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日本一の裏切り男

1968年、東宝+渡辺プロ、早坂暁+佐々木守脚本、須川栄三監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

昭和20年8月15日、特攻に向う隊員たちが整列する中、隊長の大和武(ハナ肇)は、ラジオの玉音放送を聞かせていた。

しかし、電波状態が悪いのかラジオの調子が悪いのか、流れて来る言葉はほとんど聞き取れず、その意味を全く解しないまま、特攻兵日の本太郎(植木等)は、木製の飛行機に乗って飛び立って行く。

それを見送る女学生の中に、太郎に体を捧げた日美子(浜美枝)もいた。

見送る大和隊長の元にやって来た部下の多々羅(熊倉一雄)は、今の玉音放送は、無条件降伏をして戦争が終わった事を知らせる内容だったと知らせる。

それを聞いた大和は慌て、今飛び立った日の本に無線で知らせろと命ずるが、木製の飛行機には無線を積んでいなかった。

空を飛んでいた太郎は、持っていた操縦桿は外れるし、すでに空中で機体があちこち分解しかかっている事に気付き、飛びながら体を乗り出し、あちこちを修理しようとしていたが、その状態のまま、アメリカ軍の戦艦にぶつかって甲板に墜落してしまう。

操縦席から這い出して来た太郎に近寄って来た米兵たちは、皆にこやかで、日系二世らしきジョージは、戦争は終わった。私たちは友達ですと言って来る。

しかし、訳が分からない太郎は、いきり立った気持ちのまま、その場で切腹をすると言い出し、廻りに集まった大勢の米兵たちはそれを止めるどころか、興味津々と言った顔で、早くやってくれとせがむ。

困った太郎が、刀がないと言うと、誰かがナイフを投げて来る。

一応、それを手に取り腹に当ててみた太郎だったが、さすがに怖じ気付き、正式には紙が必要だと言い訳するが、そこにすかさずトイレットペーパーが飛んで来る始末。

仕方なく、それでナイフを包んで腹に持って行った太郎は、正式ではないが、医者と看護婦を呼んでくれと、弱音を洩らすのだった。

昭和20年8月30日、厚木基地にマッカーサーが降り立ち、その後ろからもう一人の男が飛行機から降りて来る。

日の本太郎だった。

焼跡で、水を飲もうとしていた太郎は、何やら荷物を担いで逃げている一団を見つける。

その中の一人(加藤春哉)が言うには、軍の隠匿物資なので誰にも文句は言われないらしい。

その倉庫に入った太郎が背負って来たのは、二宮尊徳像だった。

一方、日美子の方はパンパンになっていた。

先輩(塩沢とき)からどぎつい化粧をされ、言われた通りに、無我夢中でやって来た男にしがみついた日美子だったが、こわごわ相手の顔を覗き込んで驚愕する。

何と、特攻で死んだはずの太郎だったからである。

そこへ、パンパンを捕まえる警察が乱入して来て、日美子は捕まってしまう。

奇妙な倉庫のような所に逃げて来た太郎だったが、やがて、釈放されたと言う日美子が戻って来て、いきなり太郎の首を締めようとする。

自分は、太郎が死ぬと思っていたので体を捧げたのであり、生きていてもらっては辻褄があわないと言うのである。

二人がもめあっていると、その倉庫の奥に巣食っていた連中に捕まってしまう。

そのボスらしき男の顔を見た太郎は目を見開く。

戦争が終わったにもかかわらず、自分を特攻に行かせた張本人、大和武隊長だったからである。

今は口ひげをはやして、おかしな大阪弁など使っているが、その顔に見間違うはずもなかった。

最初はとぼけていたが、すぐ横に同じ部隊にいた多々羅が側にいたので、正体を隠せないと悟った大和は、自分達はまだ降伏していない。反撃の機会を待っているのであり、その日の為に金儲けをしているのだと説明し、倉庫の奥に隠匿していた大量の食料類などを太郎に見せるのだった。

