TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

闇を裂く一発

1968年、大映東京、菊島隆三脚本、村野鉄太郎監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

メキシコオリンピックへ向けて、射撃競技強化合宿中だった新人警察官の本多(峰岸隆之介)、中尾(平泉征)、木村(青山良彦)三人が、島津監督(高橋悦史)から呼び出しを受け、緊急事態が発生したので練習は止めだと伝えられる。

警視庁捜査一課に置かれた捜査本部に合流した三人には、一課長(小瀬格)の簡単な事件説明の後、土橋係長(早川雄三)から詳細な説明を受ける。

千束町のヤクザ大門組の組長を射殺した犯人手塚亘(佐藤允)は、レミントン社製ライフルと実弾5、50発を持って逃亡中、8才の新藤和彦と言う子供も人質として誘拐してしまったと言うのだ。

3日間だけ報道管制を敷いているので、72時間以内に隠密裏に犯人逮捕しなければならないと言う。

若い頃から犯罪を繰り返していた佐藤の経歴も詳細に判明していた。

自分達だけで捜査するのかと問いかける本多たちに、一課長は、各々殺し担当の刑事を付けると言う。

本多には江森(露口茂)、中尾には犬丸(加藤武)、そして木村には酒井(高原駿雄)が組まされる事になる。

本多、江森組は、手塚の故郷である三崎へ、中尾、犬丸組は、手塚の愛人が住むアパートへ、そして、木村、酒井組は、手塚の実家である手塚不動産の張り込みへと向う。

横須賀線の電車の中で軽く咳き込んでいる江森に風邪かと聞くと、興奮するとセキが出るのだと言う。

本多は、自分同様、犯人の手塚は一人っ子ではないかと推理をしてみせる。

又、過去手塚が犯罪を起こして来たのが、すべて夏であったと言う奇妙な偶然も指摘する。

その頃、女のアパートに向っていた中尾は、途中で一人で牛乳を買うと早飲みして、同行していた犬丸に呆れられていた。

毎日、練習に明け暮れて腹が空いているので、機会があると、すぐ牛乳の早飲みをしてしまう癖が付いてしまったのだと中尾は弁解する。

到着したアパートでは、管理人が、女の名前は市橋(赤座美代子)だと教えてくれる。

一方、乗り換えた電車の座席で射撃のポーズを繰り返している本多に、江森は露骨に不快気な顔を見せる。

今回の威嚇射撃には最初から反対のようで、自分は銃を使った事等ないと言う江森に対し、本多は自分も班員に対して撃つのは反対だが、スポーツとして銃をやりたかったので警官になったと答えると、呆れたように江森は、官費で道楽かと嫌味を返して来るので、本多は会話を止めて、そっぽを向くのだった。

三崎に付いてからも、夏の直射日光をさける為、サングラスをする本多に、江森は犯人に間違えられるぞと不愉快そうだったが、今年のメキシコは逃せないのでと、本多も頑なになる。

地元の老警官に案内され、犯人の手塚とは横須賀の進駐軍で雑用係仲間だったと言う男(藤山浩一)に聞き込みに行った二人だったが、そこの子供が窓から突き出したおもちゃの鉄砲を観た本多は、本物の銃と勘違いし、思わず江森を突き飛ばしてしまう。

そこの妻(田中三津子)から、手塚は本来子供好きで、鉄砲のおもちゃも手塚に買ってもらった事、頭痛持ちで、いつも大量の薬を食べるように飲んでいた事等を聞き出した後、今日は、手塚の母の命日だと教えられ、ひょっとすると、例年通り墓参りに来るかも知れないと、墓のすぐ横の寺で張り込みを始める事にする。

持参して来た防弾チョッキを差し出す本多に対し、自分は暑がりなので、そんなものは付けんと拒否する江森。

緊張して待ち受ける本多に対し、江森は、昔、射撃の名人と言われた新人が、犯人に遭遇して慌ててうとうとしたが弾が出なかった、安全装置をしたままだったのだとわざとらしく教えると、さすがに気分を害したのか、本多は一人で外に出てしまう。

