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丹波哲郎の大霊界2
死んだらおどろいた!!

1990年、丹波企画、丹波哲郎原案+脚本、服部光則監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

宇宙は140億年前、ビッグバンから始まりました。

その時、膨大な反物質が作られ、今ではそれが行方不明だと言われている。

その反物質こそ、大霊界だと気づいたのです…と、宇宙空間のイメージ画像を写しながらの、丹波哲郎のナレーション。

廊下を進む3人の足元。

その内、真ん中の男の足がフラ付き気味になるのを、両脇の男たちが支えて歩いている様子になる。

やがて、その三人は室内の階段を登り、真ん中の男の頭には、目隠し用の黒頭巾が被され、首には紐が括られ、瞬時にその男の床の部分が落ちると、男は絞首刑になる。

しばらくすると、その絞首刑になった男、岡本(丹波哲郎)は、ジャージ姿に黒頭巾を被った状態のまま、また一人で階段を降り、廊下を通り、いつの間にか、山上刑務所の正門前に出ていた。

岡本は、夢でも観ているのかと、怪訝な表情になる。

そこへ、池田拘置所から囚人たちが輸送されて来る。

護衛官が、刑務所の門番に報告をしている間、何を思ったのか、岡本は、その護送車の中に入り込むと、運転手(アパッチけん)の肉体に融合してしまい、そのままハンドルを握って、まだ囚人たちが乗っている護送車を走らせはじめる。

驚いた護衛官たちの報告により、直ちにパトカーが護送車を追跡しはじめるが、暴走しはじめた護送車は止まる気配すらない。

運転手に憑依した岡本は、俺はシャバに出て、一度運転したかったんだ!と嬉しそう。

最初は、事態が飲み込めなかった囚人たちも、段々、パトカーをぶっちぎって逃げる逃走劇に興奮し出す。

途中、いくつもの衝突事故を巻き起こしたりしながら、結局、暴走を続けた護送車は、果物屋に衝突し、たくさんの果物が坂道を転がり落ちた騒ぎで止まり、駆け付けた警官たちによって、囚人たちは無事逮捕される事になる。

運転手の身体から抜け出た岡本は、もう暴走の事は忘れたように、一人の人間に出会った事に気を取られはじめる。

それは、自分の弁護士を引き受けてくれていた矢代(高橋幸二)だった。

しかし、岡本が声を掛けても、矢代は全く気づかないように喫茶店に入ってしまったので、岡本も後に続き、同じテーブルの向側に腰掛けると、八代と同じように、やって来たウィエトレスにコーヒーを注文する。

そして、八代が煙草を吹かしはじめた煙を吸って、久々の香に満足感を覚える。

岡本は、無実の罪で死刑を言い渡された自分を最後まで弁護してくれた矢代に礼を言うが、相手は知らん顔。

おまけに、コーヒーを持って来たウエィトレスが、矢代の分しか持って来てないので、岡本は怪訝そうに、僕にも持って来てよと頼むが、ウエィトレスは何も聞こえないように立ち去ってしまう。

そこにやって来たのが、岡本の娘の美香(南條玲子)で、彼女は自分の父親が座っている椅子にそのまま座ってしまい、父親と合体してしまう。

そして、本来嫌いなはずだったコーヒーを注文したので、矢代はちょっと驚いてしまうが、何となく飲みたくなったのだと美香は答え、運ばれて来たコーヒーを一気に飲み干すと、お代りまでしてしまう。

心痛の為、お婆さんが床に付いてしまい、今から父の遺体が運ばれて来るのを待っていると、矢代に近況を話し終えた美香は、店を後にするが、その後を、分離した岡本が追い掛けるが、何の返事もしないで歩き出した美香は、飲み慣れぬコーヒーを大量に飲んだせいか、急に胃の具合がおかしくなり、吐き気を催すのだった。

そんな美香に身体に、ステッキのも持ち手の部分を引っ掛け、道路に引き込もうとした男(稲川淳二)がいたので、岡本は危ないじゃないかと注意する。

すると岡本には、その男の他にも、国民姿の男(谷村昌彦)や行進して来る兵隊たち、昔の客引き風の女など、身体が半透明な奇妙な人間が次々に見えて来るようになる。

その人間たちに、道路を走っている自動車等がぶつかっても、透けて通るだけ。

やがて、娘の舞を迎えに幼稚園に出かけた美香は、舞が誰かに話し掛けながら独り遊びしているのを目撃、一緒に帰るように誘うと、舞は「悟ちゃんバイバイ」と、誰もいない広場に向って手を降るのだった。

