TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

地平線がぎらぎらっ

1961年、新東宝、藤原審爾原作、内田弘三脚本、土居通芳脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

夜の街、男が暴漢に刺され、パトカーが駆けつけて来る。

別の日、工場近くの草むらで、恋人との逢瀬を終えて帰ろうとした女工が、近くで隠れて見ていた男大平(大辻三郎)に襲われる。

また別の日、波止場に到着した船から降り立った男、通称海坊主(晴海勇三)が、別の男に品物を渡そうと近づいた所を、張り込み中の麻薬Gメンが捕まえる。

また別の日、ガード近くにあるとある事務所に女がやって来る。

その女が、部屋の主らしき男に金を渡し、男が何か品物を渡そうとするが、その途端、ドアが開いて刑事たちが踏み込んで来ると、松田(天知茂)と呼ばれたその部屋の主を連行する。

とあるキャバレー、一人のホステスが客に愛想を振りまいている。

それを横目で見ながら、気が気ではなさそうな様子なのがバーテンの土屋(沖竜次)だった。

彼が見ているホステスは、女房の睦子(万里昌代)だったのだ。

睦子は、そんな亭主の様子など全く気にかけないで、客からかかって来た電話にうれしそうに出る。

刑務所の27号室に、バーテンが看守と共に連れて来られる。

27号室の先客たちは、カポネこと太田(多々良純)、教授こと松田と海坊主、そして色キチこと大平の4人だった。

部屋に入ったバーテンに、色キチこと大平が「挨拶せい」と促す。

勝手知ったかのように、老名主のカポネのそばに近づいたバーテンは、隠し持って来た金を手渡す。

何をやったとカポネから聞かれたバーテンは、かかあにちょっかい出した客の腹に穴を開けてやったと薄ら笑いを浮かべて答える。

その後、賄賂が効いたのか、一番便所に近い隅にいた色キチから、新入りだからここがお前の場所だと言われたバーテンは、逆に相手を殴りつけ、カポネもそれを黙って見ていただけなので、色キチが相変わらず一番悪い場所に座らせられる事になる。

その夜、27号室に寝ていた教授や海坊主らが娑婆が恋しいと愚痴っていると、署内にサイレンが鳴り響き、誰か脱獄を計った事が知れたので、みんなは一斉に窓に近づき、その騒ぎを見ようとする。

しかし、脱獄しかけた囚人は、あっさり捉えられてしまった。

その後、27号室に更なる新入りが連れて来られる。

マイトこと新波(しんば-ジェリー藤尾)だった。

見るからに意気盛んな彼は、カポネに近づくと、彼がくわえていた煙草を奪い取り、勝手に吸い出す。

その一部始終を見ていた部屋の連中たちは、カポネの目の合図と共に、新入りのマイトを袋だたきにする。

しかし、向こうっ気が強いマイトも黙っちゃいない。

食事番が回って来たのに気づいた教授が騒ぎを止め、ムショのしきたりを新米のマイトに教えるが、場所取りなんてくじで決めようと反抗するマイトの姿を見ていたカポネは本気で怒り、またしても袋だたきにする。

