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ウルトラマンゼロ THE MOVIE

超決戦!ベリアル銀河帝国

2010年、「ウルトラマンゼロ THE MOVIE」製作委員会、アベユーイチ脚本+監督作品。

※この作品は新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますのでご注意ください。コメントはページ下です。

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惑星エスメラルダの草原を逃げるエメラナ・ルルド・エスメラルダ(土屋太鳳)は、振り返って、美しい都が侵略者たちの攻撃によって破壊されている様を観る。

そんなエメラナ姫の前に、巨大な敵帝国機兵レギオノイドが降り立ち襲いかかるが、その前に出現し、姫を救ったのは、二次元人との間に生まれた勇敢な騎士ミラーナイト(声-緑川光)であった。

レギオノイドを倒したミラーナイトは、エメラナ姫の体に光線を浴びせ、光の中に吸引する。

「姫様!ご無事で!」ミラーナイトが叫ぶ。

草原には、今までエメラナが頭に飾っていたティアラが落ちる。

そこに、ベリアル軍が接近してくる。

惑星エスメラルダは、ベリアルの乗る、巨大な手のような形の帝都要塞マレブランデスにつかまれるような格好で補足されてしまう。

ミラーナイトは、単身、ミラーバリアーでベリアル軍の巨大爪を防御するが、突如その背後に出現したカイザーベリアル(声-宮迫博之)の長い爪で背中を貫かれてしまう。

カイザーベリアルは「俺の僕になれ!」とあざ笑う。

タイトル

光の国は、突然、未知の敵から攻撃を受ける。

ウルトラマン80(声-長谷川初範)やユリアン(声-萩原佐代子)をはじめとするウルトラマンたちは一斉に敵宇宙船と戦い始めるが、そこに登場して来たウルトラマンゼロ(声-宮野真守)が、あっという間に宇宙船をダブルアイスラッガーで破壊する。

すると、その直後、光の国とウルトラマンゼロを確認した。破壊せよ!と言いながら、三体のダークロプス(声-宮野真守)が出現して、ゼロに襲いかかってくる。

ピンチに陥ったゼロを救いに来たのは、父ウルトラセブン(声-森次晃嗣)だった。

セブンとゼロは3本のアイスラッガーを投げ、巴型にして二体のダークロプスを倒し、宇宙に逃げた最後のダークロプスをゼロがとどめを刺す。

宇宙警備隊の面々が宇宙で破壊したダークロプスの身体の一部、緑色の鉱石のようなものを回収、分析した結果、緑色の石からマイナスエネルギーが別宇宙に通信波を送っていることが分かる。

それを知ったウルトラの父(声-西岡徳馬)は、別宇宙だとすると、調査しに行くにしても、光の国のエネルギーを集中させても一人しか送り込めないと言い出す。

それを聞いたゼロは自分が行くと言い出し、セブンもそれを支持し、光の国のプラズマスパークエネルギーを集めたウルトラゼロブレスレットを授ける。

しかし、その使用は3度に制限されており、その使用回数は光の国でも表示される。さらに、そのブレスレッドは帰る時の道しるべになるともセブンは説明する。

緑の鉱石を持って光の国を飛び立ったゼロは、赤い別宇宙の中に飛び込んでゆく。

すると、手に持っていた緑の鉱石が爆発して消滅してしまう。

その別宇宙の中で見つけたのは、ベリアル軍の攻撃を受けている惑星アヌーだった。

そんな中、ラン(小柳友)とナオ(濱田龍臣)の兄弟は、ばあちゃん(井出みな子)たちを逃がすと、自分たちは小型ポッドに乗って、追ってくるレギオノイドを崖におびき寄せる。

勢い余ったレギオノイドは、ポッドとともにそのまま崖から墜落し、溶岩たぎる火山口に落下する。

墜落直前、宇宙ポッドからかろうじて飛び出したランは、崖から落ちかけた弟のナオの手をしっかりつかんでいたが、その腕や頭からは血が流れていたので、見上げたナオは驚く。

負傷し、苦しみながらもナオを引き上げたランだったが、その胸に下げていた鉱石が光りだす。

その時、宇宙を飛んでいたゼロは自分を呼んでいると感じる。

ランとナオは、新たなレギオノイドにはじき飛ばされるが、そこに突如、二人をかばうように
巨大な光が出現し、ゼロの姿になる。

それを観たナオは、ダークロプスと思い込み銃を向けるが、あれは違うと言いながら、地面に倒れていたランは、自分の持っていた赤い鉱石のペンダントを「これは最後の希望だ。お前が見つけるんだ」と言いながら、ナオに手渡すのだった。