怒ったのか?と尋ねる江森に対し、外で鍛えているのだ、メキシコの暑さはこんなものじゃないでしょうからと本多は答え、サングラスをかける。

女のアパートの管理人室で待機していた犬丸と中尾は、市橋が大量の食料を買い込んで帰って来た姿を目撃し、自分達が当たりかも知れないと意気込み、部屋のドアを叩く。

踏み込んだ女の靴箱の中に、見知らぬ男物の靴を発見した犬丸は、思わず拳銃を抜いて上がり込もうとするが、部屋から出て来たのは、風呂から上がったまま、バスタオルを腰に巻いた見知らぬ中年男だった。

一方、張り込みを続けていた本多は、もし手塚の母親が生きていたら事件は起こさなかったかも知れないと呟くが、それを聞いていた江森は、自分達は犯人の動機の事等あれこれ詮索する必要はなく、ただ逮捕するだけだと答える。

そんな彼らの元へ、地元の老巡査が、ライフルの出所が横浜の銃砲店だった事が分かったと知らせに来る。

手塚不動産を川向いのタバコ屋から見張っていた酒井は、自宅と公衆電話で何事かを話し合っていた。

妻が久々に妊娠して、今にも生まれそうなのだと、恥ずかしげに中尾に教える。

そんな中、不動産屋の店先に、怪しげな三人組が近づいて来るのを発見、どうやら、殺された大門組の連中らしかった。

しかし、肝心の店は閉店状態なので、どうする事も出来ず、店の前でなす術なくたむろしていると言った感じ。

出向いた横浜の銃砲店では江森が主人(金内喜久夫)から、ライフル購入者に関する情報を聞き出していたが、主人は同行した本多が射撃の選手である事を知っていたようで彼にばかり話したがる。

3月6日、ライフルを購入した男は、写真照合から手塚に間違いなさそうだったが、名前は、病院医師岡田薫と名乗ったと言う。

住所欄を参考に向った同愛医院で、やって来た岡田薫は、意外にも女医だった。

事情を話し、手塚の名前や出しても、全く知らないと言う。

ただ、2、3日前にも、淀橋署から銃砲所持に付いて連絡があったのだが、自分には何の事か分からなかったと言う。

病院を後にしながら、今夜7時から本庁で合同会議が開かれると確認しあった本多は、江森が意外にも女性相手だと態度が優しい事を指摘する。

すると、照れ隠しのように、あれは白だと言い切る江森。

それが単なる勘だと聞いた本多は、そうした古い感覚にいまだに頼っている江森に、若者としてちょっと疑問を感じるのだった。

その足で淀橋署に向った二人は、ちょうど、車に乗り込もうとしていた署長(北村和夫)に出会う。

その署長に、親しげにタメ口で話し掛ける江森の姿に、本多は驚く。

警察学校の同期なのだそうだが、江森は出世を考えず、今まで現場一筋で来た事が分かる。

夜の捜査会議では、遅れて帰って来た堀江刑事(仲村隆)が、手塚は所沢で銃の練習をしていたようで、その腕前は確かだと報告する。

犬丸は、この際思いきって公開捜査をしたらどうかと進言するが、一課長は、金嬉老事件とは違うのでと乗り気ではなさそう。

その頃、控え室で待機していた本多、中尾、木村の三人は、互いの近況報告をしあっていた。

本多から、江森が何かと突っかかって来てやりにくいと聞いた中尾は、犬丸が言うには、江森と言う人はなかなか度胸が座った人物らしく、以前、拳銃を持った犯人に「刑事を撃ったら死刑だぞ」と言いながら、素手で近づいて行って捕まえた話を聞いたと言う。

