1966年、大映東京、高橋二三脚本、田中重雄監督作品。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
今から半年前、火星行きのロケットで発射されたガメラだったが、突如出現した隕石と衝突、ガメラは、東洋一の黒部ダムを襲って来た。
発電所を破壊し、炎を吸い込んだガメラは、決壊したダムから回転して飛び立つと、赤道直下のウラール火山へと向かう。
大阪
平田圭介(本郷功次郎)がセスナのライセンスを取ったのに、会社を辞めると言うので、上司(原田該)は驚いていた。
一歩前進、二歩後退するためだと圭介は言う。
その後、圭介は、片足が不自由な兄の平田一郎(夏木章)の家に行くと、そこで二人の先客が待ち受けていた。
船員の川尻(早川雄三)と小野寺(藤山浩二)の二人だった。
実は、圭介が来るまで、手榴弾の準備などしていたのだが、圭介が来たのであわてて隠していたのだった。
圭介は、退職金を兄に手渡すと、観光飛行機の会社を作るんだと夢を語る。
そんな圭介も加えた三人に、一郎は、戦時中、捕虜収容所に入れられる前に自分が見つけた巨大なオパールを、ジャングルの中の洞窟に隠して来たと言う話を始める。
それを、三人に取って来て欲しいと言う依頼だった。
川尻は、用意して来た偽の船員証を圭介と小野寺に渡す。
その川尻の乗るあわじ丸と言う貨物船は、ニュギニアに積み荷の一部を降ろすので、その時下船し、半月後に又戻って来る時に乗り込めば良いと一郎は計画を話す。
遺骨を拾いに行ったとごまかせば良いと言う。
目的地には圭介の操縦するヘリで向かうので、そのために闇ドルを持っていけと一郎は指示する。
さらに、ジャングルには、毒サソリがいるので注意するようにと付け加えるのだった。
あわじ丸に乗り込んだ圭介と小野寺は、掃除夫として働かされる。
そんな二人に近づいた川尻は、後三日でニューギニアに着くと教える。
原住民たちが踊っている村に、圭介が操縦したヘリが着陸して来たので、村人たちは驚いて逃げる。
ヘリから降り立った川尻は、村はずれに何かが書かれた石碑を見つけるが、内容は読めなかった。
気がつくと、彼ら日本人三人は原住民たちに取り囲まれていた。
圭介は拳銃を取り出すが、小野寺がなだめ、道案内を頼もうかと言い出す。
そこに、日本人風の男と共に一人の娘が進み出ると、自分は日本語が話せると言う。
可憐と名乗ったその娘は、男の名は松下と言い、風土病の研究で当地に来たが、妻をなくされたのだが、この方から日本語を学んだと説明する。
圭介が、この辺に洞窟があるはずだと聞くと、そこは虹の谷と言う恐ろしい所なので近づくなと、その石碑には書いてあるのだと言う。
しかし、それを聞いた小野寺と川尻らは、近づくなと言うからには、すごいものがあるに違いないと喜ぶ。
いきなり、銃を原住民たちに向けた小野寺たちは、そのままジャングルの中に入り込んで行く。
そんな彼らに、カレンは行ってはいけません!と叫ぶのだった。
途中、小野寺は底なし沼にはまってしまうが、川尻がツタを使って何とか助け出す。
その後、三人は、目的地の洞窟を発見する。
圭介は、兄に教えられた通り、入口から15mは行って右と埋めた場所を伝える。
川尻は、カンテラに灯をともすと、コウモリが飛び出て来たので肝をつぶす。
その時、小野寺が突然拳銃を発砲したので他の二人は驚くが、毒サソリだった。
洞窟の中には不気味な彫刻などがあったが、やがて赤い布に包まれて地面に埋まっていた巨大なオパールを発見する。
小野寺も、大ばくちが当たったか!とうれしそうに近寄って来るが、その時、喜ぶ川尻の足にサソリが這い上がって来たのに気づくが、黙っていた。
川尻は、これで大金持ちや!マンション買って、国から女房と子供を呼び、車も買うんだとオパールを掴んで喜び続けていたが、突然、その表情が崩れると、倒れる。
サソリに刺されたのだった。
これには、近づいてきた圭介も驚くが、目が見えへん!と叫ぶ川尻は、やがて息絶えてしまう。
小野寺は、付いてない奴だとつぶやき、オパールを持とうとするが、圭介が、代わりに拳銃を小野寺に預かろうと言い、川尻の胸ポケットに入っていた妻と子供の写真を見つけると哀しみにふける。
