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スケバン刑事
コードネーム=麻宮サキ

2006年、和田慎二原作、丸山昇一脚本、深作健太監督作品。

この作品は新作ですが、最後まで詳細にストーリーを書いていますので御注意下さい。コメントはページ下です。

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夜の雑踏を走る一人の女子高生、彼女は、町のあちこちに仕掛けてある監視ビデオを気にしている様子。

やがて、渋谷の駅前交差点の真ん中に到着した彼女は、そこで立ち止まり爆発する。

その時、ヨーヨーが飛んで路上に落ち、そのヨーヨーには警視庁のマークが入っていた。

アメリカで、拘束服を着せられた傷だらけの少女が、連行されて行く。

CIAの女性捜査官が太った男にサンドイッチを勧めながら、日本は、子供まで輸出するようになったのかと嫌味を言っている。

どうやら、母親同様、アメリカで札付きのワルの子供を日本に送還する手続きをしているらしい。

何故、母親は返さないのかと男が問うと、母親の方にはスパイ容疑があるので返せないと言う。

日本で13年間、不法捜査をやっていたと言うのだ。

男は、彼女は不法捜査ではなく「スケバン」と言うのだと説明すると、檻の中に入れられていた拘束服の少女が暴れはじめる。

少女は檻から逃げ出す。

スラム街に来た時、幼い少女が「ママ!」と呼び掛けるのに、思わず足を止めた少女は、「ママとはぐれたのか?」とその幼女に近づいた所に、追って来たポリスたちが襲いかかる。