レギオノイドを倒した直後のゼロの身体にも異変が起きてカラータイマーが点滅し始める。

この別宇宙では、太陽がパワーを与えてくれないのであった。

そんなゼロに向かい、苦しげなランは、ナオ…、俺の弟を守ってやってくれと頼み、ナオに対しては、彼を信じろと言い聞かせ息を引き取る。

その瞬間、ゼロはランの身体と合体、眩しい光の固まりとなった後、ナオの前でランは起き上がる。

ナオは、一瞬何が起こったか分からなかったが、起き上がったランの左腕には、見知らぬブレスレッドが付いていた。

そこに、新たなレギオノイド3体が接近して来たので、二人はとりあえず逃げ出すことにする。

洞窟の中に逃げ込んだナオは、緑色の鉱石を見つけ、それに光線銃を当てると光りだしたので、それを照明代わりに手に持ってランの後を追う。

ランのブレスレッドも青く光っていたのでナオが不思議がると、ランは自分はゼロだと言い出す。

ナオが驚いて、ラン兄貴は死んだの?と聞くと、お前の兄は生きている。俺たちは二人で一人なんだとランの身体に入ったゼロが説明する。

俺は、お前たち兄弟愛の美しさを観た。そして、俺は、君の兄貴と約束した。君を守る。信じてくれとゼロが言うと、ナオは手を差し出し、信じるよ。お前は兄貴が信じた奴だからと納得するのだった。

その時、ナオがランから譲り受けた鉱石のペンダントが光り輝きだす。

ゼロが不思議がると、これは「バラージの盾」のかけらであり、僕らの宇宙をカイザーベリアルから守る「バラージの盾」を自分たちはずっと探し求めているのだとナオは答える。

やがて、ゼロとナオは、緑色に輝く大きな鉱脈の露出面に出会う。

ナオは、これはさっき、自分が照明用に取った緑の鉱石と同じエメラル鉱石であると教え、ゼロは、ダークロプスの体内に入っていた鉱石はこれだったのかと理解するのだった。

その時、洞窟の壁面をレギオノイドのドリルハンドが突き破ってくる。

二人は発見されたのだ。

しかしその時、二人の足下に光の円が走り、二人は落とし穴に落ちるように地底に落ちてゆく。

気がつくと、ゼロとナオは、宇宙船の操縦席とおぼしき部屋に出現していた。

中央のソファには、見知らぬ女性が座っていたので、訳を聞こうと二人が近づくと、突然バリアのようなもので二人ははじき飛ばされ、光の帯で壁に張り付けられてしまう。

その時、「記憶消去開始!」と言う声が響き、ゼロとナオは電撃を受けたようなショックを受けるが、それまで前方を見据えるばかりで振り向こうとしなかった女性が、「止めて!」と突然声を上げる。

ごめんなさい、ひどいことをして…と謝りながら二人に向かい合った女性は、ミラーナイトによって、今、三人が乗っているスターコルベット ジャンバードに転送されて来たエスメラルダ星の第二王女エメラナ姫だった。

先ほどから聞こえている男の声は、エスメラルダ星に仕えて来たジャンバードの声だったのだ。

純度の高いエメラル鉱石で出来ているエメラルダ星は、カイザーベリアルに侵略され、自分の両親たちは皆殺しにされたとエメラナ姫は悲しげに説明する。

それを聞いたナオは、僕たち仲間に、なろうと姫に手を差し伸べるが、ゼロはいきり立ち、すぐさまカイザーベリアルを倒してくると部屋から出ようとするが、奴らの行方を知ることは出来ないとジャンバードの声が制する。

ゼロは、ベリアルは自分と同じ別の宇宙から来たんだと教えるが、それを聞いていたナオは、一人で倒しにゆくなんて言うなよ。バラージの盾さえ見つければ倒せるんだからと説得し、エメラル姫も、自分も行くと協力を申し出る。

どうやって探す?と当惑するゼロに対し、「それを知っているのは炎の海賊さ!」とナオは答える。

その時、ジャンバードに、巨大な炎が接近していた。

それは、ガル(平泉成)、ギル(きたろう)、グル(ベンガル)の3兄弟海賊が乗った海賊船「アバンギャルド号」だった。

その「アバンギャルド号」の先頭部分に、用心棒グレンファイヤー(声-関智一)が腰掛けていた。

グレンファイヤーは、髪を撫で付けるような仕草をすると、顔全体が炎に包まれる巨人だった。

それを観たゼロは、ここは俺に任せろと言い、左手のブレスレッドからウルトラゼロアイを出現させると、それを目に装着してウルトラマンゼロに変身すると宇宙に飛び出してゆく。

