2009年、アメリカ映画、ハラルド・クローサー脚本、ローランド・エメリッヒ脚本+製作総指揮+監督作品。
※この作品は新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので、ご注意ください。コメントはページ下です。
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太陽の表面で巨大なフレアが発生する。
2009年インドの鉱山
アメリカ大統領科学顧問エイドリアン・ヘルムズリー博士(キウェテル・イジョフォー)は、ニューデリー宇宙工学研究所に勤めるサトナムの家にやって来る。
息子のアジーや奥さんとも挨拶をした後、鉱山の竪穴の底に作られた研究室に降りて行く。
そこには、量子力学のロケーシュ博士もいた。
人類史上最大級のフレアが発生し、その影響で、ニュートリノが物理的反王を示したのだとサトナムは説明を始める。
1800mの深さがある水槽のふたを開けてみせたサトナムは、突然変異したニュートリノが、電子レンジのように地球の核を熱しているのだとエイドリアンに告げる。
たしかに、水槽の中の水は沸騰していた。
二日後、ニューヨークに戻ったエイドリアンは、資金集めのパーティを開いていたアメリカ合衆国大統領首席補佐官カール・アンハイザー(オリヴァー・プラット)に会うと、自分がまとめた資料を強引に読ませる。
一読、未曾有の異常事態に気づいたカールは、エイドリアンを連れて大統領の元へ向かう。
半年後のG8、アメリカのウィルソン大統領(ダニー・グローヴァー)は、世界は間もなく終末を迎えると各国首脳に発表する。
ロンドン2011年
アラブの富豪は、10億ユーロ要求されたと従者に打ち明ける。
パリのルーブル美術館では、モナリザが偽物とすり替えられ、本物は、スイスの銀行へ送られる事になる。
タイトル
マヤ、テヘカルでの集団自殺が報じられる。
マヤの暦の予言によると、今年の12月21日に世界が滅びると云うのだ。
そんなニュースが流れる中、売れないSF作家ジャクソン・カーティス(ジョン・キューザック)は、元妻のケイトからの電話で目覚める。
今日は、二人の子供をキャンプに連れて行く約束をしていたからだ。
慌てて、起きて、車のキーを入れたジャクソンだったが,エンジンがかからない。
仕方なく、仕事で使っているリムジンに乗って出かける事にする。
フロリダのマンハッタンビーチでも、最近頻繁に地震が起こり、道路には長い亀裂が走っていた。
ケイト(アマンダ・ピート)の現在の恋人で人気美容外科医のゴードン・シルバーマン(トーマス・マッカーシー)の家に到着したジャクソンは、息子のノア(リーアム・ジェームズ)と娘のリリー(モーガン・リリー)を乗せて出発する。
ケイトは、7歳のリリーが、まだオネショをしているので、夜寝るときはおむつを履かせるようジャクソンに教える。
息子が日本人の女性と結婚しているミュージシャンのトニーと、エイドリアンの父親は、共に豪華客船の乗り込んで日本に向かう所だったが、いきなり客船が傾いてタラップが降下したので驚愕する。
フランス国立美術館館長ロランから国際電話を受けたローラは、スイスに送ったはずの美術品はどこにもない。自分たちはだまされていた、自分はこれからその事を発表するつもりだと聞かされるが、その電話をしながらトンネルを走っていた官庁の車は突然爆破して大破する。
その頃、ジャクソンは、子供たちを車に乗せて、イエローストーン公園にやって来ていた。
アメリカ西海岸では、地割れがさらに発生したと、ラジーのニュースが流れていた。
ウィルソン大統領は、チョーミン計画を発動すべきかどうかをカールとエイドリアンに相談するが、エイドリアンは、事態発生時を読み間違えていたと正直に報告する。
そこに、ウィルソン大統領の娘のローラが、フランス国立美術館館長が事故で亡くなったと知らせに来る。
カールとエイドリアンが大統領執務室を後にした後、ウィルソン大統領はローラに、今起きている事を教える。
廊下に出たカールは、今のローラはすごい美人だったと言いながら、いつ事態が始まるのか計算し直せとエイドリアンに命ずる。
