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007/ムーンレイカー

前作「私を愛したスパイ」や、「スタ−・ウォーズ」の大ヒットを受け、最初「ユア・アイズ・オンリー」の予定だったのを、急遽差し換えて作られた曰く付きの大作。
もちろん、原作とは、タイトル以外全く別物で、SF色が強まった荒唐無稽な内容になっている。
前作で、人気を得た敵役のジョーズ(リチャード・キール)が、この作品でも登場して愛嬌を振りまく。
坊ちゃん刈りの変な日本人の敵役も登場し、剣道着を着て竹刀でボンドに襲いかかるのも、恐いと言うより珍妙…と言うべきだろう。
全体的にアイデアもアクションも大味で、ユ−モアもわざとらしさばかりが目立ち、素直に笑えないのがつらい。
前作に続き、大掛かりなセットが幾つも組まれ、色々派手な見せ場を意図した事は分かるが、結果的には、緊迫感に欠けた凡庸なシーンが多いのが、この作品の特長と言えよう。
ボンド映画らしくない…と言う批判が多かったように思う。
「バカ映画」の典型のようになってしまっているので、そう割り切って観れば楽しめるのではないだろうか。
ジョーズが、どこか「フランケンシュタイン」を連想させる、どこか物悲しい最後を迎えるのが、唯一印象に残る。