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続鋼鉄の巨人

1957年、新東宝、根岸伸介原作、宮川一郎脚本、石井輝男監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

世界征服を企むアトムAB団の新兵器で、水爆の50倍の威力を持つボース爆弾用に日本に持ち込まれたX-14ウラニウムの入ったカバンをスーパー・ジャイアンツから託された敏子(池内淳子)は、誘拐された弘(大沢幸浩)の口からこの場所を聞き出し乗り込んで来たアトムAB団の団員たちから、殺人光線銃を突き付けられ、カバンの在り処を問いつめられていた。

結局、神父(高田稔)が、カバンを渡す決心をするが、悪人に奪われそうになったカバンを奪回しようと、子供の一人が悪人に組み付いて行ったため、その子供をかばおうとした神父が頭を殴られ昏倒してしまう。

その頃、メラポリア大使館から出て来たアトムAB団員M3号M4号が乗った車の前に立ちふさがったスーパー・ジャイアンツ(宇津井健)は、彼を轢こうとする車を簡単に押し返すと、強引に車に乗り込み、本拠である秘密基地へ案内するよう命ずるのだった。

しかし、途中で、故障を装い町中で車を停めて修理の真似をしていたM3号とM4号は、異変に気づいた仲間から射殺されてしまう。

しかし、その二人の遺体を持って大使館を訪れ、事情を聞こうとした岡本刑事(中山昭二)らは、国際問題になるぞと強い姿勢で拒否反応を示す大使館員らの前には、すごすごと引き返さざるを得なかった。

一方、警察に同行を求められ、事情を聞かれていたスーパー・ジャイアンツは、自分が他の星からやって来たなどと正直な事を話していたため、頭のおかしな犯人と断定され、留置されてしまう。

その頃、その知らせを聞いた敏子や子供達は、スーパー・ジャイアンツを助けに警察に出頭しようとしていたが、そこへ現れたのが、神父に化けた新たなアトムAB団員、彼は、敏子らの監視役として教会に居着く事になるが、たまたま、二階の神父を看病していた少年が彼に気づき、不意打ちを食らわせて、その男を縛り上げてしまう。

助けを求めに外に出た少年たちが出会ったのが岡本刑事、彼は、少年たちに交番へメモを託すと、自らは教会で張り番をするが、遅れて教会に到着したアトムAB団員たちに発見され、怪我を負わせられてしまう。

一方、岡本からの連絡で、敵が57年型シボレーで蒲田から横浜方面へ逃亡したと知った警察は、直ちに、包囲網を固めると共に、アトムAB団の本拠と思しきメラポリア大使館のパーティに高官が出席し、様子を探りはじめる。

スーパー・ジャイアンツは、かねてより怪しいと目を付けていた孤島の基地に潜入すると、団員に化け、完成間際だった爆弾製造の現場からX-14ウラニウムを奪い取ると、紳士に変身して、大使館へと舞い戻るのだった。

パーティの最中、今夜11時に、世界を驚かせる発表があると言っていたメラポリア大使、実はアトムAB団長(ジャック・アルテンバイ)は、紳士姿のスーパー・ジャイアンツから、X-14ウラニウムを奪還したと知らされると、孤島の秘密基地に幽閉している芳子の姿を映像で見せ、1時間以内に観音崎の基地までX-14を持ってくるよう言い残し、暖炉の下の秘密の脱出口から逃げ出すのだった。

かくして、一人、秘密基地に舞い戻ったスーパー・ジャイアンツは、横型ギロチンで首を斬られそうになっていたれい子と共に厚い壁に封じ込められ、1分以内に爆発する爆弾を投げ込まれてしまう。

懸命に壁を破壊しようとしたスーパー・ジャイアンツであったが、間に合いそうにもないと知ると、自らの身体でれい子をかばい、爆発から守るのだった。

かくして、危機を脱したスーパー・ジャイアンツは、基地内にいたアトムAB団員たちを一掃すると、教会の子供達に別れを告げ、星の世界へ帰って行く。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「鋼鉄の巨人」の後編に当る。

世界制服を狙う陰謀団が、何故、まず手始めとして、終戦後のまだ貧しい日本を標的とするのかイマイチ分からないが、団長が言うには「アジア1の工業国」だからだそうである。

取りあえず、征服し易そうな日本を乗っ取り、やがて、アジア全体、ヨーロッパ、アメリカ…と、計画しているようで、この団長、堅実なタイプなのかも知れない。

スーパー・ジャイアンツといえば、一部で有名な「もっこり」だが、このシリーズ最初の2本が一番目立っている。

一説には、女性客を呼ぶために、大蔵貢社長直々に『意図的に、誇張させた』という。

スーパー・ジャイアンツが横を向いたシーンなどではっきり分かるのだが、明らかに、不自然なほど大きなカップのようなものを入れている。

ただし、理由は分からないが、二話目(最初のうちは、正続二本で一話形式で作られているので、本作はまだ一話目)からは、それほど目立たなくなっている。

おそらく、動きにくかったからではないかと思われる。

実は、この最初の二本で、もっと外見上気になるのは、スーパー・ジャイアンツの「乳首」である。

スーパー・ジャイアンツは、薄手のコスチュームを着ているため、普段でも素肌が若干透けて見えている。

本作では、最初の見せ場となる「嵐の中、飛んでいる旅客機の方向舵を直してやるシーン」で、彼は当然ずぶ濡れになる。

結果、彼の上半身は完璧に透けてしまい、乳首がはっきり見えてしまう。

格闘技などの選手の上半身裸姿というならまだしも、コスチュームを着ているヒーローが透けているというのはかなり情けない。

このシーン以降も、アップのシーンになると、無意識に目がそこに行ってしまうのだが、やはりうっすら透けている。

さらに、彼は「弾丸よりも早い」と謳われているが、実際はかなり遅い事が分かる。

本作の後半、人質を取った敵の首領がとある場所から本拠に逃げるのだが、その後を『空を飛んで』追って来たスーパー・ジャイアンツの方が、後から本拠に到着している。

敵の首領は、あきらかに「普通の人間」だから、車なりヘリコプターなり、通常の乗り物を使って移動しているはずなのに、『それよりも、空を飛ぶヒーローのスピードの方が遅い』という事である。

他にも、放射性元素の入った大切なカバンを、身も知らぬ女性に託したり、スーパー・ジャイアンツは基本的に思慮が足りない事も判明。

あちこちでピンチが起きている時、一体、スーパー・ジャイアンツはどこで暇を潰しているのかと疑いたくなるほど、その行動はのんびりしている。

特別、武器などを持っていないスーパー・ジャイアンツだが、今回は、フェンシングを使って敵と戦うシーンがある。