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新・ハレンチ学園

1971年、日活、永井豪原作、山崎巌+鴨井達比古脚本、林功監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ハレンチ学園の生徒や教師たちが、戦争をしている原画。

タイトル

丸腰、マカロニ、柳生みつ子ら元仲間たちが眠る十字架が立ち並ぶ墓地に集まった山岸八十八(千葉裕)は、亡くなった仲間たちと学校を悲しみ泣く生徒たちに向かい、他の学校へ行くんだと奮い立たせる。

しかし、山岸らが向かった新しいマリアヌロヤ学園の学長は、君たちに来てもらっては困ると校門の所で土下座しながら、「わらじ銭」と書かれた紙包みを手渡す。

開けてみると10円しか入ってなかった。

続いて訪れた聖交学園では、ホースで水を撒かれてしまう。

こうして行く先々の学校で入校を断られ、2年間も放浪の旅を続けていた山岸は、こうなったら、俺たちの手で学園を作ろうと言い出す。

金もないのにどうやって?と聞く仲間たちに、山岸は学校を乗っ取る。スクールジャックだと言うのだが、そんな山の中にいた山岸に電報だと、郵便配達(玉井謙介)が近づいて来る。

電報にはセント・ハレヤカ学園に集合せよと書かれてあった。

どうやらその学校は、女のハレンチ学園のようだった。

早速出向いて、近くから様子をうかがってみると、女教師が、女生徒たちの頭に教科書を乗せ、モデル歩きの練習をさせていた。

あまりの特訓に耐えかね、一人の女学生がその場から逃げ出そうとすると、建物の屋上で機関銃を構えていたカピンタン風の衣装の男性教師が、機関銃を連射する。

その機関銃からは、Uの字型の金具が飛び出し、逃亡した女学生の手足を壁面に釘付けにしてしまう。

その男性教師の所に弁当を持って来たと近づいた山岸たちは、機関銃で相手を殴り倒すと。その機銃掃射で、女教師を中庭に釘付けにしてしまう。

スパルタ教師の魔の手から開放された女学生たちは、山岸たちに感謝し、地下牢に閉じ込められている仲間がいると彼らを案内する。

すると、その牢の中には、山岸の妹マミ(中島真智子)がいるではないか。

聞けば、月謝を払わなかったので地下牢に入れられていたのだと言う。

山岸は、助け出したマミが、自分に電報をくれたのだと思い込む。

その場にいた女学生たちは、学園長をやっつけようと言い出し、全員いきなりその場で下着姿になると、山岸らと共に学園長の部屋に乱入する。

山岸は、学園長シルクハット(E.H.エリック)を、中庭に釘付けにした女教師の上に押し倒すと、今日からこの学校は、俺たちが管理すると宣言する。

かくして、セント・ハレヤカ学園は、聖ハレンチ学園へと名前が改められ、学内にあった教員宿舎は学生宿舎に変更される。

落ち着いた山岸は、改めてマミに連絡をくれた礼を言うが、マミは知らないと言う。

その時、ちゃらんぽらんと教会の鐘が響き渡ったので、その意味に気づいた山岸たちが鐘楼の下の部屋に駆けつけてみると、そこには想像通り、鐘のヒモを結びつけた安楽椅子に座って、椅子を揺らしていた小使いの甚兵衛(左卜全)が待っていた。

山岸に電報を出したのは甚兵衛だったのだ。

翌日、69チャンネルの放送局を急襲した山岸たちは、「ジャリ共集まれ」と言う生番組でしゃべっていたカバゴン(阿部進)に、用意して来た紙切れを渡す。

カバゴンが、その場で読み上げたその紙には、「生徒と教師を募集!給料22万2222円」と言う文字が書かれていた。

放送での宣伝効果は凄まじく、翌日、ハレンチ学園の「教師入試試験会場」の前には、教師目当てのおかしな連中が列をなしていた。

教師の審査をするのは、もちろん山岸たち生徒だった。

最初に登場した志願者は、ジョッキー姿のコータロー(海野かつを)と言う人物だった。

彼のデータをコンピューターに入れてみると、鞭を打ちすぎて、これまで何頭もの馬を殺して来た鞭キ●ガイだと言う。

続いて登場したアルファタと名乗る志願者の二人組(ストレート・コンビ)は、自分たちは外人部隊にいたが平和主義者だと自己紹介したが、コンピュータが言うには、敵の大統領暗殺を命じられたのに、間違って味方の大統領を暗殺してしまった間抜けたちだと言う。

