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100発100中

1965年、東宝、都筑道夫+岡本喜八脚本、福田純監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

パリから香港に向う旅客機の中、一人の青年(宝田明)が母親に絵葉書をしたためている。

自分は、バンコクやベトナムを旅行した後、香港でママへのお土産をたくさん買うつもりだ、パリから一緒の隣の席の人とも仲良くなったので、何を買ったら良いのか相談に乗ってもらう…と書いているのを目にしたのか、その隣のサングラス姿の男(黒部進)は、俺はお前と口を聞いた覚えはないと訝るが、それを聞いてやっと口を開いたと喜ぶ青年。

妙に親しげなその青年、サングラスの男から煙草を一本もらうのだが、気が付いてみると何時の間にか、一緒に降りた香港でも8日間も行動を共にし、毎日煙草をねだる仲になっていた。

そんな二人の様子を人気のいないトンネルの中からうかがっていたバイクに乗った二人の中国人らしき男(柳成延、鈴木茂夫)は、二人とも殺そうと示し合わせるとバイクを発射する。

サングラスの男に近づいたバイクの外国人は、長いロープを投付けて、サングラスの男の首に巻き付けると、そのまま引きずって走り去る。

ロープをかわして道路に転がった青年は、思わず、被っていた帽子の中から銃を取り出すと、サングラスの男を引きずって行くバイクの男を狙い撃つ。

撃たれた男のバイクは転倒し、駆け付けた青年は、引きずられて瀕死のサングラスの男に近づくと、ルボアはどこだと尋ねる。

サングラスの男は、東京…と答えて息絶えるが、青年は、その男が所持していた身分証明書を取るとその瞬間、バイクが爆発炎上するのだった。

タイトル。

羽田空港に到着したその青年は、税関で、お付きのマネージャーを叱りつけている香港のストリッパー嬢(殿岡ハツエ)が、自分の近くにあったバッグを開けようとすると、中から煙が立ち上ったので大騒ぎになるのを目撃する。

その瞬間、用意していた防毒マスクを手早くはめ、逃げ出す男を発見したので、その後を追跡するが、男は合図をして来た補聴器をしている男(伊吹徹)の車に乗り込んで逃走してしまう。

それを観た青年が立ち尽くしていると、そこへ、美しい女性(浜美枝)が乗った車が横付けして来て、お役に立ちましょうか?と囁いて来たので、迷わず乗り込み、謎の男の車を追う。

そうした様子を、空港の中から観察している男(平田昭彦)がいた。

美女の車に同乗した青年は、フランス人三世のアンドリュー・星野、アンディと呼んでくれと自己紹介するが、美女は国際警察の刑事でしょうと問いかけて来る。

そんな彼女がボウリングの玉ケースを持っている事に気づいたアンディは、いつものように彼女から一本煙草をもらうと吸いはじめるが、美女が胸に下げていたペンダントを口元に持って来て吹くと、急に煙草の先端が破裂し、その煙を吸っている内に、アンディは眠気に襲われて寝てしまう。

女とアンディを乗せた車は、「トーヨー・ボール」と言うボウリング場の中に入って行くが、その様子を観ていた画家風の中年男(有島一郎)が、素早く車に乗り込んで去って行く。

地下駐車場でボウリングケースを持って車を降りた美女は、別の車で待機していた若者にアンディの見張りを頼むと、ビルの中に入って行く。

その頃、警視庁四課では、先ほどの画家姿だった刑事の手塚が、上司に、トーヨー・ボールは、青沼組から縄張りを奪われて地方に撤退していたはずの赤月組が、新しい本拠地にしているらしいと報告していた。

上司の方は、先程羽田空港の税関で、香港のストリッパーが開けたバッグから、催涙ガスが吹き出す騒ぎがあり、レインコート姿で太った黄昌齢と言う中国人が逃亡し、インターポールの、アンドリュー・星野と言う男が、それを追って行ったと教えていた。

