪行三昧…と悪い噂ばかり…。
しかし、実際は、悪宰相(中丸忠雄=「電送人間」)が城の実権を掌握しており、王は魔法で眠らされており、ヤヤ姫(浜美枝)との結婚も狙っていたのでした。
ヤヤ姫の側近には、若林映子も!(ボンドガール共演!)
とにかく、この謎の国の実物大セットがすごい!
基本的には、アラビアン・ナイトのイメージだが、それにモンゴルあたりの雰囲気も混合していて、そのスケール感や、まるで、「インディ・ジョーンズ」の町 並みのセットといっても、通用するのではないか…と思える程。(一部は、後年「ウルトラマン」のバラージの街として、流用されました)
お城には、大男(「用心棒」にも出てくる、ちょっとジャイアント馬場似の役者)や、小さな男(ミニラやガラモンでお馴染みのマァちゃんか?)もいれば、魔法使いのお婆々(もちろん天本英世!絶品!)までいる。
一度は、ヤヤ姫に近付いた助佐だったが、通路に仕掛けられた落とし穴に落とされ、地下牢に閉じ込められた後、仙人や宰相とうまくいっていない女(草笛光子)などに助けられ、水野久美と40人(?)の盗賊と合流するのだった。盗賊の一人は二瓶正也(イデ隊員)!
いよいよ、ヤヤ姫と宰相の無理矢理の婚礼の日、助佐は、お城に乗り込むべく、大凧をこしらえ、それに乗って、城の屋根から姫の部屋へ…。
白い花嫁衣装に着飾った姫は、山型にかかげられた衛兵たちの剣の下を宰相の元へ歩んでいく。
盗賊たちも、城へと雪崩れ込み、衛兵たちと大立ち回り。
一旦は、仙人との術合戦で不覚を取った魔法使いもよみがえり、姫を石にしようと迫ります。
悪海賊、佐藤允や、スリムも助佐と剣を交える事に…。
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「インディ・ジョーンズ」と「赤影」と「カリオストロの城」を合体したような、とてつもない荒唐無稽譚。
最後にちらりと登場する王様は、何と志村喬!!
特撮ファンのみならず、娯楽映画ファン必見の一本であろう。