2011年、アメリカ映画、マーク・ボンバック脚本、トニー・スコット監督。
※これは新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので、ご注意ください。コメントはページ下です。
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これは、真実に基づいた物語である。
ペンシルベニア州北部スタントン
ウィル・コルソン(クリス・パイン)は、朝目覚め、車に乗り込んだ所で、訳あって別居している妻のダーシー・コルソン(ジェシー・シュラム)に電話を入れるが、携帯の発信者を確認したダーシーは、そのまま携帯を切ってしまう。
ペンシルベニア州南部ブルースター
ウィルは、勤め先である駅に到着すると、今日コンビを組む事になるフランク・バーンズを探す。
仲間たちに聞くと、フランクは「うるさ型」らしい。
ベテラン運転士たちが集まっている所に来たウィルは、お目当てのフランク(デンゼル・ワシントン)を探し当てると、今日の車掌を担当すると握手をする。
周囲のベテランたちが、彼の若さをからかうが、ウィルの方も負けじと、老人ホームかと思ったと切り返した後、去ってゆく。
残されたベテラン鉄道員たちは、ウィルは、会社の偉いさんのコネがあるので、今の地位を手に入れたんだと悪口を言い合う。
フラー操作場
仕事をさぼっていたデューイ(イーサン・サプリー)とギリース(T・J・ミラー)に、鉄道安全見学者として100人の子供を乗せた列車が間もなくやって来るので、貨物列車の「777」をすぐに移動しろと、監視室から無線が届く。
ブルースター操作場で列車に乗り込もうとしていたウィルは、今日は、スタントンで5両拾って来ると、フランクに業務内容を説明する。
フランクから経験を聞かれたウィルは、車掌になったのは4ヶ月前だと答えるが、フランクは、自分は28年勤めていると教える。
そんなフランクにウィルは、本当は別の仕事がしたいのだと打ち明ける。
フラー操作場では、同僚のギリースが、「777」貨物列車を点検中、エアブレーキが故障している事を発見するが、デューイーは、別に気にせず運転席に乗り込むと動かし始める。
その時、エアブレーキが完全に切れた事にデューイーは気づかなかった。
ウィルは、友人から電話をもらい、弁護士が今、妻のダーシーとの調整に成功しかかっているとの連絡があるが、その様子を運転席から見ていたフランクは、出発するぞと無線でウィルに呼びかける。
ウィルが乗り込んだのを確認したフランクは、29両を引いた貨物列車「1206」を動かし始める。
デューイーが運転する「777」はゆっくりポイントの所に近づくが、その時、ポイントが切り替えられていない事に気づき、降りて、自分で切り替えるとギリースに無線で知らせる。
動いている貨車を無人にする事になるので、降りるな!とギリースは制止するが、心配するなと言いながら、アイドリング状態にスイッチを操作した後、運転席から飛び降りると、ポイントの方に近づこうとする。
しかし、無人状態の運転席にあるアイドリング状態にしていたスイッチが、自動的に「力行(加速)」に切り替わって、「777」はスピードを上げ始める。
横を歩いていたデューイーは、異常に気づき、すぐさま、運転席に飛び乗ろうと走り始めるが、運転席横の取っ手に捕まったものの、スピードに振り切られ、転んでしまう。
それを見ていたギリースは驚くが、事態を飲み込めていない、他の操作場の作業員たちは、デューイーの無能ぶりを笑って見ているだけだった。
ハリスバーグ操作場に到着したフランクは、列車の壁に自分で貼付けたメモを発見、長女のニコルの誕生日を忘れていた事に気づくと、その場から携帯で自宅に電話するが、出たのは次女の方で、姉のニコルの方はふくれて携帯に出ようとしなかった。
少しいらついたフランクは、つい運転席に同乗したウィルにあれこれ「コネ入社」や「若者が老人から仕事を奪っている」などと嫌みを言ってしまい、二人の間は少し冷めたムードになる。
フラー操作場では、買い物から戻って来た操車場長コニー・フーバー(ロザリオ・ドーソン)に、「777」が無人で暴走を始めた事を報告する。
