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ゲゲゲの鬼太郎
激突!!異次元妖怪の大反乱

1986年、東映動画、水木しげる原作、武上純希脚本、芝田浩樹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

小笠原付近で、突如、怪し気な台風のようなものが発生。

調査に向った気象調査船「はるさめ」は、甲板に座る人魚や、突然海から現れたあやかしに襲われる。

妖怪テレビで、この怪しい雲の塊が東京に近づいている事を知った鬼太郎(声-戸田恵子)に、目玉の親父は、「これは、千年に一度妖怪が集まる怪気象かも知れない」と伝える。

ただちに、その事を人間たちに知らせようと、一反木綿に乗って出かけた鬼太郎は、街の群集に向ってすぐさま逃げるように叫び廻るが、それを見ていた警官から、逆に、変な噂をたてる不届きものとして発砲されて追い掛けられる事になる。

その窮地を救ったのは、群集の中にいた水木しげるという妖怪漫画家だった。

彼は、逃げる鬼太郎たちを誘って、自宅に匿う事にする。

一方、街へ買い物に出かけていた夢子ちゃん()は、路上で、怪気象から身を守るという、おふだ付きのサバイバルセットを1000円で売っていたネズミ男に遭遇。

そこへ突然現れたのが、ぐわごぜ(声-)、鬼女、骨ばばあのトリオ。

一方、怪気象を解明せんと、政府は怪僧チンポなる人物を招いて、その額にある三つ目の眼で怪気象を透視してみるが、強い霊素でできており、国会議事堂辺りが一番強く感じるとしか分からなかった。

街には、巨大ながしゃどくろが出現、民衆はパニック状態になってしまう。

その群集に混じって、地下鉄に逃げ込んだねずみ男と夢子だったが、その地下鉄の線路上に突如、土蜘蛛が出現、逃げ遅れた夢子たちを車内まで襲って来るが、そこは、ねずみ男が、得意のおなら攻撃で撃退する。

ふと車内を見ると、金髪の養女が倒れていたので、夢子とねずみ男は彼女を助けて地上へ出、水木先生の家に世話になる事になる。

カロリーヌ(声-)と名乗るその幼女は、たちまちネズミ男と意気投合。

そうした中、テレビでは、総理大臣としてぐわごぜが登場、日本を妖怪皇帝が支配すると宣言、さらに、鬼太郎たちを裏切者と宣告するのだった。

その後、一本だたらが警官として水木先生宅を訪れ、鬼太郎を匿ってはいないかと尋問するのだった。

口籠る水木先生を守ろうと、鬼太郎は表に飛び出し、火車ら妖怪たちと戦いはじめるが、その隙に、カロリーヌちゃんが妖怪白溶炎にさらわれてしまう。

一方、目玉親父と一反木綿は、怪気象の雲から脱出を試みるが成功せず、地下道を進む内に、たまたま地上に出たマンホールから、総理大臣と防衛庁長官が、怪気象に対し1時間以内にミサイル発射を決定した話を聞いてしまう。

妖怪の根城となった国会議事堂に向った鬼太郎は、妖怪たちと戦うが、その地下で、怪気象を生み出していた妖怪朧車が地上へ出現、鬼太郎はぬりかべ諸共石にされてしまう。

その様子を議事堂内の部屋から見ていたカロリーヌはショックを受ける。

実は、彼女は、ぐわごぜの娘で、彼女は、鬼太郎たちを誘き寄せるための罠として、父親が彼らに近づかせたことに気づいたからだ。

地下道を使って、怪気象の外に脱出した目玉親父たちは、妖怪発明家の夜行さん(声-八奈見乗児)を訪ねて山の中に入ると、すでに、こなきジジイ、砂かけのおばばが、夜行さんに新兵器の発明を頼んでいた所だった。

その頃、地下道をくぐって国会議事堂へ侵入したねずみ男は、カロリーヌちゃんのいいる部屋を突き止め、ようやく助け出す。

ねずみ男は、カロリーヌに教えられ、地下壕へ降りると、そこで、朧車の目から涙を一雫ペンダントにおさめる事に成功するが、その代わり、カロリーヌちゃんは朧車に轢かれ、ねずみ男の胸の中で息を引取るのだった。

議事堂の正面玄関に出て来たねずみ男は、ぐわごぜにその事実を教え、さらに、ペンダントの涙を、石になっていたぬりかべと鬼太郎に振り掛けて蘇らせる。

その時、地面の中から夜行さんが発明した妖怪戦車も出現、一挙に、戦車の砲身とも言うべきのづちが、妖怪たちを吸収して行く。

復活した鬼太郎も、果敢に妖怪皇帝に挑んで行くが、仮面が割れた皇帝の素顔は意外な顔だった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

夢子ちゃんがレギュラーとして登場する3度目のテレビアニメシリーズをベースにしたオリジナル劇場版。

この時期の鬼太郎は、たえず自宅にある妖怪テレビで外界の様子をうかがっており、妖怪が出現したとなると、鞭や杖に変型するオカリナを武器として戦いに出かける、完全な妖怪ハンターみたいになっている。

作画やアニメテクニックは、初期2作に比べると飛躍的に上達しており、ヒーローものとしては相当面白くなったと言えるが、反面、本来ののほほんとした鬼太郎の魅力はなくなったとも言える。

この作品は、特に、怪獣映画を彷彿とさせるようなスペクタクルが全編にみなぎり、冒頭からラストまで、男の子の血を騒がさずにはおかないスピーディーな痛快娯楽映画になっている。

異色なのは、鬼太郎よりも、ねずみ男が主役的存在として描かれている事。

ねずみ男とカロリーヌという少女の純愛物語になっているのだ。

そのカロリーヌが、劇画調の顔だちで、あまり可愛く見えないのがちょっと気になるし、「オバケは死な〜ない」はずなのに、死んでしまう展開に違和感がないではないが、ねずみ男の意外な活躍に拍手したくなる一編となっている。

都心部でも、やたらと好戦的な首相のイメージが、当時の中曽根さんそっくりなのが、今観るとおかしい。

原作者の水木先生自身が、アニメに中に登場すると言う趣向も楽しい。


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