その頃、ジャクソンは子供たちを連れて、かつて妻と来た場所を目指して公園内を歩いていたが、以前はなかった「立ち入り禁止」の柵が出来ている事に気づく。
しかし、気にせず、それを乗り越えたジャクソンだったが、驚いた事に、以前会ったはずの湖が消え、沸騰する小さな沼になっているのを見つけ愕然とする。
そんなジャクソンたちの様子を、遠くから双眼鏡で除いている男がいた。
やがて、ジャクソンたちの前に軍隊がやって来て、このは立ち入り禁止なので、自分たちについて来て欲しいとジープに乗せられる。
ジャクソン親子が連れて来られたのは、巨大なボウリング用のやぐらが建った基地のような場所だった。
そこでジャクソンは、出迎えたエイドリアンに名前を名乗ると、驚いた事に、エイドリアンは、ジャクソンの著書「さよならアトランティス」を読んでいるファンだと云う。
そんなエイドリアンがかばってくれたおかげで、ジャクソン親子はおとがめもなく元の場所に帰される。
エイドリアンは、インドから通信を受け、他の地域でも地殻の崩壊が始まっているので、避難を開始するよう警告を受ける。
連絡を終えたは、息子のアジーに、大きな船に乗るぞと話しかける。
元の沼の所に戻って来たジャクソンは、先ほど彼らを監視していた男から「軍隊の連中から何と説明された?」と声をかけられる。
ジャクソンは、相手の様子を怪しみ、ただ、この辺は不安定だと云われたと答えてその場を去る。
言われた男は、不安定?と声を上げて笑う。
その夜、リムジンの中で、イエローストーン公園について何か情報がないかとパソコンで調べていたジャクソンは、ノアが、いつの間にかゴードンから買ってもらったと云う自分用の携帯を持っており、それに「ジャクソンとのキャンプはサイテー」とゴードンにメールをしかけているのを発見し、落ち込んでしまう。
ノアは、実の父親であるジャクソンを、決してパパと呼ばず名前で呼び、ゴードンにはすっかりなついているようだった。
その後カーラジオを聞こうと、チューナーをいじっていたジャクソンは、イエローストーン公園のチャーリーと名乗る男が放送する「何かがハリウッドから始まる」と云うメッセージを聞き、先ほど会った男だと気づく。
すぐに、車を降り、近くを探すと、案の定、先ほどの男が、キャンピングカーの中から、放送をしていた。
今の放送の意味を尋ねたジャクソンに、チャーリー・フロスト(ウディ・ハレルソン)は、パソコンのブログを観ろと云う。
そこに置いてあったモニターを見ると、自作らしきアニメで、太陽のフレアが、地球内のニュートリノに影響し地球壊滅に至る説明がしてあった。
こんな大事が起きるのだったら、既に誰かが気づいているはずだとジャクソンは反論するが、過去、そうした人物は謎の死を遂げているいると、チャーリーは、収集していた新聞記事を見せる。
その死亡記事の中にあったジャクソンも知っていたマイヤーズ教授は、生前、チャーリーに手紙を送って寄越し、政府は宇宙船を作っていると教えてくれたと云う。
しかし、その宇宙船には、金持ちは乗れても、一般人は乗れないのだとも。
その頃、ケイトとモーガンは、スーパーマーケットに買い物に来ていたが、その時突然、大きな地割れがマーケットを裁断し、ケイトとモーガンは、その両岸に離れてしまう。
翌朝、近くの薬局に虫除けの薬を買いに来ていたジャクソン親子は、テレビニュースでその事を知るが、その時、ケイトからノアに電話が入り、すぐに帰って来いと連絡がある。
カールはウィルソン大統領に、事態発生まで、後2、3日しかないので、ただちに船に乗る準備をしてくれと進言する大統領は、テレビ電話を通じ、世界の主要指導者たちに、すぐに避難しようと呼びかける。
ロシア系アメリカ人の大富豪ユーリ・カルポフ(ズラッコ・ブリッチ)は、今まさに試合を始めようとしていた同郷のボクサーのズルタンの応援に会場を訪れるが、携帯で「乗船せよ」とのメールを受け取ると、恋人のタマラ(ベアトリス・ローゼン)をその場に残し、さっさと会場を後にする。
その帰る姿を目にしたズルタンは、相手のパンチをまともに受けノックダウンしてしまう。
ジャクソンは、モーガンとケイトの待つ家に、子供二人を連れ帰り、ユーリからの「息子たちを飛行機に乗せろ」と云う電話を受ける。
ジャクソンは、ユーリの運転手もやっており、リムジンはその送迎用の車だったのだ。