リュックにオパールを詰めた小野寺は、哀しんでいる圭介に気づかれぬように入口の方に後退すると、持っていた手榴弾に火をつけ、まだ川尻の遺体と共に圭介がいる方向へ投げつける。
手榴弾は爆発し、洞窟は崩壊、圭介は中に閉じ込められてしまう。
気がついた圭介は、村のベッドで寝かされていた。
そこに、カレンがやって来る。
どうしてここにいると聞く圭介に、新設で助けたのではないと言うカレンは、虹の谷から何か見つけたでしょう?と問いかけて来る。
圭介は、あれは、自分の兄が見つけたものなので、権利があると反論するが、カレンは外に出て行くと、酋長らしき人物(ジョー・オハラ)に何事かを告げに行く。
そこに、松下(菅井一郎)とカレンが戻って来て、自分たちは神の呪いを恐れているのだと説明する。
あの卵のせいで、過去、何百、何千もの命が奪われているのだと言うカレンの言葉を聞いた圭介は、そんなに値打ちがあるものかと驚くが、値打ちなどの話ではないと、松下が言葉を遮る。
カレンは、自分を日本に行かせてくれと松下に頼み、恐ろしいことが起きるのです。あなたたちは恐ろしいことをしたのですと圭介に告げるのだった。
古い言い伝えによれば、あれは宝石ではないのだと言う。
その頃、小野寺は、あわじ丸の船室に戻り、ジャングルでかかった水虫に悩まされていた。
船医の佐渡(藤岡琢也)が入って来て、容態を聞く。
時々震えが来るくらいだと小野寺が答えると、それはマラリアだと言い、水虫には赤外線でも当ててみるか?と勧め、20分くらいで切れよと、注意もして帰る。
やがて、あわじ丸は神戸港に着くが、オパールを出して眺めていた小野寺は、急に船員がノックをして来たので、慌てて、ベッドの下に隠す。
部屋に入って来たひげ面の船員は、麻雀を誘いに来たのだが、今オパールを隠したベッドに座ろうとしたりするので、小野寺は慌てる。
先に、船員を部屋から出した小野寺は、ベッド脇にかけた上着のポケットーにオパールを入れると部屋を後にする。
その時、スイッチを切り忘れた赤外線が、その上着のポケットにずっと照射された状態であることに、小野寺は気づかないままだった。
小野寺が用心のため、鍵をかけた船室の中で、ずっと赤外線が当たっていた上着のポケットが焼けて来て、中に入っていたオパールがベッドに転げ落ちる。
そのオパールは、その後も赤外線が当たり、柔らかくなったかと思うと、中から不気味な生物が出て来る。
麻雀を終え、船室に戻って来た小野寺は、遺骨に供えたいと花を持って来た船員がいたので又慌てるが、その時、大きな衝撃と共に船が傾いたかと思うと、壁に穴が開き水が流入して来る。
港であわじ丸を待っていた平田一郎と、オパールを買う為に付いて来た宝石ブローカーの李(谷謙一)は、停泊中のあわじ丸の様子がおかしいことに気づく。
次の瞬間、あわじ丸は大爆発を起こすが、間一髪、何とか上陸した小野寺は、遺骨を持って来たと言う船員に、お前にやると言い出し、船員を唖然とさせる。
そんな小野寺に気づいて近づいて来た一郎は、圭介のことを聞くが、小野寺は谷底に足を滑らせ、川尻と共に死んだと答える。
李はオパールのことを心配するが、小野寺は、船と一緒に海に沈んだと言う。
一郎は、潜水夫を雇って引き上げるんだと言うが、李は興味を失ったようで立ちさてしまう。
その時、海面の一部が紫色に光り沸き立ったかと思うと、倉庫の陰から巨大なトカゲの怪獣が出現する。
小野寺と平田はそれを観て驚愕し逃げようとするが、足の悪い一郎は転んでしまう。
港に上陸した怪獣バルゴンは、長い舌を口から伸ばすと、神戸タワーを破壊するんだった。
何とか、自宅マンションに戻って来た一郎と小野寺は、酒を飲みながら、今後のことを話し合っていた。
10万くらいはあるので、潜水夫を雇わないとなどと一郎が話していると、妻さだ江(若松和子)が、トカゲの化け物が大阪に来たと知らせに来る。
一郎は、このどさくさにまぎれて引き上げるんだ。もう少し様子を見ようなどと話していたが、小野寺は、こっちは二人も人を殺してるんだ!とやけになる。
それを聞いた一郎は、圭介と川尻が殺されたと知り、逆上して松葉杖を振りかざす。