再び、牢に入れられた少女を観に来たサングラス姿の老人(長門裕之)は「面影がある。母親を思い出す。彼女こそ、今、あの名を継ぐにふさわしい」と呟く。

片足を引きずっている太った男は、担当の吉良一俊(竹内力)と名乗り、少女に、聖泉学園に潜入して三日以内に事件を解決しなければ、母親に会えないと言い出す。

実は、彼女の母親は裁判にかけられており、三日後に有罪が確実なのだと言う。

それを救うには、政府の介入にする司法取引しかない。

その為に、少女に未成年の特命刑事として働いてもらうしかないと言うのだった。

そして、事件の説明を始める。

爆発物の噂が絶えない聖泉学園に潜入させた特命刑事が、渋谷の交差点で爆死した。

ネット上に「エノラゲイ」という、広島に原爆投下した爆撃機の名前を冠した裏サイトが開設され、そこにアクセスしていた同校生徒を調査中の出来事だったと言う。

そのサイトには、ロメオというハンドルネームの人物が、何度も書き込みをしており、いつの間にか、参加者たちから崇拝されるようになっている。

さらに2日前から、そのサイトにカウンターが出来、時を刻みはじめたので、何か起きるのではないかと思われるので、その意味を探って欲しいと言う。

何故、自分達で捜査しないのかと言う少女の問いに、吉良は、俺たち大人に子供の気持ち等分からない。子供の心が分かるのは、同じ子供しかいないと答える。

しかし、少女はその依頼を断わる。

私が一番憎んでいるのは母なのだから、ろくでもない母親なんか一生苦しめば良いんだ…と。

しかし、解放された少女にはどこにも行く宛てがなかった。

雨の地下道でうずくまった少女に、近づいて来た吉良が赤い傘を渡し、少女は黙って、それを受取るのだった。

翌日、聖泉学園へと向う女生徒たちの白い傘の中に、一本だけ赤い傘が混じっていた。

前日、サングラスの老人、暗闇指令(長門裕之)の前で、吉良から支給されたケイタイ、生徒手帳、セーラー服、 そして武器としてのヨーヨーを携えた少女だった。

一人だけ、制服が違う少女の登校に、戸惑った教師が止めようとするが、彼女の転校届けが確認されたらしく、彼女は新しいクラスに連れて行かれ、教師に紹介される。

黒板には、昨日、暗闇指令から託された新しい名前が書かれていた。

「麻宮サキ」…と。

転入生紹介に浮かれる生徒たちに向い、黒板を殴りつけたサキは叫ぶ。

「お前ら全員、ヤキ入れっぞ!」

一日目。

今田多英(岡田唯)という女生徒が、トイレの中で、手首を斬ろうとしていたが、その上から水をかけられる。

彼女は、いつも虐められているようで、クラスにある彼女の机も徹底的に落書きで汚されていた。

一方、サキは、廊下で野球帽を被った男とすれ違う。

さらに、一人だけ制服の上に赤いコートを羽織った女王的女生徒と、その取り巻き連中とも。

赤いコートの女生徒は、秋山レイカ(石川梨香)と自己紹介して来る。

サキは、校庭で、生徒たちから話を聞き出そうと仕掛けるが、その時、突然、上から机が落ちて来る。

見上げると、レイカたちがニヤニヤして見下ろしている。

やがて、多英が 机を拾いに来たので、いつもこんな事されているのか?と問いかけ、彼女を連れて教室に戻ると、レイカに啖呵をきる。

ヘラヘラと男子たちが迫って来たので、サキは、その場で全員叩きのめし、「タイマン張りたいなら、一人で来い」の捨て台詞をレイカに残して、教室を後にする。

屋上にやって来たサキに多英は、あんな事止めてくれと哀願する。

その多英に、渋谷で爆死した女生徒が親しくしていた人間がいなかったかと尋ねると、化学部の天城と東山という二人の名を教えられたので、早速その二人に会いに行くと、二人は、手作りの爆弾を身体に括り漬けて喜んでいた。

それをサキに目撃されたと知った二人は、急に逃げ出し、後を追ったサキは、校門の前で二手に別れた東山の方を追跡する事にする。

アーケード商店街に逃げ込んだ東山は、その場にいた多英を人質にして自爆を臭わせるが、サキは冷たく、死にたければ死ね、ただし、関係ないものは巻き添えにするな、一生傷が残ると言い放つと、怯んだ東山は、又逃げようとするが、ふともののベルトに仕込んだヨーヨーを取り出したサキは、東山の頭上にあった看板をねらい撃ち、それを落下させ、動きを封じるが、ヨーヨーの扱いに慣れていなかった為、跳ね帰って来たヨーヨーを自分の額に当て、その場に昏倒してしまう。

心配して駆け寄って来た多英と、彼女から諌められた東山は、気づいたサキと一緒に学校に戻る事になる。

一方、学校に潜んでいた天城の方は、身体に付けていた爆弾のタイマーが、何故か自動的に始まってしまい、パニック状態になるが、そこにやって来た、野球帽の男が、それ君が作ったのか?と優しく尋ね、天城に抱きつくように爆弾を取り外してやると、窓から下に落として爆発させる。

その夜、コンビニの前にサキから呼出された吉良は、天城の姿がどこにも見つからないと教える。

捕まえた秋山の方は、あっさりゲロし、爆弾を作ったと「エノラゲイ」に書き込んだら、すぐにロメオから連絡して来たと言う。

さらに、聖泉学園には、サキの他に、公安の特命も潜入している事も教える。

その後、バスの乗っていたサキに、野球帽の男が近づき、そっと彼女の耳に、自分が聞いていたアイポッドのイヤホーンを差し込んで来るのだった。

そこからは、優しいバロック調の音楽が聞こえて来る。

その頃、多英はネットで「エノラゲイ」にアクセスしていた。

サキも又、自宅で同じサイトにアクセスしていた。

やがて、「22時、リアルタイムイベントが開催される」との書き込みがある。

とある場所に集まって来た正体不明の男たち。

サラリーマン風の男は、残業で遅くなったと言い訳をしながら、手製の猟銃を、ロメオと呼ばれるリーダーらしき男に見せびらかしていた。

潜入した女刑事は始末したか?まだだ…との声も。

そこに、「エノラゲイ」の発信元があるとの密告情報を受けた二名の刑事が近づいて来て、その場で待っていた密告者秋山レイカに確認を取って中には入っていくが、待ち伏せしていたものたちから、マシンガンの餌食にされてしまう。

