1958年、新東宝、宮川一郎脚本、石井輝男監督作品。
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炎に包まれたゴルドン大火星上空を難なく突破したスーパー・ジャイアンツに対し、宇宙艇に乗った参謀長(川原健)は、ミサイルを次々に発射させる。
しかし、それをかわしたスーパー・ジャイアンツは、なおも宇宙艇を追尾してくる。
一方、黒い衛星と名付けられた地球征服を企む秘密国家の宇宙ステーションでは、秘密国家元帥(ジャック・アルテンバイ)は、ヒマラヤ山脈の最高峰マナスルをミサイル攻撃するよう指令を出す。
しかし、地球側がこの威嚇に屈しないと知った元帥(ジャック・アルテンバイ)は、さらに、ニューヨークの摩天楼、イギリスのロンドン塔、そして、日本の国会議事堂を標的にミサイルを発射させる。
その頃、宇宙艇で宇宙ステーションに連れて来られていたかおる(三ツ矢歌子)、良一(池田輝久)、浅見助手(浅見比呂志)の三人は、思想改造機によって洗脳されていたと思われていたが、実は全く影響を受けておらず、作業の間に相談し、叛乱を起こす事を決意する。
銃を持った団員を襲い、その制服を着込んだかおると浅見は、部屋に閉じ込められている父親を助け出そうと二手に別れ、かおるは通信室に入り込み、装置を破壊する。
そのため、宇宙ステーションはあちこちに故障が生じ、団員たちの点呼をして、逃げ出したかおるたちの創作が行われる事になる。
結局、宇宙艇の下で番をしていた団員がかおると判明、逮捕されてしまう。
再び、思想改造機送りにされそうになったその時、スーパー・ジャイアンツが宇宙ステーションに到着、団員たちと壮絶な格闘が始まる。
スーパー・ジャイアンツは、敵の拳銃を奪い取ると、二丁拳銃で応戦。
この間に、山中博士(林寛)、浅見助手、良一の三人は、宇宙艇に乗り込み、発射の準備をするが、肝心のかおるがいない。
彼女だけ、逃げ遅れてしまったのだ。
しかし、そのかおるも敵のマシンガンを奪い、応戦しながら、逃げようとする。
かおるを置いては発射できないとする浅見や良一と、一旦、発射装置を解除してしまえば、もう一度準備をするのに時間がかかり過ぎる、地球を救うためには今逃げるしかないとする博士の意見は対立。
結局、時間切れとなり、宇宙艇は三人だけを乗せて、宇宙ステーションから離脱して地球に向う。
大半の団員たちを叩きのめしたスーパー・ジャイアンツだったが、かおるが宇宙艇に取り残されてしまった事を知ると、にっこり笑い、自分に捕まらせると、そのまま宇宙に飛び出し、宇宙艇に送り届けてやる。
そして、宇宙ステーションにとどめを刺すために、宇宙艇を反転させると、全速力で宇宙ステーションに激突させ、爆破させようとする。
一度目は失敗。
マッハ80、マッハ95、110、120…と、スピードをさらに加速して、二度目の激突!
今度は、見事に宇宙ステーションは大爆発を起こし、宇宙の藻くずと消えて行くのであった。
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宇津井健主演「スーパー・ジャイアンツ」シリーズ第三弾の後編に当る。
何故か、この回から、敵の宇宙ステーションを「黒い衛星」と呼んでいるが、画面に登場するその宇宙ステーションは「真っ白」であり、その辺からすでに、意味不明の石井ワールド炸裂!
威嚇のため、宇宙ステーションから発射されたミサイルが、イギリスのロンドン塔、ニューヨークの摩天楼、日本の国会議事堂を破壊するシーンは、ちゃんとミニチュア特撮で作られている。
東宝の「世界大戦争」(1961)ほどのスケール感こそないが、子供向けとしてはそれなりに頑張っていると言えよう。
又、炎に包まれたゴルドン大火星の設定など、当時としては、それなりに空想科学風の雰囲気を出そうと苦心しているのが分かる。
後半、宇宙ステーションの中で、果敢に敵の機関銃を奪い、迫りくる敵と銃撃戦をする三ツ矢歌子は、後の「スター・ウォーズ」のレイア姫そのもの。
スーパー・ジャイアンツに抱えられ、宇宙帽なしで宇宙を飛んでも平気というその勇姿は、長く心に刻み込まれるだろう。
それにしても、これほど無謀なラストの作戦もないのではないか。
はっきり言って、もう「めちゃくちゃ」(笑)
しかし、その「めちゃくちゃ」さこそが、一度ハマると抜けだせない石井マジックの世界というしかない。