驚いたコニーは、すぐさまRSCに連絡する。
司令所は、100人の子供たちを乗せた列車に、すぐさまポートビルの側線に入るよう無線で連絡する。
コニーは、デューイーが、降りる前に単独ブレーキをかけたのなら、32km当たりで自然に停まるはずと読んでいた。
町のカフェでさぼっていた溶接主任ネッドに電話を入れたコニーは、コースター(暴走列車)が動き出したので、予想到達地点に先回りして様子を教えてくれと伝える。
「1206」貨車の運転席では、フランクとウィルが少し打ち解け合い、互いの家族の話などをしながら走っていた。
結婚しているのかとウィルに聞かれたフランクは、昔していた。今は18と19の娘がいると答える。
コニーは、本社に連絡していた。
その時、見学会に来る子供に説明するために、鉄道連邦局のスコット・ワーナーが何も知らずにやって来る。
コニーは、「777」には溶解フェノールが積まれていると本社に報告していたが、それがどういう性質のものかに付いては知識がなかった。
32km地点に車でやって来たネッドだったが、到着するはずの「777」貨物列車はいつまで待ってもやって来なかった。
コニーに携帯で連絡、「777」は力行して、すでにこの地点を通り過ぎたらしいと報告する。
そこに、デューイーとギリースが乗った車がやって来る。
ネッドが、速度スイッチはどこに入れていたと聞くと、デューイーは、フルパワーの8段に入れていたと苦々しそうに教える。
事情を聞いたコニーは、「777」を追跡して監視するようネッドに命じる。
鉄道安全教室の100人の子供を乗せた列車は、接近した「777」を目の前に、間一髪、側線に入りきるが、事情を知らない子供たちは、すぐ横を通過してゆく「777」列車を驚いた様子で見つめていた。
ペンシルベニア州南部亜鉛工場に、「1206」貨物列車は到着していた。
貨車の連結作業をしていたウィルに、又友人から携帯がかかり、弁護士がしくじって、後30日、家族とは会えなくなったと知らせて来る。
電話に夢中になっているウィルの様子を、運転席から見ていたフランクはいらついていた。
コニーは本社に、「777」のエアブレーキが故障していると報告していた。
デューイとギリースが乗った車は、「777」に追いついたので、並走して、運転席に乗り込もうとしていた。
しかし、思いのほか、「777」のスピードが早く、なかなか運転席に近づけなかったが、何とかデューイーが取っ手を握った瞬間、表示板の鉄柱が近づいて来たので手を離し、開いていた車のドアは鉄柱で破壊されてしまう。
亜鉛工場を出発した直後、ウィルに通過する標識を、バックミラー越しに見るように命じたフランクは、二つの標識の間には決まった貨車しかつながっていないはずだが、2両分多いのはどういう事だと問いつめる。
ウィルは、自分がミスった事を認め、外すのでバックしてくれと頼むが、フランクは、この貨車全体の長さではバックは出来ないと教える。
携帯に夢中になり仕事に集中していなかった事を知っている二人は、ミスを巡ってつい言い争いになる。
その時、フラー操作場から無線が入り、無人貨車がそちらに向かって走っているので、側線に入れとの知らせがフランクに届く。
テレビニュースも、この暴走列車の事件を報道し始める。
コニーは緊張を落ち着かせるために、トイレで手を洗っていたが、本社のガルビン運行部長(ケヴィン・ダン)から電話が入ったとの知らせが届く。
電話に戻ったコニーは、「777」は溶解エタノールを積んでいると知らせるが、それはどんなものだと聞かれてもうまく答える事が出来なかったが、その時そばにいた鉄道局のワーナーが知っているらしかったので、代わって電話で説明してもらう。
ワーナーによると、溶解エタノールとは、毒性が強く、引火性も高いとの事だった。
その説明を聞いたガルビンは、コニーに対し、警察と協力して、100ある踏切を全部封鎖させるよう命ずる。
全長800m、1万7000リットルものディーゼル燃料を満載した「777」を停める手だてはなかった。
コニーは、「777」が通過する進路は、ある地点をすぎると後は市街地ばかりなので、即刻、脱線させるべきだと進言するが、会社が被る被害総額を考えると、そんな事は出来ないとガルビンは反対する。