その殺戮映像は、ネットを通じて全国に流されていた。

帰りかけたロメオに近づいて来たレイカは、今夜は抱いてくれないのかと甘える。

その後、ネットで殺戮シーンを観たと報告していたサキは、事情聴取を終えた東山を帰したと言う吉良の言葉に切れる。

サキは、タクシーで、東山の自宅近くまで来るが、ちょうど、その東山が、ロメオの仲間たちに拉致されかける所だった。

東山を乗せたライトバンを追い掛けたサキは、ヨーヨーで攻撃しようとするが、逆に猟銃で撃ち返されて来て、その場に倒れてしまう。

そこに駆け付けて来た吉良は、自分の失策を詫び、銃声を聞き付け集まって来たパトカーから逃れる為に、自分の車にサキを匿うのだった。

多英は、その日もネット「エノラゲイ」に書き込んでいた。

二日目。

授業中、サキのケイタイに、多英より「大切な話がある」とのメールが入ったので、屋上に登ってみるが、誰もいない。

その頃、多英は、町中を彷徨いながら、あちこちからメールを打っていた。

サキは、メールを確認するだけで、多英の行方がつかめないのでいらついていた。

多英は、今まで誰にも話さなかったけど、メッチャ大切な話があると書いている。

自分は、昨年、大坂から転校して来たのだが、いつも虐められるようになり、「ジュリエット」というハンドルネームでネットに悩みを書き込んでいる内に、「ロメオ」というハンドルネームの同じような境遇の相手を見つけ、いつの間にか仲良しになった。

やがて、そのロメオと言うのが、同じ学校の神田琴美(三好絵梨香)という女生徒だった事が分かり、すぐに二人は意気投合し、ネット上に「ロメオ」と「ジュリエット」に因み「VERONA」というサイトを立ち上げ、全国のいじれられている生徒たちのよりどころにしようと始めたが、その反応の多さを知った琴美は、自分や多英が虐められていても、知らん顔をして通り過ぎて行った教師の事を思い出し、「誰かがやらなければ行けない」と決意すると、単身職員室に乗り込み、その時の教師に事情を聞こうとするが、とぼけられるばかりか、校長までやって来て、我が校にはいじめなんて存在しないと言い張るので、持って来た爆弾を出してみて、一緒に死んでくれと琴美は叫ぶ。

その爆弾を奪おうとする教師たちとのもみ合いの内に、爆弾は、琴美の手を離れ、職員室内で爆発してしまう。

それ以来「VERONA」は、永遠に閉鎖された…はずだった。

では、その琴美は、どうやって爆弾等手に入れる事が出来たのか?

そんな疑問を持ちながらメールを読んでいたサキの元に、レイカが現れ、琴美には片思いの人物がいた。

ある日、その片思いの男から爆弾をもらったのだと教える。

やがて、多英の元に「エノラゲイ」と名乗る人物から一通のメールが届く。

そこには、ロメオと名乗る人物から「僕はいつも君の側にいる」との謎めいた文句が書いてあった。

そして、いつしか「VERONA」サイトは「エノラゲイ」サイトに書き換えられて行った。

多英は、自分の知らない所で、自分と琴美のハンドルネームを騙った者たちが勝手に書き込みを始め、何かを起こそうとしていると怯えていた。

その多英は、ようやく町中でサキと再会する。

多英は、サキに会って欲しい人がいると言う。

その相手とは、病院で治療中の琴美だった。

身体の方はもう完全に直っているのだが、心がまだ直っていないのだと言う。

車椅子に座って、何も答えようとしない琴美が、何故かアイポッドを聞いていたので、そのイヤホーンを取ってメロディを確認してみると、以前、バスの中で、野球帽の男から聞かされた者と同じ曲だった。

これは誰にもらったんだと問いかけると、琴美は「ジロウ…」と呟く。

病院から帰る途中、多英は、明日、学校で集会があるとサキに教える。

それを聞いたサキは、私が守るから、明日学校に行くように多英を説得するのだった。

多英は、何故、自分に親切にしてくれるのか、サキの気持ちを計りかね、何となく疑うような素振りを見せるが、サキは、今まで自分も独りだと思って来たが、今は違う。私は友達だと言い切る。

