1933年、RKO、ラス・ローズ脚本、アーネスト・B・シュードザック監督作品。
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「カール・デナム 世界第八の不思議 キング・コング」のポスターが貼ってある部屋から、デナムが出かけようとすると、廊下の物陰で待ち構えていた借金取りがデナムに声をかけ来る。
キングコングの興行失敗と、あれこれコングが街を破壊した損害賠償のため、今では連日のように借金取りに追いまくられて、デナムは外にも出れない状況だった。
その借金取りを追い返してやった女家主がデナムの部屋に入って来て、あれこれ借金取りが毎日来るのを文句を言う。
さらにその後、女の記者がやって来たので、これは借金取りではないと招き入れると、今度はあれこれデナムを質問攻めにする。
呆れて、女家主と共にその記者を追い出したデナム(ロバート・アームストロング)に、スカル島に同行した中国人コック、チャーリー(ヴィクター・ウォン)が訪ねて来て、船長が待っていると伝えてくれた。
しかし、この状態では、アパートを出るに出られない。
その後、芸術家を自称するスターン・ウエインなる怪しげな人物もやって来て、自分が船まで連れ出してやると言い出す。
その言葉通り、そのウエインは、顔を隠したデナムを外で待っていた馬車に乗せて、まんまと一緒に港へ向かう。
デナムは、エングルホーン船長(フランク・ライヒヤー)の待つ船で、久々にチャーリーの料理を食べる事が出来る。
船長は、窮地に陥っているデナムを海外に連れて行くため再出航を約束する。
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船はダカンの港に到着
船長とデナムは上陸して、とある店に入ってみる。
その店では、猿の楽団が演奏を披露していた。
客の中には、チャーリーも混じっていた。
司会者が出て来て、次の出し物の紹介をする。
それは、ヒルダ・ペターソン(ヘレン・マック)と言う女性がギターをかき鳴らしながら、下手な唄を歌い始めるショーだった。
感心せず、外に出るデナムたち。
ショーが終わった店の中、ヒルダは司会者をパパと呼んでいた。二人は親子だったのだ。
その夜、ヒルダが寝静まった店の中で、その父親と酒を飲んでいたのはヘルストーム船長。
父親は、ヘルストーム船長の所行の悪さを避難し始める。
絡んで来るその父親を押し倒したヘルストーム船長だったが、その拍子に燭台が倒れ、藁に燭台の火が引火してしまう。
寝ていたヒルダは、火事の異常に気づき、檻に入れていた猿たちを逃がすと、父親を小屋の外に引きづり出すが、父は既に息絶えていた。
そのヒルダの目の前で小屋は全焼してしまう。
森の中に逃がした芸をする猿のトニーを探しに来たヒルダだったが、もう猿は戻らない。
そこに通りかかったデナムが声をかける。
デナムは、自分はショービジネスに関わっているが、夕べ見た君の唄はすばらしかったとほめる。
翌朝、ヘルストーム船長が店の前でヒルダに声をかけて来る。
ヒルダが、あなたは父親を殺したとなじると、ヘルストーム船長は驚く。
夕べ、押し倒した父親が死んだ事を知らなかったらしい。
その船員、面白くないのでバーに出かけると、そこに顔なじみだったデナムがいるのに気づき声をかける。
二人は旧知の間柄だったのだ。
あのコングの住むスカル島の地図をくれたのが、ヘルストーム船長だったのだ。
デナムから同席していたエングルホーン船長を紹介されたヘルストーム船長は、同じテーブルで一緒に飲み始めるが、やがてあのキングコングの島には、太古の住民が遺した宝が埋まっているとデナムに打ち明ける。
その話を聞いたデナムは、その財宝が手に入れば、借金がすべて返済できると乗りに気になる。
デナムは、その後、ヒルダを訪ねると、旅立つ挨拶をする。
すると、娘は自分も同行させてくれと願い出る。
船は就航するが、ヘルストーム船長はボースンのレッド(エド・ブラディー)と、船を乗っ取る相談をしていた。
それを盗み聞いていたチャーリーは、ヘルストーム船長が立ち去った後、ボースンのレッドに何やら耳打ちする。
すると、レッドは他の船員たちにも知らせ、全員抗議に行く。
抗議の内容は、女を密航させたと言う事だった。
船員たちに差し出された密航者とはヒルダだった。
夕べ、デナムが、船倉への鍵を渡していたのだ。
娘は、そこにやって来たあのヘルストーム船長の姿を見ると驚く。
ヘルストームの方も、ヒルダが乗っている事を知ると愕然とする。
やがて、スカル島に接近する船を、原住民が秘かに監視していた。
翌朝、船員に起こされて部屋の外に出てみたデナムは、甲板上で船員たちが反乱を起こして、エングルホーン船長に銃を突きつけている現場を目撃する。
デナムを起こしに来た船員も、いつの間にかデナムの背中に銃を突きつけていた。
一緒に捕まっていたヒルダは、その場で、ヘルストーム船長が自分の父親を殺した事をデナムに告げる。
エングルホーン船長とデナム、そしてチャーリーとヒルダは、ボートに乗せられ船から追放されてしまう。
ヘルストーム船長は、レッドたちを自分の手下にしようとするが、逆に全員に反抗され、海に放り投げられてしまう。
ヘルストーム船長は、まだ船の側にいたデナムたちのボートに救い上げられる。
浜に上陸したデナムたちだったが、いきなり槍が飛んで来て、原住民たちが取り囲む。
どうやら、出て行けと言っているようだったので、仕方なく再び海へこぎだしたボートは、人影がない岩場に移動する。
上陸し、様子を見るデナムとヒルダは、巨大な石の階段のような場所を登る。