続いて登場した春菊(はるぎく-大泉滉)なるオカマ風の人物は、性教育を教えたいと息巻くが、コンピューターは童貞だと言う。

彼らを見た山岸は、こいつら、ハレンチを超えているので、全員合格だと告げる。

選ばれたアラファタたちは「合格ね~、合格ね~」と喜ぶが、そこに突然入って来たのが、死んだはずのヒゲゴジラ(高松しげお)だったので、山岸たちは驚愕する。

その場で掴まえて、へその横にあるほくろを確認してみた所、泣きぼくろが二つ。

先代は三つあったのだろうと言うゴジラは、自分こそがゴジラ族の本物だと自己紹介する。

その特長は何でも食べちゃう事を言いながら、その場にいたマミのおっぱいをいきなり揉もうとする。

その時、いきなり障子に対峙する二人の侍の影が映る。

眼帯をした若侍風の美少年は、侍を斬ると、颯爽と山岸たちの前に登場すると、自分は16代柳生十兵衛(渡辺やよい)だと自己紹介する。

何だか女臭いわねと身を寄せて来たゴジラの右腕を、「忍法釜の油」と言いながらその場で剣で斬り落とした十兵衛は、緑色の血を噴き出しながら落ちたゴジラの右腕を、「柳生新陰流ねじ式」と言いながら、鉄輪で元の身体に繋げてしまう。

かくして、十兵衛とゴジラも教師として採用されるが、彼らが連れて行かれたのは、地下牢の中だった。

だまされたと息巻く彼らに、山岸たちと牢の外に立っていた甚兵衛は、教師は、生徒、小使い、イヌ、猫、豚の下に位置する身分だと教えるのだった。

マミたち女生徒たちは、コック夫婦(正司敏江・玲司)と一緒に夕食の準備をしていたが、マミに言いよった夫とそれに嫉妬した妻が喧嘩を始めたので、腹を空かせて待ちわびていた山岸たちの元に持って来られた料理は未完成の酷い代物だった。

それでも腹が減っているので、食べ始めた山岸たちの元にやって来た甚兵衛は、これまでに使った電気や水道の請求書を出してみせる。

山岸は気にせず、地下牢に入れられたヒゲゴジラたちに「餌」を持って行ってやる。

牢に入れられていたシルクハットや十兵衛は手を付けなかったが、ヒゲゴジラだけは恥も外聞もなく、牢の外におかれた「餌」をぱくつき始める。

やがて、腹が膨れたヒゲゴジラは、ミルクが欲しくなったと言いながら、十兵衛に襲いかかる。

それを知った山岸たちは、牢の中で気絶していた十兵衛を抱きかかえると、別の部屋のベッドに連れて行く。

ところが、そこにマミたち女子たちがやって来て、女性教師だけ特別視するのはおかしいと抗議する。

しかし、山岸は、「ここのボスは俺だ!」と怒鳴りつけながら、侍史たちと一緒に部屋の外に出る。

一人ベッドに残された十兵衛は、「作戦成功!」と喜んでいた。

女史たちが立ち去った後、山岸は、部屋の中で着替える十兵衛の姿を、鍵穴からのぞいていたが、それに気づいた十兵衛は、ドアを開け、中に転がり込んだ山岸らに、「寄らば斬るぞ!」と凄む。

翌朝、牢から出されたヒゲゴジラは、甚兵衛に手かせをはめられた姿で教室に連れて来られる。

何を教えて欲しいのかと、教壇に立ったヒゲゴジラが聞くと、一人の女子が「性教育」と言うではないか。

最初は遠慮して、「おしべとめしべが…」などと言っていたヒゲゴジラだったが、山岸がそんな事を聞いているんじゃねえと怒鳴ると、急に生き生きとして、黒板に「85 60 85」と数字を書き、これは理想的なバスト、ウエスト、ヒップのサイズだと言う。

