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海底二万哩

1955年、アメリカ映画、ジュール・ヴェルヌ原作、アール・フェルトン脚色、リチャード・フライシャー監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

本を開く。

1868年、南太平洋で、船の沈没が相次いだ。

そんな南太平洋を航行中の船に、水面下で光る不気味な物体が接近したかと思うと、船は大爆発を起こし沈没する。

怪物の仕業ではないかとの憶測が流れ、こうした事態に、この航路の船に乗ろうとする水夫は激減し、サンフランシスコの港では、西海岸から香港へ向かう船の乗り手が見つからず、船会社の人間が、二倍のボーナスを弾むから乗らないかと港で水夫たちに声をかけていた。

そんな中、松葉杖をついて登場した一人の老夫婦が、全長200メートルもの怪物に襲われ、40人の船員が死んだと説明し、群衆の好奇心をあおっていた。

しかし、そんな老水夫に近づいて来た一人の銛打ちネッド(カーク・ダグラス)は、相手が酒臭く、話には信用できないとちゃかすと、老水夫は、松葉杖を投げつけて来る。

どうやら、付き添っていた男と共謀して、金でも聴衆からたかるつもりだったらしい。

たちまち、その場に集まった群衆の間で喧嘩が始まり、ケチをつけたネッドは捕まってしまう。

そんなサンフランシスコ港に、科学調査のためサイゴンへ向かう予定でやって来たものの、就航する船がなく、足止めを食ってしまったのは、パリ国立博物館海洋学者アロナクス教授(ポール・ルーカス)と助手コンセイユ(ピータ・ローレ)

そんな教授に気づいた新聞記者たちは、本当に怪物はいると思うか?などと質問して来るが、深海には未知の生物がいる可能性があると曖昧な返事をするだけの教授の言葉に満足できなかった一人の記者が、手帳に怪物のイラストを落書きする。

ホテルに戻って来た教授は、翌日、昨日の記者が勝手に書いたらしい怪物のイラスト付きの記事を読み、自分が言ったことと違うことが書かれていると憤慨する。

そこに突然来客があり、米国政府の人間だと言う。

その男が言うには、南太平洋を3、4ヶ月回りませんか?政府の客として、サイゴンまで送ると言う。

教授が怪物の存在を信じているとの新聞報道を観てやって来たらしいと知ると、あれは嘘だと教授は否定する。

しかし、その話を一緒に聞いていた助手コンセイユは、即座に「受けます」と返事する。

それを受けるしか、サイゴンへ向かう手だてはなかったからだ。

政府の男は、怪物など信じていないファラガット船長の船に乗ることを教えて帰る。

後日出向したその船には、あの銛打ちのネッドも乗り込んでおり、すっかり船酔いをしていたコンセイユに、バナナなどを手渡そうとするが相手にされなかった。

何日も航海を続けた後、ファラガット船長は、全員をラウンジに集合させると、これ以上調査をやっても、怪物を発見できるとは思えないので、調査を中止すると宣言する。し、教授たちをサイゴンに送ると約束する。

甲板では、ネッドがギターを弾き、水夫たちと陽気に歌を歌って騒ぎ始める。

その時、右舷に船影が見えるが、次の瞬間、その船が大爆発を起こして沈没し始める。

救出に向かおうとした矢先、左舷側に、光る未知の物体を発見する。

小太鼓を打ち鳴らし、全員に戦闘準備の知らせが届くと、大砲を未知の物体に向けて発射し始める。

船長はネッドに、ボートで待機を命じるが、迫って来た未知の物体めがけ、ネッドが渾身の力で銛を投げつけた直後、物体は船に衝突し、船は傾き始める。

船から投げ出された教授を助けようと、自ら海に飛び込んだコンセイユは、教授と共に、海に浮かんだマストに捕まるが、衝突で舵が故障した船はどんどん遠ざかって行ってしまい、どんなにコンセイユが呼びかけても帰って来なかった。

濃霧の中、二人は、不気味な形の物体が近くに浮いているのに気づき、とりあえず、それに乗り込む。

その物体には、入り口のような部分が開いており、そこからおそるおそる中に入った二人は、中が信じられないほど高度な技術で作られた船で、なぜか無人であるかのように見えることに気づく。