すぐに、ユーリの双子の息子を迎えに行くと、空港に送り届ける。
飛行機に搭乗する時、息子の一人が、オレらは船に乗る切符を持っているが、お前は死ぬんだと憎まれ口を聞かされたジャクソンは、チャーリーが言っていた宇宙船の話を思い出す。
その直後、地震が起きたので、ジャクソンは、空港内でセスナ機に給油していた男に、時計をやって飛行機を借り受けると、すぐにケイトと子供のいる家に舞い戻りながら、間もなくカリフォルニアは沈むので、その場を逃げ出すよう電話を入れる。
一方、事態は収拾に向かっていると報ずるテレビを観ながら、モーガンの家でジャクソンからの電話を受けたケイトの方は、何の事か分からず、バカにして切ってしまう。
しかし、その直後、とてつもない大地震が起きる。
モーガンらは、慌ててテーブルの下に身を潜めるが、そこにリムジンで駆けつけて来たジャクソンが、車に乗り込むよう命ずる。
訳が分からないなりに、家が崩れ始め、ただの大地震ではないと気づいたケイトやモーガンは、子供と共に、ジャクソンのリムジンに乗り込む。
すでに辺りの住宅は崩壊を始めていた。
後部座席のドアは外れたが、何とか全員リムジンに乗り込んだので、ジャクソンは車を走らせる。
マグニチュード10.9の巨大地震が発生したのだ。
何とか、空港にたどり着いたジャクソンたちだったが、セスナ機のパイロットは死んでいた。
誰か操縦出来るものはと聞くと、モーガンが少し習った事があると云うので、無理矢理操縦を任せる。
慣れない操縦装置を前に、モーガンがもたついている間にも、滑走路は後ろの方から沈み始めていた。
ジャクソンは、とにかく早く離陸するようにモーガンをせかす。
何とか、滑走路が全部沈没する直前に、セスナ機は離陸する事に成功する。
ジャクソンは、今まで自分が知り得た情報をケイトに説明する。
その頃、太平洋上を日本に向かっていた豪華客船では、演奏を終えたピアニストは、ホワイトハウスの息子エイドリアンから電話をもらっていた。
今、避難命令が出たと云うのだ。
それを聞いたピアニストは、瞬時に事態を察し、今まで色んなすばらしい事があったが、とりわけ最高だったのは、すばらしい息子を持てた事だったと伝え、愛しているよと言うと電話を切る。
そして、25年間も禁酒を守って来た酒をダブルで飲み、それを目撃したトニーに呆れられる。
イエローストーン公園意着陸したセスナを降りたジャクソンは、チャーリーのキャンピングカーを探しに行くが、中はもぬけの殻だった。
しかし、放送は続いていたので、チャーリーは近くにいるはずだった。
一緒に付いて来た娘のリリーと共に、ジャクソンはキャンピングカーを使って周辺を探し始める。
リリーが、車の中から、状況をケイトに知らせるが、その直後、丘の上に立つチャーリーを発見する。
彼に近づいたジャクソンは、宇宙船がある場所を聞くが、ジャクソンは車の中の資料類の中の「ロズウェル」と「マリリン・モンロー」の間にあると教えるだけで、自分は逃げないでここに留まると言う。
その直後、大量の取りの群れが空に飛び立ち、周辺の地面から炎が吹き出したので、ジャクソンはリリーを連れて車で逃げ出す。
その直後、イエローストーンは大噴火を始める。
降り注ぐ火山弾を避けながら走るジャクソンだったが、火山弾が当った車の後部が大破してしまう。
丘の上で、最後まで実況中継をしていたチャーリーは、大きな火山弾の直撃を受け死亡する。
戻りが遅いので心配していたケイトたちの元に何とかたどり着いたジャクソンは、リリーを渡すと、自分は、車の中の資料類の中から、地図を見つけ出す。
ゴードンは、すでにセスナ機を走らせかけていたが、ノアは「パパを待つんだ!」と必死に止める。
しかし、ジャクソンが乗ったキャンピングカーは、地割れに飲み込まれてしまう。
もはやこれまでと、モーガンはセスナ機のスピードを上げかけるが、その時、地割れからはい出して来るジャクソンの姿をケイトたちは見る。
地図を片手に握りしめたジャクソンは、地割れから這い上がると、走り始めたセスナ機に追いつこうと走り始める。
ケイトがドアから手を伸ばす。
何とか、セスナ機に乗り込んだジャクソンを確認したモーガンは、前方も陥没し始めたのに気づくと、必死に操縦桿を引き離陸する。
