2005年、花くまゆうさく原作、佐藤佐吉脚本+監督作品。
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江戸川区の消化器製造工場の側には、様々な不法投棄物が山積した通称「黒富士」とよばれる超巨大な人工の山が出来ていた。
本社を左遷されて来たハゲ親父のミツオ(哀川翔)と、アフロヘアの青年フジオ(浅野忠信)は、二人きりしかいない消化器工場で、毎日のように仲良く柔術の練習に励んでいた。
ミチオは、どこか覚えも悪く、取り立てて熱心とも言えないフジオに、何故か、執拗に、柔術の技を仕込もうとしていたが、フジオは、時々、頭に来ると、自分を見失い相手に噛みつく癖があるのがたまに傷。
そんな二人が練習中の姿を目撃したのが、本社から仕事の進み具合を見に来た藤本(志賀慶太郎)。
彼は、ミチオのはげ頭を異様になじりながら、せっかんを始める。
そんな藤本を、側で見ていたフジオは、思わずシャベルで殴り殺してしまう。
結果的に、藤本はヅラだった事が判明。
遺体の処置に困った二人は、すぐさま、「黒富士」に捨てに行く事にするが、そこでは、他にも、若い女房のために母親を生き埋めにする青年等先客がいた。
藤本の遺体を埋め終えたミチオとフジオは、ズボンをはいていない男の子の死体を埋めに来た男の姿を発見する。
その男は、フジオの中学生時代の教師だった。
フジオは、何を思ったか、その男に近づくと、シャベルでボコボコに殴りつけてしまう。
そんな黒富士の斜面から、突然、埋められた死体たちが復活し、ゾンビと化して、母親を夫に埋めさせた女をや、気が付いたホモ教師を襲い始めるのだった。
そんな事が起きているとは気づかないミチオとフジオは、車で帰る際、ミチオがフジオと先ほどの中学教師の仲をからかったため、フジオが逆上し、わき見をした隙に、うっかり、ゾンビの襲撃から逃げて来た母親を埋めた夫を轢いてしまう。
結局、その夫は轢かれていなかったのだが、後から追って来たゾンビに食べられてしまうのだが、車で走り去った二人が知るはずもない。
帰宅後、二人は、東京にゾンビが出現したが、ゾンビを殺すには、その首をもぎ取る他はないと解説するホラーセラピスト秋山(楳図かづお)の話を紹介する妙なテレビ番組を見ていた。
その後、いつものように、柔術の練習中だった二人の元に、何と、死んだはずの藤本と車で轢いたはずの夫がやってくる。
テレビを見ていたミチオはm彼らがゾンビであると察するが、フジオの方は訳が分かってない様子。
ミチオの必死のアドバイスで、二人は、各々、日頃の柔術の技を使い、襲って来た藤本たちを撃退する。
さらに、うじゃうじゃ、工場へ押し寄せて来たゾンビたちからかろうじて車で逃げ出した二人だったが、運転していたフジオが方向を間違えたため、とんでもない場所へ走ってしまう。
ミチオが目指していたのは北、サンボ等、優秀な格闘技のあるロシアだった。
その後、北へ進路を取る途中、ゾンビに支配されたとある町のコンビニで、食料を調達しようとしていたミチオは、ゾンビが溢れる店からレジを盗み出そうとしていた若い女(奥田恵梨華)を発見。
義侠心から、嫌がるその女を無理矢理車に乗せ助けようとしたミチオだったが、追ってくるゾンビの一人に足を噛まれてしまう。
もはやこれまでと観念したミチオは、この女を助けろとフジオに言い残して、自らは、橋の欄干から身を投げてしまう。
ミチオの姿を求めて、橋に降り立った女とフジオだったが、その一瞬の隙を付いて、妙なオッさんが運転席にあったカルピスを嬉しそうにラッパ飲みにすると、そのまま車を乗って行ってしまう。
あまりの事態の急変に動転したフジオは、いつまでもブーたれている女と言い合いになり、結果的にその女から川へ蹴落とされてしまう。
さらに、女も、迫って来たゾンビに押されるように川へ転落。
それから、5年の歳月が過ぎ、東京はゾンビによって死滅してしまっていた。
一握りの金持ち連中が、高い塀を巡らせた土地の中に、ピラミッド型の巨大建築物を建て、その中でぬくぬくと生きのびていた。
彼らは、テレビ等の娯楽が失われたため、暇つぶしに、貧乏人たちとゾンビを戦わせる見世物を隣接した劇場で行う事にしたので、腕っぷしに自信のある者は、その格闘者として、他の貧乏人たちは、ピラミッド住居の電力を供給する人間発電器として、昼夜休む間もなくこき使われていた。
そんな中、フジオは、として、ミチオが残して行った柔道着を着込んだファイター「ポン・フジオ」として、日々、ゾンビと戦っては、わずかばかりの日銭を稼いで、今や、女の子を生んだあの女を養う毎日だった…。
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SFホラーの設定を使った、シュールというか、ナンセンスというか、独特の雰囲気とテンポのギャグ物語。
想像していた以上に、面白い作品になっていた。
前半は、出演者も地域も限られた、ちょっと素人芝居くさいチープな展開なのだが、後半は、CGなども有効に使用し、かなりハチャメチャになって行く。
全編大爆笑の連続というような感じではなく、ゆる〜〜い話をぼんやり観ていると、時々、「プッ!」と吹き出してしまうような…、そんな下らなさがたまらない。
CGは、結構、巧くいっている所と、ちゃちに見える所が混在している感じ。
SFとかホラーとかを期待するのではなく、あくまでも「おバカ映画」として観てもらいたい。
時間の経過を表現するアニメ手法も、なかなか洒落ている。