一応その言葉を信用し、仲間になる事にした太郎は、街に出ると、あの二世のジョージと再会したので、又、ハラキリショーをやると言う。

そして、とある店に米兵を集めている間、倉庫の大和の元に行くと、MPが来たので、すぐさま逃げてくれ、自分が隠匿物資を見張っているからと伝える。

大和とその仲間たちが、梯子を伝って逃げ出した先は、ハラキリショーを見るために集まった米兵たちが入る部屋だった。

その頃、太郎の方は、荷車に物資を全部積み込むと、スタコラ逃げ出していた。

その物資を売った金で、腹一杯、闇市の雑炊を食べる太郎。

その横には、しっかり日美子が付いていたが、彼女は店主(小沢昭一)から雑炊を勧められても、全く興味も示さなかった。

まだ、自分を殺そうとしている日美子から逃げ出した太郎は、大金の詰まった鞄を持って掘建て小屋の中に逃げ込むが、追って来た日美子は、その小屋の入口に外から突っかい棒をして閉じ込めてしまう。

その中で、太郎を餓死させようとする作戦のようだ。

閉じ込められた太郎は、必死に地面を掘って外に逃げ出そうとするが、出たと思えば、そこはパンパンと米兵が抱き合っている部屋だった。

又、何日も掘り進めていた太郎は、餓死した身内の葬式を行っている部屋に出てしまい、その焼香を済ませた後、表に出てみると、そこは冬だった。

太郎は、髪もヒゲもぼうぼうの状態になっていたので、床屋(いかりや長介)に切らせた後、金を払おうと鞄から札を取り出すと、そんな古い金は使えないと言う。

床屋が言うには、一昨日、マッカーサーの命令で新円の切り替えがあり、昔の紙幣は紙屑同然になったと言うのだ。

太郎は呆然となり、持っていた鞄の中の紙幣を、その場に全部ぶちまけるのだった。

昭和25年6月、朝鮮戦争勃発

パチンコ屋に入った太郎は、自分が座った台が良く出ないので、店員を呼出すと、上から顔を出したのは、何と日美子だった。

久々の再会だったが、日美子は最近、玉の原価が値上がりしており、この商売も儲からないと嘆く。

取りあえず、釘を甘くしてくれと頼み、再びパチンコを始めた太郎だったが、見る見る出玉を入れたケースが積まれているのを見つけ、近づいて来たのが、武蔵野組の田熊(名古屋章)だった。

田熊は、タバコの火を貸してくれと言いながら、太郎の服のポケットから磁石を見つけだすと外に連れて行く。

そこにやって来たのが、今や大和組の親分となった大和武だった。

田熊から、親分の女に手をつけて男だと言われた太郎は驚く。

いつの間にか、日美子は大和の女になっていたらしい。

大和のねぐらに連れて行かれた太郎だったが、今、パチンコの景品交換をしてるらしい大和組の様子を見て、こんな事をするよりも、もっと儲かる仕事があると言い出す。

それでも子分たちに縛られ、チェーンソーの餌食になる寸前だった太郎だったが、大和が寸前に止める。

やはり、太郎の言葉が気になるらしい。

しかし、太郎も用心深く、仕事の話をした後、殺されたのではたまらないと、なかなか口を割らない。

その様子を見た大和は、自分の今でも変らぬ気持ちを見せてやると、上着を開き、腹に巻いた日章旗を見せる。

それを見た太郎は、一応、大和を信用する事にし、今、パチンコ玉の原価が売り値と同じになっている事を教える。

つまり、パチンコ玉を買い占めれば、たちまち売り値も釣り上がり、今、一個2円の玉が、すぐに3円、4円になり、百万個買うと百万円、一千万個買うと一千万円、一億個買うと一億円儲かると言うのだ。

再び先ほどのパチンコ屋にやって来た太郎は、子分の八(常田富士男)といた田熊に、大和組がお前たち武蔵野組の悪口を言っていたと告げ口をする。

大和の所に戻って来た太郎は、逆に、武蔵野組から挑戦状をもらって来たと伝える。

かくして、一発触発の危機を迎えた二つの組は、ガード下の角で対峙しあう事になるが、最後の交渉をやって来いと大和からせかされた太郎は、武蔵野組の元に行き、大和組は今、怖じ気付いているから、攻撃するチャンスだとけしかける。

