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河内風土記 おいろけ繁盛記

1963年、宝塚映画、今東光原作、藤本義一脚本、佐伯幸三監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

生駒山と金剛山に挟まれた河内平野…と説明するバスガイドと客を乗せた観光バスが、河南橋を通過した所で停車する。

そこがいつも、観光バスのトイレ休憩の場所になっているのだ。

客たちが立ち小便する目標になる石は、一面にコケが生え独特の風合いになっているので、直吉(藤木悠)と、万吉(加藤春哉)は、それを「生駒石」と命名して高く売ろうと考えていたので、その日、いつものようにバスから降りて来て、その石に近づいて来た客たちを脅して遠ざけるのだった。

そんな地方で、体操先生と呼ばれている井尻益次郎(フランキー堺)が自転車で走っている途中、どこか上の空で歩いていたおりん婆さん(浪花千栄子)とぶつかってしまう。

おりんは、昼間働きながら大学院に通っている息子の与太郎の事でセンチになっていたのだと言う。

益次郎は、産婆をしているおりん婆さんを自転車の後ろに乗せてやる。

その益次郎は、太陽理髪店の前を通りかかった時、店で働いている佐久間翠(田村奈巳)に挨拶をする。

訳ありの翠は、益次郎の紹介で理髪店で働くようになったのだと、店主が、ちょうど客として来ていた化粧品のセールスマン良松(南都雄二)に説明する。

その頃、豚の毛はん(織田政雄)は、持ち家を貸しているお久仁(園佳也子)と言う後家さんの家を訪れては、関係を迫っていた。

しかし、そこにお久仁の子供が覗き込んで来たので、豚の毛はんは追い出そうとする。

そのお品の家の隣には、病気で寝たきりになっている母親お品(初音礼子)と二人暮しのパア太郎(茶川一郎)と言う、ちょっと知的ハンデのある青年が住んでいた。

一方、足の悪い松(中村是好)は、いつものように「医者が来た」と噂を村中に触れ回っていた。

その頃、地元を仕切っている侠客、伊之助(伴淳三郎)は、妻美津江(塩沢とき)の側で朝刊を読んでいた。

そこへ子分が医者が来たと飛び込んで来る。

何事かと、伊之助が天台院の土地に行ってみると、「椿医院 椿菊子」と言う看板が出ている家の前に、村中の人が好奇心で集まっている。

豚の毛はんなど、慌ててやって来たためか、草履が左右別々のものを履いている。

そうした村びとの前に出て来た女医の椿菊子(池内淳子)は、看護婦のさっちゃんに、挨拶用のマッチを撒かせる。

一斉に、そのマッチを取ろうとざわめく村人たち。

しかし、この行為に乗らなかった人物がいた。

自分に挨拶がなかった事に怒っている伊之助と、商売敵となるおりん婆さんだった。

二人は、周囲の村人たちに、女医の手に乗るなと悪口を言いはじめる。

その話を聞いた天台院の住職で作家の今野東吾(進藤英太郎)は、伊之吉の度量の小ささを嘆く。

実はあの医院は、彼が椿菊子に土地を無料で貸してやったものだったからだ。

しかし、おりんと伊之吉の反抗は激しさを増し、とうとう村中を巻き込んでのクーデター行進にまで発展する。

そんな中、日日ごとに複数のパトロンの相手をして暮している兵藤鶴子(北川あけみ)のアパートに来ていたパトロンの一人良松は、急に「月、木担当の男」ブローカーの黄(天王寺虎之助)が訪ねて来たので、慌ててベッドの下に潜り込む。