広がりつつある噴煙に巻き込まれかけたセスナ機だったが、何とか脱出に成功する。
宇宙船の建造場所を記してある地図を広げてみたジャクソンは愕然とする。
そこは中国だった。
とてもセスナ機で飛べる場所ではない。
ホワイトハウスにいたエイドリアンは、老いた母親に電話をするカールの姿を見て、一緒に船に乗せないのかと尋ねるが、母親は高齢で認知症も始まっているし、他に乗せる家族もいないと云う。
テレビでは、リオデジャネイロの惨状を伝えていた。
エイドリアンは、ウィルソン大統領に避難するよう声をかけるが、教会で祈っていた大統領は、亡くなった妻は、今回の船の切符の分配は、くじ引きにすれば良かったと云っていた。若い科学者は、老いた政治家の20人分に当るので、君は行け、自分は残ると告げる。
その頃、ユーリは、とても飛行機が飛び立てる状況ではない空港で避難させられていた。
大統領機エアフォースワンに乗り込んだエイドリアンは、大統領は乗らない事をカールに教える。
カールも又、今、副大統領を乗せたヘリが、火山灰にやられてたと告げ、エアフォースワンを離陸させる。
カールは、エイドリアンが無断で情報を父親に電話した事を知っていた。
それを聞いたエイドリアンは、これまで、情報を知っていたものが死んだ事件の背後にカールがいた事を確信する。
エアフォースワンに乗っていたローラに別れの電話を入れたウィルソン大統領は、ただちに全国民に向け、緊急の放送を始める。
間もなく、人類が滅亡すると云う知らせだった。
空港に到着したジャクソンたちは、そこでユーリと出会う。
偶然にも、かつて患者だったタマラもモーガンに気づくと声をかけて来る。
そこへ、ユーリの部下サーシャ(ヨハン・アーブ)がやって来て、アントノフ機を手に入れたが、副操縦士が必要だと告げる。
それを聞いたジャクソンは、ここにいるゴードンが操縦出来ると伝え、それを聞いたユーリは出発するようみんなに命ずる。
消防士たちが避難を呼びかける中、巨大なロシアの輸送機に乗り込んだ彼らは、崩れ始めた空港を後にして離陸を開始する。
チベットの高山にある寺では、ラマ師がこの近くで巨大な船を作っていると云う弟子のニーマに、噂を信じるなと言いながらも、車のキーを渡していた。
老僧は、ニーマが、老いた両親をその船に乗せたがっている事を知っていたからだ。
その車に乗り、両親の待つ実家に戻ったニーマは、兄テンジンが巨大な船で待っているので、一緒に乗りに行こうと説得する。
しかし、母親は、テンジンが作っているのはダムのはずだとなかなか話を信じようとせず、まずは腹ごしらえと、鶏の首に包丁を降ろすのだった。
アントノフ機の中には、何台もの豪華な車が詰め込まれていたが、その側でケイトに打ち明け話をしていたのは、ユーリの恋人タマラだった。
整形は、ユーリから無理矢理勧められてやったのだと云う。
ユーリも、運転手であるジャクソンに、10億ユーロで、宇宙船への切符を購入したと話していた。
実業家になる前は、ボクサーだったと云う事も。
サーシャは、給油のため、ハワイに立ち寄るつもりだったが、雲間から見えた情景を観て、男たちをここに呼び寄せるようゴードンに頼む。
ゴードンに操縦席に連れて来られたジャクソンとユーリは、島中が溶岩に埋まったハワイの様子を見て、もはや給油が出来ない事を知る。
その頃、エアフォースワンの中では、ローラにエイドリアンが、ジャクソンの本の事を教えていた。
豪華客船の中から、トニーは、日本にいる息子に電話を入れてみる。
最初に電話に出たのは、ユーコ・テルガットの娘、つまりトニーの孫娘だった。
妻のよう子と共に寝ていた息子が電話口に出た次の瞬間、大きな音と共に、電話が途絶えてしまう。
日本で何かが起こったのだ。
ホワイトハウスの前に集まった避難民の中にいたウィルソン大統領は、ワシントン記念塔が倒壊するのを目撃する。
エアフォースワンのカールの元へは、ロシア大統領から電話が入り、各国代表は船に向かったが、イタリア首相だけは国に残ると知らせて来たと教えられる。
エアフォースワン内の計算室では、地殻の動きが始まり、すぐにも巨大な津波が起こる事をはじき出していた。
それを聞いたエイドリアンは、父親が乗る船のいる日本近辺の様子をシミュレーションしてもらう。