戻って来た太郎は、今の裏切り行為を上から監視していたスパイ(二見忠男)がいた事を大和から知らされ、全て見透かされた事を知る。

太郎を捕まえた後、自ら進みでた大和は、武蔵野組の親分(渡辺篤)に、互いに手を組んで、儲けを山分けにしないかと持ちかけ、武蔵野組もそれを了承する。

二宮尊徳像と共に、パチンコ玉が集められた倉庫内に縛られていた太郎の元にやって来たのは日美子だった。

窓から、今、両方の組の親分は金の勘定をしている所だと報告する彼女から、ライターを投げてもらい、それで縛られていた紐を焼き切った太郎は、水洗便所を流し、そこから大量のパチンコ玉を下水管越しに川に浮かべた船に流し込み、自らも、それに乗って逃走しようとする。

しかし、橋の上からその姿を見ていた日美子は、朝鮮戦争は終わったので、もう金属は必要なくなり、パチンコ玉も価値がなくなったのだと叫ぶのだった。

昭和34年4月、皇太子御成婚

傷痍軍人に身をやつし、電車の中で金を集めようとしていた太郎は、着物姿の日美子とまたまた再会する。

彼女に付いて行った太郎は、彼女が駅前に、あの二宮尊徳像を飾ったバー「金次郎(かねじろう)」と言う店を開いた事を知る。

日美子は、太郎に、この店のマスターになって、一緒に生活しないかと誘って来るが、その最中に、店の壁が押しつぶされ、外からショベルカーが乗り込んで来る。

駅前広場は国有地なので、直ちに立ち退くようにと拡声器で怒鳴りながら、その辺一帯の店を潰そうとしていたのは、今は建設会社大和組の社長になった大和と子分の多々羅らだった。

その強制的な暴挙に抗議し、周辺の店のママ連中がその場に座り込みを始めたので、大和らは一旦退却する事にする。

太郎は、今こそ一致団結して戦おう!とママ連中をけしかけ、デモ行進を始める。

その様子を見て感動したのが、近くを通る別のデモに参加していた学生二人(加藤茶、仲本工事)だった。

昭和35年3月 安保反対運動激化

デモの中継をするテレビの中継車の中では、アナウンサー(古今亭志ん朝)が、激しい投石の様子をい伝えていたが、屋根を突き破って振って来た大きな石に潰されてしまう。

警察に捕まり、三の丸署の牢に入れられた太郎だったが、見回りに来た警官(荒井注)が通り過ぎると、一緒に捕まっていた先ほどの学生たちが、未組織の婦人たちをまとめた偉い人物だと誉め称えたので、あちこちの牢から太郎を賞賛する拍手が巻き起こる。

日美子らと共に、ほどなく釈放されたので、店に戻って来ると、もう付近一帯のバーは全て取り壊されており、それを見たママたちは、一斉に太郎をなじる。

その頃、大和建設の会議室では、大和が、オリンピック道路の候補地の地図を前に、我々には8月15日はない、請け負った仕事は、手を抜けるだけ抜いて儲けようと社員たちを鼓舞していた。

その時、急に停電になり、電力会社に連絡を取ろうとしていた時に、早くも、その関東電力を名乗る男がやって来て、会議室に潜り込むと、ヘルメットに取り付けた小型カメラで、オリンピック道路予定地の地図を盗み撮りし、すぐに退散する。

電気は、ほどなく点灯するが、侵入した男とは日の本太郎だった。

その後、大量の二宮尊徳像をリヤカーに積んだ太郎は、その道路予定地を回り、そこに住んでいる農家の住民(柳家小せん)に、バー「金次郎」用の土地を買い受けて行く。

バーは形だけの小さなものだったが、その数は36箇所にも及び、やがて、大和建設は、それら一軒につき1000万、しめて3億6000万の立退料を支払わなければ、道路工事が出来ない事を知る。

