TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

紅の拳銃

1961年、日活、田原泰治郎原作、松浦健郎脚本、牛原陽一監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

戦争中、同じ連隊の中隊長で、今は、とある会社の社長の肩書きの裏側で暗黒街にも勢力を伸ばしている小寺(芦田伸介)から、殺し屋をやれと命じられた石岡国四郎(垂水悟郎)だが、今の日本では、殺し屋なんて成り立たないし、自分も16年前の戦時中ならともかく、右手が不自由になった今は役に立たないと断わっていた。

小寺は、自分が画策している香港とに取引に邪魔になる、神戸のある中国人ボスを抹殺したがっていたのだが、2年前に刺客として送り込んだ、やはり戦友だった男は、返り討ちにあって殺されてしまっていた。

あきらめきれない小寺は、石岡に、何としてでも、殺し屋を見つけて来いと金を渡すのだった。

ナイトクラブで飲んでいた石岡は、ろくでなしを捜そうと、店内を物色しはじめるが、碌な人間はいない。

そんな中で、独り、ろくでなしの目をした若い男が独飲んでいるのに気づき、そのテーブルへ出かけて同席を願い出る。

すると、あっさり、その青年は承諾し、互いの自己紹介をしあう事になる。

失業中で、この店の払いすらできそうもなかったと答えるその青年の名前は中田克己(赤木圭一郎)と言った。

こんな自分に声を掛けて来るようでは、どうせ、ろくでもない仕事の話だろうと察し良く考えていた中田は、石岡の誘いにすんなり乗って来る。

そんな二人の間に急に助けを求めて現れたホステス(白木マリ)が、妙な二人組に追われているので、表のタクシーの所まで送って欲しいと言う。

関わりあいを嫌い、一緒に帰ろうとした石岡を振払い、中田はその女を表に連れ出してやる。

その後を、二人組のチンピラが追って来るが、中田は表で叩きのめして、その隙に女と一緒にタクシーで逃げてしまう。

その女のアパートに着いた中田は、その女から、自分は神戸の暗黒街のボスの情婦だったのだが、逃げて来て、あの店で働いていたのだと聞かされるが、自分には昔惚れて別れた女もいるし、用事があるからと、迫って来るその女を振払い、先ほど名刺をもらっていた石岡の家に向うのだった。

石岡は、逃げられたと思っていた中田が訪ねて来たので喜んでいた。
その石岡には、目が不自由な菊代(笹森礼子)という妹がいる事を、中田は初めて知った。

その日から、石岡の拳銃の基礎知識の学習と銃さばきの訓練が始まるが、目が見えない妹には、二人のそんな行動は知りようもなかった。

石岡が留守の日、菊代を連れて病院で検査を受けさせた中田は、彼女の病気を直せる可能性のある医者が頭にいる事を聞く。

一方、小寺に呼ばれていた石岡は、神戸からの命令で、この女を消せと指令が来たと一枚の写真を見せる。
そこには、先日、中田が救ってやった女が写っていた。

すでに女はいなくなっていた先日のクラブで、その事を中田に伝えた石岡だったが、その様子を見張っていた男がいた。

先日、女を捕まえようとしていたチンピラの片割れ(野呂圭介)だった。

彼は、すぐさま、ホテルにいる仲間たちに連絡を取る。

話を聞いた中田は、その仕事を受ける代わりに、自分の分の金はいらないから、それで菊代を神戸の専門医に連れて行ってくれと言うのだった。

その後、以前寄った女のアパートへ向った中田は、女に銃を突き付けながらも、自分と一緒に逃げるんだと言って、アパートの外へ連れ出すが、そこに待っていたのが、中田の後を追って来ていたチンピラ仲間だった。

しかし、物陰で石岡が様子を見守る中、中田は、そのチンピラたちに銃を向けると、神戸の親分の所へ案内しろと言い出し、唖然とする女も一緒に車に乗せて、石岡の目の前を走り去るのだった。

