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おしゃれ大作戦

1976年、東宝映画、松木ひろし脚本、古澤憲吾監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

水前寺清子が「大勝負」を唄っている。

1976年度ファッションフェアが開催されており、有名なデザイナー大石由里子(由美かおる)が解説をしながら、彼女が講師を務める浅野文化ドレメ学院の学生たちがモデルとなってファションショーが行われていた。

そのテレビ中継を喫茶店で眺めていたのは、モデルの一人間新子(岡崎友紀)の恋人でカメラマンの伊達稔(志垣太郎)だったが、テレビに映った新子が、おなかが大きなマタニティドレスを着て出て来たので驚く。

楽屋では、堀部安子(沢田雅美)が、ポンポンと級友たちに指示を出していたが、そこに戻って来た新子は、おなかに入れていたボールを取り出す。

萱野三子(牧れい)は、緊張すると、すぐにトイレに行きたがる女の子だった。

浅野文化ドレメ学院では、院長浅野卓郎(浜田光夫)と、その妻多恵子(磯野洋子)は、世界中から一流デザイナーを集めて開催する国際ファッションフェスティバルを計画していた。

そこに、5年前、経営不振だった学院に出資してピンチを助けたスポンサーの吉良豪蔵(藤村有弘)がやって来て、国際ファッションフェスティバルのことを質問して来る。

多恵子は、自分がプランしたもので、極東レーヨンと丸菱デパートが提携しているので、資金の心配はいらないと答える。

その頃、ファッションフェアを無事終了したドレメ学院の生徒たちは、喫茶店で、多恵子の父親である先代院長が死亡した後、学院のことに口出しするようになった吉良のことなど噂しておしゃべりをしていたが、堀部安子だけは昼間から水割りを飲んで酔っぱらっていた。

学院から帰るとき、吉良は、自分が出資してやるから、その代わり、ポスターに自分の名前を載せ、全部すり直してくれと申し出るが、多恵子はきっぱり断ったので、吉良は不機嫌なまま車に乗り込み帰って行く。

スタジオでヌード写真を撮っていた伊達稔は、やって来た新子におなかの子は流産したのか?と聞くが、新子は荒れは作り物だったのだと呆れる。

安心した伊達は、モデルを後ろ向きにさせると、すぐに新子とキスをするのだった。

その夜、料亭で、柳沢吉宗産業大臣(田崎潤)と会った吉良は、献金を二倍に増やすので、浅野文化ドレメ学院とタイアップする予定の極東レーヨンと丸菱デパートに圧力をかけ、止めさせてくれないかと頼んでいた。

新子と伊達が飲んでいたクラブ「シルバー」に、友人の歌手、八代亜紀(本人)を連れてやって来たのは大石由里子だった。

そんな八代亜紀に絡んで来た酔っぱらい(小島三児)がいたが、伊達とホステスと八代の機転によって追っ払うことに成功する。

夜、多恵子に、料亭から、又吉良がしつこく電話をして来たので、多恵子はすぐに切ってしまう。

側にいた芸者から呆れられた吉良だったが、俺は狙った獲物と水泳中のふんどしは外さんとほくそ笑むのだった。

ある日、学院にやって来た大石は、多恵子から、スポンサーが急にタイアップを断ってきたので、国際ファッションフェスティバルが中止になったと知らされショックを受けていた。

単身、吉良商事の吉良を訪ねた浅野卓郎は、学院が苦しくなるので資金を出してくれないかと頼むが、吉良は、今度、招待ゴルフが箱根であるので多恵子を連れて来るよう命ずる。

後日、多恵子はその箱根に出向くが、待ちかねていた男が、まだ吉良はゴルフ中なので、ホテルの部屋で待っていてくれと言われる。

とりあえず、東京で待っていた夫の浅野に電話を入れた多恵子だったが、やがて、部屋に戻って来た吉良は、資金を出す変わりに条件がある。あなたが欲しいと言うと、急に多恵子に襲いかかる。

