1966年度、福田純監督、三船プロダクション作品。
オール海外ロケで作られている。
ラスパルナスの港を拠点として操業している、日本の漁船員たちの物語。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
漁獲高の不振を理由に、船長に格下げされた元漁労長(三橋達也)。
新しい漁労長として本社から出向してきた男(三船敏郎)。
元々、船付きの医者として参加していたにもかかわらず、新しい漁労長から、甲板での仕事も手伝わされるようになった青年(田村亮)。
ボースン(堺左千夫)ら乗組員は、そんな新しい漁労長の命令がいちいち納得できず、船内は険悪なムードが支配しはじめる。
ライバルである、外国の漁船ともトラブルが起こる。
漁労長の強引な命令に反抗的だった田村の甲板での不手際から、乗組員の一人(佐藤允)が事故に巻き込まれ、片腕が使えなくなってしまう。
陸地の病因に収容され、もう二度と漁船に戻る事ができない事を知らされ絶望する佐藤。
それを勇気づけようとする若き日本人看護婦(浜美枝)。
事故への責任と、漁労長に対する恨みから、船を降りたまま、帰ってこなくなる田村。
後半は、嵐の中、仕掛けた網から魚を収穫していた船員達の元に、付近で遭難、救助を乞う金持ち親子のボートからの連絡が入り、その救出を命令する漁労長と、仕事の続行を求める船員達の間で起こる葛藤劇が中心になる。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
嵐のシーンは特撮ではなく、実物大の甲板のセットを使い、周囲から大量の雨、水を注ぎ込んでの撮影と思われるが、その水量は半端ではなく、物凄い迫力がある。
漁船という限定された空間内で起きる男たちのドラマ…といってしまえばそれまでだが、前半はやや単調かな?…とも感じたが、後半はそれなりに画面に引き込まれてしまう。
三橋達也と、主役三船の存在がやや紋切り型で弱いかな?…と感じるくらいで、作品としては、まずまずの出来ではないだろうか。
土地の祭り見学している背広姿の三船の姿は、昔「元気ですか?」と、アリナミンの宣伝をしていた頃の印象とダブる。
世間的に、ほとんど知られていない珍しい作品だが、観て損ではなかった。
