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ロッタちゃん はじめてのおつかい

2000年、スウェーデン、アストリッド・リンドグレーン原作、ヨハンナ・ハルド脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

兄のヨナス (マルティン・アンデション)と姉のミア(リン・グロッペスタード)が学校に出かけた後、二階で寝ていたロッタちゃん(グレテ・ハヴネショルド)が、二人にバムセ(豚のぬいぐるみ)をぶたれたと騒いでいるので、それは夢よと、下からママ(ベアトリース・イェールオース)が声をかける。

下着姿で起きて来たロッタちゃんは、セーターを着せようとしたママに、ちくちくするから嫌!ベルベットの服が良いとだだをこねるが、あれは、日曜日に着るものよと叱られる。

ココアを飲むでしょう?とママに聞かれても、ご機嫌斜めのロッタちゃんは返事をしない。

その後も、ママを待たせていたロッタちゃんは、でも、ココアは飲んであげても良いかな?と考えていたが、ママのバカ!いつもいばってばかり!と反抗したので、良い子になるまで2階にいなさいとママに言われてしまう。

隣りに住むベルイさん(マルグレット・ヴェイヴェルス)は、なかなかロッタちゃんが表に姿を現さないので、又、ロッタちゃんはお腹が痛いのねと心配していたが、二階にいたロッタちゃんは、ちくちくするセーターをはさみで切ってしまい、犬が破った事にしよう。私に意地悪をするままが悪いのよと独り言を言っていた。

下では、ママが、買い物に行くからセーターを着てと呼んでいたが、ロッタちゃんがお返事をしないので、一人で出かけてしまう。

それに気づいたロッタちゃんは、あのセーターのせいで、私一生ここから出られない。お引越しようと思いつく。

ラルソンも引っ越したのよ。私、ニイマン家はイヤ!