そんな事よりも、オリンピックを目指している彼らに取って重要事は、こんな捜査に何日も参加させられたら、腕がなまってしまうのではないかと言う心配。

一人が、その場で腕立て伏せを始めると、一斉に他の二人も真似をし始めるが、そこにやって来た江森が、中尾と木村は張り込みの続行、自分と本多は、泊まり込みで待機になったと知らせる。

その頃、誘拐された新藤和彦の両親は、いても立ってもいられない状態だった。

誘拐された子供で、無事に帰って来た例はほとんどなかったからだ。

夫の方がパチンコに行って来ると言うので、こんな時にと妻がなじると、家にジッとしていられないのだと、夫は訴える。

本庁で仮眠していた江森に、豊洲の交番から連絡があり、子供連れの不審者がアパートへ入ったのを目撃したと言う。

すぐさまジープで現場に向った江森と本多は、アパートを見張っていた警官と合流する。

取りあえず、江森が一人でアパートの2階21号室に向う。

緊張のせいか、セキが出ている。

その江森の帰りが遅いと気づいた本多と警官は、緊張して入口を固め声をかけるが、出て来たのは、江森一人だった。

部屋はもぬけの殻だったのだ。

部屋には頭痛薬の空箱が落ちていたが、それを調べている所に、部屋の住民らしき女が帰って来る。

夕べ9時頃、子供連れでやって来た手塚が、今朝、新聞をたくさん買って来いと言われて出かけていたのだと言うその女も、手塚が出て行った事に今気づいたようだった。

女は、渋谷のオリエンタルトルコと言う所で働いているそうで、手塚は、良く指名してくれた客だったと言う。

どうやら、手塚は、見張っていた警官の姿に気づいたらしい。

近くの食堂で昼食を取っていた本多と江森だったが、近くのテーブルに座っていた客が、江森が落とした手塚の写真を拾い上げ、この男は、近くの工事現場で見かけたと話し掛けて来る。

その証言を元に、団地の工事現場に駆け付けた二人は、二手に分かれ各々別棟を捜査して行くが、向いの棟に犯人の姿を捕らえた本多は、銃を向けながらも引き金を引けず、空に向って威嚇しただけだった。

その音に気づいたのか、手塚は工事現場横の道路でタクシーを止めると、それに乗車して逃走してしまう。

取りあえず、近くの公衆電話から、長話中だった女を引きづりだし、所轄署に通報した江森が、やっぱり本番では役に立たなかったなと皮肉を言うと、本多は、子供を連れていると言う先入観があったので…と言い訳をする。

その子供なら保護されたと、今電話で聞いた情報を江森は教えてやる。

その後、夕食をかねてよった飲み屋で、ビールを勧める江森。

本多は最初は仕事中だからと辞退するが、このくらい構わないだろうと再度勧められると、それではと相伴をする。

今日は、今年一番の暑さだったと女将が教える。

アルコールが入ったせいか、少し緊張感がほぐれた本多は、江森が照れ屋である事を指摘した上で、この二日間は自分に取って良い勉強になったと告白する。

江森も、何でも病み付きになれば、出世の事等、眼中になくなると打ち明けた上で、若者には、何か一生懸命になるものが必要なのかも知れないと、スポーツに熱中する本多を理解できるような口ぶりになる。

近い内に、合宿に戻れるかも知れんぞと言う江森の言葉に浮き足立った本多は、その店の電話を借り、島津監督に連絡をし始める。

その時、警官がやって来て何事か耳打ちされた江森が、そっと店を出て行く姿に、電話に夢中だった本多は気づいていなかった。

あるアパートの一室に入って行った江森が「手塚、いるな?」と声をかけると、にわかに部屋の電気が消される。

「刑事を撃ったら死刑だぞ」と言いながら、さらに奥の部屋に踏み込もうとした江森だったが、咳き込みはじめた彼を目掛けて、ライフルが発射される。

江森が射殺されたと言う報を受けて、捜査員一同が集結した本庁では、重い空気が立ちこめていた。

その空気に耐えきれず、独り飛び出そうとする本多の前に立ちふさがった犬丸は、お前なんかに何ができる!自惚れるなと渇を入れる。

その後、トイレに入った犬丸は、その隅で泣いている本多の姿を見かける。

本多は、江森は自分が殺したも同然だ。いつもメキシコに行きたいと言う気持ちがあったので、工事現場で手塚に銃を向けた時も、殺してしまったらオリンピック出場がなくなるのでは?と言う心配が頭をもたげ、ためらったのだと打ち明ける。

