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どうぶつ宝島

1971年、東映、ロバート・L・スティーブンソン原作、飯島敬脚本、池田宏脚本+演出作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

とある港町の夜、停泊中の船から5人の黒覆面の男たちが小船を漕いで秘かに波止場に近づいて行く。

おんぼろホテル「ベンボー亭」の屋根裏部屋で、ネズミのグラン(声-増山 江威子)と二人きりで留守番をしていた少年ジム(声-松島みのり)は、大好きな船の設計図を描いていた。

将来、こんな帆船に乗ってどこかに行けたら…と、机に置いた模型の船をうっとり眺める。

そんな安宿に、一人の無気味な客がふらりとやって来る。

隻眼隻足のネコ船員(声-柴田秀勝)だった。

彼は、子供であるジムの姿を見ると、ここの主人を出せと迫るが、ジムしかいない事を知ると、料金として金貨を渡す。

それを見たグランは、これで、船の帆柱が買えると喜ぶ。

さらに、部屋に案内されたネコ船員は、怪しげな客が来たら知らせろと言いながら、又、ジムの金貨を渡す。

その後、赤ん坊のバブ(声-千々松 幸子)の相手をしていたジムは、窓から外を見て、怪しげな覆面姿の5人組が近づいている事に気付くと、それをネコ船員に教えに行く。

するとネコ船員は、この箱も預かってくれと、小さな小箱をジムに託す。

その直後、5人組が「ベンボー亭」に侵入。

ジムとグランは、屋根の上に逃げる。

途中、ジムが足を滑らせ、軒から落ちそうになるが、その時、片足の靴が脱げてしまい、下で見張っていた賊の一人ブタに気付かれてしまう。

ジムが逃げ込もうとした屋根裏部屋にまで賊が侵入して来たので、慌ててジムは屋根に隠れていたが、やがて、いないと思ったのか、屋根裏部屋の明かりが消えたので、ジムとグランは安心して屋根裏部屋に入り込む。

机の上の帆船の模型は壊されていた。

もうネコ船員の姿もなく、ホテル内部もメチャメチャに荒されている事を知ったジムは、弁償してもらわなければと、先ほどネコ船員から渡された小箱を開けてみるが、何とその中には、大海賊フリント船長が記した「宝島」の地図が入っていた。

それを見たグランは、今度は僕たちが狙われる事になるとおびえる。

しかし、ジムは、僕たちの船で出かけよう!と言い出す。

翌朝、大きな船の狭間を縫うように港を出発したのは、ジムが操縦する小さな樽の船「パイオニア号」だった。

大海に乗り出した彼らは、途中、大きなクジラやいるか、飛魚の群れなどに遭遇しながら、ずんずん進む。

やがて、水平線の彼方に巨大な煙を発見、近づいてみると、大きな帆船が船火事を起こしている事に気付く。

その背後から、にゅっと現れたのが海賊船だった。

怯えたグランは、白旗を出そうとしかけるが、それを止めたジムは、船に収容していた大砲を出す。

驚いた事に、その大砲にしがみついて出て来たのは、赤ん坊のバブだった。

いつの間にか、バブも「パイオニア号」に乗っていたのだ。

海賊船が先に発砲して来たので、ジムも大砲を撃ち返すが、火力の差は明らかで、「パイオニア号」は木っ端みじんに破壊されてしまう。

結局、ジムとバブ、グランたちは海賊船の虜になってしまう。

ブタのシルバー船長(声-小池朝雄)、隻眼の狼男爵(声-八奈見 乗児)、オットセイのオット−(声-富田 耕生)などに取り囲まれたジムは、サルのスパイダ−(声-田村 錦人)から、海賊島に着くまでに鍛え直してやると脅される。