さだ江はそれを止めようとするが、小野寺は一郎ともみ合い、やがて一郎をロッカーの下敷きにすると、さだ江の頭も花瓶で殴りつけ、気絶した一郎の服から財布を盗んで逃げ出す。
マンションの外では、芸者たちがタクシーに乗って逃げようとしていた。
そのタクシーのラジオニュースでは、怪獣が吐く息で、大阪は零下20度になっていると言っていた。
自衛隊の戦車が大阪の町に繰り出していたが、進撃して来るバルゴンは、舌から強力な冷凍光線を吐き、たちまち戦車も通天閣も、大阪城まで凍らせてしまう。
飛んで来た自衛隊の戦闘機まで凍らせ墜落させてしまう。
これには打つ手が見つからず、対策本部でも、遠くから攻撃を仕掛ける以外になく、春日峠の山中にミサイル基地があるので、そこから攻撃しようと言うことになる。
その間、バルゴンは凍り付いた大阪市内で眠り込んでいたが、ミサイル基地のミサイルが起動すると、動物的本能からか目を覚まし、背中から巨大な虹を発生させる。
その虹の先は、ミサイル基地に到達し、一瞬のうちにミサイル基地は壊滅してしまう。
無傷で残骸に残っていたのは、ジープのバックミラーだけだった。
その時、虹のエネルギーを察知したガメラが飛来、虹に空中で衝突を繰り返す。
その度に衝撃が身体に伝わるのか、バルゴンは動揺していた。
大阪市民は、地下に避難していた。
そんな中、一人の酔っぱらいが、原子爆弾が落ちた訳でもあるまいし、化け物一匹退治できないのか!とくだを巻いていたが、近くにいた主婦から、お黙りなさいと叱りつけられる。
大阪城の近くに降りて来たガメラに、バルゴンはジャンプして体当たりして来る。
ガメラは炎を吐いて応戦するが、バルゴンの吐く冷凍光線で凍り付いてしまう。
しかし、バルゴンが接近して来ると、ガメラはまだ動く左手で相手の顔面を殴りつけ、バルゴンは紫色の血を顔から出す。
怒ったバルゴンは、凍り付いたガメラをひっくり返してしまう。
その頃、圭介と共に大阪空港に到着していたカレンは、テレビ中継されていたバルゴンを観て「バルゴンです」と教えると、遅かった…とつぶやき気絶してしまう。
それを抱きとめた圭介は、とんでもないものを持って来てしまったと気づくと、何かバルゴンを殺す方法でもあるのかと聞き、気がついたカレンは、あります。私をバルゴンの所へ連れて行って下さいと頼む。
その頃、小野寺は避難するため荷造りをしていた。
そこにカレンと共にやって来た圭介は飛びかかる。
小野寺は、オパールは山分けにしようと申し出るが、あれは宝石じゃない。怪獣の卵なんだと圭介は教え、家では、兄さんも義姉さんも焼けていた。お前が、出て行くのを観た人がいるんだと、ここへ来た訳を話し、殴り合いになる。
カレンも応援し、花瓶で小野寺に殴り掛かるが、小野寺は持っていたナイフで「応戦して来る。
しかし、何とか殴り倒した圭介は、小野寺を柱に縛り付ける。
カレンは、切り傷を負った圭介の腕から血を吸い取ってやる。
小野寺は、助けてくれと命乞いをして来るが、圭介とカレンは無視して家を出る。
カレンは圭介に、バルゴンには弱点があり、水の中では生きられず、皮膚が溶け出し、紫色の血が流れ出すと教える。
対策本部にやって来たカレンは、村から持って来た先祖代々伝わると言う巨大なダイヤを取り出してみせる。
司令官(見明凡太郎)たちの前で説明するには、バルゴンは光を好む性質なので、千年に一度、バルゴンが出現すると、昔から自分の村では、このダイヤの光で誘導して湖に沈めたと言う。
この近くに大きな湖はないかと問うカレンに対し、司令部では、琵琶湖があると答え、直ちに「ダイヤモンド作戦」を実行することにする。
その頃、柱に縛られていた小野寺は、訪ねて来た愛人(紺野ユカ)に助けられ、5000カラットのダイヤを琵琶湖に沈めるらしいと言うニュースを聞かされる。
それを聞いた小野寺は、やはりあの村には、あれ以上のダイヤがあったなと喜ぶ。
ダイヤを入れた容器を吊るしたヘリがバルゴンを琵琶湖方面に誘導しようとするが、何故か、バルゴンは、途中で方向を変えてしまい、作戦は失敗する。
ヘリに同乗していたカレンは訳が分からなかった。