自分たちの事情を説明しようとするゼロに、グレンファイアーは、俺は認めた奴としか話をしないと言いながら、戦いを挑んでくる。

取っ組み合いながら近くの惑星に降り立った二人。

グレンファイヤーはゼロの身体を背後から逆さに持ち上げると、パイルドライバーのように地面に叩き付ける。

しかし、その直後、今度は、起き上がったゼロがグレンファイヤーの背後に回り、同じように逆さに持ち上げて宇宙空間高く飛び上がると、猛烈なスピードで地面に落とす「ゼロドライバー」の技を見せる。

二人の戦いを「アバンギャルド号」から見守っていた三兄弟海賊たちは、すばらしい戦いに興奮して喜びだす。

ゼロは、ようやく自分のことを認めてくれたらしいグレンファイヤーに、自分たちは「バラージの盾」を探しているのだが、場所を知っているのなら教えてくれと頼む。

その時突如、ベリアル軍の艦隊が出現し接近してくる。

その艦隊には、暗黒参謀 ダークゴーネ(声-川下大洋)が乗っていた。

それを知った「アバンギャルド号」の三兄弟海賊は、グレンファイヤーに、彼と共に行け。やがてお前の力を使う時が来ると言い聞かせる。

ゼロとグレンファイヤーは、それぞれ、ウルトラゼロブレスレットとファイヤースティックを使って、あっという間に艦隊を殲滅する。

なぜ俺たちを守る?と聞くグレンファイヤーに、ゼロは、同じベリアルと戦う仲間だからだと答える。

その直後、ゼロのカラータイマーが点滅しだしたので、グレンファイヤーもゼロの体調異変を察知する。

そうこうしている間も、ベリアル艦隊はどんどん接近し続けていた。

グレンファイヤーは、意を決したかのように力むと、全身が炎に包まれる。

彼らがいた空域はスペースニトロメタンの海であり、彼はこの海に引火しようとしていたのだった。

グレンファイヤーは、「鏡の星」へ行けとゼロに告げると、ベリアル艦隊に突っ込んでゆき、大爆発が起きる。

その瞬間、ジャンバードと「アバンギャルド号」は空間ジャンプをして別の空域に移動する。

ナオは、子供の頃、父親ヒロ(石橋保)に「バラージの盾」の欠片のペンダントをもらった時のことを思い出していた。

その思い出の中では、優しかった母親ミナ(さとうやすえ)やばあちゃんも一緒だった。

気がつくと、ランの身体に戻ったゼロとナオは、ジャンバード内のベッドの上に寝ていた。

起き上がったナオは、自分の無力さを悔しがり、ゼロを相手に拳法の練習を始める。

その時、ナオは、ゼロの左腕に光っていた三つのブレスレッドの内、一つが消えていることに気づく。

その頃、光の国でもウルトラセブンが、ウルトラタワーに設置してあった表示板の光が一つ消えたことで、ゼロブレスレッドが一度使われたことに気づいていた。

ジャンバードは「鏡の国」に接近していた。

エメラルダ国の人間は、昔、二次元の民と交流があったとエメラル姫がゼロとナオに教える。

自分を助けてくれたミラーナイトは、二次元の民の父とエメラルダの母の血を受け継いだ勇敢な騎士だったのだとも。

鏡の星に降り立った三人は、雪の結晶のような形をした二次元の民(声-石田信之)に、ベリアル軍との戦いに力を貸してほしいと頼むが、我らは三次元のことには関知しないと冷たい返事を返す。

気づくと、ゼロたち三人の足下は海のようになっており、その底にミラーナイトがひっそりうずくまっていた。

二次元の民は、ミラーナイトはベリアルに心を犯されてしまったので、自らを封印しているのだと説明する。

それを聞いたゼロは、ウルトラマンゼロに変身すると、海の底に潜り、名乗りながらミラーナイトに近づこうとするが、その名前を聞いたミラーナイトは、いきなりいきり立ち、ゼロに立ち向かってこようとする。

