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夢のチョコレート工場

1971年、アメリカ、ロアルド・ダール「チョコレート工場の秘密」原作、デヴィッド・セルツァー脚本、メル・スチュワート監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

教会の鐘が鳴り、授業が終わった学生たちが一斉に学校から飛び出して来る。

彼らは、お馴染みの菓子屋に集まると、店員お勧めの「トロリトロケルチョコレート」をはじめ、彼が歌いながら紹介するお菓子を一斉に買い求める。

そんな楽しい店内の様子を一人の少年が、外からガラス窓越しに覗いていた。

貧しいために、新聞配りのバイトをして家系を助けているチャーリー・バケット(ピーター・オストラム)だった。

手伝っている新聞売りのジョペックから、その日配る新聞と給料をもらったチャーリーは、新聞を配り終え、自宅に帰り着く前、WONKAチョコレート工場の門の前で、じっと中を覗いていた。

すると、浮浪者のような不気味な男が近づいて来て、この工場の中に入るものも出て来たものもいないなどと気味の悪いことを言うので、急いで帰る。

チャーリーの家には、母親と、寝たきりの老人が4人もいた。

ジョージ、ジョージナ夫婦と、ジョセフィン、ジョー(ジャック・アルバートソン)夫婦だった。

チャーリーは、ジョーが今晩の夕食として持っている何も入ってないスープを見て、給料で買って来た大きなパンを取り出すと、残りの小銭を、ジョーのタバコ代にしてくれと手渡す

そして、チョコレート工場の前で出会った怪しい浮浪者の話をすると、それはスパイだとジョー爺さんは教える。

あのチョコレート工場は、一旦会社を止めたのだが、3年後に工場を再開したとも。

翌日、チャーリーは化学の授業を受けていた。

硝酸とグリセリンを混ぜると「イボ取り」が出来ると言う実験をするので、チャーリーが助手として、先生に指名され、前に出て来て薬品を混ぜる手伝いをするが、突然爆発が起きてしまう。

その時、WONKAチョコレート工場の見学が出来るらしいと、別のクラスの子供が言いに来たので、それはすばらしいと先生も興味を示すが、ニュースを見に行くと、実は、WONKAチョコレートの製品の中に、5枚だけ、金の券が入っており、それを当てた人には、WONKAチョコレート工場見学と、一生分のチョコレートのプレゼントが当たると云うものだった。

このニュースのおかげで、たちまち世界中では、子供たちがWONKAチョコレート購入に殺到し、売り切れの店が続出する騒ぎとなる。

このパニック状態に、色んな分野の専門家がコメントを出す。

そんな中、ドイツの町で一枚金の券が見つかったと云うニュースが届く。

オーガスタス・グループ(マイケル・ボルナー)と言う食いしん坊の男の子だった。

そんなオーガスタに、一人のウエイターが近づくと、何か耳元にささやく。

そんな中、チャーリーは誕生日を迎えていた。

赤いマフラーとチョコパイをジョー爺さんはプレゼントする。

喜んだチャーリーは、チョコパイの包装を開けてみるが、中には金の券は入っていなかった。

金持ちヘンリー・ソルト社長(ロイ・キニア)は、金の券がないと学校に行ってやらないなどとわがままの限りを言う娘ベルーカ・ソルト(ジュリー・ドーン・コール)のために、工場の全従業員にWONKA製のチョコを1時間に19000個、5日間開、けい76万個も開け続けさせていた。

