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007/死ぬのは奴らだ

2代目、ジョージ・レーゼンビー主演作が不評だったので、かねてより候補に挙がっていたロジャー・ムーアが、当時ショーン・コネリーより、さらに年長であったにも関わらず、3代目ボンドに抜てきされた初登場作。
アメリカ各地でスパイが殺される事件が発生し、ボンドはCIAと協力して調査を開始するが…。
麻薬市場を背景に暗躍する、アフリカ系の人々が敵役も含め、数多く登場するのが本作の特長だろう。
タロットカードをあやつる謎めいた美女や、ブ−ドゥ−教の秘儀など、全体的にオカルトふうの味付けがなされ、ラストもシリーズ中では珍しい、不可思議な余韻を持たせるように作られている。
カリブの島や、列車内での格闘、動物を使ったサスペンスなど、初期のアイデアをリメイクし直したような演出が多く、取り立てて新味はないが、モーターボートによる、凄まじいチェイスアクションは印象に残る。
この辺から、スペクターなどの大袈裟な敵組織ではなく、どちらかと言えば現実的な敵役を設定し始めた事もあってか、シリ−ズ全体の中では、比較的地味で小粒な印象が強いが、ポール・マッカートニーの有名な主題歌と共に、まだ、十分に「若く見える」ムーアの活躍振りが楽しめる一作。