少し遅れてその場所へやって来た岡本は、広場で「ママを待っている」と、独り寂しそうにしている少年悟(西田瞬)に気づき、一緒に遊んでやる事にする。

遊び疲れた悟に、おじさんの家に来ないかと誘った岡本は、子供の手を取って、家に向い出すが、途中で、他の女の子が持っていた風船を、悟が取って持って来てしまった事に気づき、返すように諭す。

悟から、風船を返してもらった少女は、不思議そうな顔で、岡本と悟の後ろ姿を見送るのだった。

もちろん、彼女を連れていた母親には、何も見えていなかった。

自宅に戻って来た岡本と悟は、自分の位牌に手を合わせている矢代の姿を見つける。

岡本の母親(一ノ宮敦子)が、最後まで付き合わせてしまって…と恐縮してみせると、矢代は、無念ですと、頭を下げる。

そんな中、通夜の様子に退屈していた舞は、悟の姿を見つけて一緒に遊び出すのだった。

母親は、無罪の罪で死刑となった息子を思うあまり、真犯人を自分が殺してやりたい等と過激な事を言い出すが、それを横で聞いていた岡本は、自分ならここにいるじゃないかと、不思議そうに語りかける。

すると、母親は、何だか、あの子が近くにいるような気がすると言い出す。

その直後、岡本の名前を呼ぶ声がするので、その主を探す岡本だったが、やがて、部屋の天井付近に光が出現し、その中に、岡本の身体は吸い上げられてしまう。

屋根の上に登った状態の岡本は、空中に浮かぶ巨大な金色の棒のようなものに跨がる、三人の天使のような少女たちを観る事になる。

その天使たちからこの棒に乗るように命じられた岡本は、悟も一緒に連れて行ってくれと頼む。

最初は乗りたがらなかった悟だが、自分だけが置いてきぼりを食らいそうになると乗りたいと言い出し、結局、一緒に乗せて行く事にする。

空に飛び立った金の棒を、岡本家の二階の窓から観ていた舞は手を振り始める。

その様子を観た母親の美香は、何もない空に向ってバイバイと言っている娘を不思議そうに見守る。

岡本らが乗った金の棒は、宇宙空間の中を突き進んで行き、やがて、大きな月を横切ると、巨大な海のような所を飛び過ぎて行く。

その内、悟はオッシコがしたいと言い出す。

それに対し、三人の天使たちは、この世界ではオシッコ等出ず、それは前世の記憶が残っているだけの錯角に過ぎないと説明するが、そう聞いた岡本も尿意を催してしまい、結局、二人を一時下ろす事にする。

そこは、光の山の連なりの中のようで、岡本は、ものすごい光のきらめきに驚きながらも、素晴らしいね〜。とてつもなく大きな愛を感じると、感じたままを洩らす。

天使たちは、先ほど飛んで来た三途の川は、下流になるに連れ、人間界に近づき汚れて行くと話してくれる。

やがて、再び金の棒に跨がって飛びはじめた岡本は、 巨大な花畑から漂って来る、素晴らしく言い香に恍惚となるのだった。

間もなく、岡本たちを乗せた金の棒は、とてつもなく巨大な金色の宮殿のような所に到着する。

そして、ゆっくり縦になって、その金色の宮殿の柱の一本になった棒に乗っていた彼らは、下に滑り落ちてしまう。

驚いた?と聞く天使たちに、驚いた!と、正直に答える岡本。

すると、悟!と呼ぶ声が聞こえ、どこからともなく、悟の母親が踊りながら現れ、ゆっくりとサトルを抱き締めるのだった。

さらに、金色の柱の元で、唖然と座っていた岡本の前に、大勢の天使たちのような女性が現れ、群舞を踊り始める。

その踊りが一段落すると、真っ白な衣装に身を包んだ女神様(ジュディ・オング)が出現する。

その女神様に向って、何故、こんな素晴らしい所に自分を連れて来てくれたのかと問いかける岡本。

すっると、女神様は、あなたが無罪だからだと答える。

この世界では、嘘やごまかしは一切通用しないのだと言う。

妻殺しの真犯人も御存じなのですかと問いかけると、もちろんですと、女神様は答え、宮殿の周囲に咲き乱れる花畑の方を指し示すと、そこに、噴水のような光が吹き出し、その上にテレビが像のようなイメージが浮かび上がる。