さらに、そこに、別の曜日担当だった酒屋の主人村雲(遠藤辰雄) までやって来て、黄と鉢合わせしてしまう。

男たちが息巻く中、鶴子は、自分は体験小説家、第二の林ふみ子になるつもりなので、その経験を積んでいるだけだと開き直る。

さらに、今日は誰と寝るのだと男たちが尋ねると、作家で住職の今野東吾に紹介してくれた方と寝ると鶴子は言うので、良松は自分がやるとベッドの下から名乗り出る。

太陽理髪店で翠からヒゲを剃ってもらっていた益次郎は、同じく客として来ていた良松が、翠を狙っている事を知る。

翠は、ここの村人たちには知られていないが、実は昔、義父に体を汚された過去があり、それを今でも後ろめたく感じていたのだった。

そこに店の主人が帰って来て、中野村が分裂状態になったと報告する。

今まで、村の相談役だった東吾派と、新たに伊之助を相談役とする一派に分かれたと言うのだ。

伊之吉の家には、ちゃっかり鞍替えした松らが集まっていたが、当の伊之吉は、浮気相手であるおでん屋「赤すずめ」の女将お八重(由良路子)の店の二階でのんきに酒を飲んでいたが、その時、下から呼び掛ける声がしたので、八重が降りてみると、そこにいたのは、おりん婆さんの息子の与太郎(藤田まこと)だった。

学生服姿の彼は、今、若返り効果のあるドリンク材を売っているので、買ってくれと言う。

そんなものはいらないと八重が断わろうとすると、お二階さんは必要なのでは?と上がって行こうとするので、仕方なくワンケース購入してやる事にする。

その頃、豚の毛はんは、借金取りが来ているのでと言い訳をして、又、お久仁の所に上がり込んでいた。

その様子を、隣に住むパア太郎が節穴から覗いていた。

椿病院に乗り込み、そこにあった書類を破って嫌がらせをしていたおりん婆さんだったが、そこにやって来たのが息子の与太郎。

そして、女医に話があると上がり込んで来た与太郎は、厚生省の書類なるものを提示し、「スーパーストロングホルモンF」なるドリンク剤をこちらの病院で使ってくれないかと売り込みはじめる。

菊子は、そのアンプルの液体を検査し、ただちに、単なるブドウ糖液と見破ると、あなたはどちらの大学生かと尋ねる。

与太郎が、大阪薬科大学の夜間と答えると、大学に夜間等ないし、こんな事をしていると、薬事法違反で捕まるわよと注意する。

それを聞いていたおりん婆さんは、はじめて、息子が偽大学生だった事を知るのだった。

天台院には、嫌がらせのため、直吉が河内太郎と言う軍鶏を買えと持って来たので、東吾(進藤英太郎)は、言われるがまま、寺で飼う事にする。

その後、今度は鶴子がやって来て、自分は一日一万円でお手伝いさんをやってやると申込んで来る。

あまりに一方的な話なので、呆れた東吾が断わると、鶴子は意外に簡単に帰って行く。

その頃、直吉、万吉、伝公(飯沼慧)らは、伊之助の命令で、椿医院の前で通せんぼをするなど、子供っぽい嫌がらせを繰り返していた。

その夜、椿医院の中に、夜ばいに入り込んだ直吉だったが、菊子から、天台院に通じている非常ベルがあるので、すぐに警察に通報するわよと逆に凄まれ、そのまま彼女に説得されるままに、医院の裏の納屋のベッドをねぐらとする手伝いとして住み込みはじめる事になる。

直吉は本当は、一目観た時から菊子の事が好きだったのだ。

そうした意外な展開を、松(中村是好)と万吉は、医院の外から盗み聞きしていた。

その頃、益次郎は、お八重の店の二階で彼女に伊之助の行動を注意してくれなくては困ると説教をしていたのだが、そこに伊之助本人がやって来たものだから、慌てて益次郎は押入の中に身を隠す事にする。

八重は、直吉と伝公は、もう女医に陥落されてしまったのだから、天台院と仲直りしてくれ、村の為に片肌を脱ぐのが親分と言うものではないのかと説得を始める。

そこに、子分の一人が、直吉がすっかり女医に骨抜きにされてしまったと報告に来るが、その時、襖を蹴破って、中で物を喰っていた益次郎が姿を見せてしまったので、伊之助は唖然としてしまう。