私、引っ越したの。くずかごの中を見て!と書き置きの手紙を書いたロッタちゃんは、家を出ると、隣りのベルイさんの家に向かう。

そしてベルイさんに、着るものも食べるものもないのと訴えると、ベルイさんは、同情してくれ、箪笥から出して来たセーターを着せてくれる。

それは、ちくちくしないセーターだった。

ベルイさんはロッタちゃんを、納屋の二階の部屋に案内する。

ロッタちゃんは、一生ここに住むので、家具がいる。椅子や机…などと言い出す。

ベルイさんが、ホコリにまみれた古い箪笥を開けてみると、中に、ままごとセットや、ビオラ・リネアと言う名前の人形が入っていたのに気づく。

みんな、ベルイさんの娘が使っていたものだと言う。

ロッタちゃんは、ミア姉ちゃんが欲しがるわと言いながら、自分のものになった事を喜ぶ。

ロッタちゃんは、人形に向かって、「ベルベットのドレスは日曜日に着るのよ」と言い聞かせる。

家に戻ろうとするベルイさんに、ロッタちゃんは、もう家には戻らないと伝えてと頼む。

さらに、食べ物を頂戴と、ロッタちゃんは図々しくも頼むが、ベルイさんは足が悪いので取りに来てと言いながら、階段を降りて帰って行く。

ロッタちゃんは、わざわざベルイさんの家までいかなくても、食べ物を二階に持って来る方法を考えつく。

籠にヒモを付け、それを二階の窓から下に垂らせば良いのだ。

ベルイさんは、下からその籠の中に、食べ物を入れてくれた。

ロッタちゃんは、自分の家を持つって良い事だと満足するが、すぐにやる事がなくなってしまう。

やがて、ロッタちゃんの部屋に、学校から帰って来たヨナスとミアが遊びに来る。

ミアは案の定、人形のビオラ・リネアと遊び始める。

ロッタちゃんは、ママ、泣いてる?と兄姉に確認する。

そこに、当のママが、花を持ってやって来て、クリスマスまでには戻って来て。4ヶ月後よとロッタちゃんに頼む。

しかし、ロッタちゃんは、もっとここに長くいるわと言い切る。

さらに、パパ(クラース・マルムベリィ)までやって来て、泣いちゃうよ…と言いながら、夕食はミートボールとマカロニだと教え、ヨナスとミアと一緒に帰って行く。

その後、ベルイさんが駕篭に入れてくれたロッタちゃんの夕食は、なぜか、ニイマン家の夕食と同じものだった。

家では、ミアがパパに抱っこされていたが、ベルイさんちの納屋の二階に居座っていたロッタちゃんは、自分の家を持つ方が良いと負け惜しみを言い、窓を閉める。

一人、ベッドに入ったロッタちゃんだったが、暗くて怖いけれど、寂しいだけと負け惜しみを言い我慢し、唄を歌って自らを励まそうとする。

その時、パパがランプを持って来てくれたので、ロッタちゃんは、猫が欲しいとおねだりをする。

パパは、ママがとても寂しがっているよと教え、クリスマスには帰って来ておくれと哀しそうに訴える。

すると、急にロッタちゃんは、今すぐ帰るわ、パパとママのためにと言いながら、パパに飛びつく。

ロッタちゃんは、セーターをベルイさんからもらった事、自分のは切ってしまった事を打ち明け、ごめんなさいって言えなくて…。ママが謝ったら、ロッタも意地悪した事謝ると言うのだった。

自宅に帰り、自分のベッドに寝かされたロッタちゃんは、又唄を歌い、私は一人じゃないもん!と呟くのだった。

ある日、ロッタちゃんは、ヨナスとミアと一緒に、バシリスタさんの食料品屋に出かける。

その日、お風呂に入ったロッタちゃんは、ママから、明日歯医者に行くと言われる。

行くと、ご褒美として、25オーレもらえると言うのだった。

翌朝、ヨナスやミアと一緒に歯医者に行ったロッタちゃんは、ミアが虫歯ゼロだったと診察室から出て来た後、歯を抜いたのと言いながら出て来たので、ママから25オーレもらうが、歯を抜いたのはヨナスの事だった事が判る。

ロッタちゃん自身は、絶対口を開こうとしなかったので、次回に回しますと、困ったよう表情の歯医者さんに言われてしまう。

歯医者からの帰り道、ママからどうして口を開かなかったの?と聞かれたロッタちゃんは、知らない人に見せたくないもんと答えるのだった。

クリスマスが近づき、ミアはドールハウス、ヨナスは、サッカーゲームが欲しいと、プレゼントの希望を書き出していた。

ロッタちゃんは、パパにそりを頼んだのと言うと、雪が降りますようにと、ベッドの中で、神様に御願いをする。

花に白いお布団をかけてあげたいの…と、可愛い事を言いながら、本当は、そりがやりたいのと正直に告白するロッタちゃんだった。

その願いが叶ったのか、雪が降ったので、ヨナスやミアと一緒にスキーの手入れをするロッタちゃん。

スラロームだって出来るわと自慢したロッタちゃんだったが、ヨナスとミアが出かけると、自分は行かないと言い出し、一人でスラロームの練習を始める。

家の中では、ママがパパからの電話を受けており、隣りのベルイさんが病気なので、パンを届けてと頼まれる。

それと一緒に、ゴミも捨てて来てねと言われたロッタちゃんは、パンとバムセを一つの袋にいれ、片手に持つと、もう一方の手にゴミ袋を持って、スキーのスラロームの練習をしながら、隣りまで向かう事にする。

坂道を上りながら進んでいたロッタちゃんは、ゴミ箱を通り過ぎた事に気づいたのでえ、片方の袋を捨てて、ベルイさんの家に向かう。

ベルイさんは風邪をひいてベッドに寝ていたので、その側にやって来たロッタちゃんは、「パ」の付くものを持って来てあげたわと言いながら、袋を差し出すが、そこには、モンスターみたいな魚の頭が入っていたので、自分が間違えて、バムセとパンが入った袋の方を捨ててしまった事に気づく。