州北部 フィントレ
踏切に、ネッドやマスコミ陣が到着して、やがて、ここを通過する「777」を待っていたが、そこに、馬を運ぶトレーラーが接近、踏切前の騒ぎに気を取られて、前に停まっていた車と衝突、弾みでトレーラー部分が踏切内に入り込んでしまう。
運転者は、急いで、馬を外に引き出そうとするが、最後の一匹が、踏切内で抵抗し、ぐずぐずしているうちに「777」が接近して来る。
それを見ていたネッドは、慌てて「逃げろ!」と叫び、間一髪、馬もろとも、運転者は難を逃れるが、トレーラーはまともに「777」に激突され、大破してしまう。
その頃、「1206」の運転席から、フランクは司令室に、余分の貨車を引いてしまったため、側線には入りきれないので、このまま本線を進行すると報告するが、それを聞いていたウィルは、側線に入ろうとフランクを説得する。
しかし、フランクの意思は硬く、本社は、次のポイントを本線方向にしたままにする。
その頃、鉄道会社の本社では、ゴルフ中だった社長と、電話で連絡しながら善後策の会議が行われていた。
脱線させると1億ドル以上の損失があるとの報告を聞いた社長は、ガルビンの作戦で行こうと決断を下す。
州中部のキーティング・サミット
22歳の元海兵隊員スコットが、縁に乗り込もうとしている現場に到着したネッドは、その場に集結していた州警察に協力を頼む。
さらに、「777」の前方には、同じ方向に走るベテランのジャッドが運転する別の貨車が、徐々にスピードを緩めながら「777」に接近していた。
ガルビンの作戦と言うのは、「777」の前方に、このジャッドの貨車が後部から接触し、ブレーキをかける事で、「777」を減速させ、その間に、上空を並走しているヘリからスコットを「777」の屋根に降ろそうと言うものだった。
スピードを徐々に落としたジャッド運転の貨車の後部は、「777」の先頭部分と接触、ジャッドはブレーキをかけるが、時々、両者の貨車同士が離れてしまうので、衝撃が起こる。
そんな中、スコットは、「777」の屋根の上に一旦は着地するが、次の衝撃の時、はじき飛ばされて、後部列車の窓ガラスに体当たりし、気を失ってしまう。
さらに、次の側線に脱出しようとしたジャッドの貨車は、勢い余って転覆、炎上してしまう。
これをテレビ中継で見ていたコニーは、思わず「ガルビンのバカ!」と怒鳴ってしまう。
その時、「1206」のフランクから、今、本線を走行中なので、「777」の状況を教えて欲しいと言うフランクからの無線が入る。
本線内にいた列車は、すべて側線に避難させ終わったと思い込んでいたコニーは、まだ本線内に列車が走っている事を知り仰天する。
フランクは、貨車を使った作戦が失敗したと知り、運転手は誰だったのかと聞くが、ジャド・スチュワートを聞く黙り込む。
隣で聞いていたウィルは、「知り合いか?」と聞くが、沈み込んだフランクは何も答えなかった。
そちらの馬力は?とコニーから聞かれたフランクは、5000馬力と答える。
コニーは、もうすぐ「777」が来ると警告。
フランクはその後、スタンドバーでバイト中だった娘たちに携帯で電話し、「二人とも愛してるぞ」と短いメッセージだけを伝えたので、事情を知らない娘たちはぽかんとしているだけだった。
「777」との正面衝突直前、次の側線に入る事に何とか成功した「1206」だったが、最後の一両だけが間に合わず、「777」とぶつかり粉砕される。
バックミラーで、通過する「777」の最後尾の連結器を確認していたフランクは、連結器が開いた状態である事を確認、「1206」の機関車部分を外し本線に戻ると、バックで「777」を追跡する事を決意する。
しかし、それを聞いたウィルは、危険すぎると同乗をためらうが、フランクが一人で乗り込むのを見ると、あきらめて自分も乗り込むのだった。
コニーから再び無線を受けたフランクは、無事を報告後、「777」を追っていると教える。
脱線器は絶対に失敗するが、後方からブレーキをかければ、前からブレーキをかけたジャッドの作戦より成功確率は高いはずだと説明すると、コニーは驚き、もう「777」は市街地に入り込んだので脱線させる事はないと通達するが、フランクが「確かか?」と念を押すと、本社に確認を取るしかなかった。