日美子は、今回のアイデアを思い付いた太郎を、一生離さないと言い出していた。

その後、会社にやって来た太郎に、敗北を認めた大和は金を払うと言い出す。

しかし、金庫に入った3億6000万を一人ではもって帰れないだろうと多々羅が嘲ると、日美子らバーのママたちが一斉になだれ込んで来て、あっという間に、札束を持ち去ってしまう。

その後を追うように、大和建設を後にした太郎だったが、残っていた女が、日美子は金を持って逃げたと言うではないか。

してやられたと、その後を追って行った太郎だったが、実は日美子はその近くに隠れていたのだった。

しゃくに触った太郎は、ちょうど道路を走っていた聖火ランナー(小松政夫)の手から、聖火を奪い取ってしまう。

その後、太郎は、オンボロセスナに乗っていた。

時は、昭和元禄、今の事であった。

そのセスナを飛行場に着陸させた太郎は、予約客の夫婦(なべおさみ)に、九州でようやく見つけたと、その場で売渡すと、今度はミニバイクで草むらに向い、赤とんぼを採ると、それを都会の子供に売りに行く。

さらに、崖をよじ登って、高山に咲く一本の花を採取すると、それを学生運動華やかりし学園の生物学研究所に売りに行くのだった。

今の彼の仕事は、「オールセル社」と言う、客の求めるものなら「何でも売る」仕事だった。

一人の会社に戻って来た太郎にかかって来た新たな注文の電話は、二宮尊徳像を欲しいと言うものだった。

それなら得意中の得意と、すぐさま、指定の屋敷に持ち込んだ太郎だったが、その豪邸の持主は、何と日美子だった。二宮金次郎像は、太郎を誘き寄せるための口実だったのだ。

意外な事に、その屋敷には、大和もいるではないか。

太郎に3億6000万奪われ、会社を潰した大和は、今では、その奪った金を元手に宝石を買って大儲けした日美子の執事をやっているのだと言う。

すっかり弱気になった大和は、太郎の会社で雇ってくれないかと持ちかけて来る。

その後、大和と共に戻った「オールセル社」に再び日美子から電話があり、すぐに承知した太郎は、今、この会社を日美子に売ったと大和に教えるのだった。

かくして「オールセル社」は、日美子を社長とする大会社になる。

今、「オールセル社」は、未来製薬からの注文で、フランスから飛行船を取り寄せた所だった。

その飛行船を観に来た未来性役の宣伝担当者(犬塚弘)だったが、太郎や大和の元にやって来た多々良が、肝心な空気を入れる弁を購入するのを忘れたので、このままでは飛ばないと耳打ちして来る。

焦った太郎と大和は、何とか打開策はないものかと考え、国内にもう一隻だけあった日立「キドカラー」の飛行船から、空気弁を盗み出そうと言う事になる。

飛行船の係留場所に忍び込んだ太郎や大和らは、全員手分けして空気弁を探そうと、「キドカラー号」の周辺をうろうろしていたが、その最中に係留していた紐が外れてしまい、飛行船は飛び立って行く。