急いで、ゴミ箱の場所に戻ったロッタちゃんだったが、ゴミ箱はもう空だった。

清掃車が収集してしまったのだ。

側で停まっていた清掃車に近づいたロッタちゃんは、清掃人のフランソンさんに、バムセを潰しちゃったの?と責める。

すると、フランソンさんは、車の横にさげていた袋をロッタちゃに戻してくれる。

庭に来る鳥のために取っておいたのだと言う。

ロッタちゃんは、無事だったバムセを抱きしめると、許してね。もうスラロームの練習はしないわと約束するのだった。

ベルイさんの家に、もう一度パンを持って行ったロッタちゃんは、バターとジャムを付けたサンドイッチを作ってやり、ベルイさんに食べさせてあげるのだった。

さらに、部屋のお掃除をもしてやり、ベルイさんとベッドで一緒に寝たロッタちゃんだった。

その後、雑誌を買って来て、店には飴もあるわよと言われたロッタちゃんは、パパがツリーを買ったはずだから、それを見てから行くと言って、家を出る。

ところが、自宅に戻ると、パパがツリーが手に入らなかったと言うではないか。

いつもクリスマスの3日前に買いに行くのだが、今年は雪が多く、木こりが森に行けなかったのだそうだ。

がっかりしたヨナスは、ロッタちゃんに、ツリーを採って来い、何でも出来るって行ったじゃないかと、意地悪を言うし、夕食の時にもめそめそと泣く始末。

そのヨナスの落胆ぶりを目の当たりにしたパパは、もう一度探してみると約束する。

その後、そりに乗ってガソリンスタンドに雑誌を買いに出かけたロッタちゃんは、雑誌と一緒に、ベルイさんからもらったお小遣いで飴も買い、店員にツリーがないのと訴える。

その時、表に、たくさんツリーを積んだトラックが給油のためやって来たので、ロッタちゃんは、お金を使わなくって良かったと喜び、運転手にツリーを頂戴と交渉するが、運転手は、もみの木がない都会のストックホルムに持って行った方が高く売れるからと言い、ツリーを分けてくれなかった。

1クローナ払うからと、ロッタちゃんは懇願するが、運転手は相手もしてくれず、そのままトラックに乗って立ち去ってしまう。

しかし、その時、1本だけ、ツリーが荷台からずり落ちてしまう。

それを見ていた店の人が出て来たので、ロッタちゃんが、拾って良いと思う?と聞くと、店の人はもちろんさ、邪魔だよと言ってくれたので、ロッタちゃんは、そりにツリーを積んで自宅に戻って来る。

自宅では、パパがやっぱりツリーを見つけられなかったと、ヨナスを慰めていたが、そこに帰って来たロッタちゃんは、せっかくツリーを見つけて来たのに…と、自慢げに伝える。

庭に出て、本当にツリーがある事に気づいたヨナスは、偉いぞ、本当に何でも出来るんだとロッタちゃんを褒めてくれる。

ロッタちゃんは、得意になり、その後、ベルイさんに雑誌を持って行ってあげるのだった。

その夜、ツリーの廻りで家族全員踊り、ヨナスやミアは、希望通りのプレゼントをもらい、それで遊んでいた。

ベッドに入ったロッタちゃんは、私って不思議、何でも出来るの。口笛を吹けたり、ツリーを見つけたり…と自画自賛するのだった。

でも、スラロームだけはまだ出来ないロッタちゃんだった。

ハロウィンの日、ロッタちゃんも、ヨナスたちが帰って来たら魔女に変装しようと考えていたが、学校から帰って来たヨナスとミアは、これからお友達の誕生日パーティに出かけると言い出したので、ロッタちゃんは怒り出す。

ママは、カーテンを換えながら、ウサギが寝てる間に卵を起きにくるわと、ロッタちゃんに教えていた。

それを聞いたロッタちゃんは、見つけたら、卵の中のお菓子を食べていいのと聞く。

その後、庭に出たロッタちゃんは、卵を探すが、まだ何もなかったし、なかなかヨナスたちも帰って来ないので、バシリスさんの店に行ってみる事にする。

すると、バシリスさんの店は、何も品物がなくなってもぬけの殻だった。

カーテンの奥にいたバシリスさんは、店を辞めるんだと言う。

ロッタちゃんは、これから土曜日に、どこでお菓子を買えば良いの?と困惑するが、バシリスさんは、自分はギリシャに帰る。この国の人はお菓子を食わないと寂し気に答える。

ロッタちゃんは泣き出すが、ここはペッとショプになるんだと言うバシリスさんは、クリスマス用のお菓子がたくさん余っていると言いながら、箱ごと出してくれると、全部持って行って良いと言ってくれる。