彼ら四課は、CRSと呼ばれる拳銃密輸の流通ルートを追っていたのだ。

その黄は、ボウリング場内にある赤月組で、レインコートを脱ぎ、身体の周囲にぶら下げていた多数の拳銃を取り出して渡していた。

それらは全て22口径で、通常の猟銃用弾丸が使用できる上、線条痕を残すような溝も切ってないので、命中精度こそ落ちるが、犯罪に使用しても拳銃の特定が不可能と言うCRSと呼ばれる密輸拳銃だった。

その説明を聞いているのは、組長赤月(堺左千夫)、補聴器男、そして、謎の美女ら。

その頃、地下駐車場では、アンディが手を縛られ、見張りの男から拳銃を突き付けられたいた。

しかしアンディは巧みな誘導尋問で、殺気の美女の名はユミと言う事、4階で偉い人たちが今相談している事、アンディのトランクもユミが持って上がった事等を見張りから聞き出しながら、腕時計に仕込んだ小型ナイフを飛び出させ、紐を切り続けていた。

さらに、ユミが持って上がった鞄の把手部分には発信装置が付いており、今にも、仲間の008、009、0010が到着する所だと脅かすと、真に受けた相手は様子を見に、外に出てしまう。

その隙に、紐を切り終え、自由になった手で、車内にあったスプレーを取ると、戻って来た相手の目に吹き付け、逆にその男を縛り上げると、奪った拳銃と帽子を手にしたアンディはビルの4階に向う。

途中、喫茶店から出前途中だったウェイトレスからソーダ水のコップを取ると、それを飲みながら階段を登り、赤月組の部屋の前に来た時には、空になったコップをドアにくっつけて、中の音を聞き出そうとする。

その頃室内では、黄に甘く見られたユミが、彼に洋酒を勧め、その瓶に飾り栓をした後、ペンダントを吹いてみせると、その飾り栓が火を吹きはじめたので、黄は驚愕する。

彼女は、超音波を出すペンダント型笛を使って、ボウリングケースに入れて持ち歩いているプラスティック爆弾をあちこちに仕掛け、自由に爆破するテクニックを持っていると教える。

そのユミ、奪って来たアンディのバッグを開けてみると、綺麗に整とんされた衣類の下から、ベレッタジャガー10mmが出て来る。

そこへ、赤月組の部下たちが戻って来たので、部屋の前にいたアンディは見つかってしまい、ボウリング場のレーン等を横断しながら逃げ回るが、地下駐車場の見張りを縛っておいた車で逃走すると、ヤクザたちも別の栗まで追跡を始める。

ちょうど、そこに来合わせてすれ違ったのが手塚刑事だった。

アンディは、ハンドルに手を縛り付けた見張り男に、真直ぐ前を見ながら運転を続けるように命じると、気づかれないように後部ドアから飛び下りてしまう。

それを知らずに追跡するヤクザたち。

赤月組に戻って来たアンディは、独りだった黄を捕まえると、ムッシュ・ルボアの事を聞き出そうとするが、黄は頑として口を割らなかった。

そこにやって来たのは、ベレッタジャガーを手にしたユミ。

アンディは、帽子を落とした振りをしながら、その中に仕込んだ銃を取ろうと機会をうかがうが、そこにやって来たのが、拳銃を手にした手塚刑事。

一見、形勢は逆転したかに思えたが、その手塚刑事の背後から振り落とされた松葉づえで、刑事はあっさり気絶させられてしまう。

その頃、羽田空港で監視していた男、実は、青沼組の殺し屋小森は、秘かにホテルの一室で、ユベール・ルボアと話し合っていた。

ルボアは、黄を監視しろと命ずる。

その頃、青沼組にやって来ていた黄は、赤月組は100丁、CRSを注文したと組長の青沼(草川直也)に教えていた。

それを聞いた青沼は、こちらは200丁注文すると言うが、それで大丈夫か?と黄が念を押すと、立ち上がった子守りが、持っていたポケットウィスキーの容器を取り出し、その口部分を操作して、壁に貼ってあったヌード写真に中の液体を降り注ぐと、その写真は、たちどころに白煙を上げて溶け出す。

