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カッパの三平

1993年、にっかつ児童映画+ロマン企画+にっかつビデオ、水木しげる原作、雪室俊一脚本、平田敏夫監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

とある村、郵便屋のゲンじいさん(声-三木のり平)は、山道を登って行く途中で、ノグソをしている河原三平(声-田中真弓)と出会う。

三平は、東京で暮す母親からの手紙が来たのかと喜ぶが、ゲンじいさんは否定する。

そんな三平が学校に到着したのは、もう給食の時間。

給食係だった千穂(声-天野由梨)は、三平がいつものように遅刻の言い訳でノグソの話をするので怒ってしまう。

やがて、担任の先生から、今度開かれる水泳大会で優勝した人は、男女一人づつ、校長先生が東京に連れて行って下さると伝える。

三平は、あまり水泳が得意でなかったが、東京に行ければ、母親と会う事ができると思い、帰り際、一人で川で泳ぐ練習を始める。

それを見ていたのは、仲良しの狸、黒麿(井上遥)ただ一匹。

しかし、三平は川の流れに飲まれ、沈んだかと思うと、二度と浮かび上がって来なかった。

三平と二人で暮していた十兵衛じいさん(声-宮内幸平)は、黒麿から話を聞き、村中で川の捜査を始めるが、もはや、三平の姿を見る事はなかった。

その頃、当の三平は、不思議な世界にいた。

そこは、カッパが住んでいるカッパの国のようで、三平は、ガタロウという自分にそっくりなカッパに助けられたらしい。

一方、三平の葬式を済ませた村に、一人の無気味な人物が訪れてくる。

死神(声-肝付兼太)であった。

彼は、今月中に一人死なないと、生活費を前借りしている閻魔大王から大目玉を喰ってしまう。
妻子のある身としては、何としてでも一人あの世に行かせなければいけないのだ。
そのために、誰か候補を探し歩いていたのだった。

カッパの国では、三平から人間世界の様子をあれこれ聞かされて好奇心をそそられ、さらに母親と言うものも知らないガタロウが、長老たちに無断で、こっそり三平を逃してやる事にする。

ガタロウと共に人間界に戻り、十兵衛と再会を果たした三平は、何ごともなかったかのように学校へ出かける。

学校では、ちょうど、川での水泳大会が終りかけのところで、ガキ大将の正太が男子の優勝者だった。

しかし、いきなり現れた三平が、自分も参加したいと言い出したので、急遽、正太と優勝決定戦を行う事にする。

三平は、学校の影でこっそりガタロウと服を着替え、試合にはガタロウが出る事にする。

ガタロウは、スタートを知らせる校長の鉄砲の音に驚いてしばし、呆然としていたが、途中で気づき、川に飛び込むと、あっという間に正太を追い抜きゴールしてしまう。

かくして、東京行きは三平と千穂の二人と言う事になったのだが、出発の朝、家を出た三平は、途中で突然の大雨に会い、カッパたちに川に引きづり込まれる。

カッパ淵の場所を知られたからには、帰す訳には行かないと言うのだ。

こうして、出発に間に合わなかった三平に変わり、東京には、地歩と正太が行く事になる。

その後、三平は元の人間界に帰してもらえたが、自宅に帰ると、十兵衛じいさんが瀕死の状態になっていた。

その最後の言葉として、じいさんは、実は、これまで死んだと教えて来た三平の父親は、実は生きているという。

そのじいさんが亡くなって一周間後、東京から帰って来た千穂は、三平の家を訪ね、三平の母親に会いに行ってみたが、すでに行方不明になっていたと意外な事を知らせる。

さらに、自宅には、見知らぬ大人が寝込んでおり、誰何すると、何と、長年行方不明だった三平の父親だと言う。

彼は、長年、ミワラシ族という未知の種族を探して日本中を放浪していたのだといい、その証拠として、カバンの中から、男女二人の小さな雛人形のようなミワラシ族の生き残りを見せるのだった。

そのミワラシ族の二人が、ある日何気なく唄っていた子守唄を聞いた三平は、それが、いつも母親が唄ってくれていたものである事に気づき、二人に、その歌の由来を訪ねると、鬼頭岳から聞こえて来たので覚えたのだと言う。

そんな時、かねてより、死者を一人物色していた死神が、三平の父親をあの世に連れて行こうと襲って来るが、ガタロウに助けられる。

そのガタロウが三平に説明するには、鬼頭岳には一角鬼という妖怪が住んでいるというが、母に会いたい一心の三平は、そこへ行ってみる事にする。

かくして、道案内役としてミワラシ族の二人をリュックに入れた三平は、ガタロウ、黒麿と連れて、鬼頭岳に向う。

山奥深く、森の中で妖怪鳥から「危険だ」と警告されながらも、さらに奥へと進み、下から上に流れる滝を見つけた三平一行は、そこから洞窟の中に侵入するが、そこで、妖怪たちと巨大な一角鬼(声-宍戸錠)と出会う。

彼は、近頃頻繁に山を揺るがす、人間たちの工事の音がうるさく、不眠症に悩まされていたのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

何だか、学校での視聴覚教育用に見せられる真面目な作品と言った印象。

その牧歌的ないかにものんびりした雰囲気とテンポは、水木さんの原作の雰囲気に近いとも言えるが、映画としては地味すぎ、今の子供にはかなり退屈に感じられるのではないだろうか。

妖怪物と言う感じも薄く、昔話や民話の世界といった方が近い。

後半は特に、メッセージ色が強いと言うか、説教臭い感じが気になる。

せっかくのアニメなのに、スペクタクル要素に乏しいのも物足りない。

真面目に作られた作品だとは感じるが、商業作品としては弱いと言うしかない。