そして、そのモデルとして呼ばれたマミを教卓の上に寝かせると、胸のサイズを測りだす。

80cmでちょっと足りないと言うヒゲゴジラは、大きくするためにと言いながら、マミの胸を揉み始める。

それを見て起こった山岸が壇上に駆け寄ると、行為を中止されたマミが欲求不満でふくれる始末。

仕方がないので、男子生徒が空気人形を渡してやり、ヒゲゴジラがその人形相手を抱いてみせると、教室にいた男子生徒は、女子たちの胸を揉み始めるのだった。

その時、突然、窓から煙が侵入して来る。

十兵衛が教室に入って来て、山岸に望遠鏡を差し出したので、それで外を除いてみると、工場の煙突から黙々と七色の煤煙が吐き出されており、それが教室に流れ込んで来たのだ。

怒った山岸が工場に乗り込もうと息巻くと、十兵衛は、この際保証金を取ろうと提案する。

すると、それを聞いたヒゲゴジラが、誰かを病人にすれば高く吹っかけられると言い出すが、それを聞いた全員の目が向いたのは、提案者のヒゲゴジラの方だった。

ヒゲゴジラは、生徒たちに捕まり、理科実験室で生体実験をされると仮死状態になる。

担架にヒゲゴジラの身体を乗せ、山岸たちがやって来たのは、「ゲバゲバ製作所」と言う会社だった。

社長室に乗り込むと、室内にもあふれた煤煙の中で、防毒マスクをはめた男女が昼間からいちゃいちゃしていた。

社長のゲバゲバ(宍戸錠)と秘書だった。

山岸たちが、この会社の煤煙のために死者まで出たとヒゲゴジラの姿を見せると、秘書がその死体を触って調べようとしだす。

山岸たちは、急にその場で唄い始める。

一緒に踊りだしたヒゲゴジラが、秘書の防毒マスクをはぐと、中の顔が酷かったので、それを見たゲバゲバは首を言い渡す。

その後、ゲバゲバは死者の弔いはこちらでさせてもらうと言い、棺桶を持って来させたので、慌てた山岸は、ハレンチ学園では土葬にするがしきたりとごまかす。

保証金の話を持ち出すと、うちは倒産寸前で金などないと開き直るゲバゲバ。

現物支給にしてやるから、会社内にあるものは何でも好きにしろと言われた山岸たちは頭に来て、工場内のものを壊し始める。

十兵衛も、刀で煙突を切断すると、中からサンタクロース(常田富士男)が出て来て、俺ぁキ●ガイではないと言いながら、別の煙突の中に逃げ込む。

そこに、車で登場したゲバゲバが、会社も潰れた事だし、俺をこの学校の教師にしろ、飯も給料もいらないと言うではないか。

かくして、宿舎に戻ったその夜、生徒たちはパーティを始める。

給仕役を務めていたヒゲゴジラは、踊っていた山岸に近づくと、十兵衛は山岸君に惚れ惚れよとささやきかける。

その気になり、十兵衛の部屋に忍び込んだ山岸は、既にベッドで寝ていた十兵衛に抱きつこうとするが、気配に気づき起きたネグリジェ姿の十兵衛は、一度だけならキスしても良いと目をつぶる。

その様子をドアの鍵穴から除いていたのは、こそ泥(桂三枝)だった。

こそ泥は、煮え切らない態度でもじもじする山岸の態度を見かね、部屋の中に入り込むと、二人にラブシーンのやり方を指導し始める。

相手の正体が分からないので最初は素直に応じていた二人だったが、やがて、泥棒と気づくと部屋からたたき出してしまう。

ようやく二人きりになった山岸は、十兵衛のおでこにキスをするのだった。

そうした中、地下牢に来ていたゲバゲバは、教師は生徒たちを食い物にするものだと言いながら、牢の鍵を開け、中に入っていた教師たちを外に出してやると、上手く行ったら、俺がこの学園の園長になると言い出す。