ある日、益次郎は、元教え子だった女生徒たちを引き連れて山登りに来ていた。

頂上についた彼女たちは近況を教えあい、カンコとタツエはもう結婚している事が分かる。

自然と、男と女の愛情についての話となり、男にとって女は欲望を満たすための存在でしかないのではないか?先生はどうしているのか?と、益次郎はいきなり鋭い質問を浴び、思わず逃げ出すのだった。

ある日、太陽理髪店に、友人の父親からここにいる事を聞いて来たと、赤ん坊を背負った翠の母親が訪ねて来て、義父が病気なのだと言う。

翠は、金を手渡すと、もう来ないでくれと追い返してしまう。

その直後、理髪店の店主が帰って来る。

直吉はと言えば、スクーターの後ろに菊子を乗せて走っており、今ではすっかり助手になっていた。

一方、伝公はパア太郎と一緒に工事の仕事をしていたが、ハンデのあるパア太郎が相手ではジャリ運びも出来ないとこぼす。

松は、無料健康診断に村の女たちがやって来ている病院の中を興味深そうに覗き込んでいる。

妊娠していると判明したお久仁(園佳也子)は、もう二人いるので、始末してもらいたいと言い出すが、始末はただじゃないと菊子は答える。

翠は、天台院の東吾に相談に訪れた帰り、出会った良松から、平太郎橋の脇で益次郎が待っているから来て欲しいと伝えるが、その様子を直吉は盗み聞いていた。

その夜、辛抱たまらなくなった直吉は、菊子に土下座して、抱かしてくれと頼み込み、そのまま強引に押し倒そうとするが、看護婦が帰って来たので、そのまま面目を潰した弁天の直吉は、病院を去る事にする。

おりき(吉川雅恵)とおその(山田恵子)は、伊之吉の元に、自分達の主人黄と村雲には女がいるらしいと相談に来ていたが、伊之吉がそんなものはいないと否定したので、両名とも怒って帰ってしまう。

しかし、横で聞いていた美津江は、これまでに自分が見つけていた数々の物的証拠を上げてみせ、自分はあんたの事は何もかも知っているのだと伊之吉を押し倒すと、その鼻をかんでしまう。