何とか、それを振り払った多恵子だったが、転んだ吉良は額に傷を負ってしまう。

多恵子はそのまま東京の自宅に戻って来るが、その様子を見た浅野は、ただならぬことが起こったと察する。

その後、吉良の元に、学院の職員の大野九郎(東八郎)から、うちの経営をやってくれないかと電話を受け、獅子身中の虫か…と、苦笑いする。

再び、吉良の会社に来た浅野は、学院を助けてくれと頭を下げるが、あんたが責任を取って首でもくくれば良いとあざけられ、すでに理事会メンバーの承認を得て、浅野の院長退任の許可は得ている。出て行け!と書状を見せつけられ怒鳴られてしまう。

吉良に計られたと知った浅野は、ウィスキーのポケット瓶をがぶ飲みしながら車を運転し、そのまま崖から墜落してしまう。

浅野の葬式に出席した学院の女学生たちは、多恵子と並んだ吉良が挨拶をし、あげくの果てに、これからは自分がドレメの院長を勤めると言い出したので、それを横で聞いていた多恵子は気絶してしまう。

クラブ「シルバー」では、八代亜紀が唄っていたが、吉良はそこで柳沢産業大臣と落ち合っていた。

多恵子は、その後、病院で寝たきりの状態になっていた。

翌日、浅野文化ドレメ学院で挨拶をする吉良は、今後は、洋裁だけではなく、和裁、お花、料理など、多角経営を始め、儲かる学校にしたいので、一旦学院は休講し、その間に今の講師や生徒たちには全員辞めてもらうと宣言し、その間、連絡係として大野に残ってもらい、洋裁部門は大石由里子に任せたいと付け加える。

大石は、入院中の浅野多恵子を見舞うと、今度、学院の洋裁部門を任せてもらうことになったと報告しそそくさと帰ってしまったので、一緒にいた付き添いの老婆も、大石由里子にまで裏切られたと思い込み哀しむ。

堀部安子と間新子を中心とし、学院改悪に反対する集会が講堂で行われていた。

それを止めさせようと大野がやって来るが、女生徒たちに追い返されてしまう。

その大野に呼ばれたヤクザ(立原博)たちが、講堂になだれ込んで来て、女生徒たちを脅かし、勇ましく抵抗しようとした堀部安子たちも追い出してしまう。

ある日、吉良邸にやって来た大石は、吉良から、新しい学院長にしてやっても良いと言いよられそうになるが、その会話をドアの前で盗み聞いていたのは、いつも吉良の浮気に神経を尖らせていた妻の文江(京唄子)だった。

そこにやって来たのが、吉良商事の専務清水一学(伊藤一葉)だった。

清水は、大石もいた応接間に入って来ると、吉良に頼まれていた「扇澤国有地利用計画書」と書かれた書類をテーブルの上に置いて帰る。

それを大石由里子は、しっかり目にとめていた。

そんな大石に、吉良は箱根である接待ゴルフに付き合わないかと誘うが、大石は喜んで承知する。

新子たちは、学院をいつまでも休校状態にしている大野に抗議に来ていたが、らちがあかず、そこに吉良が乗り付けて来る。

院長室に来た吉良は、今夜9時に赤坂のホテルに来てくらないかと言う女性の電話を受け鼻の下を伸ばすが、それは安子が公衆電話からかけたいたずらだったので、怒る。

その後も、反対運動を継続しようとした安子たちだったが、女生徒の中には、自分たちはただ勉強できれば良いのであって、反対運動のような過激なことには興味はないと帰るものが続出する。

残った46名の女生徒を前にした保子と新子は、最後まで吉良に復讐する宣言文に署名し、キスマークを付けた連判状を作り、それを大石に見せに行くが、大石はこういうくだらないことは止めなさいと抗議したので、それを聞いた神崎よも子(杉本美樹)は、やっぱりダラカン(「堕落した幹部」の意)だったと失望する。

その後、再度、箱根への誘いの電話を受けた大石由里子は、喜んで行きますと明るく返事をするのだった。

箱根にやって来た由里子は、やはり、ホテルの部屋で待っていてくれと待ち受けていた男から言われるが、吉良が接待をしている相手は、柳沢産業大臣であることを確認していた。

やがて、部屋に吉良が戻って来たので、扇澤には分校でも作られますの?と、先日、応接室で見かけた書類のことを聞いてみるが、吉良は特に警戒する封もなく、もう払い下げられたも同然だとほくそ笑みながら、由里子をベッドに押し倒そうとする。