その時、外で声がしたので、コンセイユはドアの外を確認しに出て、ボートでやって来たネッドを発見する。

彼も又、本船に戻れなかった一人らしい。

一方、教授の方は、船室内を奥へと進み、パイプオルガンが置いてある優雅な部屋に到達する。

船の中に入り込んだネッドは、すぐに調理室のような場所を発見し、コンセイユは教授を探しまわる。

教授は、巨大な丸い窓から、海底を歩いていた不思議な衣装の潜水夫たちの様子を観ていた。

その潜水夫の一団は、船に戻って来る途中で、窓から自分たちを観ている教授の姿に気づいたようだったので、教授たちはあわてて、外に出ると、ボートで逃げ出そうとするが、戻って来たなぞの潜水夫たちの一団に捕まってしまう。

リーダー格の男は、ネッドが乗って来たボートを沈めさせ、ネモ船長(ジェイムス・メイスン)と言う男は、著書を読んでおり名前を知っていた教授だけは助け、コンセイユとネッドには処刑を命じる。

教授は、自分だけと特別扱いするのは止めてくれと抗議するが、ネモ船長は、自分は世間とは縁を切った男であり、私か彼らのどちらかを選べと教授に迫る。

教授は、彼らが大切だと答える。

その答えを聞いたネモ船長は、他の二人同様、教授も船の穂先に立たせると、潜水艦ノーチラス号の潜航を命じる。

船は潜航を始め、穂先にしがみついていた三人は水の下に沈むが、途中で気が代わった船長は、船を浮上させると、三人を救助し、船内に連れて来させると、食事を振る舞う。

ネッドは、フォークを使わず、ナイフだけで食事をするが、出された料理が、ウミヘビの肉やふぐのソテー、海鞘のドレッシング、ナマコや、たこのハラコなどと船長から聞かされると、口から吐き出してしまう。

そんなネッドに対し、ネモ船長は、クレスポ島に着いたら、自分で食料を探せと命じる。

食後、教授に海藻の葉巻を勧めた船長は、先ほどの処刑のまねは、君たちの忠誠心を試しただけだと教える。

クレスポ島に近づいた所で、無理矢理潜水服を着させられたネッドとコンセイユは、船内から海底へと降ろされると、海中に作られた菜園のような所での収穫作業をやらせられる。

興味を持った教授もやってみたいと言い出したので、船長と一緒に潜水服を来て海中へ降りて行く。

他の船員たちも作業を開始すると、こっそり抜け出したネッドとコンセイユは、近くに沈没船があることに気づき中に入ると、宝石が詰まった宝箱を見つける。

それを沈没背の外に運び出そうとした所でサメに襲われ、海底で立ち往生しているのを発見した船長は、銛でサメをしとめると、作業をさぼっていた二人を逮捕させ、ノーチラス号へと戻る。

ネッドは、宝石箱を見つけたんだと興奮したように弁解するが、そんなものはこの船では重しに過ぎん。食べ物以外、穫るなと叱った船長は、扉を開けてみせると、その中には、これまで海底で収集したらしき無数の宝石類が詰まっていた。

部屋に戻って来た教授は、ネッドの軽はずみな行動を諌め、船長の信頼を得るんだと注意するが、ネッドは、うんと機嫌を取って相手を油断させてくれ。自分はその隙に逃げると反論する。

嵐の日、ネモ船長は自室でパイプオルガンを弾いていた。

ネッドは、狭い自室で亀の甲らなどを細工し、即製のギターのような楽器を作っていた。

そして、下へ降りると、誰もいないのを見透かして、宝石が詰まっている部屋を開けると、中にあった宝石を、ギターの中に詰め込もうとするが、その時、リーダー格の男が物音に気づいて降りて来たので、あわててドアを閉めたネッドは、その場でギターをかき鳴らし、唄っていた振りをする。

一方、教授は、ネモ船長に案内され、ノーチラス号のエネルギー室に案内される。

その光り輝く未知のエネルギー源を目にした教授は感激し、世界に革命が起きると興奮するが、横で聞いていたネモ船長は「破壊も」と皮肉を言う。

教授は、航海日誌を自室で付け始める。

ネモ船長の秘密はまだ分からなかったが、とある島に上陸した時、その秘密の片鱗をかいま見たような気がした。

ロラパンディ収容所と言う人間を奴隷のようにこき使っている秘密施設がある島に上陸し、その非人道的な行為を双眼鏡越しに見せられた教授は、一緒に連れて来たネモ船長から、自分は囚人として、あそこにいたんだと聞かされる。