ベリアルに心を犯されているからだと知っているゼロは、ミラーナイトに組み付くと、俺の光でお前を浄化してやると言い、光り輝きだす。

すると、ミラーナイトの顔の赤いクルスが黄色い元の色に戻り、ミラーナイトは元の姿に復活する。

しかし、ウルトラマンゼロのブレスレッドの光は、又一つ消えていた。

ゼロたちの心をしっかり受け止めたミラーナイトは、バラージの盾は地下の神殿にあるので、川をさかのぼれと教える。

その時、ベリアル艦隊が接近して来たのを知ったミラーナイトは、一人鏡の星を守るため戦い始める。

地下に流れる川をさかのぼったナオ、ゼロ、エメラル姫の三人は、やがて巨大な地下神殿にたどり着き、そこにあった伝説の巨人ノアの石像を発見する。

ナオは、ペンダントとして持っていた「バラージの盾」の欠片を、その石像の欠損部分にはめ込むが、石像の盾が崩れ去っただけで、ノア像は何の変化も起きなかった。

それを観たナオは、父さん、間違っていた?とがっかりする。

その頃、ベリアル艦隊に立ち向かっていたミラーナイトは、鋼鉄将軍 アイアロンと対峙していた。

地下神殿の中では、ノアの石像がひび割れ、ゼロとナオ、エメラル姫の三人も、引き裂かれた地面で分断されてしまう。

ゼロは、ウルトラゼロアイで変身しようとするが、それを観たエメラル姫は、それを使ってはいけないと叫ぶ。

ゼロは、急遽、ウルトラゼロアイを光線銃タイプに変形させ、エメラル姫らの頭上に落ちて来た岩を破壊する。

しかし、次の地震で、ゼロは持っていたウルトラゼロアイを地底深く落としてしまい、自らも暗黒の闇に落下してゆくのだった。

惑星エスメラルダをつかむようにしていたカイザーベリアルの帝都要塞マレブランデスの中でゼロは目覚める。

ゼロは、ドーム型のカプセルの中に封じ込められており、その眼前に巨大なカイザーベリアルが出現する。

ベリアルは、うずくぞ、この傷が…と言いながら、以前、ゼロに傷つけられた顔の右側を指し示してみせる。

カプセルの中のゼロは、俺と戦えと叫ぶが、ベリアルは嘲笑しながら、もうエネルギーがないだろう?これが欲しいんだろうと、指先に浮かべたウルトラゼロアイを見せる。

「光の国をぶっつぶしてやるぜ」と言いながら、ベリアルは、無数に作ったダークロプスとそれを乗せ輸送する時空揚陸舟艇デルストをゼロに見せつける。

ベリアルの侵略部隊は、次々と空間ジャンプし、光の国に向かってゆく。

帝国戦列艦ブリガンテが発したウルトラサインに似たベリアル銀河帝国マークを見つけた光の国では、すべてのウルトラマンたちが、大量に出現したベリアル艦隊に立ち向かってゆく。

ベリアルは、お前にはもう何もない。本当の恐怖を味わうが良いと言いながらゼロに近づいてくるが、その時、ジャンバードが飛び込んでくる。

それを観たゼロは、「逃げろ!まだバラージの盾は見つかってない!」と叫ぶ。

しかし、ナオとエメラル姫の、今助ける!と言う声が聞こえたので、思わず、ゼロは涙を流す。

その落ちた涙が急に輝くと、ゼロを封じ込めていたドーム型カプセルが壊れ、ゼロの身体は自由になる。

その身体をミラーナイトが受け止める。

俺を投げてくれ!と他人だゼロの身体を、ミラーナイトは、ウルトラゼロアイの方向に投げつける。

ゼロは、空間に浮かんでいたウルトラゼロアイをつかむと、その場で目に装着、ウルトラマンゼロに変身する。

ゼロは、マレブランデスの内部を次々に破壊してゆき、カイザーベリアルにも光線を浴びせるが、アイアロンがベリアルをかばう。

ゼロは、絶対に許せねえ!といきり立つが、ベリアルは地獄にたたき落としてやる。俺の僕となれ!と嘲笑する。

ゼロは、ベリアルの身体に組み付くと、ゼロドライバーをお見舞いした後、胸からゼロツインシュートを浴びせる。

しかし、ベリアルが発したデスシウム光線の方が強く、ゼロははじき飛ばされてしまう。

本当の恐怖はこれからだ!と言いながら、ベリアルの身体は、宇宙船の床に消えてゆく。

ジャンバードも、レギオノイドに捕まり、エメラル鉱石エネルギーを吸引されて弱りつつあった。

それを知ったエメラル姫は、エネルギー室に向かうと、自分の身体にはエメラル鉱石と同じ力が秘められており、それが王族の証ですと言うと、引き止めようとするナオとジャンバードを無視して、一人エネルギー室に飛び込んでゆく。

