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ザ・ドリフターズのカモだ!!御用だ!!

1975年、渡辺プロ+松竹、加瀬高之+下飯坂菊馬脚本、瀬川昌治脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

FBI、KGB、スコットランドヤード、そして、世界一優秀だと言われている日本の警視庁は質が違う!

実力だけじゃなく、格好だってNo.1!

タイトル。

ある時は、浮浪者に身をやつしたかと思うと、ある時は外国航路の高級船員、又ある時は、片目の運転手、ある時は、太陽にほえ、ある時は夜明けの刑事となる…と、これはテレビやマンガの話…と、部下の志田(志村けん)らに聞かせていたのは、ベテラン刑事の井狩長吉(いかりや長介)。

要するに、現実の捜査と言うのは、もっと地道な努力の積み重ねだと言いたいらしい。

そして、露骨に先輩風を吹かせて、志田たちに、自分の腰を揉ませようとしたりしたがるが、志田たちは相手にしない。

さらに、長吉、出前で来た蕎麦を勝手に食べようとし始めるが、それは、長吉の義弟で、今回、部長刑事に昇進した中西(仲本工事)のものだったので、慌てて飛んで来た中西が奪い返す。

そこへ電話が入り、応対した志田が、出動だと告げる。

目的地は、泉マンション408号室。

そこで、時価一億円のダイヤの取引があると言う情報があったのだが、そのダイヤの出元は、先日起きた天光堂事件の被害品ではないかとの推理に基づいた捜査を進めていたのだった。

中西、志田、長吉らは、ブランコ作戦なるものを実行する事になり、クレーンの先から吊されたロープを使って、向いのマンションの屋上からブランコの要領で、目指す泉マンションの4階ベランダに乗り移る事にするが、長吉だけがタイミングを逸し、また元のマンションへ戻ってしまい、しかもそのはずみで、たまたま、入浴後の着替えをしていた女性の部屋の窓にかけてあったタオルケットが、マントのように身体に引っ掛かってしまう。

そのマント姿の長吉は、あろう事か、ちょうど博打をやっていた最中の408号室内に入り込んでしまい、その姿を一瞬観た、やくざの唐津(伊東四朗)は、見張り役のくせに、居眠りをしてサボっていたチンピラ加藤ヒデオ(加藤茶)を叩き起こすのだった。

でかいコウモリみたいなのが部屋に飛び込んで来たと聞かされたヒデオは、窓の外に注目すると、すぐに又、そのコウモリみたいなものが飛び込んで来る。

それは長吉だった。

部屋は大混乱になり、唐津らは全員逃げられてしまうが、ヒデオだけは、賭博現行犯容疑で長吉に捕まってしまう。

その後、港東署では、郡司組と神戸の花井組が取引をしようとしているとの情報を得、善後策を打ち合わせていたが、そこにやって来た婦警代表(楠トシエ)が、部長昇進祝いとして中西に花束を贈呈する。

そんな中、長吉は一人、これまで何度も更正するよう指導して来たヒデオ相手に取り調べを行っていたが、ヒデオが目撃した言う夕べの胴元の顔をモンタージュで作ってみても、出来上がった顔は、自分そっくりだったので、長吉は怒ってしまう。

しかし、ヒデオが言うには、常磐炭坑で働き、今は亡くなった自分の父親に長吉がそっくりなので、つい思い出して、こういう顔になってしまったのだと言う。

いつもの言い訳の為のでまかせだと思い込んでいる長吉は、ヒデオをきつく叱るのだった。

その夜、帰宅した中西は、元婦警の妻であり、長吉の妹でもあるとみ子(悠木千帆=樹木希林)と、すき焼きを前に夫婦水入らずの夜を楽しもうとしていたが、そこにのこのこ帰って来たのが同居している長吉。

本来、毎週金曜日は、新婚の妹夫婦に気を使って、帰って来ない約束だったのを忘れていたのだ.