ノーチラス号へ帰るボートの中で、一緒に脱獄した仲間が、今のノーチラス号のメンバーで、その後、ネモ船長らは、バルケニア島と言う所に到着し、そこでノーチラス号を作ったのだと言う。

ノーチラス号に戻り、ロラバンディ収容所がある島から、死の商船が出港しようとしているのを察知したネモ船長は、船員たちに攻撃準備を命ずる。

教授は、本当に攻撃を加えるつもりか?とネモに問いただすが、ネモはオルガンを弾くだけで、何か苦悩しているようだった。

いよいよ死の商船が就航すると、ネモ船長は全速で突撃を命ずる。

ノーチラス号は、死の商戦の下をかいくぐり、その船底を破壊したので、爆発沈没して行くその船の様子を窓から観ていたネッドは、俺と同じ船乗りだ!仲間を裏切った気持ちだ!とネモ船長の行為に怒りをぶちまける。

そこに、教授を伴ったネモ船長がやって来る。

教授も又、島の上陸させたのは、この行為を正当化するためか?とネモに迫る。

自室に教授を連れて来たネモ船長は、自分が発明した新しい動力源の秘密を知ろうと、自分は政府に捕まり刑務所に入れられたが口を割らなかった。その仕返しとして、妻と幼い子供を拷問で殺されてしまったんだと、辛い過去を打ち明ける。

その頃、教授の部屋にいたコンセイユは、教授が書いていた航海日誌を読み、ノーチラス号がバルケニア島へ向かっていることを知る。

そこに教授が戻って来たので、奴は人殺しを楽しんでいますとコンセイユは忠告するが、過去の話を聞いてしまった教授は、上辺で判断するな!と思わずコンセイユを怒鳴りつけてしまう。

すると、コンセイユは、はい、艦長と皮肉をいいながら部屋を出ようとしたので、それに気づいた教授が、今何と言った?と問い直すと、あまりにそっくりだったので…と、悲しそうに答えながらコンセイユは部屋を後にする。

コンセイユは、その足で、ネッドの部屋にやって来るが、ちょうどネッドは、ギター変わりの亀の甲らに隠して持ち出した真珠の首飾りを取り出そうとしている所だったので、秘密を知られたと思い込み、コンセイユを脅し付けようとする。

しかしコンセイユは、自分は教授とは距離を置くことにした、一緒にここを脱出しようとなだめる。

それを聞いたネッドは、一応緊張感は緩めるが、船の行く先すら分からないのでは脱出しようがないとあきらめ顔でベッドに横になる。

するとコンセイユは、行く先は分かっている。バルケニア島だ。教授の日記に書いてあったと教える。

それを聞いたネッドは喜び、地図を確認しようと部屋を出ると、コンセイユと共に、ネモ船長の自室に入り込む。

その壁に描かれていた巨大な世界地図の中で、同心円の中心となる島の位置が分かる。

そこが、ネモ船長たちの基地があるバルケニア島に違いなかった。

北緯219分、西経169度28分…と、メモっているネッドの側に、ネモ船長のペットのオットセイが近づいて来たので、机の上においてあったえさの箱からえさを取り出し、食べさせて鳴き声を止めると、人の気配を感じてすぐに部屋を逃げ出す。

その直後、ネモ船長が部屋に入って来るが、机の上のえさの箱が開いているのに気づき不審に思うが、下にオットセイがいたので、それが一人でやったことかと勘違いする。

ネッドは、船長の部屋からコンセイユに持ち出させた標本ようの瓶の中身を出させると、その中に、島の位置を記した紙を入れ、その後、ノーチラス号が浮上した際、外を観に出る振りをして、用意しておいた手紙入りの瓶を4つ、海に投げ込む。

その後、ノーチラス号は舵がきかなくなり、とある島の近くの岩礁に座礁してしまう。

教授は、前回の苦い経験から上陸を拒否するが、コンセイユは研究のため上陸したいとネモ船長に申し出て、原住民がいる奥に行かないのならとの条件付きで許されたので、ネッドが漕ぐボートに乗り島に上陸する。