何やら、強力な酸が入っているようだ。

それに肝を冷やしながらも、1丁10万円と値段を切り出して来た黄に、青沼は、武器の密売王、ド・ベルエイユを裏切ったルボアと言う男に、殺し屋が差し向けられているそうだがと臭わすと、黄は、赤月組は、元の縄張りに戻るつもりのようで、明日夜10時に藤沢辺りで、CRSを手に入れる事になっていると情報を教えて来る。

翌日、その言葉通り、赤月は、オープンカーの上で「王将」を機嫌良さそうに唄いながら、静岡方面に向っていた。

そのオープンカーの前には、2台のバイクが先導し、後ろには冷凍車が付いて走っていたが、その中には、パンツ一丁の裸にされ、アクアラングをしょわされたアンディと手塚が冷房なしの蒸し風呂状態の中で、手を天井から縛られており、それを、同じくアクアラング姿のユミが見張っていた。

とある工場跡に連れて来られたアンディは、パンツ一丁のまま手錠をかけられ、補聴器男が見貼っていたが、トイレに行かせてくれと言い、大便所の中に入ると、そこに下がっていたチェーンの針金をほぐし、それで手錠を開けてしまうのだった。

やがて、又、その手錠をしたように見せ掛けながら表に出ると、わざと、口をぱくぱくさせ、何かを喋っている風に装おうと、相手は、補聴器の調子がおかしいと思い、思わずボリュームを上げたところで、ワッと大声を上げ、相手を怯ませたアンディは、近くにあった掃除用吸引ゴムを使って、補聴器男と戦いはじめる。

結局、相手を組み伏せ、手塚刑事は二階、皆は海岸にいると聞き出したアンディは、相手に手錠をかけ、大便所の中に閉じ込めて二階に向う。

その工場跡に、白スーツの男がやって来る。

小森だった。

彼は、二階から、服と帽子を着替えたアンディらしき男が降りて来たので、暗闇の中で、ものを投付け、その音で相手を迷わせながら、ポケットウィスキーの容器を取り出すと、口を操作して、中の液体を近づいて来た相手に浴びせかけてしまう。

帽子を被った男は、全身焼けただれて死んでしまう。

その後、まだパンツ一丁の姿だったアンディが降りて来て、死骸の側に落ちていた帽子と付かないライター、そして銃を拾い上げた後、壁にかけてあったつなぎを着て、外に置いてあったバイクで海岸に向うのだった。

海上では、密輸船から武器の入った木箱を受取った赤月たちが、小舟で海岸に戻って来たところで、それを近くからユミが双眼鏡で監視していた。

すると、木箱を運び出した赤月組の連中の周辺で、大爆発が起きはじめ、慌てた所に、隠れていた青沼組の連中が襲いかかって来る。

ユミの側には、アンディを始末して来た所だと言いながら小森が近づいていた。

その言葉に驚いたユミだったが、双眼鏡で奪った木箱を運んでいる青沼組の連中の様子を見てみると、その最後尾に付いているつなぎの男は、そのアンディではないか!

ユミが自分の方を見ている事に気づいたアンディは、手ぶりで爆弾を落とせと知らせ、それに気づいたユミは、にっこり笑って、ボウリングの玉型の爆弾を砂浜に転がす。

それを拾ったアンディが、それを武器の木箱と一緒に青沼組の車に積み込んだのを見届けたユミは、いつものようにさり気なくペンダントを口にして吹くと、走り去っていた車は大爆発を起こしてしまう。

それに驚いた小森は、その場から逃げ出してしまう。

その頃、青沼組長と黄は、市内のキャバレー「ブルー・スワンプ」でストリッパーの踊りを見ながら商談をしていた。

誰かに呼出された黄が外に出てみると、待っていたのはアンディで、赤月が二人の男を合わせたがっているぞと脅して、店に戻す。

その後、店の裏口に廻ったアンディは、外に置いてあったビールケースを抱えながら、何喰わぬ顔で店内に入り込むと、そこでは、空港で見かけたストリッパーが、又、マネージャー(マイク・ダニーン)を怒鳴り付けていた。

