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ガメラ対大悪獣ギロン

大映の経営状態は悪化の一途を辿っていたのか、いよいよ、人気シリーズのガメラも、予算がより厳しくなり、もはや、まともなスペクタクルなど望むべくもない状況になっていたものと思えわれる。
勢い、作品の対象年齢も小学生からさらに下の幼児向けに近くなっているように感じる。
いつものように、日本人と外国人の子供二人組が空飛ぶ円盤にさらわれて、謎の第十惑星につれていかれる。
そこには、銀色をしたギャオスなどもいたが、それをまっぷたつに切り裂く、新しい怪獣ギロンが出現する…。
宇宙のセットもちゃちなら、特撮も幼児以外には納得出来るような出来ではないが、妙なファッションを身に付けた女性が宇宙人として出てきたり、何とも奇妙な雰囲気を持つ作品になっているのが面白い。
この時期、ゴジラ同様、ガメラも海外に輸出されていた事から、「お色気サービス」のつもりであったにか。
本作の見所は、何と言っても、包丁をそのまま怪獣化したような、漫画チックなギロンのデザインに尽きるだろう。
一度観たら、一生忘れられないような強烈さがある。
「トンデモ映画」と割切って観れば、それなりに笑えるだろうし、当時の製作状況をしっかり理解した上で観れば、それなりにその時代のスタッフたちの苦労を忍ぶ事ができるだろう。
ビジュアルの突飛さ、話の分かり易さは、いまでも幼児には喜ばれるのではないだろうか。
それなりに楽しい、子供向け怪獣映画と言える。