しかし、犬丸は、そんな事を悩んでいても、江森は浮かばれんぞと励ますのだった。

翌朝、泊まり込んでいた犬丸が、鳴り続けていた電話を取る為、カーテンを開けると、部屋の隅で一睡もせず椅子の上で固まっていた本多の姿を発見する。

電話の相手は、江森を呼んでくれと言う女性の声だった。

すぐさま、逆探知をかけ、新宿三丁目の公衆電話にいた女を連行して来る。

それは、女医の岡田薫だった。

何を江森に伝えようとしていたのか、犬丸たちが聞いても、薫は一切口を開かなかった。

いたたまれず、尋問室に飛び込む本多。

しかし、そこに、奥多摩に転勤したので来るのが遅れたと言いながら、元淀橋署の銃砲係(下川辰平)がやって来て薫を見ると、一目でライフルの所持申請に来たのは彼女本人だったと証言する。

薫は口を開きはじめる。

肝臓障害で7年前に倒れた彼女の父親は深川で外科医をしていたが、銃砲マニアで、手塚から密輸品を安い銃弾として買うようになって付き合いが始まったと言う。

やがて、父親は、病院を手放すまで、手塚に搾り取られるようになるが、その父親を罪人にしたくなかった。手塚は、女を愛する事を知らない男だが、1年続けば、あんな男とでも生活になると薫は呟く。

その薫は、手塚から、今日4時、東京球場三塁側内野席に金を持って来いと電話があったと教える。

時すでに3時半、薫には、目立つよう赤いスカーフをさせ東京球場に行かせると共に、 捜査班はも全員、球場を固める為急行する。

その日は、東京オリオンズと阪急ブレーブスのダブルヘッダーで、すでに客は入っていた。

本多と共に球場内を視察していた犬丸は、絶対、手塚は来ると思うと言う。

それも勘だと聞いた本多は、薫を白だと思っていた江森の勘は外れていたと告げる。

やがて、二試合目が始まり、ナイトゲーム用のライトが灯る。

そんな中、バッター交替を告げるアナウンス後、スコアボードにその表示がなかなか出ない事に気づいた放送席の捜査陣は、普段なら、監督の動きだけで、その指示まで見抜くベテランが中にいるはずなのにおかしいと気づく。

そこへ、スコアボードの下で、頭痛薬の空箱を見つけたと本多が駆け込んで来る。先程、見回った時にはなかったものだと言う。

やはり、表示の遅れは、係の者の知らせなのだった。

球場周辺は、隙間なくパトカーが見張っているので、外に逃げ出せるはずはない。

スコアボードの中では、ベテラン安田(今福正雄)、尾崎武(酒井修)、井上(樋浦勉)の三人のボード係が、手塚からライフルを突き付けられていた。

そこへ、突如、尾崎の彼女が弁当を持って来たと下から声をかけて来る。

上から銃を突き付けられたまま、その弁当を取りに行かせられた尾崎は、戻って来ると、手塚から下品な冗談を言われたので、突っかかろうとするが、逆にライフルでなぎ倒されてしまう。

手塚は、女なんて、いつも嘘つきで欲張りでスケベなだけだと吐き捨てる。

そして、尾崎が食べはじめた弁当も、はたき落とすのだった。

やがて、巨人阪神の試合結果が入って来て、東京球場も9回を迎えるが、ライフルのスコープで、三塁側内野席に座っている薫を発見した手塚は、もう井上にあの女から荷物を受取って来いと命じる。