生前、妻の真由美(中原ひとみ)から、車のブレーキがおかしいから直してくれと言われ、修繕してやった岡本だったが、その車を運転中事故でなくなってしまった為、保険金目的の計画殺人ではないかと、刑事(竹中直人)から、厳しい追求を受ける事になってしまう。

しかし、実際は、夜、国道14号線で衝突しそうになった対向車を避ける為、ハンドルを切り損ねての転覆事故だった。

そして、その対向車に乗っていたのは、あの矢代弁護士その人だった。

さらに、女神様は、そんな運命にあなたがなったのも、前世で、あなたの祖先が、矢代の祖先の妻を殺した事がある為、そのカルマなのだと言う。

130年前の江戸時代、矢代の祖先の妻に横恋慕していた中間の岡本(丹波哲郎)は、使いに一緒に出かけた橋の上で、その事を告白し、迫ろうとするその手から逃げようとした妻が、過って橋から転落死してしまっていたのだ。

しかし、裁判では、裁判長(タモリ)から有罪を言い渡されてしまう岡本。

自分で蒔いた種は、自分で刈り取らねばならない。それが「カルマの法則」。あなたが、弁護士に復讐しなければ、又生まれ変わって、新しい修行が始まるのです…と、女神様は解説する。

気が付くと、ウエディングドレス姿の真由美が、花畑に立っているではないか。

久々に再会に感激する岡本。

そんな二人の頭上に、大勢の天使たちが花を摘んで祝福するように投げかけるが、摘み取られた花は、すぐに又新しい花を咲かせるのだった。

手を取り合った岡本と真由美は、結婚当時のような若々しい姿に変身する。

そして、二人の身体が合体する。

天使の一人(山瀬まみ)が、一心同体になると言うのは、霊格が高まる事でエライって事だよと、他の天使たちに解説する。

その後、再び分離した二人(丹波義隆、土屋里織)に、女神様は、あなたたちは大霊界について知識を学ばねばいけませんと諭す。

霊衣に着替えた岡本は、大勢の新人霊が集まった大講堂のような所で、学校長のような人物(丹波哲郎-二役)から講義を受ける事になる。

肉体から離れた魂は、大霊界に帰る事を待ち焦がれている。

生と死の境界ははっきりしないため、肉体から魂が離れる時はただ呆然と眺めているだけで、最初は不安だが、やがて、それは歓喜と希望に変わる。

それは、人間界で、大霊界の知識を失っていたからに過ぎない。

実は、死とは、大霊界への里帰りなのだ。

皆さんは、これから守護霊となって人間を守りなさい。それが神様の思し召しなのだ…と言う内容だった。

その頃、真由美は、保育園で子供の天使たちを見守っていた。

そこにやって来た岡本は、子供達は、物質的な欲望がないので、天使になるべく育てられているのだと教えられる。

岡本は真由美に、自分は、こんな素晴らしい所に連れて来てもらった矢代さんに、お礼とお詫びがしたいので会いに行こうと思うと打ち明ける。

結局、岡本と真由美、そして、どうしても付いて行きたいと言う悟の三人は、人間界に戻る事になる。

しかし、矢代の書斎に到着した三人の姿は、当然ながら矢代には見えない。

そんな状況の中、悟が、机の上に置いてあった自動車型のタバコ入れを玩具にし始めたから、矢代は、驚愕する。

さらに、着物姿だった矢代の帯を触ったり、座った椅子を廻したりするものだから、矢代は大混乱。

岡本と真由美は、そんな悟のいたずらを止めさせようとするのに精一杯と言う状態だった。

翌日、事務所に出勤して机に付いた矢代は、突然、自分の手が勝手に動きだし、ノートに自分の知らない文字を書きはじめたから動転してしまう。

自分のペンを使ってノートに書かれた文には、僕は今、素晴らしい所にいる。君を恨んでいない…など、意味不明の事が書いてある。

おまけに、気を落ち着かせるため、煙草に火をつけようとするとと、それを悟が又いたずらで吹き消してしまう。

さすがにたまりかね、精神科の医者(中原早苗)に診てもらいに行くと、その女医が同伴者は出て行ってくれと言い出す。自分一人だけのつもりの矢代は訳が分からないのだが、実は岡本たちが横に立っていたのだ。