赤ん坊のバブは、男爵の足にしがみつき「パパ〜」と甘えながら、おねしょをしたので、俺は赤ん坊なんか大嫌いだと、男爵は逃げ出す。

やがて、海賊船「ポークソテー号」は、新たな獲物を発見し、総攻撃をかける。

ジムは、料理室でイモの皮向きばかりさせられる。

料理の内容はイモばかりで飽き飽きしていたのに、さらに今度は天婦羅をもってこいを催促されたので、いたずら心を出したジムは、近くにあったガラクタを天婦羅粉にまぶし揚げはじめる。

バブは、あいからわず、男爵のひざの上でスやスヤを眠っていた。

やがて、シルバーら船員たちが集まって食事をしていた部屋に、ジムはガラクタの天婦羅を持って行き、甲板に行くとグランと一緒に愉快そうに笑う。

カバのオッサン(声-高木均)がそんなジムの元へ、船長が呼んでいると知らせに来る。

部屋に入ると、にやりと笑いながら、シルバー船長が、折角おいしい天婦羅をおれたちだけで食べるのは申し訳ないからお前も食べろと迫って来る。

さすがに遠慮したジムだったが、シルバー船長は断わる事を許しそうにもなく、仕方なく、口にくわえた天婦羅は、けん玉を上げたものだった。

シルバーは、目を白黒させるジムに、もっと喰わせろと意地悪を言う。

やがて、ポークソテー号は、海賊たちが集まった、巨大な「海賊島」に到着する。

「ポークソテー号」が、海賊登録番号1862号と通信をすると、入江に入る事が許される。

その時、入江にアナウンスの声が響き、間もなく宝島の事を話し合う船長会議を開くと通達がある。

男爵は、ジムの姿を捜すが、ジムとグランは入江に飛び込み、島に逃げ込む。

島では、海賊相手に大掛かりな市場が開かれていた。

ホットケーキを売っていたイタチ(声-田の中 勇)から、ホットケーキをもらったジムだったが、ひょんな事から、近くにいたクマにぶつかり、怒ったクマはホットケーキをジムに投げ付けようとして、他の動物に当ててしまい、その応酬の連鎖が始まり、市場はさらがら「パイ投げ」騒ぎ。

その混乱に乗じて、その場を逃げ出そうとしたジムだったが、カバにぶつかり捕まってしまう。

男爵と共に近づいて来たスパイダーが、船長の命令で奴隷商人に売ったのだととあざ笑う。

カバの奴隷商人に連れて行かれようとしたジムの懐から、男爵がさっと宝島の地図を奪い取ってしまう。

以前、船の上で、グランが地図の事を口走ってしまったのを聞いていたのだった。

ジムとグランは、足に重りをつけられ、奴隷部屋に放り込まれる。

ジムがドアをたたき壊そうとしているのを見て、無駄よと嘲る先客がベッドの上にいた。

良く見ると、それは少女だった。

宝島の地図を取られたとジムが言うのを聞いて、少女は驚く。

彼女が言うには、シルバー船長は、亡くなった祖父の部下だった男だそうだ。

彼女こそ、フリント船長の孫娘キャッシー(声-天地総子)だった。

おじいちゃんの宝は、私のものなのだと彼女は主張する。

ジムは、牢屋の上の部分に小さな空気孔を発見し、そこからグランを外に出そうと考え、放ってみるが、グランの足に付いた重りが邪魔になり、巧く行かない。

それで、自分の重りを使って、グランの重りを繋いでいる鎖を破壊、再びグランを穴に向って放り投げる。

空気孔にたどり着いたグランは、自分が来ていたセーターをほどき、その毛糸の端をジムに握らせると、その毛糸を伝って外の門の側で居眠りをしていたカバの所まで降り、鍵を奪って元に戻ると、それを使って扉を中から開け、外に脱出する。

しかし、キャッシーは、ベッドの上から動こうとはしなかった。

大きな海賊船の中で海賊の船長たちが集まり、海賊会議を開いている所にジムは潜入する。

議題は、フリント船長が残した、宝島の地図をどうやって手に入れるかと言うものだったが、そこに男爵がやって来て、宝島の地図を手に入れたので自分も船長の仲間になれるかと全員に尋ねる。