その夜、一人起きだしたマイトは、便器替わりのバケツをドラムのように叩き「ぎらぎらっ」と大声で唄いだす。

これには、就寝していた他の5人もたまらず起きてしまうが、マイトの唄は止まらない。

黙らせようと、5人がマイトに飛びかかるが、この騒ぎに気づいた看守に止められてしまう。

マイトは、娑婆に出たら、お前たち全員殺してやるとうそぶく。

堪忍袋の緒が切れたカポネは、布団蒸しをするよう他の4人にけしかける。

それでも、必死の抵抗を続けるマイトは、決して唄を止めようとはせず、決して、他の連中を寝かせないと息巻くのだった。

結局、マイトの唄作戦は80時間以上続き、三日間寝付けないカポネたちは明らかに憔悴し、昼間の作業時間中、他の囚人たちからからかわれるようになる。

教授は、もう少し、若いものに住み良いようにしてやろうと譲歩案を出すが、カポネは、傷をつけずに消す方法はあると、教授にこっそり、毒を所持している事を明かす。

そんな二人は、近くで騒ぎが起こっているのに気づく。

マイトが、他の囚人相手にシャベルを持って暴れていたのだったが、作業中だっただけに、すぐに看守に取り押さえられてしまう。

部屋に戻されたマイトは手錠をかけられていた。

そんな無抵抗状態になったマイトに、カポネは、毒を入れた水を飲まそうと近づいていた。

しかし、その時、海坊主が戻って来て、こいつはダイヤを持っているぞとカポネを止める。

今噂を聞いて来たと言う海坊主の話によると、マイトは金融業殺しの共犯で、その時奪ったダイヤをいまだに隠していると言うのだ。

それを聞いた5人の態度は急変し、マイトにお世辞を言いながら、詳しい話を聞こうとする。

マイトが話す所によると、女に誘われ、逗子に行った所、その女の親父と言うのが金貸しで、戦時中、ダイヤの供出の手伝いをしていたのだと聞いたと言う。

そのダイヤは、別荘の隠し金庫の中に入っており、金貸しはブローニングを出して抵抗したが、俺とジャックでやったと、マイトは自慢げに打ち明ける。

その話を聞いた色キチは女を、海坊主は大量の酒が飲める事を夢想する。

そのダイヤをどこに隠したと聞かれたマイトは、「地平線がキラキラしている所に隠した」と答える。

翌日、作業場に集まった5人は、今後の事を話し合う。

間もなく海坊主が出所するので、彼の妻が、マイトの話の裏を取って伝えに来
ると打ち合わせるのだった。

その言葉通り、海坊主が出所してしばらく後、太田の妻あき子と名乗る女がカポネの面会に訪れ、バイブルを差し入れすると共に、「最近、巷では、全学連が看板を盗んで隠したそうよ」と伝える。

マイトの話は本当だと言う意味だった。

一方、バーテンは、妻の睦子が店を畳んで郷里に帰ったとも伝える。

バイブルの中にはやすりが入っており、海坊主からの伝言は、文字を拾う事で判読できるようになっていた。

いつの間にか、47号室の中でのマイトは上座に座らされるようになっていたが、自分には脱獄を手伝うような奴は何人でもいると自慢し、他の5人の脱獄計画を手伝おうとはしなかった。

夜、視聴覚教育として、所内にクラシックなどが響き渡る中、カポネは、ヤスリを使って、窓の鉄格子を斬ろうとし始める。

バーテンは、そのカポネの乗る踏み台の役目をし、教授はドアの所で見張り、色キチはむしろをほどいて、その藁をより、縄にしていた。

5人が必死に脱獄計画を進める中、マイトはいびきをかいて眠っていた。

色キチが作った縄を、切れかけた鉄格子に結わえ、引っ張ろうとしたカポネだったが、縄は簡単にちぎれてしまい、尻餅をついたカポネは怒って、色キチを殴りつけるのだった。

翌朝、廊下の掃除をしながら、色キチは教授に、マイトが脱獄計画を看守に密告しないかと相談する。

その後、47号室に戻ろうとした5人だったが、なぜか急に別の部屋に変えられてしまったので、よけいに全員疑心暗鬼になる中、焦りだす。

なぜなら、明日の夜、海坊主が刑務所の外に車で待っている事が、バイブルの暗号から分かっていたからだった。

カポネは、チンコロ(密告)した奴が、この中にいるに違いないと言葉に出すが、その様子を見ていたマイトは突然笑い出し、相棒のジャックは無期懲役なので、その分け前分を5人にやろうと思っていたと言い出す。

