2005年、西岸良平原作、山崎貴脚本+VFX+監督作品。
東京タワーが出来上がる頃の昭和32、3年頃を舞台に、下町の人々が織り成す人情エピソードを、笑いと涙で綴ったノスタルジックなファンタジー映画。
実際に当時の様子を知っている人間にとっては、あれこれおかしな部分もあるし、良く考えると、一昔前の松竹映画みたいな筋書きで、特段、目新しさはないのだが、最新CGやVFXを駆使して独特の画面作りをしているので、これまでの人情喜劇ものなどとは一味違った感覚の作品になっている。
大人たちの演技は普通と言うか、特段誉めるほどのものでもないように思えるが、六ちゃんこと六子役の新人堀北真希や、一平ちゃん役の小清水一輝、淳之介役の須賀健太ら子役たちが皆可愛く、好感が持てる。
CGIの使い方は、自然に見える所と、ちょっと不自然というか、わざとらしく感じられる部分がはっきり分かれている感じ。
特に、子供達が小説を読んで未来の世界を空想する部分のビジュアルなどは、ちょっと今風過ぎて、当時の子供達が憧れたような、現実とのギャップが大きい鮮烈なイメージは感じられなかった。
ものすごい傑作という感じではないが、安心して観られる良心作ではないだろうか。