鶴子のアパートを訪れた良松は、村雲がベッドの上で脳いっ血で倒れてしまったので、何とかしてくれと泣きつく。

その後、おでん屋で落ち合った万吉は、直吉の話を聞いていた。そこに与太郎がやって来る。

伊之助の家の隣に住んでいた益次郎は、顔中傷だらけになった伊之助を見舞っていた。

伊之助は、浮気相手である「赤すずめ」の八重とアルサロの八田アキ子の名前を、美津江に白状してしまった事を打ち明ける。

そんな益次郎の部屋に、教え子の間宮京子が訪ねて来る。

益次郎は、近々講習会で東京に行くのだと教えるが、何故か急に、京子が泣き出し、付き合っている二つ年下の彼が、別の恋人と東京に行ってしまったなのだと訴える。

彼女は近くにあった布で鼻をかむが、それは益次郎のブリーフだった。

伝言を受け、橋の下に行った翠は、待ち受けていた良吉に襲われる。

伝言は、彼女を誘き寄せるための嘘だったのだ。

翠は、悔しさに泣きながら、益次郎の家までやって来るが、そこで耳にしたのは、益次郎に泣きついている京子の声だった。

その声を誤解した翠は、急いで逃げ出す。

その頃、美津江はおでん屋「赤すずめ」に乗り込んでくる。

黄もやって来たので、直吉は脳卒中で倒れた村雲を運んでくれと頼む。

そこに女将の八重が出て来たので、美津江と取っ組み合いの喧嘩になる。

そんな中、お品の家には借金取りのヤクザが押し掛けていた。

豚の毛はんの借金のカタに、この借家を取り上げると言うのである。

しかし、お久仁は妊娠していた。

太陽理髪店にやって来た益次郎は、翠がいなくなっている事を知る。

その翠は、泣きながら電車に乗っていた。

天台院には、又、鶴子がやって来て、「こつまなんきん」や「悪名」で名高い東吾に、自分を弟子にしてくれと売り込み、処女作を読んでみないと弟子には出来ないと言う東吾に、自信ありげに、それまで書き溜めていた「体験小説」なるものの原稿を見せる。

そして、三作目は、小説家と女弟子との関係について書こうと思っていると、東吾の妻(中北千枝子)の前であるにもかかわらず、ヌケヌケと言う。

伊之助の家には、鬼虎(福山博寿)が挨拶に訪れていた。

豚の毛はんが、奈良で博打をやり、すってんてんになったので、その取り立てに来たと言うのだ。

その頃、当の豚の毛はんは、「赤すずめ」で、家を失うお久仁やお品をどうすれば良いか、そこで飲んでいた松や伝公、直吉らに相談していた。

すると、いきなりからくりの伝公が、俺に任せてくれと言うと、その場から119番に電話を入れ、行き倒れがいると通報する。

そこへ、黄が、おりきはいないかと探しに来る。

そのおりきは、河原で、良松と昼間から抱き合おうとしていた。

夫の黄が浮気をしている事が分かったので、おりきは、自分も浮気して復讐してやると言うのである。

ところが、二人が事を始めようとした瞬間、どこからともなく、八尾市消防本部の救急車のサイレンが近づいて来るではないか。

見ると、対岸にお品が倒れている。

それを、救急隊員が収容してどこかへと運び去って行く。

その様子を、近くに身を潜めていた松と豚の毛はんが見つめていた。

母親を無理矢理病院送りにされたパア太郎は寂しがるし、気の毒がってお久仁も涙していた借家に、事を終えた豚の毛はん、直吉、伝公らが帰って来るが、その直後、お久仁が腹が痛いと苦しみ出す。

ぱあ太郎は、伊之助の家に駆け込み、助けてくれと頼む。

すると、伊之助は、金を渡して、別の病院に連れて行けと言う。

お久仁を椿医院に連れ込んだパア太郎は、自分の命と交換してくれと菊子に頼む。

小さな頃からバカにされて来たパア太郎にとって、いつもパア太郎さんと呼んでくれ、アホと言う事がなかったお久仁の事が大好きだったからだ。

お久仁の体を調べた菊子は、素人堕胎の処置法が悪かった事が原因と知る。

事情を知ってやって来た鶴子は、お久仁のために着物を渡す。

松や伊之助も椿医院にやって来て、菊子に金を払おうとする、

菊子はいらないと言うが、伊之助はメンツもあり、取っておけと押し返し、金を互いの手に押し付けあう。

その押し問答を観ていた松は、仲直りの握手やなと言う。

一瞬照れた伊之助だったが、割切ったように、菊子に対し、もういっぺん握ってくれと手を掴む。

その頃、素人堕胎の商売が出来なくなったおりん婆さんは、大阪駅の前でチラシ配りの仕事をしていた。

彼女は通りかかった学生服の男を与太郎!と呼び掛けるが、それは人違いだった。

そんなおりん婆さんに声をかけて来たのは益次郎だった。

そして、東京で与太郎に会った事を教える。

そのおりんの口から、あの翠が、土地の娼婦に身を落としている事を知った益次郎は、すぐに迎えに行く。

彼女を見つけた益次郎は、一緒に帰ろうとすすめるが、翠はすねたように、今の自分に信じられるのはお金だけだと言い返す。

そんな翠を、益次郎はぶつのだった。

そして、京都の大親分に買ってもらったと言う彼女が来ていたコートを引きちぎる。

翠は、怨むように益次郎を睨むと、先生は間宮京子を好きなんやと詰め寄る。

それを聞いた益次郎はあっけに取られたように、京子だったら、見合い結婚したよと教える。

ここを抜けるには、親分の許しがいると言うおりん婆さんや、他の娼婦に向い、本名を名乗った益次郎は、文句があるんだったら、天台院に来てくれと言いおいて、翠を連れて帰るのだった。