教授は冷静に、明日の作業帰りに勝負をかける方法があるが、教授料として、自分が3割もらうと全員に伝える。

翌日、屋外での作業が終わり、部屋に戻る行進途中、マイトたちは、他の部屋の囚人たちに対し、無理矢理喧嘩をふっかける。

これをきっかけに、大げんかが始まったので、そのどさくさにまぎれて、27号室の6人は一斉に逃げ出す。

教授は、手持ちのピンで死刑室へ向かう扉の鍵を開け、その中の通路を抜けると、次々と扉を解錠して行く。

死刑室に到着した6人は、絞首刑用のロープを伝い、下に降りると、そこから外に通じる最後の扉に到達するが、そこの鍵が、外側に付いている事に気づき焦る。

その間、喧嘩騒ぎが収束し、看守長(泉田洋志)が、囚人たちの点呼を始めていた。

扉の窓から手を伸ばし、何とか鍵穴にピンを入れようとするが、どうしても届かない。

やがて、カポネが持っていたやすりにピンをつなげれば届くのではないかと気づき、懸命につなげる。

同じ頃、「新波ジロウ」らがいなくなった事が分かり、所内にサイレンが鳴り響く。

ようやく、鍵穴にピンが届き、何とか外に出た6人は、マンホールのふたを開け、ひとまず、その中で夜を待つ事にする。

深夜、海坊主の運転する車が刑務所に近づいて来るが、検問があったため、やむなく海坊主は車を通過させてしまう。

マンホールの中で、それに気づいた6人は焦る。

6人の囚人が脱走した事はすぐに周辺地域に知らされ、警戒を呼びかけるジープが走り回っていた。

カポネらは、何とか街に逃げ込むと、民家から服を盗み、囚人服を着替えるのだった。

しかし、その途中、色キチが、女の声に惹かれ、つい覗き見をした事で気づかれてしまったので、相手を縛って逃げ出すのだった。

やがて、海坊主の妻が経営しているバーに、色キチとマイトがたどり着く。

二手に分かれて逃げていたカポネ、バーテン、教授が、海坊主のバーに近づいた所、外で海坊主が、色キチと対決している現場に遭遇する。

一人、邪魔者がいなくなれば、その分、分け前が増えると言う事のようだった。

今にも殺されそうな状況だった色キチは、他の三人がやって来た事で、油断した海坊主を見て、今までの恐怖の反転からか、めちゃくちゃに殴りつけ殺害してしまう。

海坊主がいなくなった5人は、近くを通りかかった宣伝バスを停め、それを乗っ取って逃亡し始める。

その中には変装用の衣装もあったので、カポネははじめ他の連中を変装させようとするが、マイトがボスだと威張るので、仕方なく自分がチャップリンの姿、色キチがピエロの格好に化ける事にする。

やがて、宣伝バスは警察の検問にぶつかる。

警官が乗り込んで来て、車内の連中を怪しげに見回しだすが、マイトが機転を利かし、持っていた拡声器とつながったテープレコーダーをいじり、大音響の音楽が流れだしたので、うるさがった刑事がバスを通してしまう。

バスが山にさしかかった時、カポネは色キチに、捕まえていたバスの運転手を殺せと命ずる。

他のメンバーたちも死体を埋める穴を掘り始めるが、一人だけボクシングのまねをしているだけだったマイトの姿が途中で消えたので、それに気づいたカポネたちは、逃げられたんじゃないかと慌てふためく。

