1992年、スウェーデン、アストリッド・リンドグレーン原作、ヨハンナ・ハルド脚本+監督作品。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼
雨が降る中、犬のスコッティを連れて、お隣のベルイ(マルグレット・ヴェイヴェルス)さんが買い物に出かける。
ニイマン家からは、ロッタの悲鳴が聞こえて来る。
兄のヨナス(マルティン・アンデション)と、姉のミア(リン・グロッペスタード)がお菓子を買いに行くのに、付いて行きたがったロッタは、あなたはまだ小さいし風邪も引いているので、ママ(ベアトリース・イェールオース)から、外に出ては行けないと禁止されていたからだ。
しかし、ロッタは、まだ下着姿なまま着替えもしないで、自分はちっちゃくないとふてくさせる。
店にやってきたヨナスとミアは、入り口の前に繋がれていたスコッティに挨拶し、中で先に買い物をしていたベルイさんにも挨拶をする。
ベルイさんが、ロッタは?と聞いて来たので、お留守番とミアが答えていると、入り口から黄色いレインコートを着たロッタが入って来る。
ミアから飴をもらって、鼻をずるずる言わせながら食べているロッテの様子をじっと見つめていた知らない小母さんが、ハンカチ持ってないの?と聞いて来るが、ロッタは、知らない人には貸さないと言うので、小母さんは唖然とする。
外に出たロッタは、水たまりではしゃぐが、家に帰ると、勝手に外出した事を知られ、お目玉をもらう。
それで、豚のぬいぐるみ「ブムセ」相手に、ロッタはふて腐れる。
そこに、入って来たヨナスとミアは、何かして遊ぼうと言い出す。
ロッタは、ジャンプごっこ!と提案するが、ヨナスとミアは「病院ごっこ」を主張、結局、ロッタは患者役と言う一番つまらない役に。
医者役のヨナスは、ロッタの口の中を覗いて、重い病気だから、注射の必要があると云い出し、玩具の大きな注射をロッタの腕に打とうとしたので、ロッタは、嘘でも注射は嫌!と拒絶する。
やがて、パパ(クラース・マルムベリィ)が帰って来たので、子供たちは皆、隠れて迎える事にする。
玄関に入って来たパパは、室内が静かなので、出迎えたままとキスすると、子供たちは病気か?と聞く。
すると、我慢出来なくなったロッタが飛び出したので、ヨナスとミアも姿を見せるが、喜んでロッタを抱き上げ、ぐるぐる振り回していたパパは、ロッタの足で、花瓶を壊してしまう。
ママは、呆れてしまい、パパはばつが悪そう。
子供たちはさっさと外に逃げ出し、隣りのベルイさんの家にお邪魔する。
ベルイさんは、子供たちにワッフルをごちそうしてくれる。
ロッタは、ベルイさんの足に異常を見つけ、それは何?と聞くと、「静脈瘤よ」と難しい言葉で教えられる。
ベルイさんは、自分の子供の頃の写真をロッタに見せ、二人一緒に唄を歌う。
ロッタは、ベルイさんにノアの方舟に乗った?と聞くので、ベルイさんは、私は乗らなかった。それは何千年も昔の話よと言って聞かせる。
ヨナスとミアは、窓枠に身体を乗せ、ゆらゆら「乗り出しゲーム」をしていたが、ヨナスの方が、外のぬかるみに落ちてしまう。
自宅に戻って、子供たちは夕食をとるが、ロッタは、ママの差し出したフィッシュ・ボールが嫌いなので嫌だとだだをこねる。
ミート・ボールとパイなら好きと言う。
やがて、子供たちは、パジャマに着替えて、かけっこをする。
ママが、早く寝なさいと叱ると、ロッタは「ママは変!夜は眠くないのに寝ろというし、朝は眠いのに起きろと言う」と正論を言う。
ベッドに入ったロッタに、咳止めの薬を飲まそうとするママだったが、ロッタは絶対口を開かない。
ママが自分で薬を飲み、一晩中、咳をしてなさいと言って部屋を後にすると、ヨナスが、ボクだったら、薬を飲まなくちゃならないのなら飲むけどと言うと、ロッタは、私は飲まなくちゃならないときでも飲まない!と拒否する。
そして、ベッド脇の電気を消したロッタは、脇のベッドに寝かせていたブムセを、怖いのなら一緒に寝なさいと、自分のベッドに入れ、神様に、たくさん食べさせて下さい。ママが心配するから。でも、フィッシュ・ボールはイヤ!とお祈りをするのだった。