エイドリアンの父とトニーは、キッチンルームで話していたが、その時、豪華客船ジェネシスは巨大津波に飲み込まれ大きく傾くと、そのまま転覆してしまう。
ウィルソン大統領も、大西洋側から巨大な空母諸共接近して来る大津波に飲み込まれてしまう。
ジャクソンとケイトは、アントノフ機に積まれた一台の車の中で、久々にゆっくり話し込んでいた。
エアフォースワンの中では、全大陸が津波に襲われ、地上通信が完全に途絶えた事を確認していた。
今や、大陸も移動し、かつてのウィスコンシン州が南極になった事を知り唖然としたカールは、チューミン空港に着陸するよう命ずる。
サーシャは、間もなく燃料が切れると、ゴードンに告げる。
寝ていたノアは、ジャクソンに起こされ救命具を付けさせられると、ゴードンは良い人だからもっと仲良くすればと話しかける。
ジャクソンは、お前は誇りだと言いながら、ケイトとリリーも含め、家族全員で抱き合っている所にゴードンが声をかける。
操縦席に行ったジャクソンは、窓から信じられない光景を見せられる。
海が消え、陸地が見えているのだ。
何と陸地が大きく移動し、今目にしているのは中国大陸だった。
しかし、エンジンが停止し、ユーリは、全員ベントレーに乗り込むよう命ずる。
サーシャは、モーガンにも行くように告げる。
モーガンも乗り込んだベントレーは、ユーリの「エンジン、スタート!」と云う音声操作でエンジンがかかる。
サーシャが必死に、輸送機を山の中に着地させると、開いた格納庫扉から、ベントレーが地上に向け飛び出す。
サーシャの操縦するアントノフ機は、絶壁すれすれでようやく止まったかに見えたが、機体の重みに耐えかね崩れ出した崖と共に、谷間に墜落炎上する。
ベントレーから降り立ったジャクソンたちは、象などの動物を運んでいるヘリの一団を見上げる。
それに向かって手を振ると、一機のヘリが彼らに気づき着陸する。
「中華人民共和国へようこそ」とヘリを降り立った軍人は彼らに言葉をかけ、パスを見せろと云う。
その時、ユーリが、「グリーンだ!」と、持っていた券を見せながら進み出ると、双子の息子と共に軍人たちのヘリに乗り込む。
自分は残されると知ったタマラは愕然と立ち尽くす。
巨大船の船長は、マイケルズと行った。
数隻建造中だった巨大船のうち、3号機は屋根に損傷を受け、使用が危ぶまれていた。
雪山の中、取り残されていたジャクソンたちは、近くを通りかかった一台の車の明かりに気づき、必死に助けを求める。
その車は、老いた両親を乗せ、巨大船に向かう途中だったニーマの運転する車だった。
その頃、巨大線建造所に到着していたエイドリアンは、インド人科学者サトナムから電話を受け、自分たちを迎えに来る飛行機が来なかったので、今インドにおり、東から津波が向かって来ると連絡を受ける。
それを知ったエイドリアンは、あのサトナム一家が助からない事を知ったショックと、予測していなかった方向からの津波情報に混乱しながらも、新しいデータを元に、津波の動きを計算させる。
すると、後28分10秒後に、この基地も津波に襲われる事が分かる。
カールは、直ちに全船に連絡を取り、間もなく出発するよう伝える。
ニーマは、待っていた兄のテンジン(チン・ハン)に、一緒に連れて来たジャクソンたちも船に乗せてくれと頼む。
テンジンは断るが、母の説得に会い、仕方なく、全員を基地の中に入れる。
その頃、警備員から足止めを食わされていたユーリは、巨大船が動き始めた様子に気づくと、警備員を殴りつけ、みんなを先導して船に近づこうとしていた。
一方、テンジンの案内で巨大船の油圧部分から中に入り込もうとしていたタマラは、ドックの淵に集まった群衆の中に、ユーリと相嫌悪シーザーがいる事に気づくと、シーザーを呼び寄せ、一緒に油圧室の中に入り込む。
その様子に気づいたユーリだったが、乗り込んだタマラが自分に向かって出した中指に気づく。
エイドリアンは、ドックに集まった群衆の様子をモニターで観ると、全船にメッセージを送り、自分たち人類にとって一番大切なのは助け合いの精神ではないのか、今やっている事は逆の行為だ、全員乗せるべきだと説得する。
それを聞いていたカールは、時間がない。自殺行為だと止めようとするが、ロシア、中国、日本を含め、各国の代表者から、その意見に賛同する。全員乗せようと返事がある。