島に上陸したネッドは、逃げるチャンスだと判断、根元の約束を無視して、島の奥へと一人入って行く。

ジャングルの中に入り込んだネッドは、逃走に成功したと一瞬喜びかけるが、やがて、人間の白骨が散らばる不気味な場所に出たので、これはヤバいと直感、人声が近づいて来たので、慌てて海岸方向に逃げ出す。

一方、ネッドはもう帰って来ないと判断したコンセイユは、一人でボートを漕ぎ、海へと乗り出していた。

海岸に到着し、すでに戻りかけていたボートに気づいたネッドは、泳いで乗り込んで来るが、そんな二人に、ジャングルから海岸に出て来た原住民たちは、やりを投げつけながら、自分たちも船を出して追跡して来る。

ネッドとコンセイユは、這々の体でノーチラス号に戻ると、船内に逃げ込むが、その直後に原住民たちも船に上がって来る。

見慣れぬ機械仕掛けだらけの船内に警戒したのか、入り口から中へは入ろうとしない原住民たちだったが、その様子をモニターで観ていたネモ船長は、弱い電流を入り口やノーチラス号の表面に流す。

電気でしびれた原住民は、慌てて逃げ出して行く。

その後、ネモ船長は、約束を破って逃げようとしたネッドを拘束し、物置部屋に軟禁してしまう。

その時、どこかの国の軍艦が接近して来て、ノーチラス号に対し砲撃を仕掛けて来る。

弾は命中し、ノーチラス号は浸水し始める。

コンセイユと教授も部屋に閉じ込められてしまうが、ネッドの部屋には水が大量に流れ込んで来たため、ネッドは逃げ場所を失いつつあった。

乗組員たちは、破損箇所の修理をはじめていたが、その途中、シャフトが故障してしまい、船内は停電してしまう。

何とか、シャフトを交換したものの、ネッドは天井近くにしか空間が残されておらず、必死に返上の空気孔を開ける、上の階へ逃げ延びる。

ノーチラス号は沈んで行き、とうとう人間の限界震度を1500mも超えた地点に到達してしまう。

その時、水中から、信じられないほど巨大なイカが接近して来て、ノーチラス号に巻き付いて来る。

表面上に電気を流して、一旦はイカを引き離したノーチラス号だったが、電気がショートしたため、同じ技が仕えなくなった所に、又、イカが巻き付いて来る。

ネモ船長は、乗組員たちに、あいつに急所は、目と目の間だと教え、銛を持たせると、修復を終えたノーチラス号を浮上させる。

会場近くに浮上し、入り口を開けて外に出た乗組員たちは、ネモ船長を先頭に、勇敢にもイカに銛で応戦しようとするが、銛を打ち込んだネモ船長は、イカの足に絡み付かれてしまう。

乗組員たちも次々にイカの足にやられてしまう中、リーダーは懸命に斧でイカの足を斬りつけると、ネモ船長を一旦救出するが、すぐに又、ネモは足に絡まれてしまう。

その時、入り口から姿を現したネッドは、巨大イカに銛を打ち込む。

苦しみながらイカは水中に没しようとするが、ネモ船長もその足に絡まれ一緒に海に引きずり込まれてしまう。

ネッドはすぐさま海に飛び込むと、何とかネモ船長を助け出して来る。

ネモは、ネッドに対し、なぜ私を助けた?と問いかけるが、ネッドはそれには答えず、後悔したときはあれに限る。酒さと答える。

その後、ネッドはオットセイと歌を歌って楽しむのだった。

ネモ船長は、教授の航海日誌を勝手に自室に持って来て読んでいた。

そこにやって来た教授は、彼には気高い心がある。素直になりなさい。あなたは、自分の良心に負けたんだと説き伏せようとするが、ネモは同調せず、ネッドは一時の勢いでやっただけだ。本当に人間が善なら、私はすべての研究を与える。あなたは楽観的だ。政府が本当に武器を捨てるとでも思っているのかと反論するが、その時、軍艦が接近して来たと乗組員が報告に来る。

