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飢餓海峡

1965年、東映、内田吐夢監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

北海道で質屋を襲い、殺人放火して逃げたムショ帰りの2人に、茫洋とした大男、犬養多吉(三國連太郎)が同行して本州へ逃げようとする。

しかし、そこで彼等が遭遇したのは、青函連絡船層雲丸の沈没事故救出現場であった。(これは、実際の海難事故、洞爺丸がモデル)

やがて時間が経過し、その海難事故現場で身元不明の2遺体が謎のまま残され、犬養は恐山を通り、青森で一人の娼妓、杉戸八重(左幸子)と出会い、一晩を共にする。

犬養から大金をもらった八重は別れた犬養を慕って東京に出、苦労の日々を送る。
一方、函館警察署の古参刑事、弓坂(伴淳三郎)は地道に犯人を追い詰めていくのだが、手がかりに恵まれぬまま、いつしか時間が経過していった。

そんなある日、八重は、新聞に載ったかつての犬養の顔写真に遭遇する。
しかし、その人物は、舞鶴の食品会社の社長で篤志家の樽見京一郎となっていた…。

後半は、第二の事件の捜査を行なう東舞鶴署の若き捜査官、味村(高倉健)が、いつしか、過去の事件と出会い、今は引退していた弓村とも合流し、共に犯人を追い詰めていく…という展開になっている。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

最後はリドルストーリー風(真相は観客の判断にゆだねられる)になっており、貧困、情愛、執念、色々な根深いテーマが余韻となって残る。

原作者の水上勉が、その後、社会派推理から一般小説に移行していった事からも分かる通り、本作もミステリー趣味が中心ではない。
人間の欲望や哀しい性(さが)を見つめる事が根底にあるように思える。

味村の上司役、藤田進や、八重の父親役、加藤嘉(何故か、後年の「砂の器」と同じような印象)、ちんぴら役で登場する若き日の八名信夫、沢村貞子らの懐かしい顔も発見できる。

3時間を超える長尺ながら、冒頭から緊張感に溢れ、最後までだれる事なく、内容に引き込まれてしまう傑作ミステリー。

三國&伴淳の名演技はいうまでもない。


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