その内、ようやく一人の女子工員が、金の券を見つけ出す。

喜んで工場へ入るベルーカの側に、またもや怪し気な男が近づき、耳元で何事かをささやく。

WONKAのチョコレート騒動が始まって、すでに43日目になるとの報道も過熱していた。

とある科学者が、コンピューターで残りの3枚を見つけ出してみせると豪語し、データを入力してみるが、出て来た答えは「そんなもの、知るか!」だった。

賞金を山分けすると、再入力してみるが、「コンピュータはチョコを食わんよ」と云う答えが出て来ただけだったので、科学者はやけになり、食べ方を教えましょうと呟く。

そうこうするうちに、アメリカで、バイオレット・ボーレガード(デニス・ニッカーソン)と云う少女が、5枚目の金の券を発見したと云う報道があった。

彼女は絶えずガムを噛んでいる事が自慢の少女だったが、インタビュー中、あの怪し気な男が、彼女の耳元で何事かとささやく。

そのニュースをテレビで観ていたチャーリーは、洗濯屋で遅くまで働いていた母親を迎えに行く。

チャーリーは、金の券の3枚目が見つかった事を話し、ボクには関係ないと寂しそうに呟く。

それを聞いていた母親は、いつか、欲張らない時に、チャンスがあると歌いながら教える。

しかし、とうとう、アリゾナで4枚目の金の券が発見されてしまう。

マイク・ティービーと言うテレビッ子だった。

マイクは、西部劇に夢中らしく、本物の拳銃が欲しいとねだるが、父親が12歳まで待てといい気なセル。

そのインタビューの時も、あの怪し気な男がマイクの耳元で何事かをささやくのだった。

その夜、寂しく帰宅したチャーリーに、ジョー爺さんは、この前チャーリーから渡されたタバコ代を我慢して、買っておいたWONKAチョコレートをチャーリーにプレゼントする。

チャーリーは礼を言って、包装を開けてみるが、もちろん、金の券は入ってなかった。

いよいよ、イギリスで最後のWONKAチョコレートが競売にかけられる。

金持ちの夫アルベルト・ミノリータを誘拐された婦人の元にかかって来た、犯人からの電話の要求は、WONKAチョコレートだった。

そうこうするうちに、パラグアイの大金持ちアルベルト・ミノリータが5枚目が見つかったと言うニュースが流れたので、ジョー爺さんは「これで、夢がなくなった」と嘆く。

実際、チャーリーは、ベッドの中で泣いていた。

学校の数学の授業では、先生が「%」の話をしていたが、生徒たちに、今回の騒ぎ中、何個、WONKAチョコレートを食べたか聞く。

指されたチャーリーは、正直に2個だけですと答えたので、他の生徒たちはあまりの少なさにびっくりする。

がっかりして下校する途中、チャーリーは、排水溝の中に落ちていた一枚のコインを発見する。

それを拾ったチャーリーは、すぐにお菓子屋に向かい、自分で一枚WONKAチョコレートを買い、その場で食べると、おじいちゃんのために、もう一枚WONKAチョコレートを買う。

そのチョコを持って店を出たチャーリーは、新聞売場の周辺が人ごみで騒然となっているのに気づく。

側で聞くと、パラグアイで見つかったと言われていた5枚目の金の券は偽物だったと云うのだ。

まだ、5枚目の金の券は見つかっていない!

急に、期待感が膨らんだチャーリーが、持っていたWONKAチョコレートの包装を開けてみると、その中に、金の券が入っていたではないか!

新聞売場の前に集まっていた大人たちは、チャーリーのいつもの善行を知っていたので、一緒に祝ってくれる。

走って家に帰っていたチャーリーは、トンネルの中で、あの奇妙な男に出会い、自分はワルタチョコレート社長だと名乗ったその男から、WONKAの解けないキャンディーを盗んで来てくれないか。1万ドル上げるとささやいて来る。