目的の品物を手にした男爵を目にした議長(声-田の中 勇)は、なれるともと答える。

そこへ、ジムが、火の付いた爆弾を手に天井から降りて来る。

男爵から地図を奪い返し、そのまま部屋を出ようとしたジムだったが、その背後に待ち伏せる海賊の影が忍び寄る。

しかし、その海賊を撃ってジムのピンチを救ったのは、二丁拳銃を持って入口から現れたキャッシーだった。

キャッシーは、ジムが持っていた地図を奪い取ると、一人で逃げてしまう。

夜の海賊島の港、秘かに逃走用の船を捜していたキャッシーは、追って来たらしい男爵から、船はどうする?と聞かれる。

儲けは山分けにしないか?と持ちかけた男爵は、キャッシーを連れポークソテー号に乗り込むと、これはシルバーの船だが、今日からはわしの船だと言い出す。

ところが、その背後に、当のシルバー船長が立っていた事に気付かなかった。

ポークソテー号は、静かに港を離れたので、キャッシーは話に乗る事を承知する。

しかし、そのポークソテー号の船尾には、ジムとグランがしっかりしがみついていた。

その後、リンゴを入れた樽の中に身を隠したジムとグランだったが、近くにいたオット−に抱かれたバブが、彼らの姿に気付き、声を出して来て、居場所がばれそうになったので、そのまま外に出られなくなる。

そんなジムが入っていた樽の側にやって来たシルバー船長と男爵は、キャッシーに眠り薬を飲ませる事にしようと言う悪だくみの相談を耳にする。

その後、一人で部屋に籠っていたキャッシーは、船上でパーティをやるので参加しないかと声をかけられる。

見ると、シルバー船長がオッサンと踊っている。

ジムは、船員たちがカクテルの一方に眠り薬を入れ、目印として、普通のカクテルの方には赤いチェリー、薬が入った方には緑色のチェリーを入れるのを目撃する。

何とか、樽の中から手を伸ばして、そのチェリーを交換しようとするが、出来ないまま、カクテルは運ばれて行く。

ところが、シルバー船長とキャッシーが踊っている所に運んでいる途中にいた、バブが、無心にそのチェリーを両方とも取って食べてしまう。

それに気付かぬまま差し出されたカクテルは、もうどちらのグラスに薬が入っていたか、持って来た船員にすら区別が付かなかった。

シルバーが最初にグラスを取り上げ飲んだので、キャッシーも疑わず、もう一方のカクテルを取り上げ口にする。

どっちが、薬を飲んだのか分からないまま冷や汗をかく船員たちの前で、甲板に倒れ込んだのはシルバー船長の方だった。

あせった船員たちは、シルバーの体を船室に運び込むと、濃いコーヒーを大量に口に流し込み、何とか、船長を目覚めさせようとする。

瞬間、目が醒めたかに見えた船長だったが、又、その場に倒れ込んでしまう。

そうした騒ぎの中、ジムはグランに、眠り薬を手に入れてくれと頼む。

その後、夜になり、ようやく目覚めたシルバー船長にスパイ猿のスパイダ−が、キャッシーは自室でぐっすり眠っていると報告する。

シルバーたちは、キャッシーの部屋の下の部屋から、天井の上げぶたを上げて、キャッシーの部屋に侵入しようとする。

まず、シルバー船長が入り込み、続いて男爵が上がろうと上半身を上げぶたの中に滑り込ませた所で、近づいたジムは、その尻尾を引っ張ったり、靴の裏を剥がし、足の裏をくすぐったりして、登るのを妨害しようとする。

しかし、何とか、キャッシーの部屋に忍び込んだ船員たちは、全員、ベッドの膨らみ目掛けてナイフを突き刺す。

しかし、その直後、暗闇の背後に、船員たちに銃を向けて立っているキャッシーの姿を確認。

ベッドが膨らんでいたのは、中に、シルバーの私服を詰め込んで、寝ているように見せ掛けていたのだった。

シルバーは、作戦が失敗しただけではなく、自分のよそ行きの服が今自分達が突き刺したナイフで、ずたずたになっている事を知りがっくりするが、口先だけでは「さすが、フリントのお孫さん」とお世辞を言いながら退散する。