翌朝、ベルイさんが、外に新聞を取りに出ると、もうロッタが起きているので挨拶すると、今日はお出かけするのだという。
キッチンでは、ミアがママのサンドイッチ作りの手伝いをさせられていた。
パパは先に出かけ、車を用意して来る。
それに荷物を積み、家族全員乗り込むと森に向かう。
ぬいぐるみのバムセも連れて来たロッタは、これはクマだと言い出したので、ヨナスがブタだろう?と聞くと、ブタクマだと言い張る。
湖のある場所に到着した子供たちは、安全のため、全員救命具を付けられるが、ママは一人で寝ると言い出す。
パパが、手製の釣り竿とミミズを持って、湖の側で待っていた子供たちの所に来る。
ロッタは、ミミズを気持ち悪がり、投げ捨てると、バムセを水際に置いて、みんなで釣りを始める。
なかなか全員釣れず、退屈していると、やがてミアの竿に当りがある。
引き上げてみると、それは水に落ちたバムセのぬいぐるみだったので、ミアは、水際なんかに置いておくからよと言うが、ロッタはミアが悪いと責め、もう釣りなんかしないとその場を去ってしまう。
ヨナスとミアも、退屈して去ってしまったので、一人で釣り竿を持つパパは寂しそう。
草原にやって来たロッタは、小鳥の巣を見つける。
そこにあった小さな卵を触ろうとするので、後からやって来たヨナスが、親鳥が心配するから止めろと注意する。
ロッタは、ママに見せたいからと、バムセを巣の側に置いたまま、その場を立ち去り、ヨナスとミアも続く。
岩陰から、ママの様子を覗いてみると、パパがママの顔にいたずらをし、二人はキスをして何だか抱き合っている。
それを見たヨナスとミアは、ママに見せたいとせがむロッタに、パパとママは今は見たくないよと諭して、その場を離れる。
救命具は釣りの時だけのものだと脱いでいた三人は、湖の側の岩場で遊び始める。
ヨナスが、逆立ちをしてみせたり、ベルイさんやスコッティなどの形態模写をし始めたので、それを観ていたミアとロッタは大喜び。
子供たちの姿が見えない事に気づいたパパとママは、対岸から、岩場で遊んでいるヨナスたちを発見、危ないと声をかけるが、その声に驚いたヨナスは、バランスを失い、湖に落ちてしまう。
驚いたパパは湖に飛び込み、足が吊った!とパニック状態になったヨナスを救出するが、その一部始終を見ていたロッタは、一人愉快そうに笑っている。
ずぶぬれになったパパとヨナスは、毛布をかぶり震えていたが、ママは帰ると言い出す。
その時、ロッタが、バムセがいないと言い出す。
パパは、明日取りに来ようと言うが、ロッタは承知しない。
ミアとヨナスが、確か、鳥の巣を見つけた所ではもっていたと思い出したので、3人でその場に行くと、確かに、バムセは、鳥の巣の中の卵の方を向いて置いてあった。
ロッタは、卵をずっと守ってくれていたのね!と喜ぶが、ヨナスは、変なブタクマがいたので、親鳥は恐くて巣に近づけなかっただろうと笑う。
帰宅後、今日一番楽しかった事は何?とママから聞かれたロッタは、ヨナスが落ちた所と言う。
翌日、ヨナスとミアが、自転車に乗っていると、それを見ていたロッタも、自分も自転車に乗れると言い出す。
ヨナスは、持ってないじゃないかと呆れるが、ロッタは乗せると主張する。
その後、部屋で、ヨナスとミアが算数の勉強していると、同じテーブルに座ったロッタも、勝手に数字を言い出し、二人の邪魔をする。
夕食時、ロッタは、自転車がないから乗れない。欲しいと言い出す。
ママは、後1年は、三輪車で我慢しなさいと言い、パパも誕生日になるまでと言い聞かすが、ロッタは自転車が欲しいとだだをこねる。
やがて、ロッタの5歳の誕生日の日がやって来る。
ママが、朝、誕生ケーキを作り、家族全員がそっと、二階で寝ているはずのロッタの部屋に運んで行くが、既に起きていたロッタは、その様子をドア越しに聞きながら、全員が近づいて来ると、ベッドに飛び込み寝た振りをする。
みんなが部屋に入って来て、誕生日の唄を歌い始めると、ようやく、起きたような振りをして目を開けるロッタ。