その時、由里子は、床に何か機械が落ちていると指摘する。

それが盗聴器であることに気づいた吉良は、妻の文江の仕業に違いないと思い込み、慌てて盗聴器に向かい、仕事の話のように装いながら、由里子に帰るように促した後、せっかくのチャンスを失ったとがっくりするが、その瞬間、ホテルの非常ベルが鳴ったので肝をつぶすのだった。

帰京した大石由里子は、46人の女生徒を呼ぶと、自分は吉良の弱みを知って四脚させるために、わざと近づいていたのだ。吉良は柳沢大臣に莫大な贈賄を送っているはずだから、その証拠を、みんなで押さえましょうと訴える。

それを聞いていた安子は、自分たちの由美子への浅はかな思いが間違っていたことを反省し泣き出す。

それに呼応するかのように、全員が泣き出すが、安子は、そんな女生徒たちに喝を入れ、みんなで吉良の悪事の証拠を押さえようと檄を飛ばす。

由美子も、47人目の同士として、連判状にサインし、自らのキスマークを付ける。

新子は、掃除夫のアルバイトとして吉良商事に入り込み、すぐに吉良の目に留まって、社長室付けを命じられる。

社長室付きになった新子は、清水専務がやって来て「扇澤青少年リハビリセンター計画」を持って来たのに気づく。

吉良と柳沢産業大臣は、いつもの料亭で会っていたが、そこに仲居に化けた神崎よも子 (杉本美樹)と、新米芸者桃千代に成り済ました富森助子(ホーン・ユキ)がやって来る。

吉良はすぐに、桃千代に目をつけ、女将に話をつけてくれと頼む。

その料亭の外に停まっていた車の中で吉良の帰りを待っていた大野と清水は、料亭の中の様子をうかがっていた怪しげな女を見つけ確保する。

大野は、スパイを見つけたと吉良に報告する。

一方、助子は、柳沢と吉良がいつも落ち合うのは、銀座のクラブ「シルバー」だと安子に電話する。

清水らに連れて来られた見知らぬ女を見た吉良は、かないの仕業だな、箱根の部屋にあった盗聴器も君の仕業だろうと決めつけるが、女は何のことが分からぬ様子だった。

そんな女に、とりあえず、吉良は金を握らせて秘密を黙らせる。

女は、日当探偵事務所に勤める堀田リカ(岸ユキ)だった。

リカは翌日、ちゃっかり吉良の妻の文江に報告する。

武林唯子(関根世津子)は、マダム銀子(真山知子)が経営する銀座のクラブ「シルバー」のホステスになり潜り込んでいたが、その唯子からの連絡を受けた新子は大石に電話で伝えていた。

そんな新子に、事情を知らない伊達が結婚式をいつやるか相談して来るが、それどころではない新子は、カード占いによると2~3年先の春頃が良いらしいなどと答えをはぐらせるのだった。

吉良邸前で張っていた赤垣げん子(児島美ゆき)は、お手伝いとしてやって来たと言う春山みどりなる地方出身者がやって来たので、吉良家の娘に成り済ましたげん子は、みどりの履歴書を見ながら、パパはすぐにお手伝いをその日のうちに妾にしてしまうし、ママは、そんなお手伝いの顔をおろし金で降ろしてしまうなどと嘘を言い、怖がったみどりを追い返してしまう。

そして、みどりの履歴書を持ったげん子は、みどりに成り済まし、吉良邸へと潜り込むことに成功する。

一方、学院の大野の机から情報を探ろうとしていた萱野三子だったが、やって来た大野に簡単に見つかってしまう。

誰の差し金だと責められた三子は、又トイレに行きたがるが、耐えきれず、堀部安子の名を出してしまう。

それを知った大石由里子は、9時に全員を集めてくれと新子や安子に頼む。

そんな大石たちの動きを、堀田リカはずっと監視していた。

柳沢大臣は、クラブ「シルバー」で見かけた唯子に目をつける。

料亭では、桃千代になった助子が吉良と寝ることを決意し、寝室で待っていたので、神崎よも子は止めようとするが、助子は小型テープレコーダーを見せ、これで吉良の寝物語を録音してやると意気込みを語っていたが、そこに女将がやって来たので、よも子は慌てて押し入れに逃げ込み隠れる。