ハレンチ学園に正月が訪れる。

山岸たち生徒らと教師らが一同に集い、新年の乾杯をする。

すると、ゲバゲバが男子生徒たちに、これから年に一度御開帳し、それを見ると長生きすると言う弁天マリア観音大明神を見せに行くと言う。

鼻の下を伸ばした男子たちは、ゲバゲバが運転する車で外出してしまう。

一方、残った女子たちは、全員晴れ着姿だったが、ヒゲゴジラから、何やら文字が入ったパンティをプレゼントされ、その場で履いてみろと言われる。

そこにやって来た十兵衛は、山岸たちがゲバゲバと一緒に出かけたと知る。

山岸とシルクハットは、大湧谷のロープウェイに乗せられるが、そのドアを閉めたゲバゲバは、車体の外に爆弾を仕掛けて発射させる。

そんな大湧谷に、忍者姿の十兵衛が馬に乗って駆けつけて来る。

彼女は、ロープウェイの外側に仕掛けられた爆弾に気づくと、ロープに飛び移り、ロープウェイに乗った山岸たちに危険が迫っていると教える。

山岸たちは、ドアの鍵を開けると、空中から下に全員飛び降りるが、その直後、ロープウェイは大爆発を起こしてしまう。

その頃、ハレンチ学園では、パンティに書かれた文字を捜す「パンティカルタ取り」が行われていた。

悪のりしたヒゲゴジラが、皆脱がせ!と叫んだ時、帰って来たゲバゲバがその様子を見て怒りだす。

ヒゲゴジラが、全員、懲罰房へ閉じ込めておけと言うゲバゲバの命令を無視していたからだ。

しかし、その遊びの楽しさに気づいたゲバゲバも仲間に加わろうとするが、そこに山岸らが戻って来る。

十兵衛は、その場で、自分の年は16で、山岸と同じである事、わざと先生に成り済ましてこの学園に入ったのだと明かす。

しかし、そんな十兵衛と山岸たち生徒の上に、天井から巨大な牢が落ちて来て、全員生け捕りにされてしまう。

甚兵衛もハレンチ学園から追放され、助けてくれ~ お~神様~などとつぶやきながら出て行く。

かくしてハレンチ学園は、又教師たちの支配する普通の学校に変身した。

シルクハットは大湧谷で死んだので、ゲバゲバが園長になっていた。

翌朝、牢から出されて教室に連れて来られた女生徒たちの内、呼び出されたマミや十兵衛たちは、教壇の所で張り付けにされ、ゲバゲバやヒゲゴジラたちからいたずらをされ始める。