パパは、絵本やブランコ、ミアは赤いバッグなどプレゼントするが、自転車は?とロッタは不満そう。
それでも、すぐに、赤いバッグを提げ、ブランクに乗って遊ぶロッタは、出勤するパパや、学校に向かうヨナスやミアを見送る。
その後、道路に出て散歩しはじめたロッタは、煙突掃除屋さんに会い、バッグを見せびらかす。
その後、庭に戻って来たロッタだが、そこに置いてあった三輪車を見ると、嫌いよ!乗ると思っているのはパパだけ!と一人文句を言い、どこにあるか知ってるもん…と言いながら、隣りのベルイさんの家に向かう。
そして、ベルイさんに、今日は自分の誕生日だと教え、ステキなブレスレッドのプレゼントをもらうと、そろそろ昼寝をした方が良いわと勧める。
そのロッタの言葉に素直に従い、スコッティと共にベッドに横たわったベルイさんだったが、それを確認したロッタは、家を出て、ベルイさんの家の物置の中に入り込むと、そこに置いてあった大人用の自転車を勝手に持ち出そうとする。
大人用自転車は、ロッタにはとても重かったが、何とか外に持ち出すと、そのまま表の道路に出て、少し坂になった上の方に押して行く。
すると、それを見ていた煙突掃除のおじさんが運ぶのを手伝ってくれる。
小さな坂の上に逆向きに止めてもらった自転車にまたがったロッタは、そのまま前進し始めるが、自転車にはブレーキが付いてないので止め方が判らず、そのままベルイさんの家の前の縁石にぶつかると、ロッタは跳ね飛ばされ、ベルイさんちのバラの花壇の中に墜落してしまう。
そのもの音に気づいたベルイさんが驚いてやって来ると、ロッタは、膝を擦りむいていていた。
ロッタは、悪い自転車のせいで…、今日は誕生日なのに…とべそをかく。
でも、それを聞いたベルイさんは、賢い自転車だと思うわ。自分で物置小屋から出て、道路に出るなんて…と微笑む。
ベルイさんに、膝の治療をしてもらいながら、ロッタは、自分が、物置小屋から勝手に自転車を出した事を認め、ちょっと借りたの、許してくれる?と甘える。
もちろん笑って許してくれたベルイさんだったが、ロッタの腕から、さっきはめてやったブレスレッドがなくなっている事に気づく。
二人で家の周囲を探すが、ブレスレッドは見つからない。
ロッタは、「サイテーの誕生日」と呟きながら、ヨナスとミアが帰って来たときも、不機嫌だった。
ヨナスたちが訳を聞くと、ブレスレッドをなくしたし、自転車も勝手に動き出したとロッタは言うので、ミアは、勝手に自転車を借りたりするからよと呆れ、ヨナスも、ロッタの目の前で、わざと自転車の曲乗りを披露したりする。
ロッタの不機嫌は極限に達していたが、その時、何と、パパが、赤い自転車を押しながら帰って来たではないか!
出迎えたママも、買わないと言っていたくせにとあきれ顔。
さっそく、ヨナスとミアが、ロッタに自転車の乗り方を教えてくれるが、ロッタは、すぐにコツを覚え、自転車に乗れてしまう。
そんなロッタに、ベルイさんが、バラ園の中に落ちていたと、ブレスレッドと赤いバッグを渡してくれる。
それを見ていたミアは、きれいなブレスレッド!とうらやましがり、ヨナスは、これでも、サイテーの誕生日かい?とロッタを冷やかすのだった。
ある日、ロッタたちは、汽車に乗って、ママの田舎に旅行をする事になる。
駅には、パパが見送りに来てくれていた。
動き出した列車に乗っていたロッタは、一緒のコンパートメントに乗っていた老人の顔をじっと見つめていた。
その老人が、席を立って通路に出ると、今のおじいさんの顔は変、顎にほくろが付いていたなどとロッタが言うので、ママは聞こえるわよとヒヤヒヤするが、ヨナスもミアも笑い出す。
そきに、車掌が切符を確認して来て、子供たちの年齢を確認したので、ヨナスは10歳、ミアは8歳、ロッタは5歳で、ママは37歳とロッタは答え、ブタのぬいぐるみのブムセも見せる。
車掌は、子供たちは半額で、ブムセはただで良いよと言ってくれる。
やがて、車内で、お弁当を食べ始めるが、ママは、ロッタが、サンドイッチのサラミを窓に貼付けたのでびっくり!