登りきった所で、ヒルダは白いコングを発見する。
どうやら、沼にはまって動けない様子。
デナムは、近くの枯れ木をコングの方に倒してやる。
コングはそれを伝って沼を抜け出す。
デナムは、ヘルストーム船長やチャーリーと一緒に階段を上って来たエングルホーン船長に、こっそり小さなコングを発見したと教える。
チャーリーは、周囲一体の巨大な石の遺跡を太古の宮殿の跡だと言う。
その後、デナムとヒルダと別行動を取る事にしたチャーリーとヘルストームとエングルホーン船長は、突如出現したトリケラトプスに襲撃されるが、何とか巨石の隙間に逃げ込む。
一方、デナムとヒルダの方は、巨大な熊に遭遇、遺跡の方へ逃げ帰るが、ヒルダの悲鳴を聞いたコングが駆けつけ、熊と戦い始める。
一旦、コングに倒され気絶したかに見えた熊だったが、再び目を覚まし、油断してデナムたちに話しかけるようなジェスチャーをしていたコングに襲いかかる。
コングは、近くに落ちていた木で、熊を叩き付け、追い払ってしまう。
コングは、戦いで右手の中指を負傷したようだった。
デナムは、娘がちぎったスカートの布で、その中指を巻いてやる。
コングは二人になついたのか、その後、デナムが動かそうとしていた木を勝手に動かしてやったりする。
その夜、デナムと娘は二人きりでたき火を焚き、話し込む。
デナムは、自分の上着を娘に貸してやり、娘はそれを枕にして寝るのだった。
その様子を岩陰からこっそり覗くコングは、すっかり二人の友達になった様子。
岩の割れ目の中で一夜を明かしたエングルホーン船長たちは、穴から抜けだして、トリケラトプスがいなくなっているのを確認する。
一方、デナムとヒルダが目覚めると、遺跡の下でコングが眠り込んでいたので、銃を空にぶっ放して起こしてやる。
デナムは、遺跡の巨大扉を開こうとあれこれ苦心していたが、それを見ていたコングが、あっけなく扉の石を壊してやる。
扉の奥は宝の洞窟と感じたデナムとヒルダは、コングを引き連れて奥に進み、巨大な人面像の上にかかった巨大な宝石の飾りを発見する。
デナムたちがそれを手にして喜んでいる隙に、コングは、デナムが床においていた猟銃を手に取り、好奇心からいじりだして壊してしまう。
そこに、巨大なトカゲが侵入して来る。
コングは果敢にも組み合い、倒してしまう。
その時、外でデナムを呼ぶエングルホーン船長の声を聞いたので、外に出てみる。
外にいたヘルストーム船長は、宝はどうしたとデナムに迫るが、後から出て来たコングの姿を見て逃げ出す。
一人ボートで逃げ出そうとしたヘルストーム船長だったが、突如近くの海面に首を出した海竜に驚き、海に転落した所を食われてしまう。
島は突然、崩落を始める。
デナムは、他の四人に先に逃げるように言い、自分は宝石の飾りを取りに洞窟の中に一人戻る。
船長、チャーリー、ヒルダは、間一髪ボートに乗って、島を脱出。
海は大荒れだった。
沈没する島に取り残されたデナムとコング。
コングは右手でデナムを掴むと、水面からその右手を高く差し上げたまま海に没していく。
その右手に掴まれたデナムが、まさに海に沈もうとした時、エングルホーン船長らの乗ったボートが近づき、間一髪、ボートに助け上げる。
しかし、中指に包帯を巻いたコングの右手は、そのまま海に没していくのだった。
デナムは、何とか巨大な宝石の飾りだけは持ち出しており、それをヒルダに見せる。
やがて、ボートに乗った四人は、通りかかった船に発見され救出される。
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有名な古典「キング・コング」の主要メンバーたちが再登場する後日談であるが、前作とは打って変わって、ベビーコングの可愛らしさを強調した、何ともほのぼのとしたファミリー映画調の作品になっている。
コング騒動で多額の借金を背負ってしまったデナムが、かつてスカル島に一緒に出かけた船長らの手を借りて、国を脱出する所までは良いが、そこから、又、新たな美女との出会い、スカル島の在処を知る船長との再会など、その後はご都合主義の連続。
スカル島に到着してみると、これが、前作であれほど神秘的だった島と同じ場所なのか?…と疑いたくなるような平凡な島に変化しており、原住民たちが大きな柵を作って、古代生物が生き残っている恐怖のジャングルとの間を遮断していたはずなのだが、本作ではボートで島の裏手に回ると、あっさり古代遺跡が残る場所へ難なく上陸できてしまうのだ。
その後の、白いコングとの遭遇もあっけなければ、出て来るモンスターも、恐竜やら熊やら脈絡がなく、登場の仕方も凡庸でスリルもない。
せっかく悪役として登場しているヘルストーム船長の島での役割も、ほとんど使いこなしていないし、ラストの島の沈没にしても、特に伏線的な説明があった訳でもないので、いかにも唐突な印象で、まさにあっという間の出来事と言う感じ。
せっかく、可愛らしいコングの自己犠牲的な最後と言う泣かせるアイデアだったのに、その余韻を感じる暇もないほどの展開の早さで終わってしまうのが何とも惜しまれる。
前作のヒットを受け、低予算、短時間で作ったためなのだろうが、ドラマ面も特撮面も工夫が足りず、全体的に驚きもインパクトもない。
それでも、ベビーコングの可愛らしさだけは、それなりに描けているので、この最後の悲劇性をもう少し丁寧に描いていれば、前作ほどではないにしろ、この作品も長く愛されたのではないだろうか。
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