その後、両親の呵責に耐えかね、岡本家の霊前に手を合わせに来た矢代だったが、その目の前で、位牌が倒れてしまう。

こうした事でノイローゼ状態になった矢代は、自宅で猟銃自殺を遂げてしまう。

大霊界に戻った岡本は、女神様に、矢代が死んだのは私たちの誤りですと反省し、地獄に落ちた矢代を救出に行きたいと申し出る。

それを聞いた女神様は、自殺者の落ちた地獄と言うのは並みの地獄ではなく想像を絶する所だから…と危惧するが、考え直して、きっと良い修行になる事でしょう…と、三人の天使を連れて岡本たちを送りだす事にする。

真由美は、いざとなったら、あなたの身体に入ると提案する。

再び、金の巨大な柱のに跨がり地獄へ向った6人は、妙な匂いのする無気味な洞窟の中に入って行く。

すると、三人の天使の中の目からいきなり光線が発射され、待ち伏せていた地獄の住人に数発当るが、多勢に無勢、岡本たちは、大勢の地獄の亡者に捕まってしまい、彼らの街に連れて行かれる。

そこでは、ちょうど、市長を決める選挙中で、何人もの候補が演説を行っていた。

心中クラブの千田万五郎とか、売春党、凶器党、病気党、破壊党など、奇妙な政党名の候補ばかり。

あっけに取られる岡本たちは、やがて群集たちの流れのままに、街にある「キャバレー天国」という場所に入る事になる。

真由美は、ここは危険だからと、岡本の身体と一体化する。

中では、どんちゃん騒ぎの真っ最中。

女たちが「♪ここは地獄の一丁目〜♪」と歌い踊っているし、女店主らしき人物が、自分が市長になると叫び出す。

そんな中、早々に退散しようと店を出かけた岡本だったが、店員らしき男から金を払えを要求される。

金等持っていないと狼狽した岡本だったが、その場を立て替えて救ってくれたのは、金持ちだと言う医者(ケーシー高峰)だった。

しかし医者の病院に連れて行かれた岡本は、縛られ診察台に寝かせられるが、岡本の身体に一体化していた真由美が、この人たちの手は冷たいと教える。

やがて、医者は、看護婦に計らせた岡本の熱が36度5分だと分かると、平熱が6度5分である自分達と違う珍しい体質らしいので、実験用に保存しておくようにと、看護婦たちに命ずるのだった。

天使たちも一緒に、縛られた状態で保存室に連れて行かれるが、岡本の身体から抜け出た真由美から、縛りを解いてもらい、早く矢代を助けなければと相談していたが、たまたまそこにいた男が、その言葉を聞いて、その男なら俺が居場所を知っていると教えてくれる。

すぐさま、その男から案内され、とある扉の所にやって来た岡本は、その扉を開くが、その向こうは、至る所に火が燃えている荒涼とした荒野だった。

そこでは、多くの自殺者たちが、大男(荒勢)や大女(ダンプ松本)の乗ったソリを鞭打たれながら引かされていた。

岩陰に隠れて、矢代を探していた岡本たちは、ソリを弾いている自殺者たちの中にその姿を発見するが、どうやって連れ出せば良いのか見当が付かない。

天使たちに、目から光線を出してくれと頼むが、彼女たちは天使の落第生たちなので、自分の意思で自由に出せないのだと言う。

そんな相談をしていた彼らは、ソリに乗った大男に見つかってしまう。

結局、岡本や真由美、悟までもが、ソリを引かせられる事になる。
悟は思わず「神様〜!」と助けを呼び続けるが、何の反応もない。

そんな中、大男に捕まりそうになった天使の目から、光線が発射され、それが当った岩が崩れ落ちて来る。

そのドサクサに紛れ、矢代を救い出した岡本たちは広大な地獄の中を逃げはじめる。

その後を大勢の大男たちが追って来る。

逃げながら、岡本は、自分は若返った岡本だと矢代に説明していた。

しかし、当の矢代は、何故、放っといてくれなかったのかと救出劇に不満そう。

彼らはやがて、泥沼のような所に入り込んで行くが、すると、それまで追っていた大男たちは追跡を止めてしまう。そこは底なし沼だから、もう追わなくても、彼らに逃げ道はないと分かっていたからだ。