どうやら、今日のショーが受けなかったので機嫌が悪いらしい。

店の中の様子を覗き込むと、ちょうど、黄が青沼を連れて出て行く所だった。

タクシーに乗って去った二人を追う為に、アンディは裏手にあったスクーターを拝借する。

工場跡にやって来たアンディは、スクーターの後ろに積んであったサラダ油の瓶を二本持って扉に近づくと、それを鉄扉に下に流し、音がしないように開けて中に侵入する。

すると、そこに座っていたのは、死んだ青沼の死体だった。

そして、アンディに銃を突き付けて来たのは、松葉づえをついた赤月だった。

その赤月の後ろにやって来たユミが、こっsろり床にサラダ油を流しているのを見たアンディは、彼女が自分を助けようとしている事に気づく。

それに気づかない赤月は、青沼興行の権利書をこちらに寄越せと迫ったら、ふるえながらサインしたと、愉快そうに打ち明けていた。

黄は、密売組織のボス、ルボアが狙っているので逃げたとも言う。

それを聞いていたアンディは、間もなく、ここに静岡県警の四課が駆け付けて来る時間だとはったりをかましていると、それを二階で聞いていた手塚が、偶然芋にも近くで見つけたサイレンを鳴らし始める。

しかし、すぐに又、補聴器男に殴られ気絶してしまうのだった。

青沼は、松葉づえに仕込んでいた刀で斬り掛かって来て、アンディと対決になる。

何とかアンディを助けようと、二人に近づこうとしたユミは、先程自分で床に撒いた油に滑って転んだ拍子に、近くにあった鼠の死骸を拾い上げた事に気づき、その場に気絶してしまう。

そんな中、気絶していた手塚が目覚め、ユミもすぐに気づくと、まだ二階部分で戦っていた赤月をピストルで撃ち、そのはずみで下に墜落した赤月は死亡する。

手塚とユミにアンディは、パトカーで「ブルー・スワンプ」に向う途中、麻薬密売のボス、ルボアは整形したらしいので、その今の顔は分からないのだと打ち明けていた。

「ブルー・スワンプ」に到着してみると、例のストリッパーが支配人に向って怒鳴っている。

支配人に訳を訪ねると、彼女のマネージャーが消えてしまったのだと言う。

金等は一切盗まれていないと言うので、そのマネージャーとはどこで契約したのかと聞くと、マニラで知り合ったと言う。

アンディは、その姿をくらませたマネージャーこそルボアだった事に気づく。

一緒に列車で東京に帰る途中、ユミは隣席のアンディに、赤月とはギャラが未払いだったので、契約関係は消滅したと言いながら、ベレッタジャガー10mmを返していた。

ユミが、アンディのライターも返そうとしたので、それは青酸ガスを出す武器だから気を付けてと教えるアンディ。

やがて、マニラに向う羽田から飛び立ったパンナム機には、アンディとユミ、そしてそのユミから教えてもらったと言う手塚と、さらには秘密裏に小森も乗り込んでいた。

マニラ警察に直行した三人は、迎えてくれたモラリス警部(アンスルモ・ガルシャ)にアンディは、手塚を部長刑事、ユミを秘書のミス沢田として紹介する。

モラリス部長から、武器の密造工場がありそうな場所を教えてもらい、ホテルに向った三人だったが、独り部屋で備え付けの水を飲んだアンディは、その場に倒れてしまう。眠り薬が水に混入されていたのだ。

その頃、自室でシャワーを浴びていたユミは、偶然にも窓から見えるホテルの下の出口から運び出されるアンディの姿を発見、急いで着替えるとその後を追跡すると、小森と黄に担がれたアンディがセスナ機に乗せられる所だった。

一方、手塚は、やって来たボーイからプレゼントといわれ、紙袋を渡されていたが、中を開けると、トランシーバーと、「アンテナを伸ばして待っていろ。CRS」と書かれた紙が同封されていた。