ロッタちゃんは、会えなくなるなんて寂しいわと哀しむが、バシリスさんは国に帰れるので嬉しいと言い、ロッタちゃんには、これからも楽しい子でいるんだぞと言ってくれる。

ロッタちゃんは、箱一杯のお菓子を家に持って帰るが、ヨナスや見栄がすぐに飛びつくと判っているので、しばらくベルイさんの家の納屋に隠しておこうと決める。

その後、ヨナスとミアが戻って来て、魔女になるんだって?と聞いて来るが、ロッタちゃんは、ブランコに乗りながら、私は良いと返事をする。

しかし、その後、やっぱり魔女に変装したロッタちゃんは、ヨネスやミアと一緒に、近所を廻ってお菓子をねだるが、訪問した時間が遅すぎたので、ベルイさんの家でも、他の家でもお菓子がなくなっていた。

結局もらえたのは、ベルイさんがくれたりんごだけだったので、3人兄弟はむくれてしまう。

ただ、ロッタちゃんだけは秘密を持っているので、どうか自分がその事をしゃべりませんようにと、神様にお願いするのだった。

ヨナスとミアは、もう魔女なんかにならないと怒る。

そこにパパが帰って来たので、ロッタちゃんは隠れようと誘うが、ヨナスはいつもの事であきたのでやらないと言う。

家に入って来たパパは、パシリスの店が閉店したのでお菓子を買えなかったと、申し訳なさそうに報告する。

明日は、聖金曜日でどこの店も閉まっているから、土曜日までお菓子を買えないと言う。

食後、ヨナスやミアが歯磨きをし、ロッタちゃんはお風呂に入っている時、ウサギが卵を持って来るはずなのに、なぜパパが買いに行くのと不思議がると、パパがウサギなんだ。サンタも…とヨナスが教える。

ベッドに入ったロッタちゃんは、パパとお休みのキスをした後、ウサギとサンタは違う、ウサギも卵もないなんてつまんない。そんな復活祭なんてない。ちょっと考えなくちゃ…と呟く。

翌朝、ベッドにロッタの姿がいないので、ママは警察に電話をしなくちゃと慌てていた。

ベルイさんの家に電話をしてみるが、ちょうどベルイさんは、犬と散歩中で誰も出なかった。

ミアは、ウサギが来ないせいよと言うので、パパが庭を除いてみると、何と庭中に、お菓子が並んでいるではないか!

そして、着ぐるみを着たロッタちゃんが姿を見せる。

ミアは、全部チョコレートだと気づいて喜ぶ。

隣りのベルイさんも、みんなに声をかけて来たので、ミアはウサギがきたわよと教える。

パパは。庭中に置いてあったお菓子がクリスマス用のものだったので、復活祭のウサギじゃなくて、クリスマスのウサギだとおどける。

その時、表の通りを、バシリスさんが乗った車が通り過ぎて行く。

バシリスさんは、運転席から、「さよならロッタ!」と声をかけてくれたので、ロッタちゃんも「さよならバシリスさん!」と返事をする。

遠ざかって行くバシリスさんの車を見送りながら、ロッタちゃんは、「私って楽しい子よ。バシリスさんの言う通り…」と呟くのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

そのマイペースさが可愛らしい女の子の日常を描いた楽しい映画。

子供が観ても、大人が観ても、心が暖かくなる事請け合いである。

いくつかのエピソードが描かれているが、最初の、お隣に勝手に引っ越してしまうロッタちゃんが楽しい。

一時の自由を得たロッタちゃんだったが、やっぱり、ひとりぼっちは耐えきれず…と云った辺りが、微笑ましい。

子供の反抗心、独立心の芽生えと、家族愛の深さが同時に味わえる名エピソードである。

スキーのスラロームの練習をしながら、お隣にパンを持って行く途中、うっかり、そのパンと大切なぬいぐるみのバムセを捨ててしまうと言う、うっかりエピソードも愉快。

ゴミ箱が空で、側に停まっていた清掃車の中で、パンとバムセは潰されてしまった!と、観客もドキドキするシーンになっている。

クリスマスや復活祭など、スウェーデンの子供たちが喜ぶ祝日の様子なども描かれており、興味深い内容になっている。