なぜ、そんな事をしているの?と聞くと、くっつきやすいからだとロッタは答えたので、ママは、食べもので遊んじゃいけません!と叱る。
やがて、田舎に着いたロッタたちは、タクシーで、祖母と祖父が待つ実家にやって来る。
お手伝いの、マイケンが真っ先に出迎えてくれて、荷物を運んでくれる。
ロッタたちは、牛小屋の牛を見せてもらう。
その牛の糞を藁にかけている作業を見たロッタは、汚いと顔をしかめるが、これは肥やしになるんだよと祖父が教える。
やがて、祖父は、ヨナスとミアを連れて、自転車で農園に向かう。
小さいからと、一人留守番にされてしまったロッタは、又不機嫌になってしまう。
祖母に促され、キッチンで、リンゴンベリーのジャムを作る手伝いをさせられても、ずっと不機嫌は変わらなかった。
やがて雨が降って来ると、祖母が良かったと言うので、どうして?とロッタが聞くと、色んなものが育つからよと教えると、牛のウンチも?とロッタは聞く。
その内、キッチンにやって来たママは、ロッタの姿が見えなくなったのに気付き、家の周囲を探し始める。
ちょうど、洗濯物を取り込んでいたマイケンも、一緒に探し始めるが、牛舎の裏の肥やしの所にロッタは、両手を空に伸ばし雨の中立っていた。
マイケンが、何をしているの?と聞きながら、急いで、濡れたロッタを家の中に連れ込むと、ロッタは、成長するの!大きくなりたいんだってば!と答える。
昼食は、ニシンのフリッターだった。
祖父は大好きだというが、ニシンが苦手なロッタは、「日曜日にニシンだなんて、地獄よ」と顔をしかめたので、ママは怒って、そんな悪い事を言ってはダメ!外に出てなさい!と叱りつける。
玄関前に座ったロッタは「ママのバカ!」と悪態をつく。
その後、一人だけで、ニシンの皿を前にテーブルに座らせられたロッタは、食べるまで部屋を出てはダメと、ママから閉じ込められてしまう。
その後、表にいたママは、家の横でロッタが、ニシンのフリッターを持って、樽にたまった水の中に漬けているのを発見する。
何をしているの?と聞くと、お魚を泳がせているというではないか!
やがて、家族全員で記念写真を撮ることにするが、ロッタがいない事に気づく。
見ると、帽子をかぶり、鞄を持ったロッタがすたすたやって来るではないか!
どこへ行くの?とママが聞くと、ママよりパパが好き。一人で帰ると言う。
呆れた、祖父と祖母は、ロッタと別れの握手をする。
そのまま牧場を去ろうとするロッタの後を付いて行ったママが、「本気なの?」と確認すると、ロッタは、一人では列車に乗れないという。
じゃあ、このままここにいてくれない?とママが抱っこして言うと、「いてあげる」と言いながら、ロッタは泣き出す。
そんなロッタとママの所に、ヨナスとミアが近づくと、ちょうどパパが車でやって来る所だったので、みんなで、その自動車にしがみつき、祖母と祖父の元へ戻るのだった。
夕食後、ロッタたちは、祖母から聖書を読んでもらう。
ロッタは、イラストに描いてある神様の事など質問するが、祖母が「地獄」の事を説明し出すと、「そんな事を言っちゃダメ!地獄って、悪い言葉よ」とロッタは注意するのだった。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
「ロッタちゃん はじめてのおつかい」と同じキャスト、スタッフによる第二弾。
相変わらず、マイペースでわがままなロッタちゃんの可愛らしさが楽しめる作品になっている。
色々楽しいエピソードだらけなのだが、一番可愛いのは、大人用の自転車をベルイさんの物置から持ち出そうと、悪戦苦闘する所。
長廻しで撮ってあり、本当にロッタちゃんが、芝居ではなく、一人で素でやっているのがおかしい。
相変わらず、子供たちに甘いパパの大変さも伝わって来て愉快。
でも、そのパパのサービスのお陰で、いつもニーマン家は笑いが絶えない楽しそうな家庭に見える。
「ロッタちゃん はじめてのおつかい」の時も気になったのだが、パパがいつも明るいうちに帰って来て、明るいうちに家族と食事をしているので、昼食なのかと思い込んでいたが、スウェーデンと言うお国柄を考えると、「白夜」に近い表現なのかも知れない。
それでも、夜はちゃんと夜の表現になっているので、日が暮れるのが日本の感覚より遅いと言う事なのだろう。
登場人物も少なく、テレビドラマっぽい低予算映画ではあるが、その微笑ましさは何度見ても見飽きない魅力がある。
登場人物全体が、美男美女と言うよりも、個性派ぞろいと云った風貌の人ばかりなのも、監督のこだわりかも知れない。
素朴な風景も美しいし、子供が観ても、大人が観ても、楽しい作品だと思う。
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