当然、兄の分は用意していないとすき焼きも食べさせてくれないとみ子は、婦警時代、無銭飲食でヒデオを最初に捕まえたのは自分だった経験も踏まえ、長吉がヒデオに甘い取り調べをしているらしい事を注意した後、迷惑なので夜は外出してくれと、二階の自室にいた長吉に言いに来るが、逆に小遣いをせびられてしまう。

仕方がないので、通過する列車で揺れるような馴染みのおでん屋にやって来た長吉。

そこの女将(園佳也子)とは、戦災孤児同士と言う同じ境遇だったのだが、空襲の中、幼いとみ子を連れて逃げ回っていた頃、食べ物や大切なものを入れていたリュックを何者かに盗まれてしまった苦い経験が元で、警官になった過去を打ち明ける長吉。

女将の方は、昔サーカスのブランコ乗りだった過去があり、その時、相棒として使っていたチンパンジーの長太郎の面影を長吉に重ね、何かと親切にして来たのだった。

その女将が、良い話があると前置きし、横浜ドリームランドで、郡司と神戸の花井組が取引をすると言う噂を聞いたと教える。

ハマの顔役が、郡司を使って、天光堂から盗んだ宝石をさばくつもりだと睨んだ長吉は、さっそく、本部に報告、署員総出でドリームランドを張込む事にする。

カップルを装ったベテラン婦警と、回転遊具のオクトパスに1時間23分も乗っていた長吉は、降りた途端めまいを起こしてしまう。

そんな中、予想通り現れた郡司(人見きよし)は、花井組から来た脇村(橋本功)とさり気なく接触するが、その様子は、張込み中の中西たちに全て目撃されていた。

すぐに、彼らに近づいて来た中西らは、両者が持っていた鞄を調べるが、中からは何も見つからず、とんだ見当違いと謝罪させられる始末。

実は、寸前、脇村が、連れていた手下古島の鞄とすり替えていたのだった。

郡司が、表向き支配人をやっている大福会館結婚式場の地下室にやって来た脇村は、自慢げにその説明をしていたが、そこへ、当の古島が、鞄を盗まれたと青い顔で飛び込んで来る。

訳を聞くと、小用を催したのでトイレに入った所、窓際に置いていた鞄を、外にいたチンピラ風の男に、いきなり持ち逃げされたと言うのだ。

5億円分のダイヤが入ったその鞄を盗んだのは、ヒデオだったのだ。

しかし、しがないチンピラに過ぎない彼には、それを現金に替える術がない。

仕方なく、ヒデオは馴染みの唐津とその愛人エミ(ビーバー)の元に相談に行くが、唐津は、そんなヤバいものより拳銃でも売って来いと言い出し、ますますヒデオをビビらすのだった。

その時、エミが、中華屋のブーさんが、昔古売屋をやっていた事を思い出す。

そのブーさんは今は堅気になっているので、情報を得る為に、お前は長吉に成り済ませと言って、唐津らはヒデオに偽の警察手帳と手錠と、コロンボ風のコートを渡すのだった。

すっかりコロンボになりきったヒデオは、問題の中華料理屋に出向くが、そこには、妊娠したブー(高木ブー)の妻(鶴間エリ)が忙しそうに働いていた。

やがて、その妻が二階に上がったのを見計らい、さり気なくダイヤの指輪をカウンターに置き、さばく相手を聞き出そうとするが、ブーは怖がって何も語ろうとしないばかりか、警察に電話しようとするので、仕方なく警察手帳を見せたヒデオは、ブーの昔の仕事の事を二階の妻に聞こえるように大声で話しはじめたので、慌てたブーは、こっそり紙を手渡すのだった。

そのヒデオとすれ違う形で、店にやって来たのが、本物の長吉。

彼は、郡司を見かけなかったかと聞き込みに来たのだが、自分を騙ったポケットモンキーみたいな男が直前にやって来た話を妻から聞かされると、すぐに、それが誰の事だかピンと来る。

さっそく、ヒデオを捕まえた長吉は、一昨日、改心すると言ったばかりではないかと叱責するが、ヒデオは、国からただ一人の肉親で、福島で旅館の女中をしている姉が、今日夕方上京して来るので、二日間だけ見逃してくれと泣き落として来る。