ノーチラス号は、バルケニア島に近づくと、水中にある空洞を伝って島の中央部にある湖に浮上する。

その湖の周囲には、見たこともないようなネモの研究施設があった。

その研究所に向かい、政府の差し向け、島に上陸した軍隊が続々と山頂から接近していた。

ネッドは、自分が、この島の位置を記した紙を入れた瓶が届いたのだと確信し、喜んで軍に向かい服を振って合図をしようとするが、軍隊はおかまいなしに撃って来た。

ネッドが、この島の位置を政府に知らせたことを知った教授は、世紀の大発明が台無しだ。ネモは機智を爆破する気だと激怒する。

一人、基地に向かい、時限装置のスイッチを入れた後、ノーチラス号に戻ろうとしていたネモ船長は、軍隊が撃った弾に射抜かれてしまう。

何とか操縦席まで戻って来たネモは、潜水を開始させ、舵輪を固定させると、これが最後の後悔だと乗組員たちに告げる。

それをきいていたリーダーは、全員覚悟していますと答える。

ネモは教授たちに向かい、私は死ぬ。ノー散らすと共に…。後数分で大爆発が起こる。ノーチラスは、海底に眠らせるんだと言う。

しかし、それを聞いた教授は、それでは未来まで失ってしまうと抗議する。

するとネモは、未来にも希望はある。人類がいつか私の発明を正しく使う日が来るはず。やがて、いつか…とつぶやく。

そんな中、みんなと一緒に死ぬのはごめんとネッドが抵抗し始め、ネモの自室に向かうと、そこにあった装置を使い、無理矢理ノーチラス号を浮上させようとする。

ノーチラス号は又しても座礁してしまう。

浸水して来る中、ネッドは必死に止めようとする乗組員たちと格闘を始める。

リーダをも倒したネッドは、教授とコンセイユを連れ出し、入り口から外に出ようとするが、教授は航海日誌を取りに戻ろうとする。

仕方がないので、ネッドは殴って教授を気絶させると、背負って外に運び出し、コンセイユとボートを出す。

その時、あのオットセイも出て来たので、一緒に乗せてやることにする。

ネモは、カメラのシャッター仕掛けのような窓を開け、外を見ようとする途中で息絶えてしまう。

その時、バルケニア島は大爆発を起こす。

ボートからそれを振り返るネッドとコンセイユと教授たち。

やがて、海面に浮かんでいたノーチラス号も、突如発生した大津波に飲み込まれるように海中に没して行くのだった。

それを見送る三人には、ネモの声が再び聞こえて来たような気がする。

未来にも希望はある。人類がいつか私の発明を正しく使う日が来るはず。やがて、いつか…

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

フランスの作家ジュール・ヴェルヌの原作を、ウオルト・ディズニーがシネマスコープ劇映画第1作として作った作品。

半世紀以上も前の映画だが、今観ても、その技術力には舌を巻く。

爆発する船が、ミニチュアに見えるのは仕方ないにせよ、ノーチラス号のデザイン、セットは本当に見事だし、奇妙な宇宙服のようにも見える潜水服のデザインも秀逸。

水中撮影も見事だし、特撮であろう水中での巨大イカの動きなど、一体どうやっているのかいまだに分からないくらいうまい。

海面上でのネッドとの戦いのときのイカは、巨大な作り物だと思うが、これ又良くできている。

改めてこの作品を観ていると、東宝特撮でおなじみの「海底軍艦」(1963)は、この作品からかなり影響を受けていることが分かる。

特に、怪獣マンダが、海底軍艦に絡み付き、それを電撃を流して退治するシーンなどは、そっくりそのままいただいていると言っても過言ではない。

又、島に上陸して逃げようとしたネッドが、原住民たちに追われ、コンセイユのボートに乗り移った後も、どんどん海岸からやりを投げつけて来られる所など、インディー・ジョーンズが活躍する「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981)の冒頭部分そのままである。

バルケニア島の内側にあるネモの基地などは、明らかにマットアート(絵)なのだが、これ又ディズニー作品だけに完成度が高く、初心者だと気がつかないかも知れない。

物語としても非情に良くまとまっており、テーマ性が明確に打ち出されているだけではなく、娯楽映画としても色んな要素がバランス良く詰め込まれており、その完成度には唸るしかない。

まさに古き良きハリウッド映画の見本のような作品である。