その後の天台院、今回のもめ事の関係者たちが全員顔を揃えていた。

そんな皆に向って、東吾は、罪深いと思うものは手をあげるよう命ずる。

すると、出席者全員が手をあげる。

お久仁の相手は誰だ!と東吾が聞くと、おずおずと豚の毛はんが進みでる。

東吾は、ただほど高いものはないと言い、お久仁の治療費一切持ち、さらにパア太郎の世話もしろと言い聞かす。

そのパア太郎は、母親を放ったと自ら懺悔する。

東吾は、母親のお品は、市立病院の201号室に入院しているので、連れて来いと伊之助に命ずる。

鶴子を共同で囲っていた村雲は、脳硬塞で、今や半身が自由にならなくなったと言う形で天罰を受けていた。

良松には、村から出て行けと命ずる。

そうした談義をしている最中、烏丸組の烏丸金次(曽我廼家明蝶)と名乗るヤクザ風の男が乗り込んで来る。

店から、益次郎が連れて行った翠を返せと言うのだった。

それに応じたのは、伊之助だった。

その伊之助に、自分は会津の小鉄の血筋だと啖呵を切って凄む金次だったが、その顔をまじまじと観ていた鶴子が、昔会った事がある男やと言い出す。

自分が書いた体験小説を読み出すと、そこには、自分の事をガダルカナルの生き残りだの、アフリカの外人部隊にいただの、嘘八百を並べていたが、実態は、ケチで助平なだけの小物だったと言うのである。

それを聞いて青ざめた金次は、すっかり恐縮して、実は自分も河内の出身者なのだと頭を下げる。

それに対し、付け焼き刃はあかんと言う事やなと皮肉った東吾は、体を売ると言う事は、心を守る大切なものを自ら汚すようなものだと、翠を諭す。

さらに、万吉に対しては、何でも屋はあかんと叱る。

パア太郎は、僕にはお久仁がいると、嬉しそうに呟く。

それを観ていた益次郎は、パア太郎はキリストやとほめる。

その後、天台院は、いつものようにどんちゃん騒ぎの酒盛になる。

そんな中、翠を連れ河原にやって来た益次郎は、これからは一緒に泣こうと求婚する。

その言葉を聞いた翠は、感激のあまり泣き出す。

パア太郎は、お久仁の二人の子供を連れて来ていた。

朝方、ホイッスルを吹きながら走る益次郎の横には、一緒に走る翠の姿があった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「みみずく説法」から始まる、今野東吾ものの4作目。

それまでの3作では、森繁久彌が東吾を演じていたが、本作では進藤英太郎に替わっているが、進藤の東吾役も、それなりに似合っているように思える。

足の悪い松を演ずる中村是好や、豚の毛はんを演ずる織田政雄らレギュラー陣も出ているが、全体としては、 フランキー堺と伴淳が物語の中心になっている印象で、二人が顔をあわせるシーンでは、あたかも「駅前シリーズ」のような雰囲気さえある。

それまでの3作が、どちらかと言うと、たくましい地方人の生活振りを描く艶笑譚エピソードの羅列だったのに対し、この作品では、先生と教え子の愛情のもつれなど、ちょっとモダンな感覚が加わっており、ちょっと印象が変っているのも確か。

茶川一郎演ずるパア太郎も、なかなか味わいのある存在になっており、話の後味は悪くない。

口先三寸で調子の良い偽大学生を演ずる藤田まことや、池内淳子演ずる色っぽい女医さんも印象的。