その頃、柳沢大臣はホステスに成り済ました武林唯子を誘いタクシーに乗っていたが、唯子から、あなた本当に大臣なの?と聞かれたので、持っていたバッグを開けてみせる。

中には吉良からの手紙が入っていたので、唯子は、隙を見て抜き取るのだった。

料亭から、よも子は、中ピ連の榊と偽名を騙り、吉良の妻の文江に電話を入れていた。

一人、酒を無理矢理飲み、吉良と布団に入った助子は、いきなり抱きついて来た吉良に、いきなりなんてムードがない。自分は三億円事件や常磐銀行事件のような金儲けの話をすると興奮するので、何か話してくれとねだる。

仕方なく、吉良は、国有地を国から安く手に入れ、それを他の会社に売りつけると何十億も儲かる。

大臣に5億くらい献金すれば、50奥は儲かるなどと自慢げに話し始めるが、そこに、いきなり吉良の妻の文江がやって来る。

布団に潜り込んだ助子は、動かしていたテープレコーダーを止め、回収する。

その頃、待ち合わせ場所に向かっていた大石由里子は、堀田リカの尾行に気づくと、たまたま通りかかった酔っぱらい(大泉滉)に親しげに話しかけると、タクシーを止め一緒に乗り込んで走り出す。

それをリカもタクシーを拾って追いかけ始める。

信号で、リカのタクシーを振り払うことに成功した由里子は、酔っぱらいに、原宿で待っていてと金を渡すと、自分は途中で降りてしまう。

その後、女生徒を呼びあつめる集合場所にした友人の家に来た由里子は、何者かに付けられていたことを打ち明けると、全員で集めた情報をまとめ、吉良作戦を開く。

吉良は、11月3日に浅野文化ドレメ学院を吉良花嫁学校と改称するようだとの報告があったので全員憤る。

清水一学専務が国有地の調査に行くらしいので、その証拠写真を撮って来ると、元写真部にいたと言う小野寺幸江(本田みちこ)が名乗りを上げる。

ある朝、吉良の出勤を見送っていた赤垣げん子は、朝帰りして来た吉良の馬鹿息子昭一(岡本信人)とはじめて顔を合わせる。

吉良に小遣いを無心し、断られた昭一は、その後、掃除をするためとある部屋にいたげん子がくまの剥製の後ろに隠れたのに気づかず、その部屋に入って来ると、隠し金庫を開け、その中に入れてあった金を盗もうとする。

その時、うっかりくまの剥製を動かしてしまったので、昭一に隠れていたのを気づかれたげん子だったが、昭一に気がある風を装い、その場をごまかし、昭一を立ち退かせると、自分も今昭一がやった要領で金庫を開け、中に入っていた書類をいくつか手に入れることに成功する。

その書類の複写を頼まれた伊達は、新子にどう言うことなのか事情を聞くが、新子は答えない。

その後、吉良商事で、吉良から登記申請書のコピーを頼まれた新子が、すぐさま安子に電話をかけ、会社の門の所まで来るように頼む。

そんな吉良商事に由里子の姿が消えたとの報告に来ていた大野に、吉良は、何か不穏な動きがあるようだから、開講記念パーティの日取りを繰り上げろと命じる。

不破数子(長谷直美)と共に吉良商事にやって来た安子は、新子がコピーした登記申請書を受け取るが、新子は和子にまだ渡すコピーがあるので外で待たせた後、コピー室に戻るが、その様子を大野に発見され、駆けつけて来たやくざたちの車に新子は乗せられ連れ去られてしまう。