どうせ、いつものデタラメだろうと相手にしなかった長吉だったが、いつの間に来たのか、入口に立っていた大塚課長(犬塚弘)から「見逃してやれ」と声をかけられる。

ヒデオの様子に、何か引っ掛かるものを感じた課長は、泳がしてみたいと考えての事だったが、当の長吉に知らせると、ヒデオに気づかれてしまう恐れがあるので、その意図は中西にだけ伝えていた。

逃げ出されたら困ると、ヒデオのアパートに同行して来た長吉は、部屋の中で、ヒデオの故郷の常磐炭坑の写真を発見し、いつもヒデオが話していた内容が、満更嘘でもなかった事に気づくのだった。

そのヒデオが銭湯に行くと言うので、自分も付いて行くから、タオルはないのかと押入を開けようとすると、ヒデオが止める。

怪んで開けてみると、たくさんの衣類や寝具がなだれ落ちて来る。

その中に、不振な鞄を発見した長吉は、それを開けてみるが、中に入っていたのは、女性用の下着の類いだった。

実は、中身の宝石は、別のビニール袋に入れて、その押入の別の場所にしまってあったのだが、長吉はそれを見逃してしまう。

その頃、表向きは普通のサラ金だが、裏ではダイヤの古売屋をやっている関山商事社長関山(谷村昌彦)が、ダイヤのさばき先の事をしつこく聞きに来た男に、ここの連絡先を教えたと知らせに来たブーを、絞り上げていた。

そこには、郡司も来ており、その相手から連絡が来たら捕まえるよう、部下二人を残して帰って行く。

そんな事とは知らないヒデオは、銭湯に行く振りをして、関山商事に電話をするが、すぐ後ろから長吉が近づいて来たので、話の途中で切ってしまう。

そこにやって来たのが、ヒデオの姉のきん子(倍賞美津子)だったから、当のヒデオの方が驚いてしまう。

姉が上京すると言うのはデタラメだったからだ。

嘘が誠になってしまった事態に、内心狼狽えながらも、側にいる長吉を警察の人間と教える訳にもいかず、つい隣の住民だと紹介した後、ヒデオは姉を自室に案内する。

東京でぶらぶらしている弟の事を心配したきん子は、国の方で、住み込みで月8万の仕事を見つけたと知らせに来たのだったが、近々大金が手に入ると期待しているヒデオは相手にしない。

しかし、きん子の方は、そんなヒデオが、もう何回も警察の厄介になっている事を知っていたのだった。

ヒデオは、炭坑で働き詰めで、最後には、肺が真っ黒になって死んだ父親のようにはなりたくないし、もう二度とススだらけの町には帰りたくないと反抗するが、姉はそんな情けない事を言う弟の事を叱りつけ、最近は、ぼた山にタンポポが咲いている故郷の現状を教えるのだった。

その姉の話を廊下で盗み聞きしていた長吉は感動して泣いてしまう。

その様子を、たまたまゴミを捨てに出て来て見つけた隣人(豊岡豊)に見られてしまった長吉は、その話を伝えると、詩人だというその男が、「バラの木にバラの花咲き、ぼた山にタンポポ咲く、なんの不思議もなかれども、何故か哀しき‥」と、即興の詩を作って披露して去って行く。

そこへ出て来たきん子は、まだ立っていた長吉に、ヒデオの事を宜しく頼むと挨拶し、土産に国の地酒を持って来たのでと、隣から出て来た詩人の妻(森マリヤ)に渡そうとするが、事情が分からない妻は戸惑うばかり。

その様子を観たヒデオは、慌てて誰もいない部屋が長吉の部屋だと姉に説明し、汚いから掃除してやってくれと長吉共々追い出した後、こっそり自室で、ダイヤを入れたビニール袋を腹に巻き付けている所に、何故かエミが訪ねて来る。

例のダイヤが売れたか聞きに来た彼女はあれは全てイミテーションだと思っていたらしく、ビニール袋からこぼれ出た指輪を見つけると、ちゃっかり自分がもらって帰ってしまう。

