1940年、東宝東京、北村小松原作+脚本、木村荘十二脚本+監督作品。
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中国戦線、早朝、基地を出発する日本の爆撃機一機。
地上が遠のき、地平の彼方には太陽が出て来る。
搭乗員たちは、景気付けに軍歌を唄う。
窓から、外の景色を写真に撮る者もいる。
6時20分、分体長が、搭乗員全員に戦闘配置に付けの命令。
爆撃機から、ハンドル式で二ケ所の機銃座を外に迫り出す。
敵基地に接近、右旋回しながら爆撃開始。
その様子を、又、写真におさめる。
分隊長に全弾命中と報告。
その成果を通信で知らせるが、その直後、敵の双発機が接近して来て、機銃掃射を浴びせられる。
機体内部のパイプが破損、機銃座で応戦中の葉山が、弾倉を取り替えている途中に撃たれてしまう。
さらに尾翼も撃たれ、損害を受けてしまう。
破損したパイプを修理する一方、負傷した葉山を機銃座から引っ張り上げ、応急処置をする。
その後、葉山は、這って無線機の所までやって来るとヘッドホンを掴み、その場に倒れる。
片翼のエンジン部分も損傷している事が判明。
葉山、必死に伝聞を書き留めている。
それには、友軍機が来ると言う知らせが書いてあった。
やがて、2機の友軍機が横に並んだので、手を降って合図をする。
目の前には、山脈が迫る。
急降下の姿勢で、エンジン部の火災を止めようとした作戦が巧くいき、日は完全に消える。
しかし、操縦が思うに任せない状態なので、できるだけ期待を軽くしようと、荷物は全て捨てるように命じられる。
何とか、機体が浮上し、山への正面衝突は回避される。
やがて、基地が見えて来るが、今度は車輪が片方出ない事に気付く。
このままでは、バランスを崩すと判断、正常な車輪もパンクさせようと、拳銃で狙うが当らず、結局、機銃掃射でパンクさせる事に成功。
両輪を失った状態で、胴体着陸を決行、何とか、無事生還を果たす。
整備士たちは、良く帰って来てくれたと喜んで迎える。
後日、分隊長は、病院テントに収容された葉山を見舞う。
葉山は、次の出撃に参加できない事を悔しがるが、分隊長は、又いつでも機会はあると慰める。
その後、次の出撃命令が下り、分隊長らは、次の任務遂行の為、飛び立って行くのだった。
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国策映画であるが円谷英二が始めて特撮を手掛けた東宝戦争映画。
戦後、全て廃棄処分されていたと思われていた作品だが、今回、16mm短縮版が関西のコレクター宅から発見された。
フイルムの劣化(鑞化)が著しかったが、「復元委員会」が中心となって再現したもの。
本来の長さは79分だが、今回上映出来た部分は47分のみである。
敵空港を爆撃に出発した爆撃機が、作戦に成功するも、敵機の迎撃に遭遇、片翼エンジンをやられながら、無事帰還できるか否や…と言った内容。
爆撃機の内部セットとスクリーンプロセス、実写フィルム、ミニチュア特撮を巧く編集した短縮版で、なかなか良く出来ている。
敵機や敵基地、山並みなど、明らかにミニチュアと分かる部分と、途中で挿入されている実際の航空映像と判別できない部分もある。
前半の敵機との空中戦は、「SW」のタイファイターをルークとハン・ソロが迎撃する所にそっくりだし、後半は「コン・エアー」っぽい。
画像は、かなり再現されているが、残念ながら音が聞き取りにくく、何を喋っているのか、半分くらいしか分からないのが残念。
断片的な映像なのではっきりした事は言えないが、ドラマはシンプルで娯楽に徹しており、特撮部分は、初期の円谷作品としては、かなり良くできた一本ではないだろうか。