意味が分からず、それを持ったまま廊下に出ると、先ほどのボーイが、親切にもトランシーバーのアンテナを伸ばしてくれる。

星野の部屋や、ユミの部屋をノックしても何の返事もないので戸惑っていると、そのトランシーバーから声が聞こえて来る。

それは黄からのもので、今、車でアンディの身柄を某所に運んでいると言う内容だった。

しかし、そこに戻って来たユミが、その知らせは嘘で、本当は、アンディはセスナで運ばれているのだと教える。

二人は、廊下で先ほどのボーイを見付けると捕まえて、そのボーイに運転させた車で空港に向う事にする。

その道すがら、トランシーバーでに黄に連絡を取ったユミは、実は、今アンディを運んでいるセスナの車輪部分に爆弾を仕掛けたので、3時に爆発すると脅かした後、到着した空港から自分達も別のセスナ機に乗り移って後を追い始める。

セスナの操縦は、昔、戦闘機乗りだったと言う手塚が担当。

その頃、気づいたアンディを助手席に縛った黄は、小森から、今、奴らはセスナですぐ後ろ偽待っていると連絡を受けた黄は、慌ててアンディを残し、自分だけパラシュートで飛び出して行く。

縛られたまま飛行を続けるアンディが乗ったセスナの上に自分達のセスナを追い付かせた手塚は、下に縄梯子を降ろすと、それを伝って下のセスナに乗り移る。

何とか、操縦席まで乗り込んだ手塚だったが、安心したのか、その場で気絶してしまう。

一方、操縦を代わったユミは、降りていた黄のパラシュート目掛けセスナを突っ込ませる。

プロペラにパラシュートが絡まり、操縦不能になったセスナ機からユミは脱出、その直後、セスナは大爆発を起こす。

その後、気づいた手塚は、何とか機体を安定させるが、こちらも見知らぬ島に不時着してしまう。

歩いている内に気づくと、崖の上から大木が転がって来るので、それから逃げようとした二人は、斜になった砂浜の下まで転げ落ちて行く。

落とした銃を拾おうとした手塚だったが、どこからか撃たれ、それを妨害される。

見渡すと、数人の男たちが、機関銃をこちらに向けているではないか。

どうやら、偶然にも、敵のアジトの島に着いたらしい。

アンディと手塚は、その男たちに連行され、武器密売の施設の一室に監禁されてしまう。

別屋では、その二人から奪い取った身分証明書を小森がルボアに渡していた。

そんな二人が縛られた部屋の窓から、ユミが顔を覗かせる。

手塚は会話を聞かれないようにと、いきなり浪花節を唸りはじめ、外の見張り(ゲルト・ビシノスキー)をごまかしはじめる。

海に落ちて裸になったが、女の身体のある部分に爆薬を持って来たと言う。

その言葉を想像しかけた二人に、変な想像をしないで、それはブラのパットの事だと教えるユミは、壁の外側に爆薬を仕掛け、丸めた小型の爆弾を窓からアンディの口に放り込む。

アンディは、それを後ろ向きに縛られていた手塚の手の中に落とし、手塚は、そのプラスティック爆弾を自分達を縛った縄に塗り付ける。

やがて、部屋の隅に二人を移動させたユミは、ペンダントを吹き、壁と綱を爆発させ、手が解放された中の二人はマシンガンを一丁奪い外に脱出するが、気づいた敵は応戦して来て、結局、三人とも又捕まってしまい、銃殺される為庭に整列させられる。