その頃、ブーから聞いて来たと関山の店にやって来た唐津は、待ち受けていた郡司の手下たちに捕まってしまう。

その後、長吉と、帰京する姉を上野駅まで見送りに出ていたヒデオは、急に下着を帰るのを忘れたと言い、一人アパートに戻ってみると、部屋が荒されているのに気づく。

長吉もアパートに戻って来るが、そこで見張っていた中西から呼び止められ、少し、ヒデオを泳がしてみるよう命じられる。

ヒデオは、窓から紐を垂らし、脱出しようとしていたが、外に、郡司の手下たちが張っているのを発見し思いとどまる。

そこへやって来た長吉は、わざと、課長がお前の事を白だと判断したようだからと帰りかけると、心細くなったヒデオは、逆に、一緒にいてくれと必死に長吉をとめるのだった。

その頃、大福会館結婚式場の地下室に連れ込まれていた唐津は、郡司らから痛めつけられていたが、肝心のダイヤの在り処を知らないのだから答えようがない。

その夜、泊まって一緒に寝ていた長吉が寝込んだ隙を見計らって、何とかアパートから抜け出そうとしていたヒデオだったが、やっぱり、郡司の手下が裏口から入って来る素振りを見せるので、慌てて部屋にかけ戻ると、長吉を起こして一緒に飲もうと言い出す。

その途中、腹に巻き付けていたビニール袋から、ダイヤが一つ転がり出て、それを、水割りを作っていて氷をこぼした長吉が間違えて自分のコップの中に入れてしまったので、ヒデオは何とかごまかしてコップをすり替えると、それを口に含み、ラーメンを作ると言って台所に立つと、こっそり口の中のダイヤを取り出すのだった。

しかし、焦っていたのか、包丁で指を切ってしまい、それを長吉が優しく治療してくれたので、しんみりしたヒデオは、将来儲けたらレストランでも作って、そこで長吉に支配人になってもらうと夢を語った直後、ヒデオはアパートを飛び出して行く。

長吉も、アパートを張っていた郡司の手下たちもヒデオを追い掛けるが、川に係留されていた船の上に逃げたヒデオは、船を揺らして、手下たちや長吉を川に落とした後、モーターボートを奪って逃亡してしまう。

すっかり濡れ鼠になって帰宅した長吉は、風呂場で妹のとみ子から、少しは中西の立場も考えてくれと嫌味を言われてしまう。

その夜、辞表を書いた長吉は、とみ子に、もう迷惑をかけないと言った後、馴染みのおでん屋に出かけるが、たまたま先に来ていた中西や志田らが、ちょうど停電になって真っ暗やみになった店の配電盤を修理していた所に来合わせてしまい、互いにバツが悪くなる。

そそくさと帰って行った中西を尻目に、店に落ち着いた長吉が落とした辞表を見つけた女将は、彼がヒデオに騙され、人間不審に陥った事情を察しながらも、あんたは人の善意を信じて警官になったのではないかと説教しはじめる。