しかし、ガルビン運行部長は出ず、応対した女性は知らないと答えたので、コニーは、教える分けないわよねとあきらめるが、ガルビンはアークロー郊外で脱線させるつもりなんだと確信を得る。
ようやく、ガルビンにつながり、フランクの無線とも三者で連絡がし合える状態になる。
ガルビンは、終着駅であるスタントンで失敗したら大損害になる。追うなら首だ!とフランクに告げるが、フランクは、もうとっくに首になっている。72日前に、90日後の早期退職勧告を受けたと答える。
ガルビンは、住民のためだと説得するが、無線を代わったウィルは、列車を止めますと伝える。
知り合いのウィルが乗っていた事に驚いたようなガルビンだったが、お前も首だぞと脅すしかなかった。
その会話を聞いていたコニーは、愉快そうに微笑むが、ガルビンは、そんな彼女も首だぞと虚勢を張る。
フランクは、ガルビンとの会話を無視し、コニーに「777」の現在位置に着いて教えを請う。
アークローの手前14.5kmだった。
女房と何かトラブルを抱えているんだろう?とフランクから水を向けられたウィルは、ダーシーと言う妻に、見覚えのないメールが届いていたので、自分がそれは、彼女の同級生で、今は州警官になっている男からのものだろうと勝手に想像し問いつめてしまったが、実はそれは、彼女の姉からのものだった。
しかし、その後、突如警官が来て、ダーシーへの接近禁止を言い渡されたとウィルは説明する。
アークロー付近では、脱線機が線路に取り付けられ、「777」の機関車下部にある、小さな赤い燃料セットボタンを狙って、警察の射撃部隊が待機していた。
やがて、「777」が接近、取り付けてあった脱線機をことごとく粉砕して突き進み、射撃部隊も、燃料セットボタンを撃ち抜く事に失敗する。
この結果を知ったガルビンは、なぜ失敗したんだ!と驚くが、その声を聞いていたコニーは、「777」が超重量級だからよと教えてやる。
「1206」の運転席では、フランクが、自分の女房はがんで死んだとウィルに教え、奥さんに電話して、とにかく謝るんだとアドバイスしていた。
その頃、別居したアパートのベッドで眠っていたダーシーは、突然、預けていた息子を連れやって来た姉に起こされる。
訳が分からないまま起きた彼女に、姉はテレビを付けて見せる。
そこでは、「777」を追う「1206」機関車に、ウィルが乗っている事を報ずる生放送が流れていた。
アークロー
フランクの二人の娘も、バーのテレビの実況中継で、自分たちのパパの運命をじっと見つめていた。
スタントンまで、後17.7km
フラー操作場のコニーのそばに付き添っていた鉄道局のワーナーは、フランクに、ブレーキの有効な掛け方に付いてアドバイスを与える。
先行する「777」との距離を知らせるために、自分が外に出て、手で合図をするとウィルが言いだす。
その直後、ダーシーはウィルに携帯をかけるが、もうウィルは機関車の側面を前方に向けて歩いており、つながらなかった。
ウィルの目測による誘導で、フランクは、「777」の最後部の連結器に「1206」の先頭部をぶつけるが、その際、「777」最後尾の貨車に積んでいた穀物が飛び出し、視界を塞いでしまうと言うアクシデントが起きる。
ウィルは、飛んで来る穀物の中で、連結器を確認、「777」の連結器が閉じてしまったと無線でフランクに知らせる。
フランクは、再度、スピードを上げ、「777」に接触、今度は成功するが、ピンがきちんと降りていない事を確認したウィルは、自分でそれを蹴って押し込もうとする。
しかし、ピンが降りた際、フランクは右足を挟まれて負傷してしまい、一瞬、線路に落ちたかに見えた。
追走するヘリからの実況中継をテレビで観ていたダーシーたちは息を飲む。
穀物の流出が少し落ち着き、視界が戻って来た中、ウィルは何とか連結部に乗っている事が確認できるが、右足からは出血していた。
運転席に戻って来て、その足のけがを見たフランクは、ガムテープを渡し、しっかり縛っておくよう指示する。
コニーから、スタントンまで6.4kmとの知らせが入る。
フランクは発電ブレーキをかけるが、「777」の馬力に力負けして、若干加速してしまう。
スタントンの前には大曲と言う大きなカーブ状に線路が曲がった部分があり、そこの制限速度は24kmだったので、何とかそこまでスピードを落とさないと、「777」は脱線して、そばにある工場に激突して大惨事になってしまう。
ウィルは、「777」が引いている貨車ごとに付いている「手動ブレーキ」をかけてみたらと思いつきを口に出す。
そえに賛成したフランクは、自分が行くと言い出し、ウィルに、ハンドルを今の位置から絶対に動かすなと命じると、上着を着て外に出てゆく。
「777」の最後尾の手動ブレーキを回した後、走っている貨車の屋根を伝って前に進んだフランクは、次々と、貨車の手動ブレーキを回して行く。
その様子を、ヘリからの実況中継で見守っていた姉妹たちは、「パパなら絶対できる!」と祈っていた。
やがてフランクは、前方の車両と距離があり飛び移れない部分に来てしまう。
「777」に連結した「1206」のブレーキは完全に焼け切れ、「777」は徐々に加速を続けていた。
そうこうしているうちに、「777」は大曲に接近する。
「777」の屋根に乗ったままのフランクは、無線で、運転席のウィルに連絡を取り、ブレーキをかけるタイミングを教える。
ウィルは、言われるまま、ブレーキを何度かかける。
「777」は傾きかけるが、何とか、大曲を乗り越える事に成功した。
テレビを見ていた関係者たちから思わず拍手が巻き起こる。
しかし、まだ「777」は終点に向かって突き進んでいた。
その時、テレビを見ていたコニーは、「777」の横の道を、猛スピードで先頭部に近づいて来る一台の車に気づく。
ずっと、追って来たネッドだった。
ネッドは、「1206」の運転席の横に並走する位置まで来ると、ウィルに、後ろの荷台に飛び移れと声をかける。
ウィルは一瞬ためらうが、覚悟を決め、並走するネッドの車の荷台に飛び移る。
テレビを関係者たちが固唾をのんで見守る中、ネッドの車はさらに加速し、「777」の運転席に接近しようとする。
それを屋根の上から確認したフランクも応援する。
ネッドから、飛び移れと言われたウィルは、決死の覚悟で、横を突っ走る「777」の運転席部分に飛び移り何とかしがみつく。
テレビを見ていたもの全員が喝采する。
何とか、運転席の中に入り込んだウィルは、間一髪、「777」を停める事に成功する。
その時、ウィルの携帯が鳴り、それはダーシーからのものだと分かると、安心したように閉じる。
運転席から降りたウィルは、車から降りていたネッド・オールダムと固く握手する。
そこに、子供を抱いたダーシーが駆け寄って来る姿が見えた。
家族3人は固く抱きしめ合う。
その直後、一躍ヒーローになったフランクへの解雇通告は撤回された。
そして、ネッドによる記者会見が始まる。
ネッドは、停める自信はあったと自慢げに語っている。
それを、うれしそうにそばで聞いていたウィルとフランクの元に、一人の女性が近づいて来て、どちらに先にキスをしたら良いの?と聞いて来る。
コニーだと分かったフランクは、即座に俺の方だと答える。
その頬にコニーがキスをする様子を、駆けつけて来た二人の娘がちゃかしている。
事件後、フランクは昇進した後、円満退社。
ウィルは、二人目の子供が出来た。
コニーは運行部長になり、ガルビンは解雇される。
負傷したスコットはその後全快し、事件の起こした張本人デューイは、ファーストフード業界に転職したと言う。
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現実に、オハイオ州で起こった暴走事故を元にした列車アクションサスペンス。
実際の事件を元にしているだけあって、映画は、映像的なサスペンスを高める目的以外の嘘くさい演出などは、極力加えないようにしてあるようだ。
それでも、編集のうまさなどもあって、なかなかサスペンスフルで迫力ある映像に仕上がっている。
ただし、プライベートでそれぞれ問題を抱えている二人の主人公や典型的な悪役の上司など、いかにもハリウッド的な設定は常套的で、過去、この手の列車サスペンスを見慣れた目からすると、ストーリー的にはインパクトの少ない展開のように見える。
どちらかと言えば、初心者向けのシンプルな痛快作と言った所ではないだろうか。