家に帰ったチャーリーから、金の券を見せられたジョー爺さんは、「10月1日10時、家族の一人同伴の事」と書かれてある裏面を読んで聞かせる。

チャーリーは、ジョー爺さんに一緒に言って欲しいと願い、寝たきり状態だったジョー爺さんは、思い切ってベッドの上に起き上がってみる。

すぐに倒れるが、もう一度やってみると、何とか立てる事が判る。

20年ぶりに立った!と喜んだジョー爺さんは、金の券のお陰だと言い、ベッドの廻りで歌い踊り始める。

その時、金の券を読んでいた母親が、工場に招かれるのは明日である事に気づく。

チャーリーは、帰宅する途中で出会ったワルタチョコの社長と名乗る怪し気な男とで会った事をみんなに打ち明ける。

翌日のWONKAチョコレート工場の正門前には、招待された5人の子供とその保護者、そして群衆と取材陣が集まっていた。

やがて、10時の鐘が鳴ると、会社のドアが開き、そこから片足が悪いようなウィリー・ウォンカ(ジーン・ワイルダー)が出て来る。

それを興味深そうに観ていた群衆の中に、あのワルタチョコの社長と名乗る男も混ざっていた。

門の所まで来たウィリー・ウォンカは、デングリ返ってみせると、ちゃんと起き上がる。

足が悪かったようなのは、お芝居だったのだ。

そんな冗談好きなウィリーは門を開く。

ベルーカは父と、オーガスタスは母と、バイオレットは父サムと、マイクは母と、チャーリーはジョー爺さんと一緒に、門の中に招き入れられる。

会社の中に入ると、全員のコートをかけるように言われるが、そのコート掛けは、人間の手のように動いた。

さらに、全員は、見学中の事故に関する保証はしないと言う膨大な文章が書かれた巨大な宣誓書にサインを強要される。

親たちは怪しむが、子供たちは好奇心には勝てず、ベルーカを筆頭に全員サインしてしまう。

ウィリーは、番号付きのドアを開くと、その向こうには、狭い廊下があり、その先には小さな部屋があった。

ウィリーは、いよいよWONKA工場の中枢に入ると説明する。

音楽の鍵で扉を開くと、そこには、巨大な庭園を思わす、お菓子が一杯の夢のような空間が広がっていた。

ウィリーが歌い始め、子供たちは夢中になって、庭中にあるお菓子を食べ始める。

そこに流れる川はチョコの川で、1時間で4万リットル流れだしていると言う。

その川の向こう岸では、「スノッズワンガー」と呼ばれる小さな人々が、「ウンパ ルンパ」と歌いながらチョコを作っていた。

そんな中、食いしん坊のオーガスタスが、川のチョコレートを飲もうとして川に落ちてしまう。

太った彼の身体は、パイプの途中に引っかかったりしながら、キャンディー室へと運ばれて行き、母親も、小人に連れられ、キャンディー室に消えて行く。

小人たちは、なぞなぞの唄を歌い、やがて小人が漕ぐ「ワンカテニア号」と云う船が、川を流れて来たので、全員それに乗り込む。

船がトンネルの中に入ると、川の流れが速くなり、周囲にはワルタの顔の映像が映し出され「危険が迫っている予感が!」と不気味な言葉を吐く。

しかし、ウィリーは平気で、「人類には小さな一歩でも、人間には大きな一歩だ」と云う。

やがて船は「発明の部屋」の前に到着する。

そこでは、お菓子の新製品の研究が行われていた。

何にも手を出さないでと、ウィリーから注意されていたにもかかわらず、勝手に、近くにあったキャンディーを口に入れたマイクは、口の中でキャンディーが爆発する。

困ったような表情で、ウィリーが「破裂キャンディー」と説明する。

やがて、ウィリーは、溶けないキャンディーの試作品を見せてくれる。

それ虹色の小さな立体パズルのような形のキャンディイーだった。

ウィリーは、「誓ってくれ。死ぬまで人に見せないと」と、子供たちに約束させると、全員に一個ずつ、その「溶けないキャンディー」を配ってくれる。

その他にも、無公害機械やお菓子の巨人製造機、世界一のガムなどを見せてくれたので、バイオレットが勝手にそのガムを噛んでみると、最初はトマトスープの味、やがて、ローストビーフの味、最後は、ブルーベリーの味がし、一個で、ディナーを食べたような雰囲気が味わえると言うが、突然、バイオレットの顔が紫に櫓に変色して来て、身体もふくれ始め、彼女自身がブルーベリーのような形になってしまう。

驚いた父親が何とかしろと文句を言うが、彼女の中身はジュースですと説明したウィリーは、小人たちに、丸くなった彼女を転がしながら「絞り室」に行かせ、父親も後について行く。

ウィリーは、生意気なガキが二人消えたと喜んでいる様子だった。

やがて、 ウィリーは「ナメナメ壁紙」なるものを子供たちに紹介する。

その時、ベルーカが「スノッズベリーって、何よ?」と質問するが、ウィリーに無視されてしまう。

ふわふわドリンクなる商品を見せてもらい、全員は次の部屋に向かうが、ジョー爺さんとウィリーは、その「ふわふわドリンク」と云うものをこっそり飲んでみる事にする。

すると、二人の身体はフワフワと空中に浮かび、空を飛ぶような気分になるが、やがて、天井に仕掛けてあった通気用のファンに巻き込まれそうになったので慌ててしまう。

その時、ジョー爺さんがげっぷをすると、身体が落ち始める事に気づき、チャーリーにも同じようにげっぷをしろと教える。

かくして、二人の身体は、無事、床の上に戻る。

その頃、先の部屋に進んでいた他のメンバーたちは、金の卵を産む巨大なガチョウを勧化句していた。

わがまま娘のベルーカが、金尾ガチョウが欲しい、世界が欲しい、何もかも欲しい!と、金持ちの父親と一緒に歌い出すが、卵の重さを量る秤の上に乗った二人は、突然開いた、選別穴に落ちてしまう。