飛行船の中には、大和一人が乗り込んでいた。

飛行船は都心部に向い、紐に捕まった大和の様子は、マスコミ中に取り上げられてしまう。

会社に戻って来た太郎は、日美子と共に、今回の騒動の全責任は、大和に負ってもらおうと相談する。

東京上級を彷徨っていた飛行船だったが、やがて、その紐にぶら下がっていた大和は、東京タワーのてっぺんにしがみつき、ようやく地上に降りる事ができる。

その頃、日美子はすっかり社長業に飽きており、専務の太郎に、私に何か生き甲斐を売ってくれと迫る始末。

そんな所に新たな電話注文があり、何と、参議院議員を一人、5000万で売ってくれないかと言う。

それを聞いた太郎は、うってつけの人物がいると言う。

先頃、飛行船事件で日本中に顔を知られた大和を政治家に立候補させれば、絶対当選すると言うのである。

部実の判決を受け、釈放された後、テレビに呼ばれ、司会者(牟田梯三)との対談をする事になった大和は、その場で立候補の表明をする事になる。

大和が釈放された代わりに、自ら名乗り出た太郎が、飛行船事件の真犯人として拘留されていた。

面会に来た日美子は、今回の交替劇が、太郎が自分から逃げ出すための作戦だった事が分かったので、3億6000万の保釈金を積んで、たった今釈放させたと伝える。

テレビのコマーシャルなどにも頻繁に顔を出すようになった大和は、参議院選挙で見事当選する。

その秘書になった太郎は、早速やって来た農業関係者(小川安三ら)の陳情などに、米価を倍増する約束をさせる。

アポロが月から石を運んで来て、1970年、安保改定で世論は二分していた。

アイデアマン太郎を失った日美子の「オールセル社」はすっかり傾き、会社中のあらゆるものが差し押さえられていた。

日美子は、議院秘書になった太郎に電話をすると、今すぐ帰って来なければ、釈放を取り消すと脅していたが、太郎は言う事を聞こうとしなかった。

今や、大和の議席は、与野党共に必要とされる重要なポジションになっていた。

野党側の使いから多額の金を受取り、太郎の言いなりに再軍備反対を約束させられた大和だったが、その後、与党の幹事長(藤田まこと)からも多額の献金を受取ると、手を裏を返したように、再軍備賛成と言わせられる。

両陣営から金をせしめ、ほくそ笑む太郎とは裏腹に、大和本人は、そんなロボットのような立場に嫌気を感じ、何とか自分なりの意見を国会で投じようと秘かに意気込んでいた。

そんな二人に会うために、国会に乗り込もうとしていたのが日美子だったが、入口を固めている警官隊とそれに対峙していた学生デモ隊の狭間で動きを止められてしまう。

そんな中、別の用事で偶然紛れ込んでいたドジな警官(高木ブー)と共に、混乱に乗じて、何とか議事堂内に侵入する事に成功する。

国会では、大和が、再軍備して、再び強くなろうと主張していた。

一人、金の入ったバッグを持ってそんな国会から逃げ出そうとしていた太郎は、やって来た日美子に見つかり、国会内を逃げ回る事になる。

国会の中は、再軍備反対、賛成の両陣営がもみ合いの大混乱になっていた。

そんな国会内に紛れ込んだ太郎の持ち込んだバッグの口が開いてしまい、議長席付近で飛び交う札束を議員たちが奪い合う騒ぎになる。

太郎を捕まえようと乗り込んで来た日美子の手に、追って来たドジ警官が手錠をかけてしまう。

結局、再軍備決定になってしまった国会議事堂の屋根のてっぺんによじ登った太郎は、観客に向い、こんな国でも、結構楽しい事もあるよ。日本列島売った!と叫ぶ。

その下の方から、私を売らないで〜と叫ぶ日美子の声。

笑う太郎の口に、「終」の文字が飛び込み、慌てた太郎が吐き出すのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「日本一の〜」シリーズ第6弾。

調子の良い主人公が、口八丁手八丁で世の中を渡って行く基本路線は同じだが、本作では、戦後史を絡めた社会風刺劇の色合いが濃くなっている。

歌のシーンなども減っており、ただただ脳天気に楽しめた初期の頃とは、かなりイメージが違っている。

冒頭の特攻機が飛び立つシーンなどは、ミニチュアなどではなく、他の戦争映画の流用なのか、ちゃんと実物大の航空機が複数並べられてあったりで、全体的に、それなりの予算を投じている事が伺える。

物語を通じて登場する二宮尊徳像は何を意味するのか?

敗戦を受け入れられず、再戦の機会を待っている(?)、ハナ肇演じる大和武と言う人物も、何やら意味ありげである。

徹底したナンセンスファンタジーから、もう一歩、考えさせる要素を取り込んだこの物語は、観る人によって、評価も変って来るだろう。

ドリフターズの面々が全員登場しているのも楽しい。