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ガメラ対深海怪獣ジグラ

いよいよ、昭和ガメラシリーズもこれが最後となった。(1980年に、過去のフイルムを繋ぎ合わせただけの「宇宙怪獣ガメラ」はあるが…)
本作では、驚くべき事に、主役を幼稚園児が努めている。
ジグラ星が公害で汚れてしまったために、地球を征服しに来る…と言う設定も安易だが、特撮ももはや、TVのヒーロー物よりひどいのではないか…と思われるほどのレベルに落ち込んでいる。
舞台は、ほとんど、鴨川シーワールド周辺だけである。
そして、何故か、この作品にも、おねえちゃん役者が宇宙人役として出ている。おねえちゃんと、幼稚園児の追いかけっこがドラマのメインと言っても良い。
「お色気路線」と「幼児路線」と言う、一見相容れなさそうな要素が同居している所が、昭和末期ガメラの特長と言えるだろう。
前作の敵怪獣ジャイガーが、オーソドックスな怪獣形態をしていたのに反し、この作品でのジグラは、またまた突飛なデザインに近づき、なかなかユニークな印象を受ける。
しかし、しょせんは「魚形態」であるために、アクションに限界があり、地上での戦いでは、失笑を禁じ得ない動きしか出来ず、おそまつ…と言う印象しか残らないのが正直な所だろう。
それでも、その稚拙さが逆にユーモラスな人形劇にも見え、年少の子供たちには楽しめる作りになっているとも言える。
「怪獣ごっこ」の人形劇として観れば、少々ドラマは退屈ながら、子供には喜ばれる作品かも知れない。