TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

風のかたみ

1996年…といいますから、割と最近の作品だと思うのですが、とんと記憶にありません。
単館公開でもされたのでしょうか?(ちなみに「キネ旬」によると、昨年だけで177本作られた邦画の内、1億円以内の低予算作品は何と140本もあったそうです!…涙)

喜八プロダクション他。
福永武彦原作。
高山由紀子監督。
音楽は東儀秀樹さん。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

時は平安。
信濃から一人の若者、大伴次郎親信(坂上忍)が都へ登るとする途中、小さな寺風の家で一夜を過ごします。

そこには、白衣の怪しげな美女(岩下志麻)と僧衣の男の二人が住んでいて、次郎に暖を取らせるために、仏像をたたき壊して火にくべる姿が異様です。

美女の正体は、白髪の老婆が変身した陰陽師、杜女(もりめ)であり、次郎に一本の笛を授けます。

やがて、次郎は都につき、三条中納言(岸辺一徳)の娘、萩姫(高橋かおり)のそばに仕える事になります。

姫に請われ、次郎が笛を吹くと、萩姫は愛しの君、蔵人の少将、安麿(阿部寛)の幻想を見るのでした。

しかし、一方、その笛の音と共に、都には百鬼夜行の鬼が出現、女遊びから帰る途中の安麿を襲います。

かいつまんでいうと、つれなくされても自らが思いを寄せる男(阿部寛)と、自らを愛してくれる一途な田舎侍、次郎、さらに力づくで自分の身体を奪おうとする悪党、不動丸の3人の男の気持ちに翻弄されるお姫様…という、「女性のロマン(?)」が話のベースですね。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

典型的な今風の低予算独立プロ作品で、形式的な画面ごとの絵的な美しさ以外に、これといった映画的な魅力も少なく、テレビ作品といわれても納得してしまうくらいのレベルでしょうか。

女性にはそれなりに面白い内容なのかも知れませんが、アクションがほとんどないだけではなく、主役を演ずる萩姫と次郎に全く人間的な魅力が感じられない事もあって、物語にのめり込めず、男性にとってはかなり辛い出来になっています。

まぁ、これにアクションが加われば、完全に昨年の「陰陽師」ですね。
(ただ、一応「大作」といわれた「陰陽師」とこの作品に、ものすごい「差」があるように思えないのも確かなのですが…)

杜女があやつる術を表現するために、モ−フィングをはじめ、ビデオ合成のような技術が使用されている所が、特撮ファン唯一の見所でしょうか?(別に大した事はありませんが…)

「身分違いの愛に殉ずれば地獄」…ラストのテーマは、「エピソード2」と同じ?