ただちに、ドックに向かいゲートが降ろされる。
その時、ゲートを動かす油圧室を移動中だったジャクソンたちは、いきなり巨大な歯車が動き出したので、バランスを失いそうになる。
テンジンは歯車に両足を挟まれ、ゴードンはジャクソンの目の前で歯車の中に落ちてしまう。
その際、ケーブルが歯車に挟まってしまい、ゲートは完全に開ききらない状態でドックと接続する。
民衆は、それをよじ上って船に乗り込もうと殺到したが、ユーリと双子に一人は、そこから落ちそうになる。
ユーリは最後の力を振り絞って、双子の片割れを持ち上げると、自分は墜落して行く。
ゲートは閉じようとするが、油圧機に何かが挟まっているため、閉じきらない。
モニターを見ていたエイドリアンは、侵入しているジャクソン一家の姿を発見し驚く。
その直後、チューミン基地に大津波が襲う。
双子たちが乗り込んだゲート口から大量の水が船内に流れ込む。
ジャクソン一家を救出すべく、船内後部へ向かったエイドリアンだったが、侵入して来る水を防ぐ為に、隔壁が締まり、先に逃げたリリーと犬のシーザー、タマラ、ジャクソンとケイトとノアと中国人一家の三つのグループに寸断される。
津波に運ばれて来たエアフォースワンが巨大船に衝突し、船の定着装置が破損、船は漂流を始める。
目の前には、エベレストがそびえていた。
隔壁が、中から開かない事を知ったエイドリアンは、ジェクソンに、油圧装置に挟まったものを取るしかないと告げる。
タマラは、中間の隔壁の中で水死する。
ジャクソンは、水の中に潜り、歯車に挟まったものを引っ張ろうとするがなかなか取れない。
すると、息子のノアも、懐中電灯を持って手伝いに来る。
両足を負傷したテンジンを必死に支え続けるケイトたち。
ニーマは、信じる心を忘れるなと兄を励ます。
その時、ノアがチューブを発見、ジャクソンに伝える。
ジャクソンは、水中で歯車に挟まったチューブを取ろうとする。
巨大船は海中にある山の側面にぶつかる。
その衝撃でチューブが取れ、半ドア状態だったゲートが完全に閉じる。
船長は、直ちにエンジンを始動させる。
船首は、エベレストに半ばめり込むが、エンジンの逆走で船は後戻り始める。
先にケイトの元に戻って来たノアは、パパの姿がない事に気づき、モニターで様子を見ていたエイドリアンも落胆する。
しかし、やがて、懐中電灯の光が見え、ジャクソンが水面に顔を出す。
0001年1月…
シャトル・アトランティスの中では、ローラがエイドリアンから勧められたジャクソンの「さよならアトランティス」を読み終え、気に入ったと伝えると、自然にキスを交わしていた。
その時、船長のアナウンスが響き、6号と7号と合流した。衛星からのデータによると、予想より早く水が引き始めたので、久々にデッキを開けると云う。
今や、エベレストが世界一の山ではなくなっていた。
なんと、アフリカ全体が隆起し、南アフリカのブランドバーグ山が世界一の高さになったと云うのだ。
船長は、文字通り喜望峰へ向かう事を発表する。
ノアは、ジャクソンに、これからどうするのかと尋ね、ジャクソンは、取りあえず新しい家を見つける事になるだろうが、みんなが一緒にいさえすれば、そこが家だと教えるのだった。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
エメリッヒお得意の壮大なパニック映画。
全体的な展開は「日本沈没」と「地球最後の日」をミックスしたような感じで、その中に「ポセイドンアドヴェンチャー」などの要素も混ざっている。
家族の愛をテーマにした定番的な描き方は平凡だが、その犠牲として、離婚した元妻の新たな恋人が、あたかも「余計者」と言う感じで死んでしまうと云うのも、どうかと思う。
サーシャやタマラにしても同様。
悪人として描かれているのならともかく、善人として描かれているので、余計にその「いかにも、途中で消えるべきキャラクター」としての「予定調和的な処理感」に、若干鼻白む感がないではない。
陸地崩壊シーンなどのCGシーンは確かに迫力満点で、見世もの映画としては十分だろう。
この種の映画をあまり見慣れていない人にとっては、随所に用意された「別れのお涙シーン」を感動作と感じるかもしれない。