ベルメイユの手先か?と聞いて来たルボアだったが、それには答えず、アンディは、最後の願いとして煙草を一本吸わせてくれないかと願い出る。

それを聞いた小森は、近くに積んであるドラム缶にマッチを投げ付けるかも知れないと注意するが、ルボアは、中は全て空だと安心させ、煙草とマッチを三人に投げ与える。

それを吸う真似をして、マッチに点火した三人は、小声で打合せした通り、空のドラム缶の口目掛けてそれを投げ入れる。

すると、ドラム缶は爆発しはじめ、それがドンドン近くのドラム缶に誘発して行き、辺りは飛び交うドラム缶で大混乱に陥る。

敵の仲間たちは、ドラム缶に次々と倒されて行き、何時の間にか、建物の上に登っていた三人が全員マシンガンを手にしている事に気づくと、降参するのだった。

人質にしたルボアに、アンディは、ケソン市警へボドロ島に来るよう無線で知らせさせていた。

一方、別室に連れて行かれた小森は、拳銃を持ったユミと手塚に見張られていたが、最後の願いとして、自分が持っている酒を飲まさせてくれと願い出る。

ルボアは、5000ドル出すから見逃してくれと、アンディに懇願する。海岸にスピードボートを用意しているので、自分はそれで逃げるつもりだと言う。

その金の隠し場所を確認したアンディは、持っていた拳銃を外の砂浜目掛けて放り投げる。

服から取り出した容器の口の部分をいじり、グラスに中身を注いだ小森は、何時の間にか手にしていたアンディのライターで煙草に火を付けようとするが、それに気づいたユミが、それは青酸ガスが…と言いかけるが、時既に遅く、ライターを押した小森は倒れ、その時倒したグラスの液体が自分自身に降り掛かってしまい、床に倒れた彼の身体は、手塚とユミの目の前で焼けただれて行く。

アンディはルボアに、砂浜に行き、今自分が投げた拳銃を拾ったら振り返ってこちらを撃て、自分も一発だけライフルを撃つと申し出る。弾はどちらの銃にも一発しか入ってないと言う。

それを信じて、外に駆け出したルボアは、落ちていたピストルを掴むと、振り向きざま、窓の外に出ていたアンディ目掛けて引き金を弾くが、構えていたアンディも、ルボア目掛けて発砲する。

ルボアは、見事に胸を撃たれ即死。

その部屋にやって来たユミは、アンディの正体が自分と同じ悪党だった事を見抜く。

手塚と別れの握手をする砂浜で、もし、自分が殺し屋だったらと愉快そうに話すアンディの手を、なかなか話そうとしない手塚。

彼も、アンディの正体を疑っていたのだ。

しかし、あくまでも笑ってポーカーフェイスを装っているアンディを掴んでいる訳にも行かず、結局、手を離し、スピードボートに乗り込むアンディを見送る事になる。

フランス語で「ボン・ボヤージ!」と。

海に乗り出したアンディは、何時の間にか、ボートに繋いだロープの先でユミが水上スキーをしている姿を見つけ呆れる。

そのユミが海上でこけると、アンディも服を脱ぎ海に飛び込む。

海の中で抱き合った二人は、水中でキスをかわすのだった。

画面には「シツレイシマシタ」の文字が…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「ゴジラ FINAL WARS」の中で、宝田明が「私も昔は『100発100中』と呼ばれていた…」と言っていたネタ元の作品。

もともと、岡本喜八監督自身が撮る予定だったものを、あれこれスケジュールの関係で、友人だった福ちゃん(福田監督)が撮る事になったらしいユーモアアクション。

完成した作品を観た喜八監督は、撮って欲しい所は全く撮ってくれなかったと不平を洩らしていたらしい。

どうやら、脚本の行間に込めたアイデアを巧く膨らませてくれなかったと感じたらしい。

確かに、あれこれ細部のアイデアは出て来るが、それが、奇抜なアクションやサスペンスに繋がっておらず、何となく、あれよあれよと言う間に話だけが目まぐるしく展開しているだけの感じがする。

この手の日本アクションの共通項だが、全体的に金もかけていないので、アクションもショボく、最後まで乗り切れない印象がある上に、主人公を演じる宝田明が、全くアクション向きのキャラクターには見えない事も弱い。

裸のシーンが多い割には、その肉体もどう観てもアクション俳優のものではなく、だらしなく見えてしまうだけ。

奇想天外な小道具が出て来たり、008、009、0010などと言う暗号名、浜美枝が出て来る所等は、一見「007」のようだが、雰囲気はむしろ「ルパン三世」に近い。

妙に陽性でお調子者で女好き、正体不明の主人公、美貌とお色気だけでなく、結構抜け目のない行動派の悪女、そして、しつこくコミカルな刑事…、どう観ても、ルパンと峰不二子と銭形のとっつぁんを連想してしまう。

見所と言えるのは、後半ビキニ姿で活躍する浜美枝と、飛行するセスナ機から下のセスナ機へ縄梯子を降ろして乗り移る有島一郎の壮絶アクション(?)くらいか?…。

喜八監督が撮っていれば…と、ちょっと悔やまれてならない作品である。