キャッシーは、又、床の上げぶたから侵入されないように、板を打ち付けるが、もう堪忍袋の緒が切れたシルバーは、大砲でキャッシーの部屋ごと吹き飛ばそうとする。

それを知ったジムは、外の窓からキャッシーに呼び掛けると、ここは危ないと、キャッシーを外に連れ出そうとする。

その直後、キャッシーの部屋は、撃ち込まれた大砲で木っ端微塵に砕け散け、シルバーが飛び込んで来る。

大砲を撃ったのは、シルバーではなく、いつの間にか近づいていた別の海賊船だった。

ポークソテー号を逃げ出したジムとキャッシーは、敵の黒船の帆柱の上に逃走する。

敵の黒船の上では、敵味方入り乱れて、ジムの地図を奪おうと襲いかかって来る。

キャッシーは柱の上から落ちそうになり、一緒に落ちかけたブタ船員が彼女のブーツに捕まって重りになっているので、そばで船員たちと戦っていたジムが、ブーツを脱げと励ますが、キャッシーは、何故か、出来ないのと断わるのだった。

船員たちが退去して見張り台に登って来て、ジムに飛びかかったので、ジムが持っていた宝島の地図は、空中に舞ってしまう。

ジムは、自らの体に紐を盗びつけると、その空中の地図を掴もうとジャンプするが、地図はつかみ取ったももの帆柱に激突してしまい、そのまま甲板の階段口へと落下し、コロコロと船底まで転がり落ちてしまう。

ようやく起き上がったジムは、そこに大量の火薬樽が積まれていることに気付き、近くに下がっていたランプを取ると、火薬樽目掛けて投付け、すばやく甲板上に脱出すると、他の乗組員たちに、ここは爆発するぞ!と怒鳴って教える。

シルバーの手下たちは、驚いて、我先にポークソテー号に引き返す。

帆柱の上にいたキャッシーは、ターザンのように、ロープを掴んで脱出する。

その直後、黒船が大爆発を起こし、シルバーたちは全員助かる。

その後、シルバーたちはビールを乾杯し、勝利を祝福するが、何故かその途端、全員倒れるように眠りはじめる。

ビールの中に、グランが睡眠薬を入れていたのだった。

そんな中、甲板にいたキャッシーは、夕日の前で一人黄昏れていた。

そんなキャッシーに近づいたジムは、自分が手にした地図を、これはあんたの地図だと返そうとする。

しかし、キャッシーは、あんたが拾ったんだから、あんたのものだと受取ろうとしない。

ジムは、持って来たリンゴをキャッシーに渡すと、僕はもっと大きな船に乗って、もっと遠くへ行ってみたいんだと夢を語り、君も来れば?と誘い掛ける。

キャッシーは、その言葉に意外そうに、私も?と問いかけるのだった。

やがて、ポークソテー号は嵐に襲われる。

船員たちは必死に船を守ろうと奮闘するが、その甲斐もなく、ポークソテー号は真っ二つに切断されてしまう。

ジム、オット−、グラン、バブの4人は、船首部分に残される。

嵐が去った後、船首のジムたちは、目の前に、目指す宝島が近づいている事に気付く。

海岸に降り立ち、地図に描いてあった「×」印の場所目掛けて、ジャングルの中を進んで行ったジムたちだったが、やがて開けた所に出ると、そこに、猿ぐつわをされ、やしの木に吊されているキャッシーの姿を発見する。

驚いて、ジムたちがそこに近づくと、待ち伏せしていたシルバー船長たちが出現する。

地図を奪い取られたジムとオット−は、その後、自分達の墓となる穴を自分自身の手で掘らされる。

そこへキャッシーも放り込まれかけるが、その地図には宝の事が描いてないが、自分は聞いているので、ジムたちを助けてくれるなら案内してやっても良いと、彼女はシルバーに持ちかける。