行き帰りに何分かかると聞くので、5、否7分と答えると、では4分で帰って来いと手塚は命じる。

外に走り出した井上は、待機していた刑事たちから叙情を聞く為遮られるが、走りながら、学校裏に停まっているパトカーは手塚に気づかれていると教えるのが精一杯だった。

何とか、薫から金を包んだ包みを受取って戻って来た井上は、警察はいたかの手塚の質問に、何も知らないと答える。

試合は延長戦になる。

そんな中、張っていた酒井の元に、今、男の子が生まれたとの知らせが届く。

ようやく試合が終了し、客が帰りはじめた中、学校裏のパトカーも引き上げはじめる。

もちろん、手塚の目をごまかす為だ。

手塚は、スコアボードの部屋の灯を消させると、安田老人に銃を突き付けながら、他の二人を先頭に立てゆっくり降りはじめる。

手塚を狙撃しようと、狙っていた警察も、人質が一緒では撃てない。

球場の外に出て来た尾崎と井上は、道の両側にパトカーが待機している事に気づき、思わずそちらに向けて走り出してしまう。

それを観た手塚は、安田老人を連れて、球場の部屋に戻ってしまう。

誰もが、飛び込もうと牽制しあっている中、一瞬の隙を観て、飛び出した本多は、真っ暗な部屋の中に飛び込むと息を潜める。

外に向ってライフルを構える手塚の手にはめた夜光時計の文字盤が見えた。

それを目掛け、迷わず発砲する本多。

灯が付いた室内で胸を打ち抜かれ倒れた手塚は、近づいた本多に気づくと、お前、腕立つな…と呟いて息絶える。

よくあんな暗闇で、相手を狙えたなと感心する犬丸に、夜光時計の事を打ち明ける本多は、あの光は当分目に焼き付いて消えないだろうと答える。

数日後、木村や中尾が他の練習生らと一緒にランニングをする合宿所、本多は島津監督に、気持ちの整理が付かないので、メキシコを諦めると打ち明けに来ていた。

惜しむ監督に、メキシコがダメでも、次のミュンヘンを狙う、自分はまだ若いのだからと応えた本多は、走りながらちらちら振り返ってみる中尾たちには目もくれず、その場を立ち去るのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

主役が、新人だった峰岸隆之介(現:徹)と言う事は、プログラムピクチャーの添え物だった作品だと思われるが(併映は「座頭市果し状」)、 新人とベテラン捜査員がコンビを組んで事件に当るバディ(相棒)ものの見本のような秀作サスペンスになっている。

この頃の峰岸徹は、トニー(赤木圭一郎)そっくり。

彼がコンビを組む露口茂は、もちろん「太陽にほえろ」のヤマさんで有名。

この作品での露口は、正にそのヤマさんの原型とも言えるキャラクターになっている。

今売れっ子の平泉征(=成)が組む相手は、石坂浩二の金田一シリーズで「良し!分かった!」が決まり文句の加藤武。

こちらも、この頃は、渋い刑事役がピッタリの雰囲気。

クライマックスが、当時、大映の永田社長が個人で持っていた東京オリオンズ(現-千葉ロッテ)の東京球場と言うのも巧い!

最初は、互いに反発しあっていたかに見える二人の捜査員が、短い時間の間に互いを理解し合えるようになった矢先に悲劇が…と言う展開は、その後のテレビの刑事物等でも良く見かけるような一種のパターンだとは思うが、感情移入しやすい事は確か。

客で溢れる野球場を舞台にしたサスペンスと言うのも、「四万人の目撃者」(1960)など前例もあるが、やはり面白い。

三組、コンビを登場させている事から、場面展開もテンポが良く、途中、全くだれる事なく映画にのめり込んで行く事ができる。

意外な掘り出し物と言った印象の作品だった。