見張り役として外に出ていたコータローも、望遠鏡でこの教室内の事を発見、自分だけのけ者にされたと怒りながら、教室に乱入する。

その日から、レオタード姿にされた女子たちは、教師たちの接待係になる。

そんな女子たちに、ゲバゲバがテレビのスイッチを入れてみせると、そこに映し出された地下牢の中の山岸たちが、地面を掘って脱出しようとしている様子が映し出される。

女子たちに土を運ばせ地下牢にやって来たゲバゲバは、その土を、必死に隠そうとしていた山岸たちの目の前で、穴の中に投げ込み埋めさせる。

そして、明日は教育大臣が視察に訪れるので、お前たちは全員休みだと言い残し、ゲバゲバは去って行く。

女子たちも牢に入れられ絶望するが、そんな中、十兵衛は、穴を堀り続けましょう、奴らのテレビの監視は任せておいてと山岸に言う。

教員宿舎に戻ったゲバゲバたちは、いきなり地震が起こったので驚く。

地下牢に行ってみると。女子たちが全員踊り狂っているではないか。

すっかり教師たちがその踊りに目を奪われている背後では、山岸たちがドリルで地面を掘り下げていた。

翌日、教育大臣(三遊亭円楽)がハレンチ学園にやって来る。

徹夜で穴を掘っていた男子生徒は、田子ノ浦のヘドロにぶつかりドロドロになって出て来る。

ピラミッドに出たと言う別の生徒は、ツタンカーメンだと言いながら白骨と一緒に地下牢に戻って来る。

その頃、校長室に大臣を招き入れたゲバゲバが、用意しておいたくす玉を割ってみせると、中に入っていた賄賂の札束が床に落ちる。

それをお供のものたちは拾い上げる。

賄賂をもらった教育大臣は、ゲバゲバに表彰状を出し、特別補助金として360円出すと言う。

これには、大きな見返りを期待していたゲバゲバや教師たちは激怒して大臣一行を襲う。

その時、校長室の階段部分が崩れ、中から山岸たちが乱入して来る。

生徒と教師たちの大乱闘に巻き込まれた教育大臣は第七機動隊の出動を要請する。

十兵衛は、アラファタたちを斬り捨てる。

やがて、校門に第七機動隊が到着、学内に向けて催涙ガスを発射するが、公害で慣れている生徒には酸素の方が効果的だとヒゲゴジラが提案。

機動隊は酸素弾を発射する。

この攻撃に「窮鼠かえって豚を食らえだ!」と訳の分からない事を言い出した山岸に、又どこかでハレンチ学園を作るのよと十兵衛が励ます。

そんな十兵衛ら女子たちは、天使のコスチュームで踊りながら機動隊に近づいて行く。

それを見たゲバゲバは罠だと気づいて機動隊に注意を促すが、時既に遅く、十兵衛は柳生新陰流「グーチョキパー斬り」で機動隊員たちを次々に倒して行く。

生徒たち、教師、そして機動隊の面々は、大混乱の状態のまま街に繰り出す。

いつの間にか、時代劇のセットに迷い込んだ教師たちは、そこで待ち受けていた甚兵衛から、火消し水を浴びせられる。

山岸ら生徒たちは、海辺にたどり着いていた。

山岸は、もう俺たちの学園なんて夢か…と諦めかけるが、それを聞いていた十兵衛が、私も仲間に入れてと言う。

もう仲間じゃないかと答えた山岸は、海に浮かぶ帆船を見つける。

その船には「聖ハレンチ学園」の文字が!

生徒たちは、その船に乗るため、浜辺で全員裸になると、海に駆け込むのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「ハレンチ学園」シリーズの4作目で、十兵衛役が児島みゆきから渡辺やよいに替わっている。

今回始めてこのシリーズを観たが,日活ナンセンス映画の真骨頂を観たような印象がする。

とにかく、ばかばかしさの極地と言うか、ここまでナンセンスも徹底すれば潔いと言うしかない。

この悪ふざけを観てしまうと、最近の日活ナンセンス「ヤッターマン」など、至極大人しい感じすらする。

映画としてみると、低予算でちゃちだし、場面によってはピントが甘かったりする部分も散見でき、いかにも急場しのぎで撮り上げた感じがするが、そのナンセンスに賭けるエネルギーにはなみなみならぬものが感じられる。

エロ描写に関しては、子供向けと言う事でどうと言う事はない。

随所に登場するくだらないアイデアが豊富なのだ。

技法的にも、アニメ合成やミニチュア特撮なども使用しており、それなりに凝っていると言えなくもない。

マンガ風のキャラクターを、大の大人たちがまじめに演じている点も感心する。

これまでのシリーズでは、マカロニ役をやっていたらしい宍戸錠が、本作ではゲバゲバと言う新キャラクターで登場しているが、これ又強烈なインパクトがある。

彼も出演していたテレビの人気バラエティ番組だった「ゲバゲバ90分」をもじったキャラクターで、ロンゲにサングラスと言う「あっと驚く為五郎」風容貌で、時々「ゲバゲバ!」と舌を出すのは、番組のアイキャッチアニメのまね。

セリフの最後に「ゲバ」を付け、「世の中金ゲバ…」と言うのは、「銭ゲバ」のパロディだろう。

同様に、劇中、突然登場するサンタクロース役の常田富士男も強烈。

又、「田子ノ浦のヘドロ」など、当時社会現象になっていた「公害」を取り入れている所も興味深い。

当時の人気お笑い芸人たちがゲストで登場しているが、個人的には、お笑いの「ストレートコンビ」が出演しているのがうれしかった。

当時、コント55号の亜流のような雰囲気でテレビに出ていたコンビのうちの一つだが、「ダメなのね〜、ダメなのよ〜」とか「千葉の女は乳搾り」と言うギャグを披露している。

又、甚兵衛役の左卜全が、学園を追い出される時、「ゲバゲバ」「助けて〜神様〜」などと言っているのは、ヒット曲となった「老人と子供のポルカ」のセルフパロディ

気になるのは、生徒役の一人として白木みのるが出ているのに、キャスト表に名前がない事。

又、女白木みのるのような雰囲気の小柄な女優も誰なのか気になる。