その様子をしっかり目撃していた和子は、ただちに安子に電話連絡をする。

新子がスパイ活動をしていたことを大野から聞いた吉良は、開講記念パーティの日時をさらに繰り上げるよう命ずる。

新子が拉致されたことを知った安子たちは、次なる手を苦慮していたが、大野に顔を知られていない寺沢吉子(芳賀まり子)が自分が近づいてみると手を挙げる。

蕎麦屋に化け、学院にいた大野に近づいた吉子だったが、大野は生徒名簿で吉子の顔を知っており、その場で捕まってしまう。

人質になった新子、吉子と交換に、30分以内に書類をもってこいと吉良側から大野由里子に電話がある。

窮地に陥った女生徒たちだったが、その時、げん子が良い考えがあると言い出し、吉良邸の昭一に電話をすると、二人きりで会いたいのですぐ来て欲しいと電話する。

昭一は喜んで来るまでやって来ると、げん子と抱き合うが、すぐに隠れていた女生徒たちに取り囲まれてしまう。

大石由里子は、吉良に電話し、昭一を確保したので、吉良が一人で新子と吉子を連れて来て人質同士を交換するよう提案する。

昭一の声を電話で確認した吉良は激怒するが、仕方なく承知する。

昭一は、のんきに酒やするめを振る舞われたりしていたが、やがて新子と吉子を連れやって来た父親に叱られながら帰って行く。

無事、新子と安子に合流した大石たちだったが、国有地測量の証拠写真を撮りに行った小野寺幸江のことを案じる。

幸江は、狸の絵の看板の背後に隠れ、清水専務が指揮のもと、扇澤の測量を行っていた現場の写真を撮っていたが、看板の動きに気づいた清水専務に見つかってしまう。

働く男の写真を撮っていたとごまかし、その場を逃げ出した幸江だったが、スパイが紛れ込んでいるとの情報を得た清水専務にジープで追いかけられて来る。

慌てた幸江は、通りかかったトラックの前に出ると、大きく片足をあげパンツを見せる。

トラックの運転手(山谷初男)は、驚いて車を止めると、幸江を乗せ、町に向かって走り出す。

清水の乗ったジープが接近して来るが、トラックの荷台に積んでいたタイヤを道路に落として追跡の妨害をする。

何とか町中にたどり着いた幸江は、トラックから降りると、柔道場や銭湯の中を通り抜け、清水専務の追跡を振り切る。

こうして集めた吉良の不正情報を雑誌社に持ち込んだ安子らは、編集長(中条静夫)から、ただちに特集を組むとの約束を取り付ける。

吉良花嫁学院創立記念パーティが開催されるその日、入院中だった浅野多恵子を見舞った大石由里子は、47人の連判状を見せ、自分たちが吉良を失脚させるための秘密行動をとっていたことを明かす。

それを知った多恵子はうれし涙を流すのだった。

大石由里子を先頭に、同じコスチュームに身を包んだ47人の女生徒たちは、整列して学院に向け行進する。

講堂で挨拶をしていた吉良は、そこに侵入して来た47人の女生徒たちに気づくと帰れと怒るが、すでにあなたの乗っ取りレポートは提出しており、柳沢産業大臣も辞任した。あなたももう終わりだと由里子から指摘される。

女生徒たちは、全員、消化器を噴射し始め、講堂内では大立ち回りが始まる。

伊達も駆けつけて来て、47人の活躍の様子を写真に撮影し始める。

由里子は、いつの間にか、吉良の姿が見えなくなったことを全員に注げ、探すように命じる。

その時、又しても、トイレに行きたくなった萱野三子は、女子トイレに飛び込むが、そこに隠れていた吉良を発見し、大声を上げる。

女生徒たちは駆けつけて来て、吉良を取り囲むが、三子は漏らしてしまったと情けなさそうに安子に告げる。

捕まった吉良の髪の毛を、全員がはさみで切り刻み、その様子を伊達が写真に撮る。

大石由里子は、その辺で許してあげましょうと吉良を放つ。

感極まった伊達は新子に結婚しようと申し込み、47人全員の姿を記念に撮るのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

由美かおる、岡崎友紀ら、当時人気の若手アイドルを中心に「忠臣蔵」をアレンジしたプログラムピクチャー。

「何かご質問は?」の流行語で人気だった夭折の手品師、伊藤一葉氏などが出ているのが珍しい他は、他愛無い展開と言うしかない。

水前寺清子や八代亜紀なども、単なるサービスとして出演しているとしか思えない。

時代を反映してか、パンチラや女風呂でのヌードなどが登場するのがご愛嬌。(番台に座っている人参湯の主人役は車だん吉)

新子の恋人役を演じている志垣太郎のハイテンションぶりは、近年のバラエティ番組のそれと同じである。

東八郎が重要な役所を演じているのも貴重。

映画として、特にどうこう言うような内容ではないが、当時売り出し中だった人気者たちを知る資料的な意味合いはあるような気がする。