その夜、独り住まいのアパートにやって来たサキの姿を観た吉良は驚く。

サキは、警視に場所を聞いて来たのだと言う。

あまりにむさ苦しい室内の様子に呆れたサキは、嫁さんとかいないのか?と尋ねると、いると言う吉良が指し示したものは、部屋の隣で飼っていた鶏だった。

その鶏を使った親子丼を振舞われ、ビールも飲むかと誘われたサキだったが、酒と煙草は母親で懲りていると断わる。

吉良は、その母親に酒と煙草を教えたのは自分だったと告白する。

その母親の裁判がアメリカで始まる時間だった。

さっそく、サキは、これまでに判明した事を話し出す。

「エノラゲイ」のカウンターの意味は、明日、聖泉学園に全国からネット仲間が集まる集会の開始を知らせるものだと言うのだ。

サキは、不思議な男にあった事があり、あの男が頭だと思うと告げる。

帰り際、親子丼のお礼を言いながら、母も娘も男を見る目がないと、自嘲気味な事場を残して去って行ったサキを見送った後、吉良は、テーブルの上に伏せてあった写真立てを起こす。

そこには、セーラー服の女性に抱かれた赤ん坊の姿が写っていた。

吉良は、それを観ながら、大きくなったな〜…と、呟くのだった。

帰宅途中、サキはロメオと出会う。

ロメオに誘われて、ビルの屋上に付いて来たサキは目的は何かと尋ねるが、ロメオは、気持ち良い、僕を喜ばせてくれよとはぐらかす。

さらに、君はどうして刑事なんかやっているのかとも。

サキは、今後、琴美や多英に手を出すなと迫るが、ロメオは、人間なんて脆い者だ。バランスを崩してすぐにダメになってしまう。僕がちょっと背中を押してやるだけで…と嘯く。

高校生の頃から、何もかも爆発させたくなって来たと続けるロメオの周囲には、 いつの間にか、ロメオの仲間たちが集まっていた。

ロメオの本名を問うと、木村次郎と答えが帰って来た。

サキは戦おうとするが、すぐに仲間たちから倒されてしまう。

翌日、登校した多英は、レイカと次郎に呼出されていた。

次郎から、麻宮は今日来ない。彼女は、君が神田琴美を追い込んだのだと言っていると伝えられた多英は動揺するが、君がロメオになるんだと次郎から命じられる。

そして、レイカから爆弾の入った紙袋を渡される。

最後の日。

気が付いたサキは、自分の身体に爆弾が取り付けられており、どこかの廃虚に縛り付けられている事に気づく。

その爆弾のタイマーには、ケイタイの受信装置が連結してあり、近くに置いてあったモニターには、トイレに籠って、誰かにメールしようとしている多英の姿が映し出されていた。

メールの返事が来ない事を確認した多英は、自らも、紙袋から取り出した爆弾チョッキを身に付けるのだった。

サキは、渾身の力を振り絞り、縛ってあった紐を引きちぎり、身に付けていた爆弾を外すと、外に放り出すのだった。

吉良からの連絡を受取った暗闇指令は、アメリカとの司法取引を開始すると告げた後、吉良には、学園に向うように命ずる。

聖泉学園の講堂に全国から集まったネット仲間たちを前に、レイカが進みでて、ロメオを紹介すると、出て来たのは、爆弾を隠すように制服を羽織った今野多英だった。

制服を脱ぎ、身に付けた爆弾を見せた多英は、みんな罠だと告白し出すが、誰も聞く耳は持たず、多英の身体は、講堂の真ん中に押しやられてしまう。

そこへ駆け付けて来たサキの姿を観たレイカは、サキは刑事だと全員に向って叫ぶ。

そこに、拳銃を持って暴れ込んで来た男たちや、身体に爆弾を巻き、今日は集団自殺の日だったのだろう?と詰め寄る男等があらわれるが、サキはそれらをことごとく倒して、爆弾を取り外すと、外に持って行って爆発させるのだった。