しかし、マイトは、近くの草むらで用を足していただけだった。

途中、ガソリンスタンドで給油を済ませた後、再び走り始めたバスを運転していたバーテンは、妻の郷里が近くにあるので、そこに寄りたいと言い出す。

断ろうにも、メンバーの中で運転できるのはバーテンしかいなかった。

やがて、バスがとある村にさしかかると、大勢の子供が群がって来て、間の悪い事に、交番の前で立ち往生してしまう。

興味を持った巡査も出て来てしまったので、仕方なく、バスを降りたカポネたちは、子供たちに風船を配り始める。

そんな中、マイトは、子供たちに歌おうか?と話しかけ、童謡を歌い始める。

それをみんなが聞き惚れている最中、交番の中のラジオでは、囚人が脱走したニュースを流していたが、肝心の巡査も外で宣伝カーの様子に気を取られているだけだった。

村を出発したバスは、やがて山道で若い娘三人連れとすれ違う。

その女たちを襲う事にしたメンバーたちの内、くじ引きの結果、カポネとマイトと色キチが車を降り、三人娘に襲いかかる。

突然の暴漢の出現に驚いた娘たちは、めいめい三方向に必死に逃げるが、その内の一人を追っていた色キチは、偶然近くにいた漁師に見つかり、猟銃を発砲されてしまう。

その音の気づいたカポネが漁師を襲い、銃を奪い取ると発砲する。

バスでは、マイトが捕まえて来た気絶した娘と、教授、そして運転役のバーテンが待っていた。

出発しようとしたバスに乗り込んで来たカポネは、猟銃を見せ、今から、俺がボスだと全員を脅す。

面倒を起こした色キチと漁師は、猟銃で射殺して来たと言う。

その頃、バスが給油したガソリンスタンドにまで警察の手は伸びていた。

店員の証言から、バスは横井に向かうと言っていたと、刑事たちは知る。

そのバスは、山野中でエンストを起こしていた。

そんな中、気絶していた娘八重(星輝美)が目を覚まし、一緒にいたスズとハナは置いてきぼりにして来た事、そしてカポネと言う男が自分を狙っているとマイトから教えられと泣き出す。

