2005、「タッチ」製作委員会、あだち充原作、山室有紀子脚本、犬童一心監督作品。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼
双子の兄弟、上杉達也(斉藤祥太)と和也(斉藤慶太)は、隣に住む浅倉家の娘の南(長澤まさみ)と、幼い頃から全員兄弟のように一緒に育てられて来た。
ある時期から、二人の家の間に、三人共通の勉強部屋が作られたくらい両家の交際も巧くいっていたが、朝倉家の母親しのぶ(生田智子)が早く亡くなるという不幸が起きる。
南の父、俊夫(宅麻伸)は喫茶「南風」を始め、達也、和也、南の三人は各々、同じ明青学園に通う年頃になっていた。
達也も和也も、中学時代は共に野球をやっており、特に、兄の達也の才能は、弟和也も認めるものであったが、何故か、高校に入った今、野球部に入って、エースとして活躍していたのは和也の方で、達也の方は、どうした気紛れか、ボクシング部に入ってしまう。
昔、甲子園に連れて行った方が、南ちゃんと結婚するという約束をしていたにもかかわらず…。
そんな達也に結果が出せるはずもなく、出場した試合では惨敗。
失意のどん底にあった彼を慰めに来た南ちゃんに、彼はいじわるな気持ちで「本当に心配しているのなら、キスくらいしたらどうだ」とけしかけるが、南ちゃんは素直にその言葉を実践するのだった。
そうした二人の関係は、何となく、南ちゃんに好意を持っていた和也にも伝わってしまっていた。
そんな中、甲子園予選に出かける途中の和也が、トラックに轢かれそうになった子供を助けるため、自らが犠牲になって帰らぬ人になってしまう。
達也は、弟の為、南ちゃんの為、そして、自分の為に、野球部に入って次の年の甲子園を目指す事を決意するのだが…。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
アニメにもなった人気マンガの実写映画化。
小、中学生くらいをターゲットにしたと思しき、分かりやすいストーリー、映像である。
人物は、常にアップ中心。
状況描写も、ほとんど画面中央にしっかり捕えられており、凝った構図の妙等、ほとんどないといって良い。
何せ、製作プロダクションは東宝映画。
過去、ゴジラシリーズや、文芸もの、アイドル映画など撮って来た会社だが、どの作品を観ても、流行のスタイルや凝った作家映画などとは対極的な、分かりやすさを旨とする作り方に徹した会社である。
マンガで例えれば、学習マンガのような作風といえば良いだろうか。
実写映画をほとんど観た事がない初心者のような人たちには取っ付きやすいと思うがが、それなりに何本も映画を観て来たファン等が観ると、何だか物足りなさを感じる…、そんな作風である。
とはいっても、決して、つまらない訳ではない。
もともと、マンガのストーリー自体が良く出来ているのだろうから、それを、奇を衒わず普通に撮れば、それなりに面白くなるのは当然だろう。
本田博太郎、風吹ジュンと宅麻伸が出ているので、一瞬「俳優版 ゴジラ対ガメラ」か?と思ったりもするが…。
若槻千夏は、テレビに出ている若槻千夏がそのまま出ているようにしか見えないのが奇妙。