ウィリーから、彼女はゴミと一緒に焼却場へ落ちたが、燃やすのは一日置きなので助かる可能性もあると聞いた父親も、同じ選別穴に落ちて行く。

やがて、又、小人たちが歌い始め、残りのメンバーたちは、ウンパモービルと言う炭酸飲料のエネルギーで動く自動車に乗る。

車のタンクからは泡が吹き出し、全員泡だらけになるが、ハサワカノと云う日本語みたいな装置であっという間できれいになる。

その後、ユニフォームに着替えた全員は、ワンカビジョンなる装置を見せられる。

それは「物質移動装置らしく」、チョコレートを装置に乗せ、全員がゴーグルをかけて観ていると、チョコレートは小さな粒子状に、傍らに置かれたテレビの中に流れ込むと、ブラウン管の中で再生する。

その再現したチョコレートを食べてみたチャーリーは、おいしい普通のチョコレートである事を知る。

それを見ていたテレビ大好き少年マイクは、自分を送ってくれと言い出し、装置に自ら乗る。

すると、同じように粒子状になってブラウン管の中に移動したマイクがテレビジョンの中に出現するが、テレビサイズで小さなままだった。

テレビの中に出演したマイクは大喜びするが、驚いた母親は、小さくなった彼を自らのバッグの中に入れると、気絶し、小人にタフィーの部屋に連れて行かれる。

小人たちは又全員で歌い始める。

出口に近づいたウィリーは、出口は階段の上だとチャーリーとジョー爺さんに教えると、自分はさっさと部屋に入ってしまう。

この処遇に驚いたジョー爺さんが、部屋に入ると、その中は、皆半分のものばかりがある不思議な部屋だった。

一生分のチョコレートは?と聞くジョー爺さんに、机に座っていたウィリーは、あんたたちは約束を破ったので、誓約書の37条Bに違反した事になる。ふわふわドリンクを勝手に飲んで、壁を汚したじゃないかと怒る。

そんな条項は、大きな誓約書の下の方に、豆粒のような小さな文字で書かれていたものだったので、「あんたは詐欺師だ。子供の夢を壊した!ワルタにここの秘密を売ってやる」と文句を言い、チャーリーと共に返りかけるが、チャーリーは、もらった溶けないキャンディーを、そっとウィリーに返す。

それを見たウィリーは目を輝かし、酷い世の中に優しい心!気味の勝ちだ!やったぞと突然歓声を上げる。

これは全部、良い子を見分けるテストで、ワルタチョコの社長と云うのは、ウィルキンソンと云う自分の部下だったのだと打ち明け、その部屋に本人が出て来る。

ウィリーは、すごいご褒美が待っていると言い、チャーリーとジョー爺さんを「ワンカベーター」と云う乗り物に乗せる。

そればエレベーターのように、上下に移動するだけではなく、上下左右斜め前後、どこへでも移動する装置なのだと説明したウィリーは、一つだけまだ押してないボタンがあると云い、チャーリーにそのボタンを押させる。

すると、ワンカベーターは、ロケットのように屋根を突き破り、空を飛び始める。

ウィリーは、うれしそうに町を見下ろすチャーリーに向かい、正直でいつも優しい子供を捜していたんだ。工場へ、家族みんなでおいで。突然、夢が叶った人はその後、どうなったと思う?一生、幸せになったんだと教えるのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ティム・バートン監督「チャーリーとチョコレート工場」の前に公開されていた、同じ原作の最初の映画化作品。

話の展開としては、男の子版「シンデレラ」と「不思議の国のアリス」「ヘンゼルとグレーテル」などをミックスしたような印象である。

70年代映画らしく、当時流行っていた「スキャニメイト(アナログ的に画像を歪ませる技術)」などが登場しているのが懐かしい。

ミュージカル仕立てになっており、全体的に、一見子供向けの楽しい映画のようだが、随所に、原作者ドアルド・ダールらしい「毒」と「教訓」が含まれている。

セットなどにもそれなりに金をかけており、大人向けの大作ほどではないにせよ、当時の子供向け映画としては、かなり贅沢に作られた映画のように感じる。

どこかしらマッドサイエンティストを連想させるウィリー・ウォンカを演じているジーン・ワイルダーが印象的だが、実際の小人が登場している所から、日本の地上波テレビなどではまず放映出来ないのではないだろうか。

お菓子大好きな子供なら、わくわくしてしまうに違いない夢のある映画である。

 


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