1947年、ポール・グリモー監督作品。
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雪の日、とある玩具店の中。
人間は誰もいず、玩具が置いてあるだけ。
突然、オルガンの上に飾ってあった絵の中の少女の眼が動き出し、踊り出す。
その前に置いてあったゼンマイの軽業人形が、その少女に答えるように、自ら、身体に付いている大きなネジを巻いて、アクロバット運動を披露し出す。
その横の箱の蓋が少し開き、中から辺りを伺う大きな眼が光る。
その時、兵隊人形たちが鼓笛をうちならし、突然「おもちゃ全面破壊令」が出された知らせ。
大きな駒が廻りながら、店の中を移動しはじめる。
そして、軽業人形も、兵隊に連れて行かれてしまう。
すると、箱の中から、太ったタキシード姿にヒゲの紳士風人形が出て来て、絵の中の少女に色眼鏡を使い出す。
しかし、踊っていた少女人形は、無視しようとする。
そうした状況に迎合するかのように、動物の楽団人形が明るい音楽を奏ではじめる。
ライオン人形がバイオリンを弾き、兎人形は木琴を叩き、ロバ人形がピアノを弾く。
やがて、戦争で負傷したのか、雪の中を、傷付いた軽業人形が帰って来る。
玩具店の窓辺に立ち、又、自らゼンマイを巻いて、アクロバットの動きをしようとするが、その胸のネジを、突然、紳士風人形が抜いてしまう。
命を失ったように、軽業人形は、雪の積もった表に落ちてしまう。
そこへやって来た雪だるま男が、その人形を拾って、帽子の乗せて河に流してしまう。
軽業人形の命が尽きたらエサのしようとするカラスたちが後を追い掛けて行く。
その姿を観て、泣き出した少女人形だったが、紳士風人形からネジを奪い返すと、雪の外に降りて、軽業人形を追い掛けはじめる。
少女人形は、河に飛び込むと、浮かんで流れていた氷のかけらに乗るが、追い掛けて来た紳士風人形は、石を岸から投げて、二人が接近するのを妨害しようとする。
石では効果がないと分かると、大きな鉄の塊を投げ付け始める。
流れていた帽子に近づいた少女人形は、軽業人形を自分の氷のかけらに乗せ、ゼンマイを胸に挿して巻いてやるのだった。
紳士風の人形は、他に何か投げるものを探そうと、雪の中をかき回しているうちに、動物捕獲用の罠に手を挟まれてしまう。
やがて、身動きできなくなった紳士風人形に、カラスが近づいて行く。
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セリフなどはなく、動きだけで見せる短編アニメだが、風刺が効いていて、言葉がなくても内容が良く理解できる完成度の高い作品。
太った紳士風の人形は、政治家の風刺ではないだろうか。
