1957年、東映京都作品。
柴田練三郎原作、加藤泰監督。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
ある神社に奉納されている水煙の剣と対をなす、火炎剣の真贋を決する試合に駆け付けていた侍が、山中で暴漢に襲われる。
そこへ登場したのが、白尽くめの衣装に身をやつした美剣士、源氏九郎(中村錦之助)。
暴漢を切り捨てると、瀕死の侍から火炎の剣を託される。
それを隠れて見ていた、女とその子分。
その剣を盗み出そうと、美剣士に近付こうとするが果たせず。
神社に到着した九郎は、もう一振りの火炎剣を持つ侍と勝負する。
勝負はすぐにつき、侍は九郎の剣に倒される。
その侍の許嫁は、以前、九郎に助けられた経験のある女だったが、これ以降、九郎を仇と付け狙うようになる。
その直後、神社の水煙の剣が何者かに盗まれるという騒ぎが発生。
何組もの人間達が、この水煙、火炎の剣に隠された財宝目当てに、2本の剣を探し求めていたのだ。
源氏の血を引く九郎もまた、その2本を探し求めていたのであった…。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
一見、波乱万丈、伝奇時代劇…のような荒筋ではあるが、シリーズ1作目に当たる本作を観る限り、全体的にテンポが緩やかで、今の目から観ると、かなり退屈な展開となっている。
白塗り錦之助の美剣士ぶりも、まだ十分板に付いていない感じで、何となく不自然さを感じるのも確かだ。
物語後半、水煙、火炎2本の剣を手にし、「秘剣 揚羽蝶」を披露する九郎だが、これまた、画面的には、普通の二刀流剣法と差がないように感じ、物足りなさが残る。
この後、九郎が眠狂四郎ばりのキャラクターに育ったのかどうか、興味ある所だ。