すると、見る間にジャンバードのエネルギー量が増して来る。

ジャンバードは、ナオに力を貸してくれと声をかける。

操縦席に立ったナオに「ジャンファイト」と叫んでくれと言うのだ。

ナオがその通りに叫ぶと、にわかに、操縦席が変形し始める。

ジャンバード全体も変形し始め、宇宙船型だったジャンバードは、ロボット型のジャンボットになる。

ナオは、自分の動きにシンクロしてジャンボットが動くことを直ちに飲み込む。

ジャンボットは、ジャンブレードと言う巨大な剣を出して、レギオノイドに立ち向かってゆく。

やがて、レギオノイドは地底に姿を消し、センサー反応がなくなる。

戸惑っているジャンボットに、出現したレギオノイドが触手を伸ばし、身体を締め付けてくるが、ジャンボットは必殺風車の技で、敵を切断破壊する。

その頃、アイアロンと戦っていたミラーナイトは、ミラードームに敵を封じ込めるが、アイアロンは技が効いていないとあざけっていた。

しかし、アイアロンの身体の同じ箇所を正確に貫くミラーナイフの威力が現れ、アイアロンは敗れ去る。

エメラルダ星をつかんでエメラル鉱石エネルギーを吸引し終えた帝都要塞マレブランデスは、広がりだし、エネルギーの威力で超巨大怪獣アークベリアルに変身したベリアルが、すべての宇宙は俺様のものだと言いながらウルトラマンゼロを片手で握りしめる。

それを助けようとミラーナイトとジャンボットが飛んでくるが、アークベリアルの前には無力に等しかった。

ゼロのカラータイマーが悲鳴をあげるように点滅し始める。

ゼロは、こんな所で自分が死ぬことになろうとは想像もしていなかった。

その時、宇宙の彼方から援軍が出現する。

死んだと思っていたグレンファイヤーと、彼が呼んで来た宇宙連合艦隊だった。

その中には、鏡の国の艦隊やナオの星の艦隊、そして「アバンギャルド号」も混じっていた。

アークベリアルは、エメラルド惑星を守ろうと立ちふさがったグレンファイヤー、ジャンボット、ミラーナイトたちに、口からアークデスシウム光線を浴びせる。

グレンファイヤーたちは、バリアを張って光線を防ごうとするが、アークデスシウム光線は強力で、バリアは少しずつ崩壊し始める。

アークベリアルは、ゼロたちが浮かんでいる背後にあるエメラルダ星ごと爆破しようとしているのだ。

力の限界に達したゼロのカラータイマーが制止してしまう。

その姿を見たジャンボットの中のナオは、僕はノアの像の前にいたあの時聞こえた。僕らが助け合うことでバラージの盾になるんだと。そうだよね?父さん…叫んでいた。

その時、全宇宙艦隊が光りだし、その光の帯が一カ所に集まると、そのエネルギーを受けたゼロがよみがえる。

目覚めたゼロは、光の中で巨大なノアと対峙していた。

アークベリアルが口から発射していたアークデスシウム光線が急に逆流したので、アークベリアルは驚いていた。

ウルトラマンゼロは、「バラージの盾」が変形した鎧「ウルティメイトイージス」をまとったウルティメイトゼロになって出現する。

ゼロを握っていたアークベリアルの右手はもぎ取られていた。

ウルティメイトゼロは、アークベリアルに向け、ゼロスラッガーをアーチェリーモードにし、その弦を引こうとする。

しかし、アークベリアルが口を開き、アークデスシウム光線を発射しかけたので、ミラーナイト、ジャンボット、グレンファイヤーの三人は、邪魔をしようとアークベリアルに近づくが、難なくはじき飛ばされてしまう。

アークベリアルが放ったアークデスシウム光線は、ウルティメイトゼロに命中したかと思ったが、爆発飛散したのは鏡だった。

ミラーナイトの得意な鏡を作る技を使った罠だったのだ。

次の瞬間、ゼロはアーチェリーから矢を放ち、それが命中したアークベリアルとベリアル艦隊は、瞬時に爆発消滅する。

気がつくと、ゼロの左手には、新しいブレスレッドがはまっていた。

その左手を、宇宙連合艦隊に向かって差し上げると、ブレスレッドがまばゆいばかりの光を放つ。

光の国では、ウルトラセブンが、息子ゼロが目的を成し遂げたことを察知して喜んでいた。

光の国の戦士たちもベリアル艦隊を撃滅しており、こうして宇宙の平和が守られた。

ジャンボットの体内のエネルギー室の前では、ナオとランの身体に戻ったゼロがひざまずいていた。

自ら犠牲となって、自分たちを助けてくれたエメラナ姫に感謝しながら、立ち去ろうとしたとき、二人の背後で、エネルギー室の扉が開く。

そして、中からエメラナ姫が出て来たではないか!