シルバーはその約束を守るように見せ掛け、案内役のキャッシーを紐で縛りスパイダ−に持たせると、自分も一緒に島の山の頂きに向うが、その場に残された男爵は、キャッシーたちの姿が見えなくなると、容赦なくジムたちに発砲する。

しかし、穴の中で弾を防いでいたオット−は、持っていた大砲で撃ち返す。

その援護の中、ジムはキャッシーを救いに、シルバーたちの後を追う。

狭い尾根伝いに登っていたキャッシーは、わざと足を滑らせ崖を落ちかけるが、必死にスパイダ−が持ちこたえていた紐をシルバーが手繰り寄せて、道に引き上げる。

今度は、シルバーが落ちかけそうになったりするが、そこに後ろからジムが追って来た事を知ったシルバーは、後ろ向きに発砲してしまう。

その音で、シルバー一行とジムの間の狭い尾根の一部が崩落してしまう。

スパイダ−は、ここでは危険だから撃つなとシルバーに伝える。

しかし、その後も、キャッシーは、その紐を持ったスパイダ−を振り回したりして抵抗する。

シルバーは、足で脆い尾根の道を踏み付け、わざと崩して、後から追って来るじむを来させないようにするが、その勢いで地面が次々と崩落し、シルバー本人が落ちかける。

そうしたあげく、先に山頂に登り切ったシルバーが、紐に繋いだキャッシーを引き上げようとすると、干物先には誰もいない。

ジムが、紐を切っていたのだった。

そのジムとキャッシーが、山頂に登り切ると、シルバーは石を投付け、ジムを崖から落とそうとする。

山頂には、巨大な湖しかなかった。

キャッシーにだまされたと思ったシルバーは、怒ってジムを突き落とそうとするが、キャッシーはブーツの片方を脱いで、その中に隠していた宝の鍵を渡す。

その鍵を投げられ、受け止めようと崖を下り降りたシルバーは、、そこにいたスパイダ−が鍵を受け止めると、近くにあったほろ穴の中に入り込む。

シルバーもその後に続いて入り込むが、スパイダ−がそこに吊り下がっていた鎖を引いており、その後ろの壁には「鎖を引いたら、10秒以内に逃げろ」と言う貼り紙があるのに気付く。

ほろ穴からは、大量の水が吹き出す。

その中腹のほろ穴が、山頂湖の水の抜き穴になっていたのだ。

ぐんぐん湖の水は減って行き、やがて、湖の底の中に、巨大な帆船の残骸が見えて来る。

その中に入り込んだジムは、ついに宝石類の詰まった大量の宝箱を発見する。

宝を持ち帰るジムたちの船の後から、助かったシルバーとスパイダ−が、喧嘩をしながらも板切れに捕まりながら着いて来るのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

有名な「宝島」の話を、動物キャラに置き換えて大胆にアレンジし直したアニメ。

宮崎駿が「アイデア構成」として参加しているため、随所にアレレ?これって?と思わせるシーンが続出する。

「ルパン三世 カリオストロの城」「紅の豚」など、後年の宮崎アニメの名シーンなどを連想させるシーンを見つけだすのも楽しい。

後半の山頂での追いかっけは、「長靴をはいた猫」(1969)のクライマックスの城での魔王との戦いそっくり。

魔王の顔とシルバーの顔がダブって見えるはず。

タイトルからエンドロールまで、とにかく良くキャラクターが動き回っているし、絵も巧い。

豚のシルバー船長の声はコロンボ(小池朝雄)だし、その部下の狼、男爵の声はボヤッキー(八奈見乗児)、海賊島の市場でホットケーキを売っているイタチと、海賊会議長の犬の声は目玉親父(田の中勇)…など、懐かしい声も一杯。

キャッシーが、屈託のない明るいキャラクターではなく、ちょっと影がある女の子である所など、作られた時代を感じさせたりもする。

今でも十二分に通用する愉快なアニメの傑作。