そんな所にやって来たのが、国に帰ったはずのきん子だった。

彼女は、長吉の正体を最初から知っており、国に帰らなかったと言うのだ。

そんなきん子から、弟は甘えているだけなので、見捨てないでくれと頭を下げられた長吉は、辞表を自ら破り捨てると、俺はやったるで〜!と叫ぶのだった。

翌日、唐津のマンションを訪れた長吉は、一人留守番していたエミから、ヒデオは夕べ、ここにちょっと来て、誰かに電話して会う約束をしていたと聞かされる。

その後、繁華街の歌手(キャンディーズ)が歌っている店裏で、ヒデオを見つけ殴りつけた長吉は、これは父親として殴ったんだと、怒りを現す。

そんな二人は、かねてより付けていた郡司の手下たちに、その場で捕まってしまう。

大福会館結婚式場の地下室に連れ込まれたヒデオは、自分は5億円のダイヤの在り処を知っているので、殺されるはずがないと安心している。

長吉は、唐津は関係ないので助けてやってくれと頼むが、郡司が承知するはずもない。

その郡司に命じられ、ダイヤを隠していると言うマンションにいるエミに電話をかけさせられたヒデオは、サイドボードの真ん中の引き出しの中にダイヤがあると教える。

その後、左の開き戸の中にもブラックオパールが入っていると知らせるが、エミが開けてみると、そこの入っていたのは、唐津の拳銃だった。

二つとも一緒に持って来てくれと言うヒデオの言葉の意味する所を悟ったエミは、ダイヤと拳銃を持って大福会館に出向いて行く。

その大福会館結婚式場の内外では、ブーのたれこみにより、大塚所長以下、港東署全員がすでに張込んでいた。

地下室に降りて来たエミから、化粧箱に入れたダイヤと拳銃を渡されたヒデオは、素早く拳銃を取り出すと、一発天井に向って威嚇発射した後、郡司らに突き付けるのだった。

その発砲音を聞き付けた警官たちは、一斉に動き始める。

しかし、地下室に降りようとしていた志田と中西がこけてしまい、その隙に逃げ出したヒデオを、郡司たちは追い掛けはじめる。

結婚式状の中は大混乱。

たくさんのカクテルを乗せたトレイを運んでいたボーイ(すわかんじ)は、この追いかけっこに巻き込まれ転倒。

ヒデオが飛び込んだ部屋は、ちょうど、花嫁(ホーン・ユキ)と花婿(立原博)が式を挙げているまっただ中。

その場にあった小道具で、怪しげな巫女に成り済ましたヒデオは、その場を何とかごまかして去って行く。

志田たちは、いつの間にかウエイトレスの格好に変装していたが、結局、全員、郡司らに捕まってしまう。

捕まらなかったのは、長吉だけだった。

その長吉は、あの花嫁と花婿がナイフを入れた巨大なウエディングケーキの中から出て来る。

その近くに逃げて来たヒデオは、その場に持っていたダイヤをこぼして、まき散らし得てしまう。

やがて、その式場内で、警察の潜入部隊、ヤクザ、式場参加者入り乱れての壮絶なパイ投げ合戦が始まる。

そこに、外で待機していた警官隊も乱入して来る。

かくして、パイまみれになった郡司らは一斉に摘発され、何故か、最後まで、パイを被らなかったヒデオは、みんなの視線を感じ、自らパイに顔を突っ込むのだった。

そのヒデオをパトカーに乗せ、警察署に連行途中だった長吉は、小便がしたいと言うヒデオを降ろして、草陰でさせながら、この泥臭さを良く分かってくれなくちゃ〜…と、夕日に向って、一人悦にいっていたが、気が付くと、ヒデオの小用が遅い。

近づいてみると、案の定、草陰に、衣装だけが残っており、中身のヒデオは、パンツ一丁の姿で逃げようとしていたので、長吉は追い掛けるのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「ザ・ドリフターズ」シリーズ第15弾。

劇中でも色々セリフに登場するように、刑事ドラマ全盛の頃の作品。

いかりや長介が「踊る大捜査線」のワクさんの若い頃もかくや…と思わせるような、人情味溢れる活躍を見せる。

監督が同じという事もあってか、警官役のフランキー堺が主役を演じていた「喜劇 頑張らなくっちゃ!」(1971)にそっくりな部分がある事に気づく。

主人公が、元婦警だった妹と、その夫で、自分より先に昇進している義弟と同居している事。

その妹から小遣いをせびって、通過する列車の震動で揺れるような小さなおでん屋に、しょっちゅう飲みに出かけている事。

ビーバーが出演している事など。

人間を信じたい人情派警官の気持ちが、なかなか相手に通じず、裏切られてしまう展開も良く似ている。

基本的には、いかりや長さんとカトちゃんの二人がメインで、他のメンバーはゲスト的な扱いになっている。

志村けんなども、まだ、この頃は坊や扱いで、一応画面に出ているだけ…といった印象。

特に、積極的なギャグ等には関わっていない。

クライマックスの「パイ投げ」など、絵ギャグとしてはありふれたアイデアだが、いかにもドリフコントらしいパターンの一つだろう。

落としたダイヤと氷を取り違えるアイデアなどは、後年の「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の冒頭部分等を連想させ、興味深い。

長吉の妹役を、堂々とこなしている悠木千帆(樹木希林)の存在感も印象的。

ちらっと出て来て「内気なあいつ」を歌っているキャンディーズの姿も貴重。