作戦本部に戻ったカレンと圭介は、司令官たちから信用されなくなり、大阪府知事(高村栄一)も圭介を責めるので、耐えきれなくなったカレンは謝罪して泣き出してしまう。
その時、あわじ丸の船医の佐藤がやって来て、バルゴンの卵に赤外線を長時間照射していた可能性があると証言する。
それを聞いたカレンは、バルゴンは通常、あの大きさになるまで10年かかると聞いていると付け加える。
佐藤は、赤外線が成長を促進したのであり、あのバルゴンは特異体質の奇形児であるので、光のボルテージを上げるのです。ダイヤに赤外線を当てて照射すれば?と提言する。
カレンは、バルゴンの動きを一時的に足止めするには、雨が降るように祈れば良いのだと言い出す。
司令官は、ヘリを使って人工の雨を降らせることができると言い出す。
かくして「足止め作戦」が始まった。
人口雨が降り始めるとバルゴンの動きが鈍り、舌を出しても冷凍光線を出さなくなる。
大学の天野教授(天野教授)は、ルビー殺人光線発射機なるものを司令官や圭介らに説明していた。
その光を増幅するルビーの代わりに巨大ダイヤを使おうと言うのだった。
司令官は、ただちに実行していただきたいと教授に依頼する。
殺人光線発射機を乗せたジープでバルゴンに接近した天野教授は、同乗したカレンからダイヤを受け取ると、それを装置に設置し、スイッチを入れる。
すると、光を観たバルゴンがゆっくり近づいて来た。
実験は成功したのだ。
しかし、次の瞬間、ジープが故障してしまったので、一旦、装置のスイッチを切り、故障を直すことにする。
同じ頃、小野寺は竹林から車に乗り込んでいた。
ジープは間もなく動き出し、バルゴンは、又、装置から発射される光に導かれるように琵琶湖に近づいて来る。
カーラジオから実況アナが、時価200億円のダイヤを沈めますと叫んでいた。
その時、カレンは、琵琶湖をこちらに向かって接近して来るモーターボートを発見する。
乗っていたのは小野寺で、ダイヤは俺がもらう権利があるんだ!と叫びながら、同乗していた自衛隊員を射殺すると、ジープに乗り込んで来て、装置からダイヤを奪うと、又ボートで去ってしまう。
んだとほくそ笑んでいた。すると、バルゴンは、少し琵琶湖に入り、長い舌を伸ばすと、ボートの小野寺とダイヤを掴み、そのまま口に運び入れて飲み込んでしまう。
その様子を観ていた実況アナは、ダイヤは人間と共にバルゴンが飲んでしまいましたと報告する。
またもや作戦が失敗し、司令官は、とりあえず、人口雨を使った「足止め作戦」でバルゴンを止めるしかなかった。
落胆した圭介とカレンは、ジープで、春日峠のミサイル基地にやって来ていた。
自分の村では誰もバルゴンの虹を観たものがいないので、この目で確かめたかったと言うカレンの希望だったのだ。
圭介は、バルゴンは永久に倒せないんだ。あんなものを探しに行った罰が当たったんだと自虐的になっていたが、その時、地面に落ちていたジープのバックミラーを発見する。
なぜ、鑑だけが助かったんだ?と、圭介は自問する。
その後、対策本部にいた天野教授に会いに戻った圭介は、バルゴンの虹は一種の殺人光線ではないのか?、バーナーやコンロはなぜ解けないのかと問いかけながら、ガスバーナーの日を別のガスバーナーに向けてみる。
すると、火を浴びた方のバーナーは溶け始める。
圭介は、バルゴンの虹を、バルゴン自身に向けてみたらどうかと提案する。
天野教授は不可能だろうと否定的だったが、圭介は、巨大な鑑を作って反射させれば?と言い出す。
それを聞いていた司令官は、「反射作戦か…」とつぶやく。
かくして、河鹿山頂のパラボラアンテナを反射鏡に改造する作戦が始まる。
その間、人口雨でバルゴンの足止めを行っていた。
そして、バルゴンが反射鏡目がけて虹を発射するように、パラボラの周囲には、各種近代兵器が無人の状態で並べられた。
バルゴンの虹の存在を確かめるため、日没を待つことにする。
やがて、日没になり、リモコンによる総攻撃が始まる。
バルゴンは想像通り、兵器があるパラボラの方目がけて虹を発射する。
虹は反射鏡で反射され、見事にバルゴンの右胴体部に当たるが、その途端、バルゴンはすぐに虹を止めてしまう。