裏切られたと知った小寺は、報告しに来た石岡に激怒するが、責任を感じた石岡は、自分が中田をしとめに神戸に出向くと言い出す。

神戸のボス、陳大隆(小沢昭一)の屋敷に着いた中田は、あっさり部下たちに捕まってしまい、千加子という女も陳が奪い取ってしまう。

その陳の元に、香港の黒幕、劉徳源暗殺に向っていた弟の大隆(草薙幸二郎)が帰って来て、仕事の成功を報告する。

その頃、三の宮駅には石岡と菊代が到着していたが、駅前で、陳一家の手下たちに拉致され、そのまま陳の屋敷内に幽閉されていた中田の元に連れて来られる。

中田との再会を喜ぶ菊代の姿を、部屋の外から目撃した千加子は複雑な思いにかられるが、あの二人の命を助けてやりたければ、昔のお前に戻れと陳に命じられるのだった。

しかし、中田を車で連れ出した大隆は、取り上げていた銃も返して、海岸で待っていた石岡兄妹の元へ向わせるが、その後ろから銃撃しはじめる。

しかし、中田がもらった銃には弾は入っていなかった。

その様子を見ていた石岡は、中田に駆け寄ると、自分が隠し持っていた銃を中田に渡し、中田はそれで応戦し始める。

さらに、大隆たちを驚かせたのは、全く別の方向から自分達を狙って撃って来る人物がいた事だ。

その人物は、陳の屋敷から大隆たちの車を尾行して来た、劉徳源の子分(藤村有弘)だった。

その男の応援で命拾いした中田と石岡は、その後、二人きりで話し合いの場を持ち、中田は、自分の正体を打ち明けていた。

彼は、二年前、陳に返り討ちにあった殺し屋、中島の弟だったのである。

自分の学費を稼いでくれていた大切な兄に、そんな仕事をやらせた石岡を、中田は2年間探し求めていたのだと言う。

しかし、彼にとって計算外だったのは、その石岡に、目の不自由な妹がいた事だった。

菊代に目の手術を受けさせるために、どうしても二人には金が必要だったのだが、その話を隠れて聞いていた先日の助っ人中国人が、その手術代として、中田の腕を高く買うと言いながら近寄って来る。

彼と一緒に、大阪のとある高級ホテルに到着した中田は、この部屋の奥に、実は劉徳源が妻と共にいるのだと打ち明ける。

陳大隆が香港で暗殺したと思っていたのは、影武者だったのだ。

その劉徳源の後から現れた妻の姿を見て、中田は驚愕する。

何と、昔、別れた女(吉行和子)だったからである。

その後、劉徳源の東京からの助っ人としてその部屋に現れた小寺も、中田の姿を見て驚く。

陳一家襲撃の手打ち式を済ませ別れた彼らだったが、劉徳源は隣の部屋でシャワーを浴びていると見せ掛け、妻と中田が抱擁する様子を盗み聞きしていた。

その後、陳の屋敷を襲撃した中田は、陳の子分たちだけではなく、付いて来た小寺たちにも銃を捨てさせるが、その隙に背後に現れ、銃を突き付けて来た大隆は、射殺せねばならなかった。

その後、屋敷内には、警察の捜査隊が一斉になだれ込んで来る。

中田が連絡したのであった。

実は、彼は、警察の秘密捜査官だったのだ。

その後、屋敷の奥に陳の姿を捜しに言った中田は、その陳を射殺した千加子の姿を発見する事になる。

彼女は、自分の手で自由を勝ち取ったのである。

その後、八十島博士(浜村純)の手によって、無事手術が成功し、目が見えるようになった菊代と兄の石岡は、列車で東京に向っていた。

菊代は、何故か、この列車に中田が乗っているような気がして仕方なく、一人で車内を見て廻る事にする。

彼女は、デッキに独り佇んでいる中田を見かけるが、顔を見た事がない彼女には、その判断ができず、そのまま脇を通り過ぎる。

彼女の事が好きな中田も又、彼女の本当の幸せを願い、声をかける事はなかった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

赤木圭一郎主演の通俗サスペンス。

後半のなぞ解き部分を見ていると、いかにも事の発端からして偶然に次ぐ偶然と言った感じで、御都合主義以外の何ものでもなく、敵もお定まりの怪し気な中国人。

今回はさらに、目が不自由な妹が絡んで来ると言った、これ又定番の人情もの要素…ときては、サスペンスものとしては極めて陳腐な内容と言うしかないだが、当時のプログラムピクチャーとしては、これが平均的な趣向だったのだろう。

小沢昭一、藤村有弘両名が怪し気な中国語をしゃべるのはあまり意外ではないが、草薙幸二郎まで中国語をしゃべっているのは、ちょっと珍しい。

芦田伸介の悪役というのも、はじめて観たような気がする。

赤木圭一郎の昔の恋人役は、後半、チャイナドレスを着て登場するシーンで、一瞬、吉行和子に似ているな…と感じた程度で、まさか、若き日の本当の吉行和子だとは分からなかった。

白木マリが、トニーに惚れる女の役を演じていて、一見、恋人役になるのか?…とこれも珍しく感じたのだが、やはり、本当の恋人というポジションではなかった。

この当時の彼女のポジションは、劇中に登場する女優の中ではナンバー2みたいな所をたえず演じているのが特長。

この作品でも、主人公の本当の恋人にはなれないのだが、極めて重要な役柄を演じており、印象度としては、笹森礼子や吉行和子よりも目立っているかも知れない。


★【送料無料】DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42

★【送料無料】DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42
価格:4,104円(税込、送料込)

★【送料無料】DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42

★【送料無料】DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42
価格:3,476円(税込、送料込)

【定価より20%OFF】★DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42

【定価より20%OFF】★DVD/邦画/紅の拳銃/DVN-42
価格:3,282円(税込、送料別)