1994年、東映、八手三郎原作、杉村升脚本、東條昭平監督作品。
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ヨットハーバーでくつろぐカクレンジャーたち。
そんな港の一角に立つ真新しい一軒家では、女の子が玄関の前を掃除していた。
そこへ友達と一緒に帰って来た弟のしげるは、駅前のゲームセンターで遊ぶので金をくれと姉にねだる。
しかし、姉は、今外国に働きに出ているお父さんが建ててくれたこの家のローンがすむ間では、お金の無駄遣いはしないでおこうと二人で約束したではないかと言い聞かせる。
二人の母親(堀江美都子)も、その日は日曜だったのでパートに出かけて留守だった。
そんな姉弟は、突然、すぐ横に置いてあったゴミ用のポリバケツががたがた動きだし、中からゴミが飛び出して来るのを見て、びっくりしてしまう。
やがて、おかしな格好の二人の男が出現し、この家は呪われている。家の中に変な人形があるはずだが、災いの元はそれなので、すぐに捨てるように、姉と弟に迫る。
気持ち悪くなった二人は、すぐさま家の中に入ると、ドアに鍵をかけてしまうが、すると、突然電話がかかって来て、出てみると、又、人形は捨てたか?と問いかける怪し気な声が聞こえて来る。
やがて、部屋中のものが動いたり浮いたりし始め、テレビには一ツ目の怪人の姿がいきなり映り、壁にはたくさんの手が生えて来る。
弟のしげるは、その手に吸い寄せられるように空中に浮かんだかと思うと、突然、床に出来た穴の中に落ちてしまう。
その時、偶然、その家の前を通りかかったネコ丸バスに乗っていたカクレンジャーたちは異変を察知し、すぐさま、その家に入り込もうとするが、鍵がかかっているので入れない。
その時、家の中に置いてあった外国製の人形が突如発光しはじめ、妖怪たちは消え去ってしまう。
その妖怪二人は、海岸に逃げて来るが、その場に巻かれていたカクレンジャーのまきびしで足を怪我してしまい、一ツ目小憎の兄弟の正体を現す事になる。
カクレンジャーたちは、ただちにスーパー変化し、変身する。
一ツ目兄弟たちは、尻尾攻撃や、長髪攻撃、一ツ目ビーム等で攻撃を仕掛けて来るが、カクレンジャーたちがくり出す技には叶わず、そのまま逃げさってしまうのだった。
その後、自宅にカクレンジャーを招いた姉は、新築の自宅にある家具類は、すべて、外国へ行く事が多い父親が一つ一つ買い揃えて来たものだと話す。
奇妙な人形も、そうした父親が外国から買って来たもので、家を守る守神だと言っていたと言う。
その頃、一ツ目兄弟は、箱庭で遊んでいる大入道に詫びを入れていた。
その妖怪、大入道は、現実の建物や車などをミニチュアサイズにして、自分の街を作る遊びに熱中していたのだが、問題の姉弟が住む新築住宅もミニチュアにしようと、一ツ目たちを差し向けたが、人形の魔力で巧く行かなかった事を聞いて激怒する。
それにびびった一ツ目兄弟は、何とか、大入道をなだめすかそうと、東京タワーを箱庭の中に建てたら素晴らしいんじゃないかと入れ知恵する。
そのアイデアに乗った大入道は、さっそく、背負ったチューバを吹き鳴らすと、東京タワーはあっという間に小さくなり、驚く街の人たちの目の前から飛んで行ってしまう。
さらに、車も次々にミニチュア化され、気が付いてみると、東京タワーも小さくなって玩具のようになった車も、大入道の箱庭の街の中におさまっていた。
その頃、しげるは、自宅の蛇口から蛇が出て来る幻覚を見、もうこんな家は嫌だと外に逃げ出してしまう。
その時、再び出現した一ツ目兄弟たちに、しげるは捕まってしまう。
そして、その捕まったしげるの姿は、鶴姫(広瀬仁美)と姉がいた家のテレビが面に映し出される。
画面の中で苦しむ弟の姿と、人形を捨てろと言う一ツ目兄弟の言葉をテレビで見た姉は、迷いに迷い、とうとつ、鶴姫が止めるのも聞かず、人形を窓から外に捨ててしまう。
すると、彼女たちが住んでいた家はたちまち小さくなり、そのまま空を飛んで行ってしまう。
それを目撃したセイカイ(河合秀)は、ネコ丸を運転して空を飛び、家を追う事になる。
気が付いた姉が、恐る恐る玄関の扉を明けてみると、目の前に線路が伸びており、正面から電車が突っ込んで来るではないか!
彼女の家は、箱庭の街の線路の上に出現していたのだった。
間一髪の所で大入道に救われたその家は、別の場所に安置される。
大入道の住処らしき場所を発見した他の四人は、その場所に一斉に潜入する。
やがて、室内の檻の中に閉じ込められていた鶴姫と姉弟の三人を見つけると、忍法を使って救い出す。
気配に気づいて、部屋の中の様子を見に来た大入道と一ツ目兄弟は、檻の中がからっぽなのに気づき大慌て。
確認する為、自分達が、牢の中に入って、逆に閉じ込められたりする。
そこへ登場したカクレンジャーたち、お馴染みの見栄を切って、大入道たちと対峙する。
忍法水走り、忍法花吹雪、自転車アクションを披露したり、ニンジャレッド(小川輝晃)は分け身の術で7人に増え、一ツ目兄弟を驚かせたりする。
大入道がチューバを吹くと、辺りは火の海。
そんな中、一ツ目の兄は、カクレンジャーたちの攻撃に爆発してしまう。
それを見た、弟は大入道と合体巨大化。
一方カクレンジャーは、獣将を招来。
丸まって、巨大ボールになって突っ込んで来た敵だったが、カクレスライダーで弟がやられる。
その後、カクレンジャーたちは忍法合体で無敵将軍に変型。
火炎将軍剣で敵を粉砕するのだった。
大入道が作っていた箱庭は爆発し、ミニチュア化されていた建物や車は、元に戻る。
自宅を無事取り戻した姉は、父親に感謝しながら、庭に捨てた人形を拾い上げるの。
そこへ、パートに行っていた母親が帰宅、来週、外国から父親が帰って来る事を伝えるのだった…。
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時代劇をモチーフにした戦隊もの「忍者戦隊カクレンジャー」の劇場版。
講釈師として、三遊亭円丈が時々登場し、内容を説明したりするのがまず異色。
アクションシーンに、昔のテレビ版「バットマン」でお馴染みだった、漫画の書き文字風擬音テロップが重なったりするし、妖怪のデザインも、かなりアメコミタッチ。
本作に登場している一ツ目小憎兄弟なども、ラッパー風のファッションだし、大入道にしても、アラビアンナイトにでも出てきそうなイメージ。
ネコ丸と言うネコ形に塗られた移動用バス、 合体ロボ無敵将軍も、まるで動くお城と言った破天荒なデザインで、全体的に奇想天外な雰囲気が楽しい。
ニンジャブラックことジライヤを演じているケイン・コスギは、まだ片言の日本語しかしゃべっていないのが懐かしい。