腰まで泥に使って身動きが付かなくなってしまった岡本たちは、もはやこれまでかと観念するが、天使たちが、私たちに最後はありませんと力付ける。

悟や岡本たちは、天に向って「女神様〜!」と叫び続けるが、何の返事もない。

やがて、泥の中にいたらしい蟹に天使たちが挟まれ、それに吃驚した彼女たちは、四方八方に光線を発射しはじめる。

すると、それが合図だったかのように、天空から巨大なバベルの塔のようなものが舞い降りて来る。

泥沼に使っていた全員は、その中に吸い上げられて行く。

その後、大霊界の宮殿で霊衣に着替えた岡本、矢代は、女神様から、今度、霊格向上の為、二人は再び、人間界に戻る事になったと告げられていた。

もはや、悪いカルマは消えていると言うのだ。

真由美は、私はあなたの守護霊として、ここで見守っていると言い、悟は、後から行くからねと、無邪気に言う。

大勢の天使たちが、「♪か〜ごめかごめ〜駕篭の中の鳥は〜♪」と歌う中、岡本と矢代は、霊の巨大な金色の柱に跨がって、地球に向うのだった。

その様子を、大勢の天使たちが、巨大な階段を掛け降りながら手を振って見送る。

地球のとある産婦人科の新生児室では、双子の男の子が誕生していた。

各々、額と首筋に痣があった。

それは、猟銃自殺した矢代と、絞首刑になった岡本の証だろうか。

赤ん坊たちは、みんな大霊界の事を覚えているが、口がきける1〜1年半くらいまでの間に、それらの記憶を全てなくすのだと、丹波哲郎のナレーションが締めくくる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる」(1989)が思わぬヒットをして、そこで手にした利益を全て注ぎ込んで作り上げた、丹波哲郎の個人的趣味映画。

映画としては、どう考えてもハチャメチャと言うしかなく、ただただ、大霊界の宣伝マン丹波大先生が好き勝手に作ったものを、我ら凡人が有難く拝見させて頂くと言う感じ。

下手に理屈で考えながら観ていたりすると、そのギャグなのか真面目なのか分からない展開に、ただ呆然としてしまう事請け合い。

見所1、冒頭の、ボンネット部分が開きかけたようなポンコツ車同士がぶつかったり横転する「西部警察」ノリだが、どう考えても「全く意味のないアクション」シーン。

見所2、大霊界で、先立っていた妻の中原ひとみと再会した丹波哲郎、光に包まれると、丹波義隆と土屋里織(共に実子同士)に大変身!(ほとんどヒーローもののノリ。ジャッカー電撃隊?)

見所3、大霊界の女神様はジュディ・オング、大きな金ぴかの宮殿の中は女子大のような雰囲気。金ぴかとお花畑と女子大生…、ものすっごく「通俗的な世界」のような…。

見所4、地獄も登場するが、場末の繁華街みたいな感じ。キャバレーや病院など普通にあり、毎晩『フィーバー(死語)』しているようで、こちらの方が楽しそう。町の周囲も、普通の山や洞窟にしか見えず、イマジネーションゼロ!

見所5、ワンシーン出演しているタモリとさんまの、いかにもふて腐れた演技。(ギャグ、一切なし)

見所6、天使役の山瀬まみ他、女の子たちの眉が異様に太い。

全体的な印象は、ヒーローが登場しなくて退屈な「戦隊もの」と言った感じ。

無意味に金を掛けているだけあって、合成シーンはやたらと多いが、ハイジジョン合成なので、特撮としての面白みは余りない。

あくまでも、トンデモ映画なのだと割切って楽しむのが一番だと思う。