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007/オクトパシー

フレミングの短編を元にした、ロジャー・ムーア後期の作品。
シリーズの中では、平均的な出来なのでは…と思える。
ただし、主題歌は、シリーズ中でも、屈指の名バラードではないかと思える。
もはや、ムーアの肉体的な衰えがはっきりしている時期の作品だけに、スタントマンを多く用いたアクションシーンに、さほどの魅力はない。
しかし、「女護ヶ島」のような所に住む、女性だけのサーカス団とか、双児の殺し屋とか、ジャングルでの「マンハント(人狩り)」とか、列車を使ったアクションとか、どちらかといえば、古風な「冒険探偵サスペンス物」のようなアイデアが、少し新鮮に感じられた事も確かだ。インドが主な舞台である事も、レトロな感じがする一因か?
劇中、日本製の「腕時計テレビ」(これ、結局、普及しなかった)が、登場するのが御愛嬌。
この時期共通の弱点として、敵のキャラクターが、さほど強そうに見えず、そのために全体を通して、強烈な緊張感が欠けている事は否めない。
ラストの次から次へと続く「追いかけ」アクションは、007の弟版「インディ・ジョーンズ」シリ−ズなどからの、逆影響とも思える。
まぁ、暇な時に、気楽に楽しむには十分な作品ではないだろうか。