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キングコング2

1986年、アメリカ、ロレンツォ・センプル・ジュニア脚本、ジョン・ギラーミン監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

貿易センタービルから墜落し、瀕死の重症だったキング・コングは、その後、ジョージア州アトランティック大学で懸命の救命措置を受けていた。

エイミー博士(リンダ・ハミルトン)は、準備したコング用の巨大人工心臓には問題ないものの、輸血用の血液がない事を悩んでいた。

コングの血液型と一致する血液を大量に確保するには、もはや奇蹟を待つしか方法はなかったのである。

その頃、ボルネオに探検に来ていたミッチェル(ブライアン・カーウィン)は、突然、巨大なゴリラと遭遇する。
原住民たちが、彼を追って来たその巨大ゴリラを吹き矢で倒そうとするのに助けられるが、殺すのだけは何とか止めさせる。

そのミッチェルから連絡を受けた大学側では、さっそく、その巨大ゴリラを彼の言い値で買う事にするが、その電話を側で聞いていたエイミーは、そのゴリラがメスである事を知り驚愕する。

手術中、コングが興奮したら大変な事になるからだ。

しかし、無事、アメリカに空輸されて来た、その巨大メスゴリラ、通称レディ・コングは、麻酔薬で眠らされ、キング・コングの心臓移植手術は始まる。

無事手術は終わったものの、しばらくして目覚めたキング・コングは、比較的近くの私設に収容させられていたレディ・コングの匂いに気づき、起き上がって、天井のオリに飛びつこうとする。

しかし、その急激な興奮状態のため、人工心臓が異常をきたしたため、エイミーは鎮静剤を投与して、来んグを眠らせると共に、早急なレディ・コングの移動を大学側に要求する。

その作業が手間取っている中、コングは再び目覚めると、今度は難なく、天井のオリに飛びつきそれを壊すと、レディ・コングが収容されている私設に駆けつけ、輸送用の網に捕え羅れ苦しんでいたレディ・コングを救出すると、そのまま外へ逃げ出し、何処へともなく姿を消してしまう。

大学関係者が慌てふためく中、唯独り、その結果を喜んでいたのは、レディ・コングへの乱暴な取扱に腹を立て、敢然と作業員たちに向って妨害を企てたミッチェルだった。

その後、山に逃げ込んだ二匹のコングを捕らえるために、軍隊が出動するが、同じく、コングを助けようとして山に入り込んだエイミーとミッチェルがいた。

彼らは、山を包囲する軍隊の目をごまかして、ジープ等を強奪して山奥深く潜入に成功すると、やがて、コングとレディが仲睦まじく過ごしているハネムーン峠なる場所に行き着くのだった。

エイミイは、携帯用モニターを使って、外部から、コングの心臓の様子をチェックすると同時に、異常時には、その装置を使って対処する事が出来た。

そんな中、コングたちを発見した軍隊は、ヘリから毒ガスを散布。

コングが怯んだ隙に、レディの方に網を絡め、ヘリで連れ去って行くのだった。

やがて、雷鳴とともに大雨が降り出し、コングは川の激流に落ちると、大きな岩に衝突して、そのまま沈んでしまう。
その直後、川面には大量の血液が川に流れ出していた。

レディは、軍の霊長類保護基地なる、頑丈な格納庫に隔離されていた。

そこを訪れ、レディの様子を目の当たりにしたエイミイは、レディの様子がおかしい事に気づく。

そんな中、山のバンガローで、彼女を口説いていた若者は、窓の外から自分達を覗いている巨大なコングの姿を目撃する事になる。

コングは死んでなかったのだ!

やがて、そんなコングを、自分達の手でしとめてやろうと山に入り込むハンターたちが続出する。

コングに遭遇した三人組のハンターたちは、あらかじめ崖の上に仕掛けてあった爆薬を爆発され、大量の土砂でコングを生き埋めにする事に成功するが、コングの顔に火を近づけていたぶる内に、突如、コングは、埋まっていた大量の土砂を蹴散らして身を踊らせる。

一人のハンターを捕まえると、真っ二つに、その身体をへし折ってしまい、もう一人を捕まえると、一飲みでと食べてしまうのだった。

その頃、レディを救い出そうと、格納庫に忍び込んだミッチェルとエイミーは、レディが妊娠している事実を知り、何とか逃してやろうと、天井の開閉扉を操作してみるが、嗅ぎ付けた軍隊に阻止されかける。

開閉扉が閉じようとする瞬間、それを掴んだ指があった。

キング・コングが駆けつけて来たのだった。

コングは、ミッチェルを掴んだままのレディを外へ引っぱり出すと、そのまま逃げ出してしまう。

コング殺害に命をかけるデビッド大佐(ジョン・アシュトン)率いる攻撃部隊は、もう、生け捕りにしろと言う上からの命令も無視して突進しはじめるのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

1976年のリメイク版「キングコング」の続編。

大作だった前作とは比較にならないほどのチープな仕上がりになっている。

まず、前作のラストで、はっきり心臓音が途絶えて死んだはずだったコングを、どうやって生きていた事にしているかと言うと、冒頭、世界貿易センタービルに登り、その後地上に落ち、瀕死の状態だったコングに駆け寄るジェシカ・ラングの映像を流し、まだ息がある状態のコングの姿を映し出す所で、タイトルが始まる事で、そこから、前作とは違った、別のパラレルワールドのような展開が始まったと観客に納得させたいらしいのだ。

その着想からして無理矢理だが、奇蹟しかあり得ないはずの、もう一匹の巨大ゴリラが『都合良く発見される』など、もう、御都合主義の連発には、唯笑うしかないだろう。

テレフューチャー作品とか、日本の特撮スタッフがどこかの国に出稼ぎに行って作った映画みたいにしか見えないが、最初から「おバカ映画」と納得してみる分には、それなりの楽しさもないではい。

全編、着ぐるみショー。
おもちゃのブルドーザーとかが可愛い。

どこか、駐車場か何かのオープンスペースに山のミニチュアセットを作って、そこで二匹のコングの着ぐるみに入った役者が、よっこらっしょ…と、夫婦ゴリラコントやっている感じ。

レディ・コングをお姫さまだっこして逃亡するコングが、まずバカバカしい。

キャンプ地のバンガロー内で、これから盛り上がろうとするバカップルの様子を、窓から物欲しそうに覗きこんでいるコングの姿は、「北京原人の逆襲」のパクリでは?

出てくる役者は、全員B級っぽい連中ばかりで、全く華がないのだが、特に、ヒロインとも言うべきリンダ・ハミルトンは、おそらく、コング映画の中でも、最も魅力のない女優ではないだろうか。

ヒロインよりも、まだ、レディ・コングの方が色香があるのが不思議なくらい。(ちゃんとメスゴリラに見えるよう、内股演技している所が泣かせる)

ちなみに、コングがはっきり人を食べて飲み込むシーンがあるのは、「キングコング」の名を冠した作品の中では、唯一これだけではないだろうか。