その頃、バスが立ち寄った村の交番の巡査は、脱獄犯を知らせる本部からの電話を受けていた。

猟銃を持ったカポネを背後に、5人は山道を歩き出していた。

バーテンと教授は、本当にダイヤの埋め場所に向かっているのか懐疑的になっていた。

やがてカポネは、女は俺のものだと言い出すが、マイトは嫌だと抵抗する。

銃を向けられても、俺を殺せば、ダイヤがパーだぜと言うのだった。

その会話を聞いていたバーテンは、マイトの命をかけた姿勢に、彼の誘導は間違いないと確信する。

その気迫で、カポネから銃を奪い取ったマイト、その隙を見て、バーテンと教授はカポネに襲いかかる。

マイトに同行して来た八重は、トランジスタ工場で勤めていると打ち明け話をし始める。

後ろから付いて来た、カポネ、教授、バーテンの三人に猟銃を向けたマイトは、金輪際、女に手を出さないかと確認する。

その頃、刑事たちは、乗り捨てられた宣伝バスの所まで迫っていた。

刑事たちは、バーテン土屋の女房の家が、この近くの横井村にある事を知っていた。

その横井村に向かって、建設会社のトラックを盗んだ一行は向かっていた。

荷台に乗せられたカポネと教授は、きっと警察が張っているから止めろと制止するが、運転していたバーテンは聞こうとしない。

やがて、車が河口と横井村への二股に到着すると、ダイヤを埋めた所は夕日がギラギラする所だったから、村の方に行けと命じる。

横井村では、ちょうど村祭りの最中だった。

バーテンは、運転席を降りると、すぐに睦子の実家へと急ぐ。

その間、般若の面をかぶって、祭りに混じったマイトに付いて来た八重は、責任とってよと迫る。

マイトが何もしていないと答えると、男はみんなそうだと八重は言い返す。

そんな八重を放っておいて、太鼓の音に心動かされたマイトは、自ら太鼓を打たせてくれと名乗り出る。

教授とカポネは、その間、面をかぶって警戒しながら、民衆の中で隠れているしかなかった。

その頃、睦子の母親(津路清子)は、家にやって来た駐在から、脱走したバーテンが実家に立ち寄るかもしれないと知らされていた。

その駐在が帰った後、家に入った母親は、そこに当のバーテンが入り込んでいた事を知り驚愕する。

バーテンから、睦子の居場所を聞かれた母親は、今、祭りに行っていると答える。

その祭りでは、太鼓を打ち鳴らしていたマイトに、にっこり八重が微笑みかけていた。

やがて、睦子が情夫(中岡慎太郎)と一緒に帰って来る。

待ち構えていたバーテンはそんな二人の様子を見て逆上し、包丁を持って、睦子に襲いかかる。

マイトはもう、夢中になって太鼓を打ち鳴らしていた。

バーテンから追いかけられた睦子は、火の見やぐらのはしごを登ると、半鐘を打ち鳴らす。

その音を聞きつけた村の消防団が、火元を探して祭りの中から走り出す。

その騒ぎに驚いたマイト、カポネ、教授たちは、どさくさにまぎれて一斉に逃げ出す。

マイトは、免許はないが自分が運転すると、強引にトラックのハンドルを握ると出発する。

バーテンは、やって来た消防団立ちに追われ、水郷の中で捕まる。

マイトが運転するトラックは、ぬかるみにタイヤを取られてしまい動けなくなったので、草むらに降り立ったマイトは、足首をマムシに噛まれてしまう。

八重は、応急処置をするが、毒が回ったら半日持たないと言い出す。

しかし、医者を呼ぶ訳にもいかず、カポネと教授は、苦しむマイトを両脇で抱え、無理矢理歩かせる事にする。

たまらず、八重は医者を呼んで来ると村に向かう。

警察医知らせられると、カポネは猟銃を八重の背中に向けるが、それを教授が止める。

気を失いそうになるまいとにいら立ったカポネと教授は、必死にマイトの顔を殴りつけ、ダイヤの在処を聞き出そうとする。

しかし、マイトは、平気な顔で、ダイヤはおめえらの足下にあるとつぶやく。

さらに、下記が食いてぇ…と意味不明なことを言うのを聞いた教授は、柿の木の下に埋めたと言う事だなと気づき、マイトを担ぐと、さらに前進する。

その頃、八重は老医師(林寛)を連れて戻って来ようとしていた。

やがて、カポネと教授は、一本の柿の木が生えている場所を見つける。

マイトに、どこに埋めたのか確認するが、もうマイトに答える気力はなかった。

カポネと教授は、丘を登り、柿の木の下にたどり着くと、適当に穴を掘り始める。

マイトは、斜面で寝かされているだけ。

マイトに何とか、場所を聞き出そうとするカポネは、必死に穴を掘っていた教授を猟銃で射殺すると、これでダイヤは、お前と俺のものになったと、マイトの耳元につぶやく。

しかし、それにかろうじて答えたマイトの言葉は意外なものだった。

あの話は全部嘘だったと言うのだ。

その言葉に逆上したカポネは、倒れているマイトの身体を蹴り付けると、近くにあった石を抱え上げてマイトの身体に落とそうとした。

その時、背後からカポネは撃たれて倒れる。

しんだと思っていた教授が、最後の力を振り絞って、猟銃の引き金に手を伸ばしていたのだった。

八重が、老医師と共に近づいて来る中、教授もカポネもすでに息はなく、マイトの死に顔は笑っているようだった。

ギラギラした夕日が、今まさに沈もうとしていた。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ジェリー藤尾が主役と言うのも珍しいが、これが新東宝作品であると言うのも意外感がある。

脱獄ものの要素も含まれている犯罪者サスペンスとでも言えば良いのだろうか?

鼻っ柱が強く、海千山千の大人たちに相手に一歩も譲らない、がむしゃらでパワフルな若者をジェリー藤尾が良く演じている。

そのマイトに、最後まで振り回される悪人たちを演じている天知茂や多々良純などの存在感も見事。

後半、彼らに同行する紅一点八重の、これまた開けっぴろげなキャラクターも印象的である。