その頃、聖泉学園の騒動を知り、多くのパトカーが集結するのを観ながら、神泉銀行の前に集結した男たちがいた。

次郎とその仲間たちであった。

彼らの真の目的は、銀行強盗だったのだ。

パトカーが通り過ぎるのを確認した彼らは、一斉に仮面を被ると、銀行内に突入して行く。

学校に集結したパトカーから降りて来た警官隊の前に突き進むサキ。

その警官隊の前に出て来た吉良は、警官隊たちを制止し、サキの為に道を開いてやる。

サキは、コンバットスーツに着替え、次郎たちが待ち受ける廃虚に戻って行く。

そこに待ち構えていたのは、こちらも着替えて、ヨーヨーを操っていたレイカだった。

対峙したサキが、公安の特命を何で裏切った?と問うと、こっちの方が面白いからよとレイカは答える。

サキのヨーヨーが飛ぶ。

対するレイカが放ったヨーヨーには、刃が付いており、一瞬避けたサキの顔に一本の傷が残る。

パイプの足場が組まれた場所での戦いが始まり、一旦はピンチに陥るサキだったが、ヨーヨーをパイプに絡ませ倒すと、レイカを下敷きにする。

さらに廃屋の奥に進み、待ち受けていた次郎と対面するサキ。

次郎の背後には、爆弾を着させられ、縛られた多英、天城、東山の姿があった。

来る途中、机に残された札束を発見していたサキは、全て、金の為だったのかと問いかける。

次郎は、全部、ゲームなんだよ!と、笑って答える。

サキの周囲には、仲間たちが銃を構えて出て来る。待ち伏せされていたのだ。

サキは、仁義をきりはじめる。

「傷だらけの町ニューヨークから、訳も分からず強制送還…、期間限定スケバン刑事 麻宮サキ!」

次郎は、縛られていた多英たちの爆弾のタイムスイッチを起動させる。

タイムリミットは3分間!

サキは、走りながら、周囲の敵をヨーヨーでたたき落として行く。

次郎は、自らも爆弾を抱き、日本刀を持って現れる。

その爆弾のタイムリミットは1分間だけだった。

そして、それまでの顔を脱ぐと、中から別人(窪塚俊介)の顔が現れる。

次郎との戦いで、サキは、ヨーヨーを落としてしまう。

しかし、次郎との間合いを取りながら、落ちたヨーヨーに飛びつくと、ヨーヨーの特殊ボタンを起動する。

ヨーヨーが廻りはじめ、それを多英たちの方に投げ付けると、タイマーが停止する。

さらに、次郎のタイムスイッチ求めようとするが、何故か止まらない。

サキの目の前で、次郎は壮絶な爆死を遂げてしまうのだった。

事件が解決し、サキは、聖泉学園の正門横から、ニューヨークに住む母親(斉藤由貴)に国際電話をかけていた。

帰ってきな、今どこにいるとの母親からの問いに、何時かね、今日本にいるのだと答えると、それなら役に立つ男を紹介しようと言う。

ひょっとしてそれは吉良の事ではないかと聞くと、そうだと言い、もう、ただのおっさんだよと教えると、そうだろうなと母は感慨深そうに答えながら、その男は昔、私を助けようとして足を怪我した事があると言うではないか。

校門の反対側に立っていた吉良は、電話を終えたサキに、これからどうする?次の仕事があるんだが、俺と組まないか?と話し掛けて来るが、サキが何も答えないのを見ると、もう自由の身だからなと答えて帰りかける。

車に乗り込みかけた吉良に、サキは名前を呼んで手を差し出す。

吉良は、その手に、ヨーヨーを渡すと、サキは、多英や琴美が待っていた学園の中に入って行くのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

かつて、テレビドラマ化でも人気を呼んだ人気漫画の映画化作品である。

正直言って、スケバンなどという言葉自体が死語になっている現在、そんなヒロインを現在に甦らせると言う発想自体時代錯誤的な企画だとは思うが、そういうチグハグ感や、ストーリー展開のムリヤリ感などに目をつぶれば、まあ普通に楽しめる娯楽作にはなっている。

あややは、良く健闘している。

顔の雰囲気だけで言えば、歴代のサキ役の中では、一番、原作のイメージに近いかも知れない。

彼女の、スタントをやっている女性の頑張りもあり、アイドル主演にしては、それなりのアクションにはなっていると思う。

ただし、予算の関係か、デジタルに依存し過ぎた爆発シーンや、クライマックスのアクションなどは、やはりどうしても作り物めいていて、迫力不足気味なのは仕方ない所か。

単純に、アイドルの活躍に胸踊らすもよし。

あれこれ、細部の不自然さや、敵の魅力不足を突っ込むもよし。

お気軽に楽しむ、昔のプログラムピクチャーの添え物みたいなレベルと考えれば良いだろう。

ただ一つ、竹内力の肥満振りは、最後まで違和感として残った。