圭介は、もっと虹を出させて自滅させないとダメだ!と落胆するが、天野教授は、動物は自分の過ちでミスをした場合、二度と同じ過ちはしないことから、もう二度と虹を出さないだろうと予測する。
それを聞いた圭介は悔しがり、カレンは絶望感から泣き出してしまう。
しかし、その頃、大阪市内で凍り付いていたガメラの体表が少しずつ溶け出していた。
口が開くようになったガメラは、自らの炎で手の氷を溶かし、やがて全身で動けるようになると、回転ジェットで空に飛び上がる。
大阪の町も、少しずつ、灯がともるようになっていた。
作戦失敗の報告を電話で受けた司令官から伝え聞いた知事は、20世紀の科学力も一匹の怪獣にも勝てんのかと落胆する。
その時、上空にガメラが飛来する。
バルゴンは、又ジャンプで飛びかかって来るが、ガメラはそれをかわすと、バルゴンの尻尾を掴むと、口から炎を発射する。
バルゴンは舌を伸ばし、山野上にいたガメラを下に転がり落とす。
ガメラは回転しながらバルゴンに体当たりし、二匹の怪獣は琵琶湖大橋を破壊してしまう。
ガメラは、バルゴンを水に引きずり込もうとするが、バルゴンはそうさせまいと陸に向かう。
やがて、水につかったバルゴンの皮膚が溶け出し、紫色の血が流れ出す。
必死に陸に戻ろうとするバルゴンを、又、ガメラが襲い、首に噛み付くと、そのまま水に引き入れる。
それを観ていたカレンは、バルゴンが水の中に!と驚き、天野教授も、うまく行くかも知れんぞと期待する。
ガメラは、バルゴンをくわえたまま、琵琶湖の湖底に沈んで行き、やがて、琵琶湖の水面から虹が立つ。
天野教授は、バルゴンの断末魔だ!と喜ぶ。
やがて、ガメラが浮上して来て、そのままどこへともなく飛び立って行く。
泡立つ湖面。
圭介は、ニューギニアくんだりまで行ってとんでもない事件を起こしたんだ。君には本当にすまなかったなとカレンに詫びる。
人間、あんまり欲の皮を突っ張るもんじゃない。カレン、君を送って、もう一度ニューギニアへ行こう。兄貴も死んでしまい、ぼくはもう一人ぽっちだと気落ちする圭介に向かい、カレンは「一人じゃないわ」と、優しく語りかけるのだった。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
ガメラシリーズの2作目で、昭和シリーズの中でも人気の高い作品だが、今回見直して気づいたのは、「ガメラがほとんど活躍しない」と言うこと。
冒頭で黒部ダムを襲撃する以外に、ほとんど見せ場らしい見せ場がないのだ。
バルゴンの虹を求めて大阪に飛来したガメラは、少し戦った後、氷付け状態。
ラスト近くで復活して、バルゴンを琵琶湖に引きずり込む以外は、人間対バルゴンの戦いがメインである。
一作目同様、この作品でも、次から次に作戦が登場し、そのことごとくが失敗に帰する。
もはや打つ手なしと思われた時、ガメラが登場して解決すると言う展開は、ガメラが主役の対決ものと言うより、本格的な怪獣映画として作られていた感が強い。
それだけに、ガメラのヒーローぶりだけを期待して観てしまうと、拍子抜けするかもしれない。
他の作品と違い子供が出て来ないので、「大人向け」と言う人もあるが、内容を観る限り、どう考えても子供向けであることに変わりはない。
せいぜい、幼児向けではないと言うくらい。
バルゴンが、見かけに反して結構強いと言うのも、物語を面白くしている要素だと思う。
背中から虹を発射するなどと言うのは、今考えても秀逸なアイデアだと思う。
ニューギニアでのエピソードだが、オパールを手にした小野寺が、その後、又、あわじ丸に乗り込んで帰国していると言うことは、下船してから半月くらい経っていると言うことだと思うが、その時間経過などは、あまりきちんと描かれているとは言えず、小野寺を麻雀に誘いに来た船員が、廊下で食べていたバナナの皮を廊下に投げ捨てると言う描写はあるのに、その後、おそらく、その皮で滑って転ぶと言う落ちがありそうなものなのにカットされていたりと、かなりご都合主義的な部分や編集ミスのような部分もあるのだが、そう言う緩い所も、子供向け映画だったからであろう。
さすがに、何度となく観ている作品なので、今さら大きな感慨もないが、当時の怪獣映画としてはまずまずの出来と言っても良いのではないだろうか。