ジャンボットは、誰も姫が死んだなんて言ってないぞと、驚いて姫と再会した二人に告げる。

平和を取り戻したエメラルダ星の草原。

ゼロは、今拾ったんだと言いながら、エメラナ姫の髪にティアラを飾ってやる。

それは、以前、エメラナ自身が落としたものだった。

似合うぜと言うゼロに、エメラナ姫はありがとうと感謝する。

俺は行く。じゃあな…とゼロが立ち去りかけた所に、みんなが来るよと叫びながらナオがかけてくる。

ばあちゃんたち仲間が来ると言うのだ。

しかし、ゼロはウルトラマンゼロに変身すると空に飛び立ってゆく。

ナオがエメラナ姫の所に到着した時、足下にはランが倒れていた。

目覚めたランは、今なぜ自分がここにいるのか、目の前にいるエメラナ姫が誰なのかも分からない様子だった。

ナオは、そんなランに、話したいことがいっぱいあるんだと言いながら喜ぶ。

ランは空を見上げ、遠ざかってゆく光を何だろうと不思議がる。

ナオは、その光に向かい、ゼロ!どこに行くんだよ?まだここにいれば良いじゃないか。まだ、ちゃんと言ってないんだよ、ありがとう!と叫びかける。

宇宙空間に出たゼロに、ジャンボット、ミラーナイト、グレンファイーヤーが近づいて来て、別の宇宙から来たと言うゼロを見送ってくれる。

そんな三人に対し、ゼロは、俺は新しい宇宙警備隊を作る。君たちこれから仲間になれと一方的に命じると、あきれる三人を従えながら、「ウルティメイトフォースゼロ」の誕生だ!と叫ぶのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」(2009)に次ぐ、ウルトラマンゼロの活躍を描く劇場版新シリーズ第二弾。

一応、テレビ放映された「大怪獣バトルシリーズ」や過去のウルトラマンシリーズとのリンク性が若干残っていた前作と違い、本作は、ほとんど映画オリジナルの宇宙バトルファンタジーになっている。

テンポの良さは前作同様で、最後まで停滞することなく楽しむことが出来る。

従来のウルトラシリーズっぽさを求めると肩すかしを食うかもしれないが、全く新しいバトルものとして観ていると、それなりに良くできていると思う。

予算に対しCGの量が膨大になるために、意図的に精度を下げてあるようで、リアルとは言いがたい絵作りだが、絵本やアニメを観ていると解釈すると、それなりに観られるレベルだろう。

その分、怪獣要素は希薄になっているが、前半でのレギオノイドの巨大感や、クライマックスで登場するアークベリアルの迫力はなかなか。

今回、ゼロの仲間となるグレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボットの3ヒーローは、おちろん、円谷プロの過去作品「ファイヤーマン」「ミラーマン」「ジャンボーグエース」がベースとなったオリジナルキャラクターだが、元ネタを知っているものにも喜べるような音楽や出演者の工夫が施されている。

中でも、「ファイヤーマン」に出ていた平泉成が登場しているのは感激である。

ジャンボットには、「グリットマン」のイメージも入っているような気もする。

3体とも個性豊かなキャラクターとして作られており、元ネタを知らなくても感情移入できるのではないだろうか。

前作では、粗暴にも感じられ、ややなじみにくい部分があった主人公ゼロだが、今回、人間体と合体することでキャラクターとしての人間味を増している。

全体としての印象は、ウルトラシリーズと言うよりも、東映っぽいと言うか、70年代頃の作品「宇宙からのメッセージ」や「キャプテン・ハーロック」などを連想させる部分が多いが、おそらく監督の世代的な趣味性が出ているのだろう。

3ヒーロー以外にも、あちこちにウルトラシリーズのキーワードがちりばめられており、それを探す楽しみもある。

根っからのウルトラマニアにも、全く新しいファン層にも楽しめるように工夫